ポケットモンスター(穴久保版)

登録日:2012/07/15 Sun 18:22:58
更新日:2023/11/29 Wed 21:34:39
所要時間:約 6 分で読めるッピ




コロコロコミックにて連載されている、穴久保幸作の漫画。
ポケットモンスター』を題材にした漫画では初めて連載した漫画で、90年代から連載している作品では「ポケスペ」、やましたたかひろの『4コマ大百科』と共に長らく連載されていた貴重な存在。
連載時は「元祖ポケモンギャグ漫画」と書かれていた。

タイトルが「ポケットモンスター」なので、この漫画の事を呼ぶ時はもっぱら「穴久保版」と呼ばれる。
別冊コロコロコミックで連載開始した初期は「ふしぎポケモンピッピ」というタイトルで、月刊コロコロコミックに移籍する際に現在のタイトルになった。
月刊コロコロコミックでは『スーパーマリオくん』に次ぐ長寿連載。


ルビー・サファイア以降は新しい世代のソフトが発売する度にタイトル変更、単行本のカウントもシリーズ毎にリセットされている。

また、AG編86話で本作のレッド(CV大谷育江)、ピッピ(CV山口眞弓)、ピカチュウが映画の登場人物として出たのは有名な話。

コロコロアニキでは2018年夏号から『ポケットモンスター アニキ編』を連載中。

そして、2019年10月…ついに、長き連載を終えて本誌での連載に幕を下ろした。
別コロ時代から数えて連載期間は総計23年8ヶ月。これはポケットモンスターを題材としたコミカライズでは最長である。
なお、これにより作者の穴久保先生もくにおくん時代から数えて30年以上に渡るコロコロコミック連載を終えた事となった。
ただし紙媒体雑誌による月刊ペースでの連載が終了したという意味であり
執筆ペースを落としつつも他媒体でのポケモンの発表は継続している。


◆概要だッピ!

基本的にギャグ漫画。
レッド、ピッピ、ピカチュウの1人と2匹が旅をする、というもの。金銀初期はトゲピー、金銀中期〜DPまではバルキー、BWではローブシンが入れ替わりで一行に加入している。

初期は様々な町を旅してジムリーダーを倒していったが、アスナ以降のジムリーダーはBW編まであまり登場しなくなり、毎回お題に沿った物語が進行している。

また、本作は殆どのポケモンが人間の言葉を話すのが特徴。(たまに話せないポケモンも)
…が、現在は株式会社ポケモンの意向なのか、主人公のピッピ以外は人語でなく鳴き声で会話する様になっている。翻訳付きで人間と普通に会話出来てるので以前と変わってないが。

初期はオリジナルポケモンも登場したりキャラの容姿が原作と全く違っていたりという描写が多かったが、時間の流れと共にそういう要素は消えていった。
ポケモンの容姿も原作っぽくなっていった。

下ネタが多かったが近年は減っている。

作中でよく使われるセリフは「オラー!」「ヤロー!*1」「ギエー!」…実にわかりやすい。


◆既刊一覧

無印 全14巻
R・S編 全6巻
D・P編 全5巻
HG・SS編 全2巻
B・W編 全4巻
X・Y編 全5巻
サン・ムーン編 全4巻


◆登場人物だッピ!

本名、赤井 勇(あかい いさむ)。ただし、1話冒頭にしか本名は出てこない。

初代主人公を模した赤い服。世代が変わろうが継続して彼が主人公。
基本的に真面目なツッコミ役だが、たまに調子に乗る。
ジムリーダーや四天王にも「お前」呼びして乱暴な口調で接するが美女には弱い。カミツレ回では珍しくキャラ崩壊した。

初代では(いつの間にか)151匹を捕獲、なんだかんだで対峙したジムリーダーや四天王は全て撃破等と功績は高い。
当初はマサラタウンに住んでいたが、ピッピとの別れを機にワカバタウンに引っ越す。
その後は気づいたら他地方に迷い込んでいたという形で舞台は変わっていく。

本作の主人公となるポケモン。
レッドがオーキド博士にポケモンを貰いに行く道中で野生だったピッピが活躍したのを見て、ピッピをパートナーポケモンにしたのが始まり。

原作では可愛いアイドルポケモンだが本作では大幅なアレンジが加えられており、
  • 大食い
  • デブ
  • 卑怯
  • 言葉遣いが悪い
等という物凄いキャラになっている。地味に掛け声ややられた時の台詞が豊富で、その中でもギエピーはこのピッピを表す単語として使われる程のインパクトを持つ。
BW編ではあのNに「来るな…あっち行け!」とまで言わせるほどのトラウマを植え付けるなど、破天荒ぶりはいまだに衰えていない。
バトルではポケモンの技はあまり使わず、大食いや体重を生かしたオリジナルの肉弾戦やギャグやダジャレで戦うことが多い。それでも戦績は結構なもの。技はたいあたり、往復ビンタ、ひかりの壁などが使える。
ちなみにデザインの変遷があり、XY編辺りからピカチュウに近い顔だけ丸っこくやや細身になっていた。アニキ編から再び以前に近い丸々した体型に戻っている。

ニビジムに捕らわれていたピッピの従兄弟。一応、タマゴグループは両者ともようせいグループなので辻褄は合う。
「ピカ」(初期は「ピチュ」)という鳴き声しか発せず人間の言葉は話せないが頭が良く、メカ等の作成もお手の物。だが初期の頃はよく下ネタもやっていた。*2
人間の言葉が話せないせいか空気化が進行していたり……。
最近では鳴き声の後に()付きで台詞が翻訳されるようになる。敬語で話しているがたまにキャラが壊れる。

ウツギ博士から貰ったタマゴから孵った。ピカチュウと同じく人間の言葉は喋れない。
暫くしてから大好きクラブのおじさんとバルキーと交換する形で別れた。後に再登場した。

大好きクラブのおじさんから交換されたポケモン。
初期は一行にあまり馴染んでいなかったが段々レッドと共にツッコミ役のポジションになっていった。後期では電車オタク等の属性が付加された。
BW編に入る頃に故郷の仲間が迎えに来て、約束の為に帰っていった。

BW編の初期に加入。
元は大工の一味だったが、依頼通りに仕事を果たせない為クビに、そしてそこにいたレッド一行に加入した。
なんだかんだで技術は高く、持ち前の怪力を活かす事も。
「いーよ」と言うなど、けっこう軽い性格をしている。
XY編でレギュラー降板。だがバルキーと比べると別れが簡易過ぎる…

SM編の途中でまさかのレギュラー入りしたキャラ。ポケモンではなく人間キャラがレギュラー入りするのはこれが初。
アニメやゲームと違ってかなり破天荒なキャラであり、ピッピをぶん回したり、お化け屋敷に自ら入ろうとしたりしている。また、レッドにかなり惚れられている。
台詞回しも「やっぱりおばけやしきでしょうですです!」と日本語がおかしくなる事も多い。一部ではそれが良いと思う人もいるが。

本名、緑川 開(みどりかわ かい)。
オーキド博士から貰ったポケモンはヒトカゲ
度々競ういいライバル。
だがイブキ戦以降長らく登場せず、次回の登場はPWT回と10年以上の期間があった。

  • ブルー
眼鏡をかけた根暗な少年で、当初はゲンガーに取り付かれていたせいもあって引きこもりだった。
後に外に出るようになったが、釣った魚を一々供養したりと根は変わっていない。
カメックスを所有している。

  • イエロー
マチスを更にファンキーにした感じの少年。
目つきが悪いピカチュウを連れており、当初はレッドに変装して悪事を働いていた。
某トキワグローブさんとは関係ない、というかあってたまるか。

様々な事を研究している。が、割とボケキャラでもあったりする。
最近はレッド達に怪しい発明品を紹介するか、幻のポケモンの捜索を依頼する役割。実はズラ

ロケット団のボスで、まさかの双子。原作や他作品ではシリアスなサカキもギエピーの手にかかれば悲惨な事に。

何度か再登場し、レッドとそれなりに仲が良いと思われる。

まさかの他の惑星に居を構える、四天王のボス。
レッドとは数度に渡って戦う。
ちなみに他の四天王も曲者ばかり。特にキクコは別人。というか人ですらない。

最強のポケモン。
……だったが遺伝子をピッピに取られてあちらはミュウスリーに、ミュウツーはミュウツーピッピというおバカキャラと化した。

  • 金之助
金銀主人公。
ヒノアラシを持っている。

  • 銀次郎
金銀ライバル。
ワニノコを持っている。

  • サファイア
RS男主人公。

  • ルビー
RS女主人公。
アチャモを持っている。

  • レッド
FRLG男主人公。主人公のレッドとは別人。
あちらがあだ名なのに対し、こちらは本名。
更には普通のピッピを所持している。

  • みどり
FRLG女主人公。

  • ダイヤ
DP男主人公。

  • 一輝
DPライバル。

  • ウツギ博士
金銀編から登場。若干空気気味。
HG・SS編で久しぶりに登場したが、老け顔になっていた。

  • ポケモン大嫌いクラブ会長
その名の通り、「ポケモン大嫌いクラブ」の会長。
数年前から病気で寝たきりになっていた。
だが、高山からピッピとペリッパーが命がけで持ってきた幻の薬草の効果で立てるようになり、体つきもたくましくなった。
その後ポケモンに対する考えを改め、ポケモン大好きクラブに変更した。

  • ナナカマド博士
DP編から登場。オーキド博士の先輩。
アルセウス 超克の時空へ」公開と同時に劇場へダッシュした。

BW編でオーキド博士と似たようなポジションに。
オバサンは禁句で、言ってしまった場合は電話帳を真っ二つにするほどの怪力を見せてくれる。
アララギパパはHな本を大量に所有している。

XY編から登場。

BW編のポケモンリーグチャンピオン。
マラソン大会で優勝を目指すピッピ達にランニングシューズを貸したが、あまりの匂いに彼以外全員卒倒した。

シッポウシティジムリーダー。
図書館でピッピ達に静かにするように注意するが、自分がうるさかった。
ちなみに大事そうに持っている本は0点本。
ピッピ達にばれたときは黙っておく代わりにベーシックバッジをあげた。

ライモンシティジムリーダー。
レッドに惚れられ、最後まで付きまとわれる羽目に。
その際に言ったセリフは名言ならぬ迷言。
おれは残る。カミツレちゃんとここで生活するんだ!!

フキヨセシティジムリーダー。
コロコロではフウと誤記されていた。
ピッピ達にパイロットになるための特訓をさせるが、実は誘導員がほしかっただけだった。
ここでもレッドはべた惚れしてしまう。


◆余談だッピ!

ピッピとピカチュウが従兄弟だったりサワムラーとエビワラーが兄弟という初代じゃおかしいが2世代目なら違和感ない設定があったり、アニメが始まり大ブレイクする前にピカチュウをレギュラーキャラにしたり、金銀発売前に「まるくなる→ころがる」のコンボを確立したり…偶然だろうが後の設定と当たる。

初期でオリジナルポケモンが出てたりトキワの森にミュウツーがいたりしていたが*3、これは単純に資料が無かったため。
体の下に生えてる短い触手のようなものでシャカシャカと走るスクラビングバブルみたいなディグダを見ると分かりやすい。
一方で序盤のポケモンは資料があったのか、キャタピー、コクーン、ポッポ、ニドリーナ、ピカチュウは比較的原作に近い姿で登場している。*4
なおここで出てくるピカチュウは後に仲間になるものとは別個体で、目つきも悪いしキバも生えている。

原因は連載開始は初代ポケモンが発売する何か月も前で、前宣伝としての作品だったからである。
その為、本作は他の『ポケモンの人気が出た故のコミカライズ』とは根本的に立ち位置が異なる作品である。
公式も本作に対して『立派にポケモンのアピールをしてくれた』と残しているぐらいには極めて評価が高い作品でもあり、アニメに唯一漫画作品でゲスト出演したことがあるのもこの特殊な立ち位置にあるというのも大きいのだろう。
実は本作の人気と影響も初期は大きいのもあってか、真面目にアニメのポケモンでは『ポケモンは人語を話すのが基本』という設定にする予定があったぐらいである。
何故か各ゲームの主人公やライバルキャラよりも、オヤジキャラの登場する確率が比較的高い。

作者のお気に入りなのかただ単に書きやすいからかは不明だが、何故かかくとうタイプ(主にカイリキー)のポケモンの登場率が高く、レギュラーキャラにもなっている。




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最終更新:2023年11月29日 21:34

*1 ガラル地方の草タイプジムリーダーのことではない。

*2 例として、話の途中で物凄い量の脱糞をする等。

*3 ただしミュウツーの出自とトキワジムリーダーのことを考えると、ミュウツーがトキワの森にいたこと自体はそこまで不自然とは言えないという見方もあり、アニポケにおいても『ミュウツーの逆襲』の前日談としてトキワジムでシゲルのポケモンを制御アーマーをつけたまま打ち負かし、鎧を脱ぎ去って飛び去るというシーンが存在する。

*4 ただしニドリーナは火を吐く。一応れいとうビームなら覚えるほか、進化すればかえんほうしゃを使えたりはするが