トレモロアーム

登録日 :2011/12/24(土) 03:44:29
更新日 : 2016/10/22 Sat 14:15:48
所要時間 :約 4 分で読めます




トレモロアームとは、特定のギターのブリッジ(弦の終端を保持する金属部)に装備された金属棒である。
アームに力を加えることによって、弦のテンション(張力)を変化させ音程を上下させることが可能である。
アームを使用した奏法をアーミングと呼ぶ。

同じ音程を変化させる奏法であるチョーキングと比較すると以下のような利点がある。
①音程の下降が可能
②より広い音程の可変幅
③6本の弦の音程を一度に変化できる
④弦を押さえずに音程を変化できる

といっても、チョーキングではできる表現が違うので、両者に互換があるわけではない。

ここまでで気付いた人もいるだろうが、 アーミングはトレモロではない
(トレモロは同一音程の音を持続させることを指す)。
にもかかわらず、少なくとも日本ではトレモロアームという呼び名が一般的である。
これはフェンダー社が、ビブラートとトレモロを取り違えて「シンクロナイズド・トレモロ・ユニット」を商標登録してしまったため。


最初期の物はビグスビー等のビブラートの為の装置で、可変幅が狭かった。
本格的となったのはフェンダー社のストラトキャスターから。
搭載する「シンクロナイズドトレモロ」の、ユニットをフローティング(浮かせ)し、
ボディー裏のバネでテンションをコントロールする方式は、
それまで不可能だった大きなアームアップ(音程の上昇)や
安定したチューニングを可能にし、ジミ・ヘンドリックスの爆発的なブームも手伝って、多くの派生を生み出した。


【トレモロユニットの種類】

■シンクロナイズトトレモロ
フェンダー・ストラトキャスターなどに搭載。
以降のトレモロの基礎となり、流通量も恐らく最も多い。
ジミヘンやリッチーブラックモアのダイナミックなアーミングのイメージが強いが、それをやるとチューニングが狂ってしまう。フローティング可能。

■ダイナミックトレモロ
あずにゃん操るフェンダー・ムスタングに搭載。圧倒的可変幅とチューニングの不安定さ、弦の固定力の無さ等偏重した性能。
その可変幅は小指が触れただけでもチューニングが狂うレベル。ムスタングが”暴れ馬”と呼ばれる所以である。スプリングで若干改善できるが。
フローティング不可。


■フロイドローズ
ESPやIbanez等のメタル系ギターに多いトレモロ。
ナット(ブリッジとは逆の弦の終端)をロックナットと呼ばれる金具で固定することで、
チューニングが狂わないアーミングを実現したユニット。
代償として、チューニングを変える際にロックナットを外す必要がある。
クサメタルは大体コレ。
ボディ材関係無く「フロイドローズの音になる」と言われる事もあるが割りとそんなこともない。

■ケーラー
レスポーラーが良く使用するダイナミックトレモロの一種で、スレイヤー御用達。ロックナットの為、安定したチューニングとダウン限定の大きなアーミングが可能。


■ビグスビー
先述の通り、トレモロの元祖。
グレッチのギター等に装備。
シンクロナイズド以降のユニットとは構造が大きく異なる。
可変幅は狭いしチューニングも安定しないが、
クラシックな見た目に惹かれる愛好者が少なくない。
ボディの加工を必要としないため、後付けが比較的容易であり、
アーチトップ(中空構造のエレキギター)にも搭載可能という都合上、
後付け改造用としての需要が大きい。
中古屋でビグスビー付きレスポールを見かけるのはよくあることである。


【ギター選びにおいて】

ギターのハードパーツというものは、往々にして操作性や強度などに関わるのに対し
トレモロは直接「音」を左右するため、非常に重要な意味を持つ。
ギター選びの際には先ずチェックすべきポイントであろう。
また、ジャンルによってアーミングの使用頻度にはかなり差がある。
場合によっては、トレモロユニットが無いギターの方がいいかもしれない。

【改造による取り付け】

後付け改造を行う際、素体ギターの構造によっては不可能な場合もある。
例として、フルアコにフロイドローズを搭載るのは構造的に無理がある。
また「チューン・Oマチックブリッジのギターにトレモロを付けると音が死ぬ」という話もあり、
構造的な問題がなくとも、相性により音が悪くなることがある。
このように改造にはそれなりのリスクがあり、安くないコストもかかるので
よく計画を立てて行うことをお勧めする。


追記、修正はアームを押さえながらお願いします。

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