イコライザー (エフェクター)

登録日 :2012/05/13(日) 23:02:04
更新日 : 2017/05/26 Fri 22:59:49
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イコライザーとは、エフェクターの一種である。音楽制作の際に広く使われている。

100年近く昔の電話では、相手との距離が遠いほど高域が聞き取りにくかった。そこで高域を上げるための装置として、イコライザーが作られたのである。

その後音楽業界でも、ラジオやレコードなどの制作や放送の際、高域の減衰を防ぐためにイコライザーが活用されるようになっていった。

そのような消極的な使い方から、今では音色を変えたり、音楽編集で音を整えたりする用途として、積極的に使われるようになったのである。

音楽用のものであれば、フリーソフトから200万円近いビンテージイコライザーまで、幅広く売られている。


○こんな時に使おう

( 冥ω殿)「ふー、男らしくて熱い曲が出来たお。早速聞いてみるお!」


(;冥ω殿)「うーん、なんか低音がモコモコしているし、ビートが隠れ気味だお。高音もちょっと耳に痛いお…」


?「お困りのようだね」


( 冥ω殿)「誰お!?」


( HωZ)「俺はHRZ(ヘルツ)。音の高さで悩む男達を、誰彼構わず助けちまう男なのさ」


(;冥ω殿)「ほ、ほんとかお!?ぜひ教えてほしいお!」


( HωZ)「曲を作っていると、どうしても音の 抜ケ が悪かったり、 低ゥい音 がこもってしまう時がある。そんな時に使うのが、イコライザーというエフェクトさ」


○各パラメーターの解説


●インプット
正しくはインプットゲイン。音を入力した時の音量を調節する。イコライザーをかける前の音が大きすぎると細かい調節ができないので、あらかじめ音量を抑えておくのである。


( HωZ)「 大きすぎる のも困りものってわけだ」


●フリケンシー
フリケンシーとは周波数のこと。よくFreqと表記されている。入ってきた音は、低音から高音まで様々である。イコライザーではこれらを音域ごとに大きく3〜5段階に分けており、それぞれの周波数で設定するのである。

LF(ローフリケンシー)、LMF(ローミッドフリケンシー)、MF(ミッドフリケンシー)、HMF(ハイミッドフリケンシー)、HF(ハイフリケンシー)の5段階が基本だが、それ以上に細かく設定できるイコライザーも存在する。

それら5段階に分けるのがこのフリケンシーの役割。つまりどこからどこまでを高音域・低音域にするか、ということを決めるのである。


( HωZ)「ショタから老紳士まで、幅広いジャンル分けが必要だということだ」


●Q値
Quality factorの略で、帯域幅を表す。Q値が大きくなればなるほど帯域幅が狭まって、小さいほど帯域幅が広く緩やかなカーブを描く。

Q値を大きくすれば、設定したい帯域をピンポイントで弄れるので便利だが、その音域だけ露骨に音量が変わってしまう。逆に小さくすれば、他の帯域も少しまきこむので音量の上がり下がりが自然になるが、必要のない音域まで上げ下げしてしまうことになる。


( HωZ)「 太い のも 細い のも、自由自在というわけだな。」


●アウトプット
正式にはアウトプットゲイン。上の設定の後に、どれだけ音量を上げ下げするか決めるパラメーター。その部分を大きくしたかったら、プラス側へ、小さくしたかったらマイナス側へ設定してやればよい。


( HωZ)「これ一つで あっという間に大きくさせることができるんだぜ?



○実際の使い方

( 冥ω殿)「パラメーターはわかったけど、音域ごとの音量を上げ下げするだけで、どうして音をスッキリさせられるんだお?」


( HωZ)「それを今からやってみよう。まず篭りがちな低音を 抜いてスッキリしてしまおう 。50Hz以下をバッサリ切ってしまうんだ。」




(;冥ω殿)「えっ、そんなことしたら低音が無くなってしまうお!」


( HωZ)「大丈夫、イコライザーで設定できる音域は大体0Hz〜20000Hz。そのうち、人間にハッキリと聞こえるのは、50Hzから15000Hzぐらいの間なんだ。」


( 冥ω殿)「あ、もしかしてモッサリの原因は、50Hz以下の低音なのかお?」


( HωZ)「そう。ハッキリ聞こえはしないが、他の音を邪魔しちまっているのさ。」


( 冥ω殿)「どれどれ……あ、モコモコ感が取れたお!」


( HωZ)「しかも余計な音を削ったから、その分音圧も 尻上げ …じゃなくて底上げできるのさ。」



このようにイコライザーで50Hz以下の低域、もしくは15000Hz以上を削ることにより、不必要な音が入らなくなる。したがって音のモコモコした低音やキンキンした高音も取れて、その分曲自体の音圧を上げることも可能である。


( HωZ)「 下半身はドッシリしていたほうが一見好まれるかもしれない。しかし不必要に大きいと、逆に汚らしく見えてしまうのと同じだな



もっとも車に積んであるようなサブウーファーはそれ以下を聞くための装置なので、超低音を楽しむ時は、あえてカットしなくてもよい。



( 冥ω殿)「なるほどイコライザーっていうのは、不必要な音を削るためのエフェクターなんだおね」


( HωZ)「おっと、そんな 受け 的な使い方だけじゃないぞ。 攻め た使い方もできるんだ。例えば 腹の中に響いてくる バスドラムや、 撫でまわすような ピアノの音を録ったとしよう」


( HωZ)「しかしミックスしてみると、曲のイメージと異なる音になってしまったり、音が埋もれてしまう時がある。そんな時にもイコライザーは使えるんだぜ。」


(;冥ω殿)「マジかお!?」


( HωZ)「一つの楽器の音色でも、様々な帯域が含まれていることがわかる。この穴…アナライザーという帯域を判別するエフェクトを見てくれ」




(;冥ω殿)「いろんな帯域で音が鳴ってるお!」


( HωZ)「例えばバイオリン。一見高い音が鳴ってるだけのように聞こえるが、実はそうでもないんだ。20Hz〜400Hzぐらいまでは、バイオリンが鳴った時の部屋の反響や、バイオリン自体の ボディ の響きなんかがそれに当たるな。」


( 冥ω殿)「バイオリンそのものの音色じゃないんだおね!」


( HωZ)「ああ。だからこれをイコライザーで上げるとモッコリ…じゃなくてモッサリしてしまうが、下げ過ぎると軽い音になっちまうわけだ」


(;冥ω殿)「迂闊にカットできないおね…」


( HωZ)「400Hz〜6000Hzぐらいは、いわゆるバイオリンの音色や、弓と弦が 擦れた 音だ。ここを上げると綺麗に音が響くし、 長い棒同士がぶつかった時のビンッ っていうバイオリン独特の音がよく聞こえるわけだ」


( 冥ω殿)「あの音は気持ちいいおね」


( HωZ)「お前もわかるか(歓喜)。そしてそれ以上の音域を弄ると、音の歯切れをも変えることができる。ここを上げると音の立ちあがりが そそり立つほどビンビン になるが、あまり上げ過ぎると、ノイズなんか拾っちまうのさ」


(;冥ω殿)「注意が必要だお…」


( HωZ)「 甘噛みぐらいが丁度よくて、歯を立て過ぎると痛くなっちまうよな



またミックス時によく見られる現象として、ベースとキックドラムがお互いの音を邪魔することがある。これらの楽器は音の周波数が近く、低音に帯域が固まっているからである。


( HωZ)「この場合はどちらかの楽器で、被っている帯域を少し削ってやればいい。じゃあキックドラムの被っているところを削ってと…」




( 冥ω殿)「あっ、ベースが聴きやすくなったお!」


( HωZ)「キックの音は減ってしまったのだから、聞こえにくくなってしまう。だからその分高域の音を上げてやって、存在感を出してもいい。 ケツに当った時のような アタック感や、 引き締まったケツのような音 を出すことができるぞ」



このようにイコライザーは、いらない音を削ったり、強調したい音を目立たせることができるエフェクターである。2ミックスした音そのものにイコライザーをかけて、ホール感を強調したり、ラジオサウンドを作れたりもする(MP3プレイヤーなどに装備されてるイコライザーの使い方と同じ)。

また今回はパラメトリックイコライザーというものを使ったが、グラフィックイコライザーというものも存在する。



自分の思った通りの音を作ることは難しいかもしれないが、人の数だけセッティングは存在するといってもいい。ぜひ自分なりの音作りに励んでほしい。



( 冥ω殿)「これで使い方はバッチリだお!ありがとうお!漢の中の漢だお!」


( HωZ)「漢の中ね…。じゃあ次は実践編といこうか。俺のこのちn… 太ぉ〜いギタープラグを見てくれ 。」


(;冥ω殿)「いや、なんで突然そんなもの出してるお!」


(*HωZ)「俺の暴れん棒なギターサウンドを、お前のイコライザーの中で、 24db ぐらいにしてほしいんだが…」


(;冥ω殿)「いやいやいや、そんなデカくしたら 色々な意味で割れてしまうお!


( HωZ)「気にするな!そぉれ!!」ズドンッ


(;冥ω殿)「イコライザアッー!!」





追記・修正はノンQの人がお願いします。

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