あきそら

登録日:2010/08/02(月) 00:11:41
更新日:2024/02/10 Sat 13:19:05
所要時間:約 5 分で読めます




『あきそら』とは“秋田書店の萌えの核実験場”こと『チャンピオンREDいちご』に連載されていた作品である。
同誌の付録として、新井輝にノベライズされたこともある。単行本は全6巻。
後述の影響から、恐らく糸杉の作家人生においてのターニングポイントとも言える作品であり、もっとも有名になってしまった作品である。

作者はおねショタ系のエロマンガ出身の糸杉柾宏。
ちなみに糸杉は、以前チャンピオンREDいちごにて『キミキス〜スウィートリップス〜』を連載していた。
こちらのほうの内容は割と普通。



概要


この作品の特徴は、一言でいえば

エロス

に尽きる。
同じ家で暮らす姉弟のアキとソラによる近親相姦を中心に、ありとあらゆる成年向け漫画並の
過激なセックスが描かれているのが最大の特徴である。

それなのに分類上は成人向け漫画ではなく、18禁表示等もされていない。

この作品は黒田和也によってアニメ化(OVA)され、普通のアダルトアニメと遜色ないほどエロいのに、
やはり非18禁であったことは当時大きな話題となった(巧みなカメラワークによって局部を直接的に映さない等の工夫がなされている)。
おかげで今本作のタイトルで動画検索するとエロサイトばかりが引っ掛かるほどである。

最終回も近づいてきた頃、本作は東京都青少年育成条例に基づいて有害図書に指定され、増版がされない事になった。
糸杉はツイッターでこの騒動の顛末を「死刑宣告」とコメントし、落胆を露わにしている。
ちなみに朝日新聞2012年4月30日の取材(表現規制問題に関する記事)では、「条例施行寸前に最終巻を出すことで間一髪難を逃れた」とある。
そのせいか終盤の展開は絵柄や演出が大きく変わり、息が詰まるような展開になっている。
(次回作以降の『うわこい』『XH』などでもこのような生々しい絵柄や演出は数多く取り入れられている)

が、勘違いされがちだが、こうなってしまった直接の理由はあくまで「近親相姦」であって、別に「エロいから」ではない。
現に作者はその後もこの作品と変わらないほどエロい漫画をすでに数作描いており、そのうち一作は実写映画化すらされた。
後にチャンピオンREDで『XH』を連載するも全く売れず(糸杉自身がそう言ってるんだから事実なんだろう)打ち切りを喰らい、
月刊少年チャンピオンでまたおねショタ漫画『いいなり』を連載(2019年完結)。そんなに四文字タイトルが好きか
帯にはデカデカと「『あきそら』『うわこい』の糸杉柾宏最新作!!」と書いてあるので、秋田書店からは(後述のアニメ版もあるし)別に抹消したい黒歴史とかではないのだろう。

ちなみにOVA「夢の中」は今も普通に流通している。…ええんかそれ?
しかも『聖痕のクェイサー』ですら掛けられた視聴推奨年齢が一切無い。
ただし原作序盤しか再現されていないため、6巻末尾の大どんでん返しについては触れられていない。
また、「夢の中」は単行本3巻の初版限定盤に付属するアニメDVDの正式な続編(声優は変更されたが)であり、
既に主人公・ソラと実姉のアキが付き合っている設定で始まるため、いきなり「夢の中」から見始めると原作未読者は困惑することになる。

2018年にはマンガ図書館Zにより電子書籍化が行われ(勿論海賊版ではない)、事実上の封印解除が行われた。
現在はマンガ図書館Zに掲載され(一般向けで)、無料で全巻読める他、完全版として各種電子書籍サイトでも配信されている。

あらすじ


気が弱く臆病で他人の言うことに逆らえない性格の少年・ソラは、
生まれた時からずっと一緒だった実姉のアキを次第に異性として意識するようになっていた。
そんなある日、ソラはアキから持ちかけられた数年ぶりの混浴をきっかけに、為すがまま肉体関係を持ってしまう。

主な登場人物


  • 葵ソラ
CV:早乙女綾(いちごVOL.12付録ドラマCD)/木下紗華(単行本3巻付録OVA)/白井雲(一般発売OVA・いちごVOL.21付録ドラマCD)
主人公。高校1年生。金髪。同じ学校に通う姉と双子の妹ナミ、そして「母親」と暮らしている。
漢字表記は葵蒼空。
他人の言うことに逆らえない気弱で臆病な性格で、見た目も性格も女の子っぽく、実際女装がよく似合う男の娘
機転が利き、友達想いの「いい人」ではあるのだが、押しに弱すぎる所がある。
容姿や性格から異性には割かしモテる方で、欠席した時にはモブ女子生徒が残念がる描写もある。
幼少期から仲の良かったアキに対し、成長するに連れて姉という感情以上の想いを持ち始めていたら、アキから混浴を誘われてガチ勃起、悪戯でシコられたら逆噴射。
そのショックで落ち込んでいたらベッドへ忍び込んできたアキに自身の変態性欲感情を吐露したら両想いであることが発覚。
とうとうセックスをしてしまう。
それ以降、彼女とは事あるごとにセックスをする関係となり、成績は急降下した(成績を上げるためにアキからエッチしないという命令が出たほど)。
その後、様々なヒロインと出会って交流を重ねていくも、片っ端から肉体関係を迫られ、ひどい場合には数分でセックスをしてしまう。
乱交にすら巻き込まれたこともあるほどで、体力は並み以下だが精力は戦国武将並み。
ちなみに料理はうまいが、(先述のセックス禁止令の前の時点でも)勉強は出来ない方。


  • 葵アキ
CV:内野ぽち(いちごVOL.12付録ドラマCD)/河原木志穂(単行本3巻付録OVA)/夏野こおり(一般発売OVA・いちごVOL.21付録ドラマCD)
ソラのの姉。顔は似てないし髪も黒褐色。高校2年生。漢字表記は葵亜希。
成績優秀にして容姿端麗(ソラより頭一つ高い身長)、スポーツ万能とパーフェクトだが、料理は殺人的に下手な上、
家ではベビードールでうろつき回り、自室も散らかり放題と家の中では極めてだらし無い。
幼少期から仲の良かったソラに対して弟以上の感情を持ち続けていた所、混浴に誘ったのをきっかけに、
夜這いして肉体関係を持ってしまう。それ以降ありとあらゆる場所でセックスを求める。
流石に肉体関係は隠していたが、周囲からはそのブラコンぶりは常識の如く扱われていた。
朝にソラの部屋から出てきた時ですら「まあ、あの子寂しがり屋だしね」くらいで済まされていた。
実は実の母が死んでいるのを知っているがソラとナミには隠している。

OVA監督の高橋丈夫は『アニメージュ』での特集記事で、「ずっと(ソラと)一緒にいてくれた母親であり恋人である姉」と評している。
「私は、お母さんにはなれないんだからね」
母(叔母)に向け、アキはこう語ったことがある。
彼女がその本当の意味を悟るのは、まだずっと後の話だった。*1


  • 葵ナミ
CV:川崎ハレ(いちごVOL.12付録ドラマCD)/植田佳奈(単行本3巻付録OVA)/白雪碧(一般発売OVA・いちごVOL.21付録ドラマCD)
ソラの双子の妹。漢字表記は不明。
ソラとは鏡に映したかの如く瓜二つの容姿をしているが、彼とは逆に気が強く、やや粗暴。
幼い頃は癇癪持ちで、生まれの性別で女の子らしくあることを強いられることに苛立っていた。
(別に性同一性障害ではなく、センスは完全に少女のそれでしゃべり方に至ってはアキより余程女性的)
見間違われないように髪型をツインテールにしている。
姉兄の気色悪いほどの仲良しぶり(by河原木志穂)をバカにしているが、実は寂しがり屋で少しマザコン気味。
ソラを男の娘にしている張本人。
可奈に対して恋愛感情を抱いている。つまりレズ。
しかし、顔は似ているのに自分にはソラのようにチ○コが付いていないことに悩み、ソラを羨ましく思うあまり、
一度彼のチ○コをハサミで切断しようとした。しかし、思い止まった代わりに強姦し以降セックスをする仲になる。
余談だが、普通の男女の双子は二卵性の為、ここまで似ることは無い。
しかしごくまれに「一卵性の男女の双子」が出生することがあり、「女性の方は際立って身長が低い」という形質が出ることが多いらしい
まあ、ソラも小柄なんで半一卵性や二卵性なのかもしれないが。


  • 澄弥可奈
CV:非公表(いちごVOL.12付録ドラマCD)/岡嶋妙(単行本3巻付録OVA)/五行なずな(一般発売OVA・いちごVOL.21付録ドラマCD)
ソラの級友でナミの親友の眼鏡っ娘。巨乳。本人曰くアキより更にでかい。
実家は豪邸(父親はプロカメラマン)で性格もおとなしく丁寧語。
ソラのことが好きだが、引っ込み思案なせいで告白出来ずにいた。
しかし、とある出来事がきっかけでパイズリ&精飲という大胆すぎるデビュー戦を果たす。そして作中のパイズリ担当となった。
その時は最後まで行かなかったが、後日にソラとセックスをして遂に処女を失う。
しかし、その光景はナミに盗撮されており、彼女と三角関係に発展。
どっちがソラを気持ち良く出来るか全く抜けない超鬱な3P勝負を繰り返したが、ソラの発言で自身もナミが好きな事に気付き和解した。
二人は最終回でもまだ付き合っている。


  • 咲月ルナ
CV:遠野そよぎ(いちごVOL.12付録ドラマCD)/榊るな(一般発売OVA・いちごVOL.21付録ドラマCD)
本作一の変態くそビッチ。ピンクのポニーテール姿の美少女。ラクロス部所属。普乳。
ソラ達の学校の生徒(1年生)で同じマンションに住んでいる。
子供の頃プールで服を隠されて(本人曰くイジメではなく可愛い子に悪戯しちゃうガキ特有のアレだったらしい)水着姿のまま帰宅した事が
快感だった事をきっかけに露出狂となった。
話が進むにつれてインモラリストとしての一面が強調され、しまいには団地で自らの服を脱いで池に投げ捨てていた。
エレベーター内で露出を楽しんでいた所をナミによって女装していたソラに見られてしまい、お互いに変態と誤解し親近感が湧き、
女装デートさせた後、オナニーを見せたりする変態友達となる。
後にソラを乱交パーティーに(騙して)誘い、ソラの前で見せつける形で処女を喪失。
その後も露出狂な性格が災いして裸婦画のモデルになったり、ボディペイントでプールデートしたりしている。
意外にも、ソラとセックスしたのは最終巻。しかもアキの代わりという…
ルナの抱いていた「モラルに反していさえすればよい」という極論を知る内に、ソラは自分の持つアキへの憧憬に疑問を浮かべていくことになる。
結果的に、ソラがアキの元を訪れる切っ掛けを作り出した。
なお本人はソラに好意を抱いていたが、実ることはなかった。


  • 姫川ありす
CV:睦月露子(一般発売OVA・いちごVOL.21付録ドラマCD)
ソラ達が通ってる学校の生徒会長。巨乳で背も高く、かなり釣り目で眼鏡というニッチな容貌。
成績はアキに次ぐ2位で、アキをライバル視している。
みはるとは恋人だが、みはるがインポなので代わりにソラとセックスさせられている。処女もソラに喪失させられた。
ロンダルキアの洞窟。


  • 美原みはる
CV:夢咲朱花(一般発売OVA・いちごVOL.21付録ドラマCD)
ソラと同じマンションに住んでいる少年で男の娘その2。ソラと仲はいい模様。常にタラちゃん語で話す。
ありすの恋人だがインポなため、自分の代わりにソラをありすとセックスさせ、それを見て満足する視姦男。表現技法が異常に優れている。


  • 朝菜ユウナ
CV:一宮桜(一般発売OVA・いちごVOL.21付録ドラマCD)
美術部の部長。猛烈に初心で男嫌いであり、男性にアレがあることすら恐怖するほどのヘタレ。
ルナを淫婦だと知らずにヌードモデルを依頼し、調子に乗った彼女が好き好んで男子部員たちを誘惑したことに
腹を立て(初心なのでルナではなくコーフンした部員にキレた)打ち切った。
その後ルナによってソラとセックスさせられ、次第に男性恐怖症が抜けていった。抜けすぎた。



以下、葵一族の親達3人の名前は不明。

  • 葵家の母親(実母)
実は10年前に交通事故で死んでいるが、後述の通り死後に双子の妹がすり替わっている。
肘に火傷をしている。
外見はナミを老けさせたような感じの美人で、髪を伸ばしていた。

  • 葵家の母親(養母)
CV:非公表(いちごVOL.12付録ドラマCD)/青山華(一般発売OVA・いちごVOL.21付録ドラマCD)
都内のマンションでアキたちと暮らしている。
実母の双子の妹で、姉と容姿がそっくりで区別がつかないが、性格はやや裁けている。
早い話が姉の方がソラに似ていて彼女はナミに似ている。
姉の訃報を聞いて駆けつけてきたところ幼かったソラとナミが実母と間違えていたため、
アキの願いで3姉弟を実母とすり替わる形で引き取り遠くへ引っ越した。
姉とは違い1人で仕事に生きて来た人間で、養母となってからも仕事(事務員?)が忙しく家のことは子供達に任せがちだがナミには慕われている。
養子(甥・姪)達と暮らすうち親としての情が湧いて来ており内心では真実がバレるのを恐れている面もある。
ソラが肘の火傷について朧気に思い出し始めたことを知ると、自ら熱したヤカンに肘を押し付け火傷を作った。
その後、ソラは一切母親について疑わなくなったが、誤解したのか、真実に気づいたのかは不明。
実家は広島県呉市周辺(2巻参照)。安芸とアキをかけたシャレ?

  • 葵家の父親
終盤に登場。人相も口も悪く、全体的に雰囲気は怪しげ。ただし語彙が豊富なインテリ風の物腰でもある。
髪の色はアキと同じ黒褐色。常に煙草を咥えており、喫煙者のいなかった葵家では使ってない食器皿を灰皿にしていた。
長らく別居していたが突如現れ、成績優秀なアキをコネでいい学校(多分京都)に通わせるためソラから引き離そうとする。
一度は諦めるが、アキとソラの合体現場を見て、とうとう実力行使で強引にふたりを引き離す。
「僕はアキ姉ちゃんが好きなんだ!! そのことの何がおかしいんだよ!!」
変だろ全部
当たり前である。
しかし、それには言葉通りの意味を超えた訳が…。


以下ネタバレ








葵家の実母・養母・父親は実の三姉弟
上の双子の姉妹の下に弟(父親)がおり、長女と末子の弟が関係をもって3児をもうけた。
つまりアキとソラとナミは全員近親相姦で生まれた子
イヤ止めろよアキが生まれたら
そのため周囲に後ろ指をさされ続け、いたたまれなくなった父親は、姉と我が子を傷つけないために長姉の元を離れた。だったらその次の年も避妊しろよ
何でも自分ひとりで背負い込みがちな性格の持ち主であった父親は、ソラやアキと出会った時点で、既に病によって余命幾ばくも無い状態であった。
父親は、心身ともにボロボロだったせいであんなに人相が悪かったのである。
彼がソラとアキを切り離したのも、二の舞を踏ませないため、親として当然の行動だったといえる。
(ソラとナミも関係を持っているわけだが、ナミが可奈と相思相愛の仲になったため、終わったものだと見なされたらしい)
裏を返せば、
「自らの愛に嘘をつかない」所はアキに、
「雰囲気に流されやすい」所はソラに、
「一度始めたことから抜け出せない」所はナミに遺伝した、いや、遺伝してしまったとも言える。

父親はアキを転校させて間も無く、すでに末期となっていた病の進行により入院する。
そこで次姉である「養母」の見舞いを受け、「一人で勝手に決めて突っ走る」性格に小言を言われ「お互い様」と返すものの
「家族ごっこがしたかったのは俺の方か」と、内心で子供達や長姉と築く幸福な家族の夢を捨てられていなかったことを吐露する。
結局、ソラから引き剥がされたアキは真実をいち早く知り、そこで父親の最期を看取る事になる。
近親相姦故に親族からも断絶されていたためか、父親の葬儀は子ども達3人と、その「養母」しかいなかった。
養母は真ん中に立って姉と弟の尻拭いをしたような格好になっていたわけだが、
許されないとはいえ愛する人の子供を産み育てたことに幸福を抱いていた姉や、苦悩し続けていた弟の心情も理解しており2人を恨む気持ちはないようである。


数ヶ月後、母の死の真相等を知ったソラは墓参りをする。
そこにはアキの姿もあった…




ちなみに、単行本の巻末には毎度カオスな内容のおまけ漫画が掲載されているが、最終巻ではこれまでと趣向が変わり、作者の実体験を基にしたシリアスな内容のおまけ漫画が掲載された。
詳細は伏せるが、あまりの重さ&切なさに「全部持っていかれてコレだけしか覚えてない」という読者さえいたほどだという。


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最終更新:2024年02月10日 13:19

*1 額面通り受け取れば「私はソラの母(実母)の代わりになることはできない」だが、アキが愛している男は実弟のソラであること、そして最終話で明かされた「真実」を知れば、自ずからもう一つの意味も分かると思われる。