長田結花/クレインオルフェノク

登録日:2012/03/04 Sun 21:09:30
更新日:2024/04/18 Thu 12:53:44NEW!
所要時間:約 5 分で読めます






私も夢がほしい。小さくてもいいから……


仮面ライダー555の登場人物

演-加藤美佳(後に我謝レイラニ、現・我謝よしか)
年齢:17歳


概要

元々は桜林女子高等学校に通う普通の女子高生であったが、養父母や義理の妹・道子から虐げられ、高校でも部活仲間などからいじめを受けていた可哀想な子。
挙げ句の果てには妹とその知り合いにカツアゲされてしまう。
しかし啓太郎さんというメル友の存在が心の支えになっており、なんとか頑張っていた。

…が、雪の降る橋を歩いていたところ階段から滑落し、死亡。しかしその後オルフェノクに覚醒して蘇生した。
一方その頃、義理の妹は轢き逃げされ動けなくなっており、オルフェノクの力を得た結花の機転で救出されるも、
大嫌いな結花に助けられた事による妹の理不尽な逆恨みによって妹を襲った犯人に仕立てあげられ、家を追い出されてしまう。


家を追い出された結花は、翌日学校で部活仲間に上履きや靴下を奪われるなどのいじめに遭っても絶望しなかったが、部活のために体育館へ向かうと先程奪われた物が全て無惨にも切り裂かれているのを発見する。
それが引き金となり、我を忘れて初めてオルフェノクに変化し、その場に居た部員全員を殺害する。
余談だが、意図して変化していたのかは不明。
例として17話の森下/アルマジロオルフェノクの初変化も感情に任せてのもの*1であるため、彼女も同様の可能性が高い。
しかし、結花はその後のシーンで動揺した様子もなく平然と立ち去っていたり、かと思えば地下道で泣いていたりと判断が難しい。*2

その後行き場をなくしたが同じくオルフェノクとなった木場勇治や海堂直也と出会い、以後3人でルームシェアしながら行動を共にするようになる。


人物

内向的かつ温厚な性格をしており、思いを寄せる海堂直也には非常に甘い。
木場勇治らと共に人間サイドにつき人間を守る為に戦うが、心の底では人間に憎悪と恐怖を感じており、激昂すると人間を衝動的に殺害したりもしてしまう。


クレインオルフェノク


別に。遊んであげるわよ、たっぷりとね――

身長:203cm
体重:112kg
特色/力:オルフェノクエネルギーを放つ光の翼

鶴をモチーフにしたオルフェノク。
時速480㎞で空を飛び、口腔から超高周波を発生させる。
非常に感度が高い聴力に加え、高いジャンプ力を有する。
殲滅能力が非常に高く、光の翼を広げてオルフェノクエネルギーを放出し、触れた者の心臓を焼き尽くす。これはオルフェノクとの戦いでも有用。
負傷した巧の手当て中に暴走族に襲撃された際にはガソリンエンジンに機能不全を起こす能力も見せた。
劇場版では激情態に変身した。

激情態

身長:208cm
体重:117kg
特色/力:激情飛翔態への変化、毒の弓矢

劇場版で披露した特殊形態。
飛行能力に優れており時速530㎞で滑空することができる。
毒矢が武器だが劇中未使用。

激情飛翔態

身長:不明
体重:不明
特色/力:飛行能力、翼による攻撃

クレインオルフェノク 激情態の更なる形態。
腰の部分から一対の翼を生やし、脚部が鳥の脚のような形状へと変貌。
空中戦を得意とし時速530kmものスピードで空中を滑空できる。また、翼そのものを武器のように振るって攻撃することも可能。


本編

木場と行動を共にしていた過程で知り合った海堂直也に惹かれていていたが結局最後まで想いは実らなかった。

人知れず人間を殺害していた為*3*4、ラッキークローバーの影山冴子に勧誘されたが、これを拒否している。
なお、ナンパ・金銭強奪してきた男達を殺害した10話のシーンではわざと誘いに乗って人気の無い場所まで誘導した後に冒頭の台詞を口にし、笑顔まで浮かべて自分の意志で変化し殺害している。
変化を解き人間態に戻った後も、遺骸である灰が舞っている様を眺めてもう一度笑顔を浮かべているため、彼女もオルフェノクの力を楽しんでいた可能性は充分にある。
15話で暴走族を殺害するシーンでは何度も静止を呼びかけたり、耐え兼ねて変化した後も怪人態で涙を流すなど、人間への恐怖や殺人を回避しようという意志を感じさせるような描写もあり、殺人に対する意識が不安定だったという考え方もある*5*6
因みに14話でマンション組三人で唯一ブラックリストに載っていないと通達された際に「え?」と驚いている。
自分達の素性の把握やマンションの提供、それまでの物語展開からしてスマートブレインが自身の殺害人数を知っていると判断しても別に不思議ではないはずだが…そんなことを言えば「何故木場と海堂が居る前で暴露しなかったのか?」等の疑問にもツッコミを入れざるを得ないが。


最後のメール

物語終盤、自らを捕らえようとする警視庁の対オルフェノク機関の攻撃に激昂し、警察官を大量に殺害してしまう。

その事を悔いた結花は自首するも、実験材料に使われ、オルフェノクとしての力が弱まってしまい、救出されたあとは木場の計らいで西洋洗濯舗 菊池に匿われた。
そこで自分を支えてきたメル友が菊池啓太郎である事を知り、自分がオルフェノクである事を受け入れてくれた啓太郎に対して好意を抱き、相思相愛となって幸せに生活を送っていたが、再び対オルフェノク機関の襲撃を受け負傷してしまう。

その後オルフェノクとしての力を完全に失ったところで影山冴子に邂逅し、ラッキークローバーへの誘いを断った事や以前啓太郎を守る為に彼女と戦って撃退したことがあり怒りを買っており、致命傷を負わされる。



実はこの時は啓太郎との初デートの約束をしていた。

しかし、死を悟った結花はデートに行けなくなったこと、そして啓太郎の幸せを祈ることをメールに書き記し、静かに消滅していった。


どうか、啓太郎さんの夢が叶いますように。

世界中の洗濯物を真っ白にして…

そして、

世界中のみんなが…

幸せに…

なりますように……

実際殺害したのは冴子だが、原因を作ったのは人間であったため、結花の死によって木場はオルフェノク側につくことになる。
詳しくは木場勇治の項目を参照。


劇場版

木場や海堂と共にスマートブレインに追われる身となっていて、エラスモリウムオルフェノクによって殺害されてしまった。
この世界では海堂に想いが通じていた。


小説版 異形の花々

多分草加と並んでこの作品の暗黒面を一手に引き受けている存在。
母親が自分を産んだとき、生まれたばかりの自分の姿を見て嫌悪感の余り絶叫する。
そのせいで心を閉ざし、言葉を話せなくなってしまった。
親戚の元に預けられるも、人間以下の扱いを受け、義務教育すら受けさせてはもらえなかった。
体罰として赤熱状態のガラスを素肌に押し付けられたり、地下室に監禁され光さえ届かない暗闇の中で地面を這うアリを食べて飢えを凌いだことさえある。

しかし、そんな彼女にもささやかながらも楽しみが一つあった。
ガラス職人である義父の手伝いを命じられて作業をする内に、毎度余ったガラスの粉をかき集めて試しに作品を作った結花。
才能があったのか、彼女の作品を見た客が気に入り、着々と買い手がつき幾分か自由に作品制作を行う事を許されたのである。
そのたった一つの自由を手に、母の愛に幼少から飢えていた結花は顔も名も知らぬ「理想の母親」を求め、長い年月をかけてガラス像として完成させる。
どんな虐待を受けても、決してその母親像は渡そうとせず、眠る時も抱いて眠るほど、結花にとっては大事なものとなった。

生計の足しになったことへの褒美か、既に十七歳となっていた彼女に、義父から「学校に通っても良い」と義妹のお古の制服が贈られる。
翌日、喜びに胸を躍らせて登校した結花を待っていたのは、義妹からの「受験も合格もしていないものは学校に通えない」という当たり前の宣告と、それに伴う嘲笑だった。
過酷な環境と歓喜と幸福感を踏み躙られた中で絶望しきった彼女の最期は、大事なガラス像を自ら床に叩き付けて割った後、自室の梁に自身の髪をかけ、その髪を縄代わりに首を吊っての自殺だった。
その後本編と同じくオルフェノクとして覚醒し、義妹やその取り巻きを惨殺。
何もかもを奪われ、失わされ、自殺するための道具すらも使う事を許されなかった彼女の心境は筆舌に尽くし難い。

啓太郎と知り合ってからは恋人関係となるも、何でも言うことを聞く啓太郎をおもちゃのように扱っていた。
高いドレスを買わせたりレストランのメニューを片っ端から頼んだり、やりたい放題である。

しかし、啓太郎の純粋な想いが通じ、本当に恋人同士となる。
そして妊娠する。啓太郎爆発しろ。


…と、ここで終わればいい話。現実(つーか井上)は非情である(小説だけど)



オルフェノクと人間の子供を宿した貴重なサンプルとして、草加雅人率いる仮面ライダーカイザ部隊に襲われたのだ。
結花はオルフェノクとなり戦うも、多勢に無勢であり、翼や腕を切り落とされ、最終的には絶命してしまう。
そして、オルフェノクの宿命通り、その遺体は灰となって風に消えていった……

だが、その灰の中に赤ん坊がいたのだ。
その子供は海堂に拾われ、育てられている。
やはり、啓太郎にはなついているようだ。

襲われた時点で結花が臨月だったのか、それとも育つのが異常に早かったのかは分からないが、野暮なツッコミはよしておこう。あえて言うなら井上ワープ。

のちに文庫版に加筆収録された後日談『五年後』では生まれながらのオルフェノクであるゆえか、成長が異常に早い事が確定し、5年で15,6歳程の体格にまで成長している。詳細はこちらを参照。 


余談

体育館で虐められるシーンでは複数人からバスケットボールを投げつけられているが投げているいじめっ子役の役者さん達は加藤女史に痛い思いをさせないようにできるだけ体の硬いところを狙って投げていたそうな。

今作の怪人、オルフェノクが会話を行う際には人間態の姿が何故か全裸で影に青白く映り込む。
当然それは女性であっても例外は無く、今作品において本放送中に登場した女性オルフェノクは二体とも披露している。
14話の際に行われたクレインオルフェノクの会話シーンの撮影にはスタッフが多く集まり、演じた加藤も「ええ、脱ぎますよワタシ」(原文ママ)と乗り気だった。
むさい撮影スタッフの男共を虜にする魅力はやっぱりその艶めかしい裸体だという証明だろう。本人の潜在的な戦う姿のイメージという設定の怪人態もエロいし結花には実はそんな一面があったりするのだろうか…。
因みにクレインオルフェノクが怪人態で喋ったシーンは14話の一度きり(裸を晒したシーンならもう一つあるが)。裸も(当然だが)オンエアでは多くモザイクがかけられていた。
ロブスターオルフェノクは最終回の一回こっきり、女怪人も少ない中よくやってくれたものである。ありがとうスタッフ、そして演者さんたち。









アニヲタさん、これが最後のメールになります。
私のお願い、聞いてください。
追記・修正してくれませんか?


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最終更新:2024年04月18日 12:53

*1 初変化して殺害後に化け物になったことを自覚して恐怖するシーンがある

*2 ちなみにその後、道子や養父母も殺害されたかどうかはテレビシリーズでは不明のままだが、関連書籍には道子も部員と共に殺害されたと記述されたものが存在する。また後述の小説では道子も明確に殺害される場面がある

*3 相手はナンパにかこつけて金品を要求してきた男達や、難癖つけて絡んできた暴走族等の悪人達ばかりだが

*4 生前に「周囲を包囲されて足腰立たなくなるまでバスケットボールを叩き付けられるいじめを受けていた」ので集団で弱者を甚振る人物に強い憎悪が有ったのは想像に難くない

*5 この暴走族の殺害シーンは「背後に怪我人を庇っている状況でバイクに乗った4人から袋叩きにされる」「交渉も制止も無視される」「いきなり殺さず、バイクの機能を停止させたにも拘らず、逆上して更に攻撃を加えられる」と状況的に正当防衛だったが

*6 この時の状況から考えて、単に見知った人間に正体を晒す可能性は避けたいというのもあったのかもしれない。彼はその時気絶していたが