オルゴン(灼眼のシャナ)

登録日:2011/10/18(火) 05:32:58
更新日:2024/01/01 Mon 22:46:47
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そんな……そんな、馬鹿、な


CV:斧アツシ

灼眼のシャナ』の登場人物。初登場はV巻。

真名は“千征令(せんせいれい)”。
炎の色は錆びた緑青色
元ネタは西のデーモンを指揮するという悪魔オルゴン。

この世の“歩いて行けない隣”にある世界“紅世”の住人“紅世の徒”の中でも、特に強い力を持った“紅世の王”。
この世に多数ある“徒”の組織の中でも最大級の集団『仮装舞踏会(バル・マスケ)』に所属する最古参の“王”の一人。
かつての『大戦』にも参戦しており、「三柱臣(トリニティ)」の“逆理の裁者(ぎゃくりのさいしゃ)ベルペオルからの信頼も厚い。
ベルペオル直属の部下『巡回士(ヴァンデラー)』として幾多のフレイムヘイズを葬ってきた。
その力は単独でフレイムヘイズの溜まり場『外界宿(アウトロー)』を殲滅できるほど。

顕現した姿は羽帽子、手袋、マントだけで宙を浮いているという他の“紅世の徒”同様に珍妙な格好をしている。
性格は傲岸不遜で自己中で頑固で融通がきかず、好戦的で残虐非道な上にプライドが非常に高い。

巡回士(ヴァンデラー)』の多くのように自身の力に対して自信が強く、敵を囲んでドヤ顔で嬲り殺す瞬間こそ一番輝いているだろう。顔なんてないけどね!

真名の意味のニュアンスとしては「千の軍勢で戦場を征く司令塔」みたいな感じだろうか。


彼を「戦争屋」たらしめる唯一の戦術にして誇りにして強大無比な"自在法(固有魔法と思えばいい)"が『レギオン』である。

彼の"存在の力(魔力と思えばいい)"を削って生み出す薄く鋭い紙の軍勢で、紙に描かれた不気味な騎士が敵目がけて一斉に進撃する。
剣や槍、盾で密集陣形を組んだり、紙を重ね合わせた重騎士で兵力強化を図ったり、騎馬を描いて騎兵にし隊列を組んで突破させる他、
トランプのJのスートを名に冠する「ホグラー」「ラハイア」「ヘクトル」「ランスロット」の『四枚の手札』と呼ばれる、
特に強力な騎士を中心とした陣形を駆使することで戦局に応じた自在な戦術を展開することが可能な"一人軍隊"である。

およそ兵の数に限度があるのか正確な描写は明記されていないが、本人の存在の力に応じて相当な軍勢が指パッチンひとつで出現していた。

ここまで言ってもぶっちゃけ「ただの強い兵隊の群れ」なので、並のフレイムヘイズであれば大した苦にもならず余裕で立ち回れるが、一番厄介なのはその討滅法。

実はこの自在法は「兵の召喚」ではなく「オルゴンの分裂」であるため、一体一体がオルゴンの存在の力を宿した分身、『レギオンの全てがオルゴン自身』であり、
『レギオン=彼』を倒すには、「一度に全てを倒さないと意味がない」ことにある。

顕現時の帽子にマント姿も相手を惹きつける"司令塔"としての目印にすぎず、サブラク同様の単なる"意思総体(個を形成する像)"であり、
"司令塔"がやられても軍勢が無事なら即座に再構築される。

一体を倒すことに何の意味も持たず、それに気付くことが出来ずに疲弊、対処しきれず数に押されやがて力尽きたところを一斉リンチ、というものが彼の戦法である。
先の大戦ではこれで先代『極光の射手』カール・ベルワルドの撃破に一役買っている。

ちなみにヴィルヘルミナはこの自在法を、親友である先代『炎髪灼眼の討ち手』マティルダ・サントメールの自在法『騎士団(ナイツ)』に似ていることが理由で、
"猿真似"と批判して忌み嫌っている。
あっちは正真正銘「兵の召喚」だからまるで本質は異なるけど親友がそう思うんならそうなんだろう、彼女ン中ではな。


◆本編での活躍
本編開始以前は行方不明の“道司”ガープを探していたが、
一方その頃でシャナがフレイムヘイズ『炎髪灼眼の討ち手』として誕生するのを阻止するべく行動していた『捜索猟兵(イェーガー)』の“琉眼”ウィネの協力要請により、
外界宿を潰す任務の帰りに合流、途中で買い物帰りの『万条の仕手』ヴィルヘルミナ・カルメルを襲おうとするが、ダッシュで逃げられたため、
余裕ぶっこいて追いかけていたら通りすがりの史上最悪のミステス“天目一個(てんもくいっこ)”に斬られ痛手を負う。
おい意思総体どうした。しかもそのままシカトされてシャナさん家に向かって行ってしまった。

プライドをズタボロ(笑)にされたことでブチ切れた彼は、“天目一個(てんもくいっこ)”を追いかけてシャナさん家に突入するも変仮面メイドに行く手を阻まれ、
遂に怒りが頂天に達した彼は蹂躙すべく攻撃開始。
傷一つ与えられないままシャナは無事に契約を完了。

新たな『炎髪灼眼の討ち手』の実力を見極めるべく強大な“王”の一人、“虹の翼”メリヒムがシャナの戻って来るまでの間の「肩慣らし」として相手をさせられる。
この間わずか一瞬。

「なぜ、貴様がこんなところにいる―――!?」の断末魔を最期に、メリヒム最強の自在法『虹天剣』の一閃にて『レギオン』ごと蒸発させられた。
もはやギャグである。

強力な『4枚の手札』を筆頭とする多数の軍勢、その軍勢全てを的確に操るに足る能力、軍勢全てを潰さねば討滅できない厄介さ、
オルゴンには自負相応の実力があった……ただ相手にした面子との相性が最悪だっただけ。

何しろ、V巻で相手にした連中というのが、

  • 史上最悪の“ミステス”『天目一個(てんもくいっこ)』(気配を持たない自在法キラー。肉弾での白兵戦のみが対抗手段)
  • 戦技無双の“万条の仕手”ヴィルヘルミナ・カルメル(受け流しと投げの達人+リボンによる同時他方への対処)
  • “虹の翼”メリヒム(『レギオン』の弱点たる超射程+超破壊力+超スピードを全部備えた『虹天剣』)

と、見事に自身へのメタとなる相手ばっかりだったのだ。
奇跡的なまでの運の無さから速攻で退場し、アニメ視聴者からは専らザコ扱いである。まあこんなんじゃ誰だってザコと思うわ。
彼は作中でもヴィルヘルミナに「最も間と運の悪い“王”」と本気で哀れに思われていた。

余談だがゲーム版には名前すら登場しない。ウィネは再登場するのにね。

ウィネ「ねぇ自分より格の低い“徒”より不遇な扱い受けてどんな気持ち?ねぇどんな気持ち?www」
オルゴン「 レ ギ オ ン 」

でも“千征令”という真名の響きが好きなファンがどうやら多いらしい。
“紅世の徒”の真名の命名法則は


という三種類に大別されるのだが、彼は公式で数少ない例外とされているのもあるかもしれない。


余談

シュドナイは彼の死を惜しんでいたが、実際問題、彼が現在まで生存して「現代の大戦」に参加していたらとんでもないことになっていた。
というのは、オルゴンの同僚には彼の能力と最強のシナジーを形成する自在法の使い手がいるのだ。

それが“煬煽”ハボリムの扱う自在法『螢燎原(けいりょうげん)』である。
効果は「範囲内の味方に強化の炎を纏わせ基礎能力値を底上げする」というもの。つまり、オルゴンと同じ線上に立った場合は『レギオン』全軍が一気に強化されることになる。
自軍が多ければ多いほど真価を発揮するブースト能力と、際限なく湧いて出てくる上に結構強い紙の兵士ども。
本当にこの両者が組めば、ただでさえ劣勢なフレイムヘイズ陣営は一気に数を減らしただろう。





シュドナイ「オルゴン!右に追記・修正させろ!」
オルゴン「御意!」パチンッ

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最終更新:2024年01月01日 22:46