作画崩壊

登録日:2011/04/14(木) 01:41:12
更新日:2019/03/14 Thu 17:17:51
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作画崩壊(さくがほうかい)とは、アニメを始めとする漫画、ゲーム、イラスト等で稀に起こる現象。

素人目に見ても明らかに出来の悪い作画のことで、特筆すべき点は趣味でイラストを公開するアマチュアではなく、
あくまでプロのアニメーターや原画家が描いている点である。

アニメ等の媒体では良作・駄作と評価を下す基準が作画の出来に左右される場合も非常に多く、
作品自体の評価の比重は絵がかなりの部分を占めているといっても過言ではない。

脚本はいいのに絵で台無しになることも多く、見た者を残念な気持ちにさせる。
原作がある作品で起こると原作ファンの怒りは並大抵のものではないだろう。


なお、「作画崩壊」とは作画のクォリティが著しく低い場合を指すのであって、
「大きさがおかしい」「色が設定と違う」「状況的にありえないものが描かれている」などの不備は
作画ミス」と呼ばれて区別されている。


さて、作画崩壊が起こり得る主な原因は、「時間がない」「製作費が少ない」「作画チームのレベルが低い」「作画監督のレベルが低い」「手抜き」等が挙げられる。

アニメや漫画の制作現場は時間に追われながらの作業なので、
脚本やネームの作成が難航するとそれだけ作画に掛けられる時間も少なくなる。

また、アニメのような大人数が関わる現場ともなれば、作画陣の人数が多ければ多いほど一枚に掛けられる時間も多くなり、
それだけ作画の安定にも繋がるが、多くの予算を費すことになるというジレンマがある。

アニメ一話を製作するのに掛かる費用は一千万円ともいわれ、一話一話を丁寧に作り込むには時間も金も足りないのが現実である。
TVアニメや連載漫画なら放送前(掲載前)に製作が始まる為、序盤は作り込むことも可能だが、
終盤に近付くに連れ貯金は減っていき、どんどんシビアになっていく。
結果、作画崩壊が起きやすくなってしまうのだ。

これを防ぐ為、キャラクターデザインを起こす際に無駄な線を極力省く、
なるべく動画枚数を減らすよう動きの少ない演出を心掛ける等、制作陣の工夫も垣間見える。

視聴者の心を掴む一話、物語のクライマックスに当たる部分、最終回や原作の名シーンに力を注ぐ為、中盤で予算や労力を温存するのも一般的。
これは逆に名最終回を生み出す要因となったりもする。

しかし、こうした努力の上でも起こってしまう悲劇なのである。


最近はそれほどでもないが、4クール以上が普通だった昔のセル画アニメでは、放送期間の長さや作画に掛かる手間から頻繁に起こっていた。
例えば日米合作で有名な「トランスフォーマー」は本当に息つく間もなく作画が乱れまくることで有名で、
陰影が無い、輪郭がフニャフニャになる、武器を持つ手が逆になる、配色がフェイズシフト装甲ばりに変化しまくる、
また作画ミスも毎回の如く発生し、キャラの立ち位置がシャッフルされる、顔が突然ブサイクになる、ビームが銃口からはみ出る、破壊された者が一瞬で修復される、軍隊のマークが敵軍のものになる、
酷い時にはキャラが分身する、描くキャラを間違える、セル画の重ね合わせミスで巨大化するなどもはや名物と化している。

アニメ版「ロスト・ユニバース」4話「ヤシガニ屠る」に於いて作画が悪かったことから、作画崩壊のことをヤシガニと呼ぶこともある。
これはそもそも企画段階からスケジュールが無茶苦茶だったことにより、作画監督飛ばし(いわゆる「ノー作監」)が行われるに至ったせいである。
また、アニメ版「夜明け前より瑠璃色な」の料理シーンで、出てきたキャベツが緑色の球体状の何かであったことから、
同作のアニメ版は「キャベツ」と揶揄されている。
この2つは時間がなかったことで作画監督が殆ど作業が出来なかったことで発生したもので、特に「ヤシガニ」は製作期間が尋常でない短さだった。

この二作は全体的に作画が酷い為、代表的な作画崩壊アニメとして挙げられることが多い。
MUSASHI-GUN道-」を加えて「三大作画崩壊アニメ」に数えられることも。

ただし、作画崩壊は製作側にとっても不本意ななものであることには間違いない
できれば何とか修正を行いたいのだが、納期や予算の都合で間に合わなかったり、
クォリティが低い海外のスタジオに発注せざるをえなくなったり、力量のある作画監督が各社取り合いで捕まらず「腕が良く筆も早いが、画風が一昔前」或いは「キャラデザと著しく相性の悪い画風の作画監督が就く」*1「経験の浅いアニメーターを作画監督にせざるを得なくなる*2」等の理由で発生するのがほとんど。
多くはこのようなスケジュールや予算の逼迫によって発生したものであることには留意されたし。


また、
1.静止画として見ると崩れている作画であっても、動画として見ると迫力のあるカットになっている場合もあり、
2.金田伊功氏・湯浅政明氏の様に最初からパースが歪んだ空間であることを表現する演出があり、
3.メディアミックス化の際に、意図的に原作の雰囲気から掛け離れた設定・デザインを採用することもあり、
4.エンドカード・記念ムック等で起用されたゲストが好き放題に解釈して描くこともある。
これらは作画崩壊ではありません。はやる気持ちを抑えて、
1は「中割り*3」・2は「金田(湯浅)パース」・3は「リファインデザイン」・4は「トリビュート(或いはアンソロジー)」と呼んであげて下さい。
そうしないと、許可を出した原作側にもアレンジした制作陣にも失礼です。


そもそも、本来アニメーションとは動画用に描かれた絵の連続で表現するものであり、
キャプチャーした静止画に難癖付けるのはナンセンスというもの。

アクションシーンの中割りなどは、躍動感を表現するために意図的にデフォルメすることが多い。
静止画として見ると骨格がおかしかったり、輪郭がブレていたりすることは多いが、動画としては迫力あるものになっていたりする。
特にベテランのアニメーターが担当すると、この傾向が顕著。

これは昔からある表現技法なので、動画の一部を切り取ってネタにしたり、作画崩壊だと騒ぎ立てるのはそうした表現をやりにくくさせてしまう。

また、表情などをほとんど視認できないロングショットなど、フニャフニャな作画でも動画にしたときにほとんど違和感のないものも存在する。

良識あるファンならば、アニメの絵は動画として楽しもう。


確かに、絵心のある人にとっては僅かなデッサンの狂いに腹立たしさを覚えるかもしれない。
しかし絵の知識に乏しい人からすれば「どこが?」と思えることもあり、下手をすれば作画厨扱いされかねない。
よっぽど酷いのはともかく、自重も大事である。




















ふぅ、真面目な説明はこんくらいでいいだろ。



作画崩壊……それは時に芸術を生む。

見た者の腹筋を崩壊させるシュールな絵面が生み出されることがあるのだ。

描く方がある程度狙ってやってる顔芸と根本的に違うのは、
プロが真面目にやっているのに明らかにおかしいところだろう。いってみればシリアスな笑いに近い。


以下、良い作画崩壊集(画像がなくなった為例として作品名のみ)


1、キャラクターやメカのデザインが明らかにおかしい(いわゆる「かんたん作画」)

出典:魔法少女リリカルなのはStrikerS 、8話、セブン・アークス、
2007年4月~9月、©なのはStrikerS PROJECT
  • 遊戯王シリーズ(作画監督が愛される作品。井上監督のAGOや大邪神川口&飯飼の愛せない作画が有名。)
  • 聖闘士星矢 (無印の河合回、アフロディーテ戦3邪神作画連発伝説、Ωの八島回。)
  • 北斗の拳(ケーーーン)














  • かみちゃまかりん


  • そんな声出しちゃイヤ!(そんな作画をしちゃイヤ!)
  • サムライフラメンコ(海外発注の作画が、カット300枚に対してリテイクが200~250枚)
  • GANGSTA.サムライフラメンコと連続で作画崩壊を起こして、製作会社が倒産)
  • ポケットモンスターXY(主にデデンネ関係)
  • 俺が好きなのは妹だけど妹じゃない(先行上映が制作上の都合で中止になった時点で危ぶまれていたが、やはり2話で崩壊し、その後作画崩壊が続き、10話中9話が作画崩壊したという異様な作品となってしまった)
    6話ED原画クレジットの正直困太も本作を語る上で欠かせない。
BDの発売を2ヶ月延期し作画修正して発売すると期待したが、肝心の中身が作画修正を全くせず、TV版の作画のまま発売するという暴挙に出た。

出典:俺が好きなのは妹だけど妹じゃない、3話「俺と妹は二人で一人のラノベ作家だ」より、
18年10月10日から放送中、NAZ × マギア・ドラグリエ、いもいも製作委員会、
©2018 恵比須清司・ぎん太郎/KADOKAWA/いもいも製作委員会

2、動きがカックカクで不自然

3、2とは逆に動きを出すために人物の画像(骨格など)がヘン
  • 鉄腕バーディーDECODE:02(演出)


4、1~3の全てがおかしい
  • MUSASHI-GUN道-(最初から最後まで酷かったが、最後には自分達でネタにしてしまっていた)
  • ガンドレス(作画ばかりでなくキャラの色が良くて3色、最悪単色。DVD発売時には修正前が特典になってしまった)
  • 学園都市ヴァラノワール(OVA)(尋常でない作画枚数の少なさ、紙芝居というレベルを越える)
  • DYNAMIC CHORD(珍妙なパースに画風の違いすぎるモブ、背景美術や意味不明な演出も手伝って2017年最強のネタアニメ扱いされた)
  • ロスト・ユニバース(ヤシガニ、OPすら未完成…、しかも最先端の試みである3Dは納期を守れていた上に品質すら安定していた)



出典:家庭教師ヒットマンREBORN!、5話、2006年10月7日~2010年9月25日放送、
ARTLAND、テレビ東京・電通、©天野明/集英社・テレビ東京・リボーン製作委員会



  • 夜明け前より瑠璃色な(キャベツ)




しかし、上記の「三大作画崩壊アニメ」に代表される、映像全体で作画が大きく崩壊している作品はともかく、
明らかにコマ送りをしてたった一瞬の不自然な部分(所謂中割)を

「作画崩壊w」

とか言ってる人間もいる(大抵の人が愛ゆえに行っている場合が多いが井上善勝監督の伝説の200話など)。
皆さんはもっと寛容な心を持って、純粋に作品を楽しんでいただきたい。

また、デュエル・マスターズVSRF第20話では作画崩壊をネタにした回がある。
詳しくは当該項目参照。




追記・修正はミスヤシガニを受賞してからお願いします。

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