ゴジラ2000 ミレニアム

登録日:2011/06/09(木) 01:08:12
更新日:2023/12/17 Sun 21:56:52
所要時間:約 4 分で読めます






目撃せよ!ゴジラ新世紀

延べ9000万人が観た映画史上最強シリーズ。
沈黙を破り、世紀末日本に新破壊神伝説が始動する。




ゴジラ

2000
ㅤㅤミㅤレㅤニㅤアㅤムㅤㅤ




『ゴジラ2000 ミレニアム』は1999年12月12日に公開されたゴジラシリーズ23作目の作品である。観客動員数200万人。



【概要】

『ゴジラVSデストロイア』で一端終了したゴジラシリーズ。
しかし、アメリカ版ゴジラがファンには賛否両論だったこと、代わりの『平成モスラシリーズ』もゴジラほどの動員を見込めなかったことから、東宝内で新作を作る気運が高まり作られた新シリーズ第1段である。

世界観に連続性があった平成VSシリーズから心機一転、本作では初代『ゴジラ』の事件は発生したものの『逆襲』~『VSデストロイア』のどの事件も起きず、
代わりに『ゴジラ』の後2体目となるゴジラが出現し、半世紀の間に度々襲来している、というオリジナルの世界観で作られた。
このような世界観のリセットは以降の「ミレニアムシリーズ」において恒例となっていく。

本作の特徴となっているのは前述した世界観の表現である。
作中では度々発生するゴジラの襲来に備えて、政府には危機管理情報局という主にゴジラ対策をする部署が作られている。
また民間ではゴジラ予知ネットというグループが出来ており、ゴジラの観測を民間独自に行う等、独自のリアリティを持っている。
特に民間で長期間ゴジラに関わり続けているグループというのは、シリーズでも稀である。こういった要素により、本作の個性を出すことに成功している。


また「新世紀ゴジラ」という事もあって、本作はCG合成が積極的に使われており、特に「海の中を泳ぐゴジラ」や「飛行する巨大UFO」などはフルCGで描写されている。
しかし、まだまだCG技術が発展途上であった時期の作品なだけあって、令和現在のそれと比べるとやはりお粗末なクオリティであることは否めず、本作の批判ポイントとしてよく取り上げられる。
(この点は同年に公開された『ガメラ3 邪神〈イリス〉覚醒』と比較されることがある)






【ストーリー】

根室に現れたゴジラはその後東海村の原発付近に現れ、自衛隊と交戦する。
そのころ日本海溝で引き上げられた謎の巨大な岩塊が浮上、岩が剥がれ落ちUFOが出現する。
そしてUFOの向かう先にはゴジラがいたのだった。



【登場人物】

◆篠田雄二(演:村田雄浩)
民間のゴジラ研究者で「ゴジラ予知ネット(通称:GPN)」の創始者。元は大学の教授だったが片桐との対立がきっかけで辞めている。
ゴジラは生かして研究していくべきだと考えており、ゴジラを生かすことでの被害を最小限に抑えるために、ゴジラの上陸を予想するGPNを創設した。
なお、劇中未登場の妻については一切触れられないが、設定ではどうも死別した模様。

◆片桐光男(演:阿部寛)
内閣官房副長官で「危機管理情報局(通称:CCI)」のトップ。ゴジラ対策の指揮を執る。
ゴジラは殺すべきと考え、篠田とは対立しているが彼の能力は認めている。
作中では厳しい発言が多いが、一般人や自衛隊の無用な被害は抑えるような指示はしっかりと出している。
上田次郎ではない。



◆宮坂四郎(演:佐野史郎)
片桐に協力する科学者。篠田とは大学時代からの知り合いで、ゴジラ研究を通して親交を深めた。
物語的には「主人公(篠田)と対立する組織の幹部」という立場だが、篠田とは関係を決別した訳ではないため事実上板挟み状態。

特撮好きで知られる佐野史郎氏の初ゴジラ出演である。

◆篠田イオ(演:鈴木真由)
篠田の娘。小学生だが、家事をこなし、GPNの運営に関わる等、非常に有能で働き者である。
ヒロイン一号。

◆一ノ瀬由紀(演:西田尚美)
雑誌記者で篠田のゴジラ研究の取材をする。最初は篠田に悪印象を持っていたようだが、事件に関わることで改善していった様子。
ヒロイン二号。



【登場怪獣】

ゴジラ
新設定、新世界に復活した怪獣王。
デザインは背びれを中心に鋭角的になり、より生物的に。コンセプトもあり若干やんちゃっぽい。
サイズは「ゴジラ松井」こと松井秀喜の背番号に因んで55mに変更。平成VSの約半分になった。
本作では非常に珍しく常時赤い熱線である。
東海村に襲来した際にUFOに敗れ、リベンジのために東京に上陸する。
本作ではその再生能力やタフさは細胞内のオルガナイザーG1によるものという設定があり、この物質が重要な役割となる。
『×メガギラス』や機龍二部作等の手塚監督のゴジラ作品ではストーリーに繋がりはないがこのタイプのゴジラのデザインが使用されている。

ミレニアン
UFO内にいた宇宙人。
不透明な不安定な形状で、体の安定のためかオルガナイザーG1を体に取り込むものの、制御出来ず怪獣オルガに変貌する。
その一昔前の火星人のイメージみたいな姿と、ゲームみたいなフルCGは賛否両論である。

オルガ
ミレニアンが変貌した姿。
ゴジラを取り込んで同化しようとし、途中までは成功しフェイズⅡになったが、体内放射を使われて爆散した。
タイトルにゴジラが入る作品で、メインの敵の名前が入らないのは珍しい例である。


【登場兵器】

◆フルメタルミサイル
銀色の杭のような見た目の対ゴジラ専用ミサイル。作中では73式装甲車を改造した車両で運用されていた。
通常のミサイルと違い、爆風や破片ではなく質量エネルギーで突き刺さるタイプのミサイルであり、厚さ数mのコンクリート壁を貫通できるとされる。
作中ではゴジラに若干のダメージを与えたのみでそれほど活躍していないが、見た目と設定からとても印象に残る兵器となっている。
ちなみにこの手の兵器は公開当時、米軍でも似たようなのをLOSATの名称で研究・開発していて、VS時代のスーパーXシリーズなんかと比べたらはるかに「ありえそう」な兵器だったりする*1
「怪物には銀の杭」という西洋の伝承が元ネタではないかとも。
後にゲームなどで登場している。

◆ブラスト・ボム
対ゴジラ用に開発された単一指向性爆弾。外見は四脚で固定された短い砲身の大砲、あるいはドラム缶のように見える。
本体内部で蓄積された爆発のエネルギーを単一方向へ向けて噴射するという代物で、ビームのように発射された爆風が遅れて炎と化す描写が印象的。
その威力故プロテクトも厳重で、外部の起爆装置にカードキーを挿入した上で本体側、起爆装置側双方にパスワードを入力しなければ使用できない。
作中ではゴジラ戦に使用されておらず、西新宿シティタワー屋上に着陸したUFOの底面に5機設置したうえで使用されたが、全く効かなかった。
こちらも対戦車用の砲弾として実用化されている成形炸薬(HEAT)弾をモチーフにしていると思われ、それなりに説得力はある設定である。

追記・修正はゴジラ予知ネットに年会費を払ってからお願いします。

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最終更新:2023年12月17日 21:56

*1 ただ、LOSATは「デカくて重いため搭載できる車両が限られる(例えば4輪駆動車には4発しか搭載できない)」「射撃管制装置や誘導装置が複雑になり過ぎてコストが高騰した」などの理由で開発が中止されてしまった。その後、後継としてCKEM(小型運動エネルギーミサイル)が開発されていたが、こちらもキャンセルされている