賢者の石

登録日:2011/10/24 Mon 17:31:06
更新日:2024/01/27 Sat 05:09:43
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賢者の石とは、かつて錬金術師たちが目指した「人類が完全という領域に到達する」ための霊薬である。

目次

概要

古代における技術である錬金術の最終目標。
卑金属を貴金属に変える力を持ち、人間に対しても万病を治し不老不死にする等と言われ、多くの錬金術師によって研究が行われた。
結局のところ賢者の石を完成させることは出来なかったが、その研究過程は今日の科学技術の発達に大きく貢献した。

別名に「哲学者の石」「エリクサー」等を持つ。


色はが広く知られているが、これは最終段階で、精製の過程で黒→白→赤という変化を経る。
赤は「完成・完全」を表す色で、黒は「・腐敗」、白は「再生・復活」である。


詳しい歴史については錬金術の項目も参照。


創作物における賢者の石(ネタバレ注意)


ドラゴンクエストシリーズ
IIIから登場。仲間全員のHPを回復させる効果を持ち、しかも何回使っても無くならない。
一説では大量のホイミスライムが閉じこめられているとも。
詳しくはこちらへ。


FINAL FANTASYシリーズ
「エリクサー」は全作品に登場。使い捨てだが仲間1人のHP・MPを全回復。
「賢者の石」は811に登場。
味方全員を完全回復する「ラストエリクサー」も存在する。


アトリエシリーズ
錬金術がテーマのゲームなので、貴重品だったりキーアイテムだったりパイの材料だったりジェム還元用として使われたりと様々な役目で登場。
作中でもこのアイテムを作ることが一つの到達点になっている。


MELTY BLOOD
オシリスの砂がタタリを用いて作り上げた物。冥界の砂、命の水(アクアヴィタエ)とも。
アトラス及び錬金術の基本にして最秘奥とされており、原材料は人間の血液で、あらゆる苦痛、病、死、吸血鬼化さえも癒す命の水。
砂のように細かく、宝石のように輝き、命のように甘い記録媒体である。直死の魔眼で視ると、死の線だけで出来ている。


鋼の錬金術師
等価交換の原則を無視した錬成が可能になる夢のような錬金術増幅器で、エルリック兄弟の当初の旅の目的でもあった。
しかし、その正体は「生きた人間から魂だけを抽出し凝縮した高エネルギー体」つまり生きた人間が材料であり、
一個精製するのにも複数人の魂を必要とする他、より多くの人間を材料とする場合には、それだけの人数を内包できるだけの大きな錬成陣と、
その交点のうちのいくつかで多くの人の死が必要となり、精製のためには凄まじい数の犠牲者を対価として支払う必要がある。
お父様以外のホムンクルスはこれを核にして生み出された。
ちなみに、材料となった人間の魂はエネルギーとして消費されるまで生きたままであり、賢者の石を身体に宿したとある者は、身体の内側から響く、魂だけになって苦しむ彼らの声をずっと聞かされ、気が狂いそうになったと述懐している。

旧アニメや劇場版には製法の異なる物も存在するが、やはり生きた人間を材料にしている点は変わらず、
旧アニメ版では人間の魂だけでなく肉体も必要とする*1他、使う度に小さくなっていく。
また、この賢者の石の未完成品である「紅い石」というものも存在し、国家錬金術師に支給される銀時計に密かに内蔵されている。

なお、本作では賢者の石に複数の名称があるように、その形状も石どころか固形とも限らず、スライムのような半液状の物や、宿主の魂と融合した「人間という賢者の石」等が存在する。
この作中でも「完全な物質」であるという伝承はあるようだが*2、実際はあくまで単なるエネルギー体なので、使用するごとに内包された魂のエネルギーは減り、使い切ると崩壊する。


武装錬金
錬金戦団の最終目標。その開発研究の中で、プロトタイプとして「黒い核鉄」が開発された。
この「黒い核鉄」は通常の核鉄を遙かに凌ぐ強大な力を持つが、それを普通の核鉄と同じように心臓の変わりにした人間は「ヴィクター」となり果て、本人の意思にかかわらず他者に危害を撒き散らす存在と化す。


からくりサーカス
「柔らかい石」として登場。
水に溶かすと万物の霊薬「生命の水(アクア・ウイタエ)」を生み出すが、そのままではやがて蒸発して消え去ってしまうため、長期間保存するには子供の体内に入れなければならない。


スレイヤーズ
第1巻のキーアイテム。
「半人前の魔導師でも国ひとつ滅ぼせる」という逸話のある代物で、後に四界の魔王の力を持った「デモン・ブラッド」という宝玉の欠片であると明かされた。


ハリー・ポッターと賢者の石
第一作のサブタイトルでありキーアイテム。
普通の石を黄金に変え、不老不死を得られる「生命の水」を作り出せるが、劇中では登場しただけで使用されることは無かった。
なお、制作者であるニコラス・フラメルとその妻は「生命の水」を摂取して永い年月を過ごしているが、その肉体を不老不死たらしめているのは「生命の水」の効果によるもので、「生命の水」の摂取を止めればそのうち死亡するという。


ヴァルキリープロファイル
見た目はただの石ころだが、所持者にあらゆる知識をもたらす。
レザード・ヴァレスが所有しており、彼はホムンクルスの生成方法、ルーンの失われた文字、
「失伝魔法」とされている転移魔法など、賢者の石により得たと思わしき知識を持っている。

なおレザードが語った所によると、手に入れた瞬間に何でもできる便利なものではなく、
例えるならば「百億ページもある辞書」のようなものだそう。使いこなすのに苦労が必要らしい。
また、賢者の石がレザードに最初に教えた事は「全てを全てと示すものは偽り以外あり得ない」。

終盤ではレザードはこれを解放することでラグナロクを乗り越えたが、ただの石ころになってしまった。
石に蓄積された知識こそ無くなってしまったが、それ自体は既にレザードの頭のなかにあるので問題はないらしい。
入手経緯は不明だが、シルメリアではこの欠片が手に入る。


東方Project
火水木金土符「賢者の石」
東方紅魔郷・東方緋想天・東方非想天則にて、パチュリー・ノーレッジがスペルカードとして使用する。
他の作品と違い、魔術行使の為の元素を凝縮したもので、術者の周囲にオプションとして展開。
遠距離攻撃を使うと火・水・木・金・土の五属性の魔法が追加発動し、多段ヒットを狙える。


吉永さん家のガーゴイル
不老不死を得るとされる錬金術師の最終目標。その本分は「情報を蓄積する」ことにある。それはすなわち、魂を石に定着させることである。
主人公であるガーゴイルは不完全な賢者の石を核に作り出された。
そして本当の賢者の石はガーゴイルを作り出した高原イヨと、その息子の高原喜一郎の体内にあった。


仮面ライダーBlack
石ノ森章太郎氏が手掛けた『仮面ライダーBLACK』の萬画版におけるキングストーン。
仮面ライダーBlackシャドームーンの額に埋め込まれている。

仮面ライダーアギト
変身ベルト「オルタリング」の中に組み込まれている。

仮面ライダーウィザード
白い魔法使いこと笛木奏が求め、ソラ(滝川空)/グレムリンも自らが人間に戻るために求めるもの。
その正体は、笛木の実の娘のまがい物であるコヨミの体内にある、『生と死を裏返す究極の魔宝石』。
笛木は娘の生命維持のために四人の魔法使いを見つけだしてサバトを開き、コヨミに魔力を注ぎ込もうとした。
晴人ウィザードにしファントムと戦わせ、ファントムの首領格・ワイズマンに化けてゲート=魔力の強い人間を探し出したのもそのため。
最終回でホープリングへと変化し、その後一度はオーガに奪われるが、最終的に誰の手も届かない場所=晴人のアンダーワールドに収まった。


マクロスF
超時空生命体バジュラの体内で精製されるフォールドクォーツの内、1000カラットという超高純度のものをそう呼ぶ。

YF-29に搭載。


遊戯王シリーズ
DM及びGXに登場
DMではアニメ版オリジナル「乃亜編」にて「賢者の宝石」という名前で登場。
BMGが場にいるとこのカードが師匠(ブラック・マジシャン)になるという効果だった。

GXではアムナエルが錬金術の先に求めたもの。
十代との対決後、「賢者の石 サバティエル」というカードを十代に託した。
賢者の宝石はOCG化もされており、BMGが場にいる時、デッキから師匠を特殊召喚できる。
サバティエルは残念ながらOCG化されていないが、TFでなら使用できる。
ライフの半分をコストにデッキ、墓地から好きなカードをサーチできる強力なカードで、通常の禁止・制限リストでは禁止カードに指定されている。
その後、効果が多少弱体化した状態でOCG化した。
また十代が使用した究極のE・HEROであるエリクシーラーはその体が賢者の石でできており、アムナエルはその姿を見て感動していた。


めだかボックス
魔法少女を自称する与次郎 次葉が打撃に使用するが、その辺にあった瓦礫をそう呼んでいるだけである。ようするにただの妄想。


ゴッドサイダー
主人公・鬼哭霊気(きこくれいき)と共に戦う「神の側の人間(ゴッドサイダー)」・阿太羅(あたら)と同じラマ寺院の法師・法粛(ほうしゅく)の武器。
博物館から持ち出した物で、この石に吸い込まれた「悪魔の側の人間(デビルサイダー)」は内部でメギドの火に焼かれ浄化される。
対を成す武器として悪魔ベルゼバブが持つ、ユダの頭蓋骨を埋め込んだ「愚者の石版」がある。


装甲悪鬼村正
直接的な単語は出てこないが、三世村正の南北朝時代の回想に登場する、
浦夢(ニコラ・フラメル)が保有していた神の血肉(ラピス・サギー)がそれに当たる。

死の間際の浦夢から神の血肉と『至高の劔冑を作る』という願いを託された始祖村正は、
自身を劔冑として鍛造する際、神の血肉を打ち込むことにより常軌を逸脱した性能を持つまさに至高の劔冑と化した。

世の平和を心から願い、千子村正鍛冶の理である”敵を殺せば味方を殺し憎きを殺せば愛するを殺す『善悪相殺の呪い』”と
”他者の精神を侵しその思想を広める『精神同調の能(くるわし)』”を備えるが、それが南北朝を地獄へと変えるきっかけとなってしまう。

その正体は、大昔に外宇宙より飛来し現在は大和の地下深くに閉じ込められている金属異星体の欠片の一つ。
劔冑の神として『金神さま』と呼ばれ崇められるものの正体でもあり、僅かな欠片だけでも時空間を歪めてしまうほどの凄まじい力を持つ。


戦姫絶唱シンフォギアシリーズ
パヴァリア光明結社が所持するエネルギー結晶体「ラピス・フィロソフィカス」の異名。
作中ではサンジェルマン達のファウストローブの基本形態で、コンバータユニットの「スペルキャスター」でプロテクターに変形する。
ダインスレイフを組み込んだイグナイトモジュールキラーでもあり、『AXZ』序盤の達はこの効果の影響で苦戦を強いられる羽目になる。
そこで対抗策として響の体内から出現したマイナス位相の賢者の石(通称「愚者の石」)をシンフォギア・システムに組み込み、ラピス・フィロソフィカスの効果を無効化させることになった。
『AXZ』での最終決戦以降、響達のギアはラピス・フィロソフィカスの影響でリビルドされ、ファウストローブの特性が組み込まれた模様。



「完全」な追記・修正をお待ちしております。

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最終更新:2024年01月27日 05:09

*1 原作では魂だけあればよく、錬成後も犠牲者の肉体は残るため、もしも完全に賢者の石に精製される前に何らかの形で錬成が妨害されれば、魂は元の肉体に戻る。

*2 リオールで教主が持っていた石が使い過ぎで崩壊したのを見て「完全な物質であるはずの賢者の石が何故壊れる!?」とエドが驚愕している。