アスミタ(聖闘士星矢 THE LOST CANVAS 冥王神話)

登録日:2012/03/21(水) 09:45:54
更新日:2024/03/29 Fri 03:42:24
所要時間:約 6 分で読めます




アスミタとは漫画「聖闘士星矢 THE LOST CANVAS 冥王神話」の登場人物である。

声:石田彰

■プロフィール
年齢:21歳
誕生日:9月4日
血液型:A型
身長:180cm
体重:65kg

■人物
本編より約240年前の聖戦における乙女座(バルゴ)の黄金聖闘士。

本編における乙女座の黄金聖闘士であるシャカと似た容姿をしており、目を閉じている点も同じである。
しかし、シャカが自ら目を閉じているのに対し、アスミタの目は生来閉ざされている。
達観した性格をしており、自らを求道者であると語る。

敵に対しての肉弾攻撃を行わず、技をかけて攻撃する場面しかないため身体能力は不明である。
しかし、複数の冥闘士を歯牙にもかけずに一蹴するほどの高い戦闘力を有する。
■技

  • カーン
不動明王の真言を唱えることで防壁を生み出す技。だいたいの物理攻撃を防ぐことが出来る。汎用性が高い

  • オーム
小宇宙を高める掛け声。高まった小宇宙で周りの敵を気圧すことが可能。これもまた汎用性が高い

  • 天魔降伏
冥闘士等の邪心を持った者に物理攻撃を与える技。範囲攻撃が可能。

  • 天舞宝輪
相手の視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚といった五感を奪う技。五感を奪った後に天空覇邪魑魅魍魎を使うのがテンプレ。

  • 天空覇邪魑魅魍魎
魑魅魍魎を召喚して相手に攻撃させる技。天舞宝輪を使った後に使われることが多い。

  • 六道輪廻
敵に六道(天道・人間道・修羅道・畜生道・餓鬼道・地獄道)の苦しみを与える精神攻撃。無料臨死体験ツアー
■作中での活躍

・冥界での遭遇

冥闘士の不死を封じるため、冥界における唯一の生命である木欒子を目指す天馬らの前に血の大瀑布の中から現れる。
天馬を見るなり矮小と評し、天馬に聖戦の行方を託すアテナに失望したと言い放ち、理は冥王にあるやもしれぬと言う。
邪魔をするつもりなら蹴散らすと意気込んだ天馬の攻撃を一喝しただけで掻き消し天魔降伏を放つ。

・天馬との問答

天馬に対して戦う意味を問い、天馬を試すような言動を重ねつつ天馬星座の聖闘士と冥王の因縁を語る。
「地上の愛と正義のため」という誰にでも持てる薄っぺらな戦いへの理を否定し、六道輪廻をかける。
六道を巡り、冥王との因縁を知り、友との約束を思い出した天馬は、「大切なもののために戦う」という答えを出す。

・天舞宝輪

天馬の心の強さに興味が沸いたというアスミタは結跏趺坐を解く。
そして自身の最大の奥義である天舞宝輪を放ち、天馬の五感を奪っていく。
精神・思考の第六感を残して消滅寸前の天馬。友のため約束のために戦うという理もここまでと言い、それはこういうことだとサーシャを自らの手で貫くアスミタ。
この行為に激昂し、一撃を加えられたと思ったが、天馬が一撃を加えたのは木欒子だった。
一瞬とはいえセブンセンシズに目覚めた天馬を認め、天馬の小宇宙に呼応して実を結んだ木欒子の実を108つ持って行くように指示し、次は地上で会おうと言い残して姿を消した。

・アテナとの謁見

アテナ神殿にて結界を張るサーシャに、今までの非礼を詫びにきたアスミタ。
それに対して、生来目の見えないアスミタが人より多くのことを感じ、戸惑っているのを理解していたサーシャ。
天馬をどう思うかと聞かれ、「熱く感情的で愚か…だが人間らしい男だと思いました」と答えるアスミタ。
それを聞いて微笑んだアテナに、お願いがあるという。

・天秤宮にて

場面が変わり天秤宮を通るアスミタ。
待機していた童虎にどこへ行っていたのかと尋ねられ、アテナにお目通りしてきただけと答え、「君の弟分、出来は悪いがなかなかの男だ。」と言う。
なぜ天馬を知っているのか、どこへ行くのか、何者なのかと聞かれ、「私は乙女座のアスミタ。それ以上でも以下でもない。」「聖闘士が向かう場所は、常に死地に決まっているであろう。」と答える。

・小宇宙の真髄

木欒子の実を取り返しにジャミールへ攻め込もうとした冥闘士らの前に突如現れ、彼等を一蹴する。
その様子を遠くから感じて悪態をついた天馬の前に現れ、ジャミールの長のもとへ連れて行くよう命じる。
木欒子の実は、不死である冥闘士の魂を封じる武具になるという。しかし、その域まで小宇宙を高められるのは盲目の聖闘士、アスミタだけであるという。
天馬らに小宇宙の真髄を説くアスミタ。その時、先程倒した冥闘士が蘇り再び襲い掛かってきた。

・良き風の日

天馬の聖衣を修復するためにどうせもう要らぬ血であると自らの血を差し出すアスミタ。
数珠を作ろうと館の上層へ向かおうとするアスミタに、老いぼれである自分が背負わせる役目ではないと詫びる長。
しかしアスミタは、実に爽快な気分であるという。
館の上層で座禅を組み小宇宙を高めるアスミタ。その最中にアスミタは昔のことを思い出していた。

・アスミタとサーシャ

最初は、天馬やアローンと引き離され悲しんでいるサーシャに対して不信を抱いていた。あのような小娘に地上を真理に導けるはずがないと。
処女宮で瞑想をしていたアスミタの前を通るサーシャとの会話で、自らの目が閉ざされていること、おかげで見えずともよいこの世の苦しみまで見えるというアスミタ。
それに対して、だからあなたはそんなに苦しそうなのかと聞かれて動揺する。
あなたこそ神であるのに、何かに心を痛めていると指摘するが、これは私が約束を忘れていない証拠であると。だから心が痛いままでいいというサーシャ

・アテナを頼んだぞ

何かを悟るアスミタ。
異常なまでの小宇宙の高まりを感じて妨害しようとする冥闘士に天空破邪魑魅魍魎を放ち、天舞宝輪で止めをさすアスミタ。
アスミタのもとにたどり着いた天馬が見たのは、数珠を完成させて目を開いているアスミタだった。
天馬の顔を想像よりずっと幼いといい、冥界で会った時も今も、その顔が幼い日のアテナと重なるという。
アテナを頼んだぞと言い、乙女座の黄金聖衣と数珠を残して消滅する。


・死後

天馬がカノン島に修行に行った際にペガサスの聖衣より魂の姿で双子座のデフテロスの前に姿を見せ、カノン島に収まっていないで死んだ己の代わりに闘って欲しいと伝えた。
どうも彼の魂は冥界には行かず、八感を悟るべくこの世とは異なる領域にあるらしい。
お前はジェダイか。
その後、回想シーンでアスプロスの教皇殺害未遂の時に、幻朧魔皇拳を受けたデフテロスを精神世界で説法したことが語られた。

最後のハーデス戦でも他の黄金聖闘士と共に魂の姿でシオンと童虎に助成、「理の為に」その力を発揮した。




・第8章 乙女座(バルゴ)
溢れる亡者、跳梁跋扈すく冥闘士
眼前に広がる終末の光景に、男の慟哭は谺し、そして懐かしき同門のもとへと届いた!!
聖戦に備え、冥界へと降り立った黄金聖闘士、乙女座のアスミタは彼に救いの道を示せるか!?
地上で最も神に近い男と
冥界で最も神に近い男が激突ッ!!

やはりというか舞台は冥界で敵は冥闘士。もはや本編含め出番の半分以上は冥界にいる。

冥界に自我を持って堕ちてきた青年・アヒンサー。救いを求めた彼の前にスケルトンを蹴散らして現れ、11年振りの再会だと告げる。
11年前のインドの苦行林にて2人は出会った。
「仏荒し」と呼ばれ、死体や仏像から金箔や衣服を剥ぎ取って暮らしていたアヒンサーはある日修行僧達に捕らえられ、苦行林に課せられる。
茨の苦行場でアヒンサーは病の苦行で死んだ僧を見て、幼き日のアスミタに自身の生への執着を打ち明ける。
アスミタはその言葉からアヒンサーが母親を生かす為に死体剥ぎをしていた事を読み取る。アスミタは「自分自身に痛みはなく、そんな自分は誰も救えない」と言い、苦行の先にその悟りを見出そうとしている事を伝え、アヒンサーの母を弔うために読経を唱えた。
冥界で再会した2人の基に冥闘士・地鎮星の影法師が現れる。影法師は傷ついたアヒンサーの体を直し、アタバクに選ばれ、永遠の命を得る資格を持った同志であると告げる。
アタバクとは冥王軍108の魔星の中で唯一パンドラの支配下にない特別な魔星で、冥界で最も神に近いとされる冥闘士であり、アスミタの探していた人物であった。
冥界でも極秘人物であるアタバクを知るアスミタを野放しには出来ないと攻撃を仕掛ける影法師だが、アスミタに圧倒的な実力の差を見せつけられ、塵となってアタバクの元へ戻っていった。

影法師の塵が舞った先にそびえる館にはアタバク、そして天暴星ベヌウの輝火が居た。冥闘士と化した輝火はその力を持ってアスミタへと襲い掛かる。
亡者を焼き尽くす黒炎の中で激突するアスミタと輝火。輝火の黒炎を倍返しで返すアスミタ、自身を顧みず攻撃を仕掛ける輝火にアヒンサーは勝ちに執着がないのかと疑問を抱く。
そこに塵となったはずの影法師が現れる。影法師の「現世と冥界を行き来し、命を湯水のように使える」という発言に激怒するアヒンサーに、影法師はアヒンサーが永遠の命を得て母に分け与えればよいという提案をする。
影法師が見せた影には亡者の末路にはアヒンサーの母が苦しむ姿が映っていた。影法師に扮したアタバクは苦しむ母を餌にアヒンサーを己が仲間に引き込もうとする。
アスミタは輝火と戦いながらも「天空破邪魑魅魍魎」でアタバクの幻影空間を破るが、既にアヒンサーはアタバクから永遠の命を受け入れてしまっていた。

しかし、アタバクの真の狙いはエイトセンシズを持つアヒンサーの魂を取り込むことであった。アヒンサーは騙されていた事と自分のような弱者は死んでも生きても何もかも奪われることに絶望し、アスミタに助けを求めながらアタバクに吸収されてしまう。
激高するアスミタにアタバクはどんな亡者もすべて同じであり、彼らを生かす道は自分と同化して現世も冥界も渡り歩く事だと豪語する。更にアタバクは亡者だけを束ねるに止まらず、ハーデスら神々すら束ねて自身が宇宙の真理となる目的を語った。
アヒンサーを取り込んだアタバクは「問答の続きをしたくば輝火を倒せ」と告げ、消える。
アタバクの真意を知った輝火は苛立ちを吐きながら「クラシファイアンク」でアスミタを焼き尽くすが、燃え盛る炎の中に死んだ弟の翠の姿を見る。戸惑う輝火は更に生きている自分が死んだ弟に責められる幻覚を見る。
輝火の心の痛みを見たアスミタは輝火に己の理を問い、「天魔降伏」で輝火を撃退した。
輝火の敗北を悟り、アスミタを迎合するアタバク。アスミタはアタバクへの怒りを露わにし、乙女座最強の奥義「天舞宝輪」が炸裂する。

肉体ではなく魂で存在する冥界で「天舞宝輪」によって七感を剥奪されたアタバクは雄たけびを挙げながら消滅した。
アヒンサーを救えなかった事を悔やむアスミタだが、そんな中に消滅したはずのアタバクの声が響き渡る。それによって天舞宝輪の空間がアタバクの亡者の曼荼羅へと塗り替えられていき、アタバク最強の奥義「魔天無宝輪」が放たれる。
「魔天無宝輪」によって五感を破壊され、一転窮地に陥るアスミタ。アタバクは曼荼羅に取り込まれた魂の五感を楯に「天舞宝輪」を防ぎ、魂たちを己が力に吸収してアスミタの全感覚を破壊する。
決着がついたと思いきや曼荼羅の亡者たちはアタバクの意思に反して釈迦如来の真言を唱え始めた。更に全感覚を破壊されたはずのアスミタもアタバクに取り込まれたはずのアヒンサーが自分の感覚を犠牲にすることで窮地を脱していた。亡者たちの気持ちを代弁して消えていったアヒンサーに涙するアスミタはアタバクに取り込まれた魂たちへの説法の為に結跏趺坐を組む。
2人の最も神に近い者同士の最大奥義「天舞宝輪」と「魔天無宝輪」の激突で遂にアタバクは八感すらも剥奪されて敗れ去り、解放された魂たちが開いた「輪廻の輪」に飲み込まれ、冥闘士として二度と蘇る事も叶わなくなった。
生きる事の辛さに嘆くアヒンサーはアスミタからサーシャの苦悩を聞き、「何度も生き抜いて何度も幸せになる」という道を見出し、生まれ変わっても母やアスミタと共にありたいと願って消えていった。


アスミタ……お主の眼に、テンマはどう映った?
感情的で、熱くて、とても人間的であろう?
きっとお主なら、テンマが抱える胸の痛みも感じているはず。
そして、あいつの中に宿る希望も……。
OVA『聖闘士星矢 THE LOST CANVAS 冥王神話』
第8話「良き風の日」予告より


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最終更新:2024年03月29日 03:42