ガンダムF91

登録日:2009/10/10 Sat 20:23:03
更新日:2024/04/13 Sat 00:58:13
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セシリー、退がれっ!僕に任せりゃいいッ!


機動戦士ガンダムF91に登場するMS。


型式番号:F91(F-91)
所属:地球連邦軍
建造:サナリィ
生産形態:試作機量産機
頭頂高:15.2m
本体重量:7.8t
全備重量:19.9t
ジェネレーター出力:4,250kW
推力:88,400kg
装甲材質:ガンダリウム合金セラミック複合材

武装:
バルカン砲×2
メガマシンキャノン×2
ビームサーベル×2
ヴェスバー×2
ビームライフル
ビームシールド×1(予備一基内蔵)
ビームランチャー

パイロット:シーブック・アノー (本編)、ベルフ・スクレット(フォーミュラー戦記0122)


◇概要

海軍戦略研究所『サナリィ(S.N.R.I.: Strategic Naval Research Institute)』の「フォーミュラ計画」によって開発された試作MS。
F90で一定の成功を収めた「MSの小型化」というアプローチを更に発展させ、『MSの性能の限界』を目指して開発された。
新世代テストタイプだったF90Nタイプをベースに、武装は高い攻撃力を持つF90 Vタイプのものを採用したことで高火力と防御力を両立した。

一方で「性能が高すぎて一部のパイロットにしか扱えない」という古くからある高性能機のジレンマへの対策として、
バイオコンピュータを始めとした操縦支援機能も充実している。
機体側がパイロットの操縦技量を分析し自動的にリミッターをかけて性能を抑制することで操縦難度を下げるようになっており、
劇中でもただの学生に過ぎないシーブックがいきなり乗せられて3機のMSを撃破してのけるなど、乗って動かすだけなら人を選ばない。

しかしこのリミッター機能はあくまで機体がパイロットに合わせる機能であり、
真の性能を引き出すためには「ニュータイプ」と呼ばれる様な優秀なパイロットが必要であることに変わりはない。
このため連邦の主力量産MSとして採用されることはなく、少数生産・配備されたのみに留まっている。

正式な名称は「F91」(フォーミュラ・ナインティワン)で、「ガンダムF91」という名は、連邦軍の伝説のMS『ガンダム』に肖って劇中でレアリー艦長代行によって付けられた作戦中コードネームである。*1
前大戦であるシャアの反乱から30年経過している事もあり、作中ではガンダムの存在も風化していて軍人ですら「昔こんな顔のモビルスーツがあった」程度にしか認識されていない。

なお、近年に判明したがアニメに登場したのはF91の3号機で、それ以前に開発・試験運用されていた1号機と2号機が存在している。


◇特徴

・マルチプル・コンストラクション・アーマー

本機は「マルチプル・コンストラクション・アーマー」(通称・MCA)と呼ばれる新技術を採用している。
これはサイコミュ以外の電装系を構築材の中に鋳込むという技術で、もとはサイコフレームから発展した技術であり、
本機はフレームや外装といった構築材と内部機器を一体化させることで、それらに電子機器の役割をも持たせ、
ムーバブルフレームとセミモノコックの機能を持ち合わせつつ、大幅な軽量化と高性能化を実現した。
また各ブロックごとにフェイルセイフシステムが組み込まれており、損傷や故障が起きた際も他のブロックが補い動作不能を防ぐよう設計されている。
これのおかげでラフレシア戦で機体が手足が欠損した状態でも最大稼働モードが維持することが出来た。

・小型核融合炉

新たに開発された小型・高出力の新型核融合炉を使用し、さらにこれを胴体内ではなく背部に外付けするという革新的な配置を採用することで、
従来機とは比較にならないほど強力な装備と機動力を実現することができた。
ただし、欠点としてビームが直撃すると核爆発が生じる可能性が生まれてしまい、
大気圏内やコロニー内での戦闘で極めて大きな戦術的制約が課される事となってしまった。*2

・バイオコンピュータ

本機のメインコンピューターには、最新型サイコミュシステムの雛形である『バイオコンピュータ』が搭載されている。
これは元々介護用として開発されていた技術を転用したもので、構造が複雑化した本機の制御に対して最も適しているとして採用された。

このコンピューターの構成は人間の脳に限りなく近似しており、パイロットの行動や記憶、感情まで深い領域まで分析し、
機体のセンサーやカメラなどから情報を判断し最適な回答をパイロットに直接フィードバックしたり、
パイロットの意志を機体に反映して機体を制御するなど、多岐に渡ってパイロットをサポートを行うように調整されている。
他の作品で例えるならば、非常にパイロットフレンドリーなこれと言うべきだろう。
開発者のモニカ・アノーが息子のバイオリズムを模倣して開発していたためか、
シーブックとの相性は抜群で初出撃の時にはシーブックの意識を反映して操縦をサポートしてCVのモビルスーツの撃破に貢献したり、
デナン・ゲーの高機動力とビームシールドに苦戦するビルギットのヘビーガンを見ていたシーブックにヴェスバーの使用の提案を脳に直接フィードバックしたりと、優秀な場面が描写されている。

なおコックピット周りには従来のサイコ・フレームやバイオセンサーが搭載されている他、操縦席にもサイコミュが増幅器として設置されており*3*4
これらはバイオコンピュータと合わせて操縦システムの一部として機能している。

・最大稼働モード

先に述べたパイロットの能力に合わせてリミッターをかける機能は上記のバイオコンピュータが担っており、
バイオコンピュータが「このパイロットならF91の性能を扱える」と判断した場合のみ、その性能を発揮することが可能になる。*5

リミッターを解除された「最大稼働モード」では宇宙世紀120年代のMSの限界性能に達すると言われるが、
それと引き換えにバイオコンピュータの発熱が増加するために、フェイスガードや肩のラジエーターが最大展開され、冷却性能が強化される。
劇中で見せた口ビームのようなものはこの冷却機構による放熱描写で、実はこの機構はロールアウト当初は実装されておらず*6
バイオコンピュータを初搭載した負荷試験時に放熱が追い付いていないことが判明し慌てて追加した機構だったりする。

・M.E.P.E

本機が最大稼働モードに突入した際、『M.E.P.E.(金属剥離効果=Metal Peel-off effect)』と呼ばれる現象が発生することが知られている。
冷却が追いつかず装甲表面温度が上昇することで発生し、装甲表面の塗装等が剥げ落ちていく。
平たく言うと、最大稼働モードでは本機は光るフケをバラ撒きながら戦っているような状態になる。
この際、バラ撒かれた金属片がMSのセンサーを誤認させ、幻惑効果をもたらす。

というのも、この時代のMSのコクピットに映し出される映像はカメラが映したままを反映しているわけではなく、
カメラから得られた情報をパイロットに視認しやすいようにリアルなCGで加工処理した映像*7であるため、
ばら撒かれた金属片をF91だと誤認したカメラの映像を元に加工処理された結果、コクピットには実際には分身していないF91が分身したものとして映ってしまう。
原理としてはダミーバルーンのそれに近く、MSの表面加工の剥がれが結果としてダミーとして機能してしまっているような状態。*8
作中でこの現象に遭遇した鉄仮面はネオ・サイコミュで自身の脳とMAを直結していたせいでセンサーの誤認による影響をモロに受け、
彼の目にはこれらの金属片が「質量を持った残像」として映り、これに混乱したことがシーブックの勝機に繋がった。

ガンダムF91の特徴的な武装(?)としてヴェスバーなどと並んで挙げられる、『質量を持った残像』の正体であり、
ファンの間で「メペ」と呼ばれたり、一部ゲームでは「メイプ」などと呼ばれたりと色々言われており、公式でも特別な読み方は決められていない。
アルファベットをそのまま読んで「エム・イー・ピー・イー」などと呼ばれたりもするが、
これらは台詞にするには長ったらし過ぎる上に呼びづらいので、設定集などでもなければ短いものが採用される。

この『M.E.P.E.』自体は、機体の冷却が間に合わない場合の緊急冷却手段として装甲表面から熱を放出する機能として実装されたものであり、
その熱によって装甲表面の塗装やコーティング材(金属粒子が主成分)が剥がれてしまうのも想定の範囲内ではあったが、その際に発生する攪乱効果や残像は偶然の産物であった。
これが発生したということは、冷却機構で処理しきれないほど機体が発熱しているということであり、
カロッゾとの激闘の後にF91のセンサーが半分以上死んでしまっていたのは、戦闘での損傷に加えてこの熱の影響が疑われるところである。

後の時代に登場する量産型F91ではバイオコンピュータ自体がダウングレードされていることから最大稼働モードを使用できず、
ハリソン専用F91では最大稼働モードを使用できるものの、冷却機能が強化されたためM.E.P.Eは発生しない。
このため「鋼鉄の七人作戦」での一件以外で『M.E.P.E.』現象が発動した記録はない。

・試作型ミノフスキー・ドライブ(諸説あり)

一部資料にはF91の瞬間的なブースト装置として「試作型ミノフスキードライブ」が搭載されていると書かれていたが、マイナーな設定*9である。
後年にF99レコードブレイカーが最初のミノフスキー・ドライブ搭載機とされたこともあり、一時期は死に設定と見られていた。

しかしながら、F90 Wタイプにこの設定を拾ったとみられる試験型のミノフスキー・ドライブが搭載されている設定が生まれたことで、F91にも試作型ミノフスキー・ドライブが搭載されている可能性が高まった。
F90 Wタイプのミノフスキー・ドライブは連続起動に耐えられず暴走してしまう欠陥が存在するために瞬間的なブーストにしか使えないという設定があり、これならば最初の「実用型ミノフスキードライブ」としてのレコードブレイカーの設定と矛盾はしない。
F90によるフィードバックは公にされていない戦闘のデータも含まれており、試作型ミノフスキー・ドライブが実戦運用されたType FFのデータも利用されていることが示唆されている。このことから、F91でも試作型ミノフスキー・ドライブが運用できても何らおかしなことはない。
とはいえ、「月刊モビルマシーン」によると、連邦軍によるF91の情報開示の少なさからミノフスキー・ドライブの搭載は証明されていないようだ。


◇武装

  • バルカン砲
頭部に2門内蔵。MCAの恩恵により外部シェルにセンサーや砲門と制御システムが組み込まれたので、空いたスペースに弾倉を組み込まれるよう設計されている。

  • メガマシンキャノン
胸部に2門内蔵された大型機関砲。
接近戦であれば、当時のMSを破壊することができる。

メインウェポン。
出力の調整で、通常モードと連射モードに切り替えられる。
ヴェスバー程ではないがこのライフルも強力で、デナン・ゲーのビームシールド発生機を撃ち抜いて撃破できた。
しかし、バグ戦では捨てられてしまいその後のラフレシア戦でデナン・ゲーのビームライフルを拾って使用し破壊された。

左サイドスカート内に2本収納されている。
ライフル同様小型ながらも共に最新技術で作られ、信頼性も高い。
今までのガンダム等連邦系MSのビーム刃の色はピンクが多かったが、本機は緑色である。
常時ビーム刃を形成させるだけでなく、νガンダムサザビーなどのUC.0090年代のMSの様に、斬りかかる瞬間にビーム刃を発生させる機能もある。
劇中では手首を高速回転させ、回転切りを行い無人兵器バグを多数破壊したりもした。
その他にも予告の映像や、本編初出撃での戦闘でビームサーベルでデナン・ゲーをすれ違いざまに斬り裂きすれ違いながら撃墜確認するF91が印象残っている人が多い。

左腕部に装備。本機に装備された新型装備その1。
まだ実験レベルの出来の装備な為、通常使用で故障することを想定して予備発生器が右サイドスカートに収納されている。このビームの色も
実体弾・ビーム問わず防御出来る装備で、機体の軽量化にも一役買っている。
内部にサナリィ式大容量メガコンデンサを使用しており、発生機のみでシールドビームを発振したまま手裏剣の様に投げる事も可能だったり、
出力を発振器の一方向に集中させることによりビームサーベルのように伸ばす事も可能と、攻防一体のマルチウェポンとして使える。

  • ビームランチャー
肩掛け式の大型ビーム砲で昔存在した「ビームバズーカ」の系譜の武装かつF90Aタイプのメガビームバズーカの後継品の一つである。
砲身後部にはEパックがある。ラフレシア戦で使用した。当初はコロニー外で拾った現地調達品のため
一部では連邦軍の規格量産品と言われるが、小説版の設定や本編前のSFC版でも装備していた事、以降の作品での一般量産機が装備していない事や、
設定の紹介がF91の項目でしかされてない*10事からF91の専用装備である可能性が非常に高い。
この時代は武器類がユニバーサル規格で共通している事もありそのまま腰にマウント出来る。

  • V.S.B.R「ヴェスバー」
バックパックに二基取り付けられたジェネレーター直結式次世代大型ビーム砲
本機に装備された新型装備その2であり、本機の代名詞とも呼べる武装。
ビームシールドと共に新動力炉の搭載とF90Vでのテスト運用によって初めて実用化した
(ただ、ガンダム作品はジェネレータ直結型のビーム兵器は「メガ粒子砲」に分類される)。
背部に収納待機されているが、射撃時は機体に配置されたレールに沿って脇の下を通って射撃位置に付き、グリップ他を展開し射撃体勢になる。

『ヴェスバー』(Variable・Speed・Beam・Rifle)は可変速ビームライフルの名の通り、
メガ粒子ビームの発射速度や収束率を変えることで発射するビームの特性を変更可能な、半固定式ビームライフル。
高速・高収束で貫通性の高いビームや、低速・低収束だが破壊力の大きいビームなどメガ粒子ビームの性質を無段階調整し使い分けることができる。
その威力はまさしく圧倒的。一撃で相手のビームシールドを貫通し、そのまま撃破してしまう程である。

量産型でもそのまま採用されており、開発から10年近く経過した130年代においても尚その威力は健在。
ビームシールドが普及したことで攻撃を防がれやすくなった時代であるが、ビームシールドを貫通して後継機のF97を追い詰めるなど高い攻撃性能を誇っていた。
150年代になるとF91という機体としては廃れてしまったが、ヴェスバーは新型MSに同種の武装が付けられ、強力なビーム兵器の代名詞の一つとして名を残している。

本機のヴェスバーはサナリィ独自方式の大容量メガコンデンサ*11を内蔵しているので本体から切り離して使用することも可能。
バックパックに背負ったまま発射することもできるがこれはヴェスバーの機能というよりバイオコンピューターの機能。
ただし、劇中を見る限りや外伝作である『シルエットフォーミュラ』などの解説では照準がブレやすいなどの欠点が有った模様。
なお機動戦士ガンダムF91劇中で「ヴェスバー」と呼ばれたことはない。*12
後の時代を描いた漫画作品『機動戦士クロスボーン・ガンダム ゴースト』とその続編『DUST』においては、
モビルスーツバイラリナの武装を説明する際に劇中人物の台詞としてヴェスバーの言葉が出てくる。


◇デザイン

メカニックデザインは大河原邦男。
全体的に曲線が多く、今までにない形状のバックパックやヴェスバーを配置するなど新しい試みが多い。
特に胸部の形状は特徴的で、大河原は「バイクのエンジンとラジエーターの部分(ラジエーターグリル)をヒントにした」と述べている。

初期稿はもっと初代ガンダムに近いデザインであり、こちらは「F91の前身」という設定を付け加え、F90となった。
従来のガンダムとは一線を画す新時代のガンダムに相応しいそのデザインは多くのファンを獲得し、
∀ガンダムのデザインを担当したシド・ミードから「最も進化しているガンダム」と評された他、
オモチャ的なデザインを嫌ってあまりMSのデザインを誉める事のない富野監督からも、純粋にカッコいいと好評を得ている。
が、当時のアニメーターやオモチャ会社からは線が多くて描くのが面倒
独特のデザインとサイズ感故に、当時はバリエーションも殆どなかったので金型流用が利かない=立体化が困難としてあまり好まれなかったらしい。
そういった事情故に2010年代になるまで主役MSなのに立体化には恵まれていなかった。


◇劇中での活躍

機動戦士ガンダムF91
主人公機。
スペース・アーク内で保管されていたが、正規の整備マニュアルが無かった。
代わりに開発者のモニカ・アノーによるバイオコンピュータの接続法を解説した録画映像が残されていたが、
映像に出てくる『八掛けの吊橋』という言葉の意味が解らず起動不能であった。

しかし、モニカの娘リィズが母に教えられていた『あやとり』の用語だと気付き、無事起動に成功する。
そして、「母親が作ったコンピューターだから相性がいいだろう」という滅茶苦茶な理由でリィズの兄である、
シーブックがパイロットを務める事になる。実際に相性が良かったから間違いではなかったのだが…。

初陣では僅か十秒足らずでデナン・ゲーを3機撃墜し、更に黒の連隊と交戦した時は数機撃破している。
凄まじい勢いで成長するシーブックと共に、クロスボーン軍との戦いで多大な戦果をあげた。
終盤では連邦軍の艦隊を全滅させた鉄仮面のラフレシアを、セシリービギナ・ギナとの連携で立ち向かい、
ビギナ・ギナを失いながらもサイコミュも含めた最大稼働モードを発動して、ラフレシアを撃破。宇宙世紀120年代の限界スペックは伊達じゃなかった…。
※ちなみに、シーブックが初めてF91に乗ってからラフレシア撃破までの期間は何と2週間である。
クライマックスではバイオコンピュータを駆使してシーブックの知覚を広げる事で砂漠より広大な宇宙空間に投げ出されたセシリーの命を感じ取らせることにも成功している。

人殺しの為に作られた機械が家族の絆を繋げ、最後には人の命を救い出す…感慨深いものである。白冨野のお約束
また後半からは何故か特徴的な肩の『F91』というマーキングは何故か消されている。

劇中後の動向、行方は不明だが、クロスボーン・ガンダムでの描写によると映像では描かれなかったザビーネベルガ・ギロスとの戦いも何度か繰り広げたらしい。
また、地球圏の教科書ではレジスタンスの英雄の乗機として、シーブックと共に掲載されている。


機動戦士クロスボーン・ガンダム
連邦軍が使用。
コスモ・バビロニア戦争後に色々オミットして少数生産されたものが登場している。
オミットされた機能があるとはいえ過去作の主人公機がほぼ原型機そのまんまの仕様で量産されたというのはガンダムシリーズ通しても稀なことであり*13
それだけF91が連邦軍に評価され、そしてF91の完成度が高かったということでもあるのだろう。

そんな高性能機に連邦軍の一般兵が搭乗しているのだが、後継機にあたるクロスボーン・ガンダムX1の性能と、
何より、かつてF91に搭乗していて性能を熟知しているキンケドゥ(シーブック)に敵わず、撤退している。
「マシンがよくてもパイロットが性能をひき出せなければ!」

『連邦の青い閃光』ハリソン・マディンの青いF91はX1と互角に戦ってみせるが、キンケドゥの機転で必殺のヴェスバーを防がれて敗れ去った。
この一騎打ちは後に『月間MS』の名勝負10選に選ばれたとか。

とはいえ、ビームシールド二基を展開したまま取り外してヴェスバーで撃ち抜かせ、
減衰したビームをビームザンバーで受け止めるという離れ業が出来る奴なんてそういないので、相手が悪かったとしか言いようがない。
また、キンケドゥはなんとか防いだとはいえ、一発でABCマントを破壊したり、防いだビームの余波だけでX1のカメラに異常をきたしたりと、
ヴェスバーの威力はクロスボーン時代でも脅威であるという描写がなされており、キンケドゥもその威力を認めている。

最終決戦では新たに用意されたハリソン機が連邦軍の部隊を率いていた。

なおハリソン機は増加試作機の改修型で、バイオコンピュータや冷却系の改良でMEPEを起こさず最大稼働モードを使用可能とされているが、
下記の量産型ガンダムF91の設定と錯綜している部分もあってどこまでが試作機と一緒なのかやや不明瞭な部分がある。

ちなみに上記の通り、回想場面中に2コマほどシーブックが乗った試作機のF91の姿も描かれている。


スカルハート
ハリソン機が再登場。
木星軍残党やニュータイプ(?)のサルと交戦した。


鋼鉄の7人
ハリソン機が三度登場。
あくまで連邦軍人であること貫き通すハリソンが、せめてもの支援として自身のF91を「調子が悪い気がする」という建前で置いていった。
地球でのインプルース・コルニグス戦時には、ハリソンの上官であったミノル・スズキが搭乗。
トビアのパッチワークと戦う、影のカリスト操るコルニグスの撃墜をギリの量産型クァバーゼと共にアシストした。
その後『鋼鉄の7人』作戦の為に改修され、省略された機能を復元。
オリジナル機にかなり近い性能になり、今度はミッチェル・ドレック・ナーが搭乗し作戦に参加。
残像を伴う最大稼働モードでリーベルダス・デクストラ・ディキトゥスと相討ちとなった。
この一連のシーンは非常に燃える。

これにより、試作型ガンダムF91の最大稼働モードのスペックは、120年代の限界性能どころか130年代の高性能機にも通用することが証明されたことになる。



□バリエーション機

F91 バックキャノン装着型
ヴェスバーの開発が間に合わなかったり失敗した際に備えた代替装備モデル。
4連ビームガトリングと2連対艦ミサイルランチャーをセットにした「バックキャノン・ユニット」をヴェスバーの代わりに装備し、
肩アーマー部をF90Vタイプと同様に常時ラジエータフィンが展開された、アポジやサブスラスターが追加された物に変更。
ヴェスバーより一発の攻撃力と汎用性他大半の部分が劣るが、一斉射による弾幕火力などではこちらが優れていた模様。
また肩アーマー部も理論的には強化タイプなものの、実際は常時展開したフィンが一部のアポジやスラスターの噴射を阻害してしまって放熱効率が却って落ちるなどの弱点が有った模様。
旧称は「パワードウェポンタイプ」。
その名称が「後からパワーアップ用途で追加した」と誤解させる印象からか、現在の「バックキャノン装着型」に名称を変更した模様。

F91 ツイン・ヴェスバー装着型
ヴェスバー開発に関わったミヤ・サミエック技官がコンピュータ・シミュレーション上で考案した装備プラン。
「ツイン・ヴェスバー・ユニット」と呼ばれる新型バックパックを搭載していて、改良型のヴェスバーを二対四基装備する。
このヴェスバーにはサブスラスターも備わっており、推力も強化されている。
ノーマルF91用のヴェスバー開発中に提出されたが、上層部はヴェスバーが両腕の可動域を奪う事を問題視して却下。
これに対し、ミヤ技官は「オート・ノッチングバック機構(銃身を腕の動きに連動させ、干渉を防ぐ機構)を採用すれば解決する」と反論するも、
整備の手間も増える上、そもそも出力が足りなくて4基同時に発射できないとツッコまれたらしく、結局廃案になったという。
…事になっていた筈なのだが、SD作品などでは、
「ジェネレーターをチューンナップして出力不足を解決した実機が存在し、その余剰出力で右腕にもビームシールドを追加し防御力アップ」という設定になっているらしい。

量産型F91
最大稼働モードが省略されたのを除けば、ほぼ性能据え置きのまま少数生産された。
バイオコンピューターも搭載しているが、この時代のパイロットは平和が長く続き質が低下していたのでフルスペックで稼働させられるパイロットはほぼいない。
ハリソン機に関しては増加生産された試作機の専用仕様という設定と量産型の専用仕様という二つの設定が混在しており、実ははっきりとは定まってはいない。
そのため初めて登場した全身真っ青の方が試作機で、後に登場した白のアクセントが加えられたタイプが量産型だろうと考えるファンが多い。

F91木星決戦仕様
ハリソン専用F91(二機目)を「鋼鉄の7人」作戦のために改修し、試作機(=シーブック機)に限りなく近いスペックまで引き上げた仕様。
実戦ではドレックが搭乗したが、元々はミノルが搭乗予定だったので胸元にMのマーキングが施されている。

ガンダムF91RR
ガンダムトライエイジ ビルドMS第8弾に登場した、ゲーム限定のオリジナルMS。
デザインはF91を担当した大河原邦夫が同様に担当した。

小型MSであるF91に新開発されたグローアップ・ユニットを組み込んだ総合重装仕様。
両手両足にヴェスバーと大型ビームシールドを搭載し、肩関節部には白兵戦を想定したヴェスバー・サーベルを追加している。
所謂一般的な増加装甲的な物ではなく、MS自体に根本的な機能を追加したという設計思想になっている。

…ここまで読んでもらえば分かるが、このF91は根本的なMSの設計思想が第四世代の恐竜型MSまで退化している。
つまり、この機体の思想がそもそもUC110年以降におけるMSの小型化という進化を否定し、従来のMS大型規格へ引き戻す本末転倒な仕様となっている。
このような本末転倒な機体になったのには政治的思想が絡んでいて、機体小型化に否定的な一部の連邦高官の意向が働いた結果らしい。

ちなみに余談だが、格闘攻撃でのモーションが右腕のビームカッターで斬り→キック→旋風脚のコンボ(名称はフォーミュラ・ラッシュ)というものになっている他、
必殺技のMEPE・RRフォーメーションも、演出開始と共に肩部後方バックパック位置のヴェスバー・サーベルユニットを両手にトンファーの様に逆手持ちに装着し、
M.E.P.E.を発動し、相手に高速移動で肉薄しつつ、複数方向から打撃攻撃を浴びせて突き飛ばした後、トドメに全身のヴェスバーで一斉射撃するというもので、
その他スピードバトルのつばぜり合いの方法やガードアクションの時の防御ポーズも含めて、全体的にモビルファイターのような動きをする、見た目は正当派だが動きは……という機体となっている。
(恐らくF91の公開と同年に稼働開始していたストⅡ餓狼伝説等の格闘ゲームをネタにしているかと思われるが……。)

F91ヴァイタル
前日譚を描いた漫画『機動戦士ガンダムF91プリクエル』に登場。後にシーブックが乗る3号機の兄弟機である1号機と2号機を指す。
名称はHGUC化した際に便宜上付けられたもので、本来はそのまま「F91」。
ソールが青でアンテナ基部と股間部が赤いのが1号機、その逆が2号機。共通して胸部が白く、全体の白色もより純白に近い色となっている。
このカラーリングはF91のカラーリングの没案が元ネタで、最終稿直前まではこのカラーだった。
武装が専用ビームマシンガンになっている以外のスペックはF91と全く変わらない。
バイオコンピュータ絡みの不具合に悩まされていたが、リミッターの実装で一旦は解決した。
だが開発スタッフ達はより高性能かつ安定した改良型バイオコンピュータの制作に意欲を示している。

ガンダムF92?
バリエーション機体……と言ってもいいのかわからないが一応記載。
TVシリーズで続きが描かれた場合シーブックがF91から乗り換え、主役機として活躍する予定だった……とされている機体だがご存知の通りTVシリーズ企画は頓挫してしまったため、幻となった機体。
要するに没ネタの一つで、関係者からも殆ど語られる事がなかったため、ファンからは設定はおろかそもそもデザインすらされていないと見る向きが強かったが、2023年にメカデザイナーの石垣純哉氏が劇場版公開当時のサンライズ企画室でF91の後継機のデザイン自体は模索されていた事を語り、更にデザイン案の一つをSNSにアップした事で大きな話題となった(本人もコピーを見つけるまで完全に忘れていたらしいが)。

実を言うと名前すら決まっていなかった可能性もあるのだが、石垣純哉氏はF92と呼んでいたためこの名前で記載している。

ゲームでの活躍

フォーミュラー戦記0122
映画本編の前年を舞台にした本ゲームでは、9面から使用可能となる。
1~8面でのF90の戦闘データが反映されているため、それまでプレイヤーがF90でどう戦ったかによって性能が変わってくる。
まだ調整ができておらず、バイオコンピュータは搭載すらされていない未完成品であったが、それでも十分な高性能機であった。
ベルフはエンディングにて未完成だったことを初めて知り、「これで本当に完成したら一体どんなバケモノになっちまうんだ」
カロッゾ・ロナに先駆けて本機をバケモノ呼ばわりした。

後にバイオコンピュータの代用として搭載されたシステムはF90 3号機の疑似人格型コンピュータである「Type K.B.」であると設定が後付されている。
ベルフも含めた代々のF90パイロットのデータがType K.B.に搭載されていることが示唆されており、これがベルフのF90搭乗時の戦闘状況によるF91の性能の変化の理由だろう。

最大稼働モードはゲーム内に搭載されていなかったが、これはバイオコンピュータにしか最大稼働モードのリミッターを解除できないためである。
量産型で最大稼働モードが省略されたのは、このベルフの活躍によって「実はいらない子なんじゃ…」という疑惑が立っためではないかと噂されている。


Gジェネレーション
通常では空を飛べる高性能機程度の性能しか無いが、超強気になると最大稼動モードに入り、武装が強化される。
特にビームライフル4連射は超強気時の攻撃力補正+クリティカルによってムチャクチャな火力を叩き出す中距離戦の鬼。
実はIフィールド持ちのラフレシアに対しては相性が悪いのは秘密だ*14
スピリッツではバグで狂気状態の強化人間を乗せるとエラい事に。
ハリソンを乗せると専用機になり、能力UP+ビームランチャーがヴェスバーになるが、M.E.P.E.がなくなるので、
テンションに左右されない分安定性が高いとも言えるが使い勝手は微妙。
ただし、OVERWORLDではハリソン機が「量産型ガンダムF91」として独立。
量産型だがスペックはオリジナルと同じという量産機縛りの救世主。
一方オリジナル機は多段武器がなくなった煽りを受けて、最大稼働モードも没収、代わりにM.E.P.E.が武器化した。特殊属性なのでこれでラフレシアのIフィールドに邪魔される事もない。

携帯機ではギャザービート2で初登場。ちなみに無印ギャザービートやモノアイガンダムズでは登場しない。
特に後者はクロスボーン・ガンダムが本格参戦しているからか、参戦作品にF91があるのに登場するのはヘビーガンだけで、
キャラクターに至っては誰も登場しないという仕打ちを受けている。
Gキャノンにバイオコンピュータを組み合わせることで開発できるが、バイオコンピュータは一つしか入手できない上にシーブックを乗せるとハイパー化するので実質シーブック専用機となる。
アドバンスでは隠し機体で開発不可。シーブックが乗ってくる。
性能が高くて分身と間接攻撃持ちだが、全体攻撃を持たずハイパー化もしないのが玉に瑕。

DSではスーパーガンダムにバイオコンピュータを組み合わせると開発可能。
相変わらずハイパー化はしないがSP消費で使えて弾数制限の無い全体攻撃が追加されており、
「分身」もかなりの確率で発動するので、搭乗機のないニュータイプ系キャラを乗せてやると活躍する。
シナリオ中はバイオコンピュータが一つしか入手できないが、クリア後の索敵ステージで低確率で出現するのでそれを捕獲すると複数所持できる。
なお乗っているのはヤザンだが、マシンが良くてもパイロットが性能を引き出せない*15状態なので苦戦はしないため、優先して捕獲したい。

クロスドライブではどういうわけかガンダム試作3号機にレベル7のアップグレードパーツを組み合わせるとF91になる
造られた時代はもちろん、造った組織すら全く違うのだが…。
だが、「DS」の頃よりは開発しやすくなっているため、最速だとグリプス戦役中に開発できて性能も高いので頼りになる。
また、今作からクロスボーン・ガンダム3種への開発も可能となった。
今回はキンケドゥを乗せるとハイパー化するが、M.E.P.E.攻撃はハイパー化しなくとも使えるのであまり変化がない。
前作同様、搭乗機のないニュータイプ系キャラにあてがうと良い。
シーブックとしても登場するが、こちらはスポット参戦故かイベントでのみハイパー化する。


スパロボシリーズ
初代からの古参組だが、最近は参戦が少ない。
機体性能はCCA以後の主役機だけに一級品で、気力130になると分身が発動する為、相手ダメージの高い終盤でも生残性が高い。

ライフル以上の武装はENを消費する物のみで、調子に乗ってヴェスバーを撃っていると頻繁にガス欠になる。EN強化が必須。
最近では、弾数制のビームランチャーやヴェスバーより強力な武器としてNT専用「M.E.P.E.攻撃」が追加されている。
二軍NT・強化人間や序盤に専用機が無いアムロやトビア、キュベレイと小隊長能力の相性が悪いハマーン様等を載せても充分活躍出来る。
クロスボーンガンダムが参戦している作品では格闘型パイロットであるキンケドゥとは相性が悪いという悲劇。まぁ、それ言っちゃうとトビアとも相性悪いが。
しかし第2次αではニュータイプかつ小隊長技能でエネルギー消費を抑えられるウモン爺さんと相性が良いので、貧弱なゾンド・ゲーから乗り換えるのも手。
また、ごく一部の作品のヴェスバーは「ビームコートを貫通させることもできる」という性能を表現するため、
ファンネル系同様ビーム属性がついていなかった(ビームコート、Iフィールド、ビーム吸収の対象にならない)。
なお、MEPE攻撃は一部作では明らかに分身が本体と別の攻撃をしていた事がある

第2次αではクロスボーン参戦に伴い量産型も登場。アムロ達が頑張って量産型ν共々量産までこぎつけたんだとか。
M.E.P.E.は使えないが、分身はあるため集中がない2軍パイロットでもある程度安全に戦える良機体。しかも複数機手に入る。
その気になれば、オリジナル・ハリソン機・量産型でF91だけの小隊を組む事も可能。

一方敵として出てくると、気力が上がる前に落とされていくため、そんなに強くない。マシンが良くても(ry
なお、本作に限り、一般の量産型の塗装はクリーム色になっている。
参戦作品の問題なのだが、第3次αではヘビーガン共々見当たらなくなり、代わりにどう見ても平凡な性能のストライクダガーが量産されてしまった。
やっぱマシンが良くてもパイロットが性能引き出せなきゃダメかー…

Vでは量産型が参戦。M.E.P.E.は無く、ヴェスバーも通常のビーム兵器扱い。
クロスボーン本編終了後ながらまさかの参戦を果たしたキンケドゥの初期機体だが、余り性能が高くない*16上に射撃タイプなので、
格闘型アムロとでもいうべき彼の高いステータス・エースボーナス双方と噛み合っていないのが難点。
そのため大抵のプレイヤーのキンケドゥは他のガンダムを奪っていることが多い。
ただ、実は『V』のキンケドゥは射撃の方が1だけ高い上に「ヒット&アウェイ」まで持参していたりする。

アニメーション自体には力が入っており、F91本編らしいビームサーベルアクションなどが拝める。
なお、流石に量産型とはいえ多くの主役ガンダムが並ぶ中でF91の扱いだけを悪くするわけにはいかなかったのか、
途中で説明もなく武器の攻撃力が強化され、さらにカスタムボーナスでヴェスバーの攻撃力が上がるので
火力は他の主役ガンダムに僅かに劣る程度まで追いつく。移動力だけはどうしようもない

Xでは久々にオリジナル機が登場。機体名称が「ガンダムF91」だが、正式名称が「F91」のみなのが細かい。
加入当初は不調なので、相変わらずシーブックが他のガンダムを奪っているかもしれない。
だが、中盤にリミッター解除が解禁され、ΖΖΖのバイオセンサーや、νHi-νのサイコフレーム同様、気力130以上で能力アップの恩恵を受けられる。
無論、従来通りの分身や必殺技としてのリミッター解除(従来のM.E.P.E.)も追加される。

Tではキンケドゥが海賊から引退していないので当初はトビアの乗機として量産型F91が登場する。
フルクロスに改造が引き継がれる上にトビアがフルクロスに乗り換えた後も残るためそれを見越して手を加えておくとお得。
また、中盤の宇宙ルートでアナハイムが小型MSの研究用に入手した機体が不要になった、という理由で自軍にもう1機追加される。
ジェガンだとついていけなくなったシャングリラ組を乗せることを前提としているのか、エキスパンションシナリオではビーチャとモンドの初期乗機になっている。


初代スパロボのHDリメイク版では台詞*17が追加されている……のだが、キンケドゥを意識した台詞もあれば、
漫画版シーブックの迷言「ゲームオーバーだド外道ーッ!!」を言い放ったりと妙にネタ気味


ガンダムvs.ガンダムシリーズ
「ライフルモード」と「ヴェスバーモード」を切り替えながら戦う射撃寄りの万能機。
「ライフルモード」は標準的なビームライフルとサーベル格闘を持つ、クセがなく扱いやすいモードで、
「ヴェスバーモード」もコスト2000帯ではかなり優秀なヴェスバーで射撃戦に強いモード。
どちらも素直な性能、かつ機動性も高いので初心者でも扱いやすい機体だが、「ヴェスバーモード」時にはサーベル格闘が使えないので注意。

耐久力は500と2000コストの中ではかなり低い方だが、特格でM.E.P.E.を発動でき、
発動中は動くだけで攻撃の誘導を切れるが、反面被ダメージが2倍になり、更に受けた時点で解除される。

しかし、バランス調整のためなのかCPU操作のF91はM.E.P.E.発動中の行動パターンがいい加減になり、ロックオン外からのライフルに当たったりする。
これが敵であれば何の問題も無いのだが、問題は一人プレイ時にCPUの僚機がF91である時で、
僚機のF91が勝手に6回死んで敗北なんて光景が結構ザラにあった。ついたあだ名が『詐欺僚機』。
無印では『戦闘開始と同時にMEPE発動⇒十秒と立たずに一死』なんて光景があり、あまりに評判が悪かったためか、
NEXTでは『M.E.P.E.』はゲージが溜まるまで使用できない仕様に変更され、事故率は大幅に減ったものの、
結局適当に発動したCPUが流れ弾やら広範囲攻撃に当たって自軍のコストを無駄に消費する光景は無くならず、『詐欺僚機』の汚名を返上することは出来なかった。

一方、人間が扱えば『基本的になんでもできる万能機』で、プレイヤーの腕次第で戦果を挙げられる事から良機体といわれている。
アシストは殆ど当たらない&当たっても低ダメージで使われる機会は少ないビルギット


機動戦士ガンダム Extreme vs.
コスト2000で参戦。
ガンガンNEXT時代からモードが一元化し、ビームランチャーが射撃CSに、サブ射撃がヴェスバーに変更。
呼び出す機体もビルギットのヘビーガンからセシリービギナ・ギナに変わった。
『M.E.P.E.』も誘導切りの効果が弱体化したが、機動力上昇効果が追加され、前作シャアザクの「通常の三倍」に近いものになった。
格闘CSのビームシールド投擲は、敵のアシスト機体を誘導する性能を持つ珍しい武装となった。
抜刀・納刀の区別がされ、ほぼ全ての格闘が違うものに変更されたものの、前作と異なりBD格闘は射撃ガード属性を失っている。
変更点は多いが相変わらずバランスがよく、良機体である。

機動戦士ガンダム Extreme vs. FULL BOOSTでは、全機共通の変更点として覚醒技を付与。
大きく横に動きながらビームライフルやビームランチャーを撃ってヴェスバーで締める。
さらにM.E.P.E.中のレバー入れサブ射撃にヴェスバー連射が追加。移動しながら続け様に二発撃ち、どちらか一発でも当たればスタンする。

機動戦士ガンダム Extreme vs. MAXI BOOSTでは、ビギナ・ギナに突撃モーションが追加。
M.E.P.E.中は弱体化されたが通常状態は強化され、後のアップデートでは攻撃の発生モーション高速化を中心に上方修正が施されている。

機動戦士ガンダム Extreme vs. MAXI BOOST ONではそれほど性能に強化を受けておらず、
全体的な環境からすると弱体化の一途を辿っている。
しかしビーム主体で扱いやすい武装が揃っている本機は相変わらず初心者には扱いやすいため、とっつき易さは未だ健在である。

機動戦士ガンダム Extreme vs. 2では武装全体に大幅な見直しが入った。
射撃CSのビームランチャーは中間アップデートで命中しやすくなったので有用性が高くなった。
格闘CSのビームシールド投擲は範囲こそ大きいが、敵アシスト機体の誘導性能が全機体一律で削除されたので使い道が狭まってしまった。
サブ射撃のヴェスバーは通常状態からレバー入れで左右連射と、新規に高速撃ちが追加。原作設定さながらの撃ち分けが可能に。
特殊射撃のビギナ・ギナ呼出は、突撃からの二連撃か、停止してビーム三連射に変更。
格闘はBD格闘が新規モーションに、前格闘が旧BD格闘に、各格闘の特殊格闘派生が旧前格闘になった。
覚醒技は命中にムラがある事から、初段にビームサーベル切り抜けが追加されている。

機動戦士ガンダム Extreme vs. 2 X BOOSTでは遂にコストが2000から2500へ格上げ。
それに伴い機体ビジュアルが変更され、ビームランチャーを常時左手に携行するNEXT由来のポーズに変更された。
新コマンドこそ少ないが、コスト2000時代のムラの多さを改善した手堅さと自衛力の高さで立ち回る後衛機という立ち位置を確保したといえる。
ただ最強の自衛力とF91以上の差し込みを見せるジャスティスガンダムとアカツキの存在がF91の立場を追いやっている。
どちらも二重三重の下方調整により最盛期と比べて格差は縮まったが、F91の中間アップデートも含めた性能とはやはり格段の差がある。
特に火力の差は如何ともしがたく、平均的な火力が低いF91ではダメージレースで大きく劣る。
それでも本機は癖が無く初心者から上級者まで安定して使えるとっつき易さと、
通常状態とM.E.P.E.状態で立ち回りを切り替えやすく自陣の状況に対応しやすいという汎用性が強い。
この汎用性はEXバーストの選択でも大きく反映され、機動力をフルに活かして盾捲りや逃げに特化するM覚醒、幅広い射撃をばら撒き落下テクも増えるS覚醒、
引っかけやすい前格闘を射撃からのキャンセルで補える他にトータルでの強化も狙えるF覚醒、低耐久を誤魔化して事故落ち回避と高い生存能力で立ち回るC覚醒など、
プレイヤーや相方に合わせたスタイルでやっていける。R覚醒はお察し。

機動戦士ガンダム Extreme vs. 2 OVER BOOSTでは、Nサブ射撃にかつてのビーム・ランチャー連射が復活。
足を止めてしまう都合から外した際のリスクが高く、前作でサブ射撃が慣れてしまった人は特に誤操作しやすい。せめて性能が前より良ければ……。

クライマックスUC
高次元のパラメータ、優秀なチャージ攻撃に専用スキルによる無敵化まで合わせ持つ。
ただし専用スキルのSP消費が激しく、NTや強化人間以外は使いづらい。



□立体化

劇場公開当時に発売された1/100と1/60キットがある。
1/60は一部組立済み。

旧1/100は当時の最先端技術である「システムインジェクション」によって、肩のF91の文字まで色分けされている。
ただし分割までされていないため、塗装派にはすこぶる不評だったりする。

後にMGでもリメイクされたがそのスタイルは賛否両論。
かなり劇中とかけ離れた体型な上に、全身のフレームがABS樹脂製でポリキャップが使用されていないため異常に組みにくく、
更にパーツがポロポロ落ちたりポッキリ折れたりするという問題児キット。
小型MSシリーズ化の試金石とされたという意見まで出るほど。
一応このMG、ラフレシアの上部を模した触手付きの専用アクションベースが付属しており、劇中の「質量を持った残像だと言うのか!?」のシーンを再現可能だったりする。

そして2018年5月、ファン待望のMGver.2.0が発売されることとなった。
1.0の反省からか昨今のアレンジの利いたMGとは違ってかなり劇中及び当時の設定画に近いものとなっている。
頭部フェイスガードの開閉は可動式と固定の差し替え式どちらかで選択可能。
更にスラスター等がLEDで発光する。
ハリソン専用機はVer.1.0が一般、Ver.2.0がプレバン限定で発売されている。

HGオールガンダムプロジェクトでは待望のHGUC1/144スケール化。
体型はMG1.0を小型化したような感じだが可動範囲は良好。
差し替えでMEPE発動も再現でき、武装も一通り揃っている。しかしV.S.B.Rは白一色なのでシールか塗装が必要。
AGP共通の眼鏡型関節はKPS製で摩耗に強いのに扱いやすいが、今だと大きくやや野暮ったいように見えるかもしれない。
ハリソン専用機も同時に一般販売されている。


ROBOT魂でも発売され、そのプロポーションは立体物の中でも劇中のイメージに最も近いと高評価を得ている。

METAL BUILDでは大河原邦男監修の元かなりアレンジが加えられた体型で立体化されたが、
仕様自体は充実し別売りパーツでツインヴェスバー装備にできる事もあって「これはこれで」と一定の評価を得ている。
PVでは車の新作発表会さながらの雰囲気で各部の解説がされるムービーとなっている。


近年ではカラバリとしてハリソン機が発売されるのがお約束。
またプレミアムバンダイ限定でツイン・ヴェスバーとバックキャノンのセットが発売された。
イベント「富野由悠季の世界」ではオリジナルプランVer.として初期案の真っ白なF91が限定販売されている。



◇余談

  • 映画終盤のモニカの台詞からバイオセンサーも搭載していると思われるが、これがΖガンダムなどに搭載されたバイオセンサーなのか、生体センサーと言う意味なのかははっきりしない。

  • 飛行能力については設定が曖昧なところがある。
    劇中描写においてはコロニーの中心空間だけでなく地表付近でも*18飛行しており、1Gに近い環境下でそれなりの時間浮いていられるだけの推力か相応の浮遊力は得ている模様。
    ゲームで登場する場合も扱いは千差万別で、Ξガンダム並の飛行能力があるガンダムバトルシリーズ、飛行自体は可能だが地形適性が低いGジェネシリーズ、
    作品に寄って飛べたり飛べなかったりするスパロボシリーズ、特別な能力は持たないがブーストの潤沢さで事実上の空中戦が可能なクライマックスUCなど。

  • 主人公機が性能や外見をほぼそのままに量産化にこぎ着けられた稀有な例の一つで、他はヴィクトリーガンダムなど少数に限られている。

  • F91は実はSD界隈で非常に優遇されている。
    BB戦士No.100記念にはこの機体をベースにした千生大将軍が発売される。
    地上最強編・伝説の大将軍編では衛府弓銃壱(烈光頑駄無)が主役を張り、後に新生大将軍にまで出世し、彼の血族(飛駆鳥、號斗丸etc)が後のシリーズの主役になっていく。

  • SDガンダム外伝においては円卓の騎士灼騎士F91として登場後、灼熱騎士F91にパワーアップ。次のシリーズである聖機兵物語の第1章の主役を務めた。
    しかも他国であるダバード王国における名声も相当のもので、彼の後任主人公であるGP01よりも完全に各上の扱いを受けていた。
    ちなみに負傷後は幻影騎士RXF91として戦線に復帰した。サナリィ製じゃない?気にするな

  • コンパチヒーローシリーズでも主役級のプレイアブルキャラとして参戦することも多く、初代ガンダムよりも顔が広い。
    そのシリーズでガンダムを知ったという子供も多く、屈指のイケメンガンダムであるため人気もあった。
    ガンダムシリーズの知名度と人気の上昇に大幅に貢献した機体でもある。



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だったら本編や資料集を読みふけりなさい!それが出来るのも暇人の力なのよ……。


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最終更新:2024年04月13日 00:58

*1 F91は映画公開年の1991年から。因みにフォーミュラなのは当時F-1が流行っていたから。

*2 従来の核融合炉はビームが直撃してもその瞬間に核融合反応が停止するため核爆発が生じる危険性は無かったが、この新型は小型・高出力化のために従来の物と原理を変更した結果、瞬間的に反応停止する仕様が消失した。なお、この問題は後の世代においても解決されていない。

*3 劇中で明言されていないためか、近年の書籍では「サイコフレーム採用MS」のリストに含められていなかったりと、はっきり否定されていないながらも公式サイドから半ば「死に設定」扱いされている節がある。

*4 漫画『機動戦士ガンダムF91 プリクエル』でははっきりとサイコフレーム搭載機と言われている

*5 資料によってはカタログスペックが同世代の高性能機と変わらないのはリミッターが掛かった状態と記されている

*6 SFCゲーム「機動戦士ガンダムF91 フォーミュラー戦記0122」内の122年段階では高性能学習型コンピュータを搭載した状態であり、ゲームのエンディングの122年12月の年末にバイオコンピュータに換装されている。

*7 F91本編を見るとコックピット内の宇宙の色は青味の強い色に補正されているのが分かる

*8 よく「チャフと同じ効果」と言われるが、チャフはアルミニウム箔等(細長いテープの様な物が多い)でレーダーの発する電波を乱反射して反射エコーを塗り潰す物で、M.E.P.Eとは毛色が異なる。

*9 V2ガンダムの技術史設定等から考えれば同じミノフスキードライブでもガイア・ギアの方の設定に準拠した物である可能性が高い

*10 F90Aタイプのメガビームバズーカはビギナ・ギナが装備している事もあってビギナ・ギナの機体の武装として紹介されている事もある為

*11 メガコンデンサ自体は第一次ネオジオン戦争時代ΖΖガンダムやゲーマルクなどに使用されていた既に存在する技術である事に注意

*12 「実際に口に出してみると意外と言いづらい上に締まらない」という理由で台詞に入らなかったらしい

*13 MSVでΖやΖΖ、νの量産型の設定はあったが、Ζは最大の特徴である変形機能がオミットされており外見も別物と化していた。ΖΖはハイメガキャノンこそ簡易型として残されたものの変形機能はやはりオミットされて外見も別物に。νは比較的機能は原型機に寄せているが、やはり外見は別物であった。しかもどれも最後に「実際には量産されなかった」という設定が付く。

*14 作品によってはビームライフルが完封される事もある。

*15 分身と全体攻撃はニュータイプ系技能を持ってないと発動しないのでヤザンでは使えない

*16 『V』では移動力の水準が全体的に厳しくなったとはいえ、5しかない。

*17 初代ではパイロットという概念がなく、各ロボットは人格を持ったキャラクターである。

*18 コロニーは遠心力によって重力を発生させているが、中心部では無重力に近くなり外壁では1Gに近くなる。少なくとも内壁の回転に合わせて低空飛行する場合はそれだけで内壁に押し付けられる方向に慣性が働く。仮にF91が発艦して空中に飛び出した後にこの遠心力から逃れたのなら、内壁に着陸中のスペース・アークから置いていかれる形になる筈である