南光太郎

登録日:2009/06/13(土) 10:22:13
更新日:2023/12/30 Sat 14:15:44
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(みなみ)光太郎(こうたろう)とは、特撮テレビドラマ『仮面ライダーBLACK』及び『仮面ライダーBLACK RX』の主人公。
仮面ライダーシリーズ中、最も長く仮面ライダーとして主役を張り続けた。

ファンからは役者の名前から、「てつを」という愛称で呼ばれる。

演:倉田てつを





  • 『BLACK』の光太郎
東星大学人文学部2年生で、サッカー部に所属。3歳の時に両親と死に別れ、父の学者仲間だった信彦の父・総一郎の養子となる。
19歳の頃に、船上パーティの場で暗黒結社ゴルゴムに親友の秋月信彦と共に拉致されてキングストーンを埋め込まれ、「世紀王ブラックサン」となる為の改造手術を施される。
が、脳まで改造手術される前に、総一郎のおかげでバイクのバトルホッパーと共にゴルゴムからの脱出に成功。

以降は親友の信彦を助ける為、人間を守る為に『仮面ライダーBLACK』を名乗り、ゴルゴムと戦う決意をする。
その一年間はなんでもかんでも「ゴルゴムの仕業」と即断しては敵をパンチキックで倒していく。


一番有名なのは、

マグロが大量になくなる

マグロの価格が上昇しているのを見かける

ゴルゴムの仕業だ!(いや、確かにマンモス怪人の仕業だったけどさ)

この南光太郎の“ゴルゴムの仕業”はBLACKファンの間で一躍有名となり、一時期流行語となった。

カードゲーム『レンジャーズストライク』でもゴルゴムの仕業というカードが存在する。
もしかしたら『仮面ライダーバトル ガンバライド』のアタックライドでも…?


…と、思ってたら『ガンバライド』の方でもライダースキル(特殊能力の様な物)に登場した。

時折挿入される平和だったころの回想では陽気な姿を見せているが、本編中はどこかで常に影を背負っているところがある。おのれゴルゴム。

普段の服装は灰色のブルゾンにジーンズ。指ぬきグローブを装着している。
変身する際に拳を握り締め、グローブがギチギチ音を立てるのが最高にカッコいい。
なお、途中からブルゾンが白になり、さらに26話からは白のジャケットに変わった。それに伴い16話から追加製作された変身のバンク映像の一部分*1も20話と26話で変身前のカットが再撮影されている。

オートバイを趣味としており、1987年式のSUZUKI・GSX-R400に乗っている*2
信彦も同じ型のものに乗っており、光太郎の車両は赤と黒、信彦は青と白だった。

  • 『RX』の光太郎
ゴルゴムを壊滅させた後、一人どこかへと走り去った。
親友を自ら殺し(後に生き返ったが)、友人をみな失い(ゴルゴム日本占領時、海外へと避難してしまった)、相棒のバトルホッパーもいない、孤独の中で。
どういう経緯かは具体的に描かれていないものの、伯父の佐原と再会。
彼の経営する会社でヘリの操縦士として仕事をすることになり、手に職を持つことが出来た。
ちなみに伯父と出会った際、光太郎はかなり憔悴していたらしい。

前作と比べるとかなり明るくなり別人のような性格になってしまったため、それが賛否両論を生む。
何故そうなったかと言えば倉田が監督にお願いしたからだそうだ。

「辛い過去から抜け出して、本来は明るいはずの光太郎に笑顔を見せてやってほしいから」(要約)。

玲子から預かったサボテンに水をやり過ぎて枯らせるという、前作と同じミスを犯した上に、
それを誤魔化すために、サボテンを誰かに盗まれた事にして捨ててしまおうとした事も…

新たなる敵・クライシス帝国が送り込んだスカル魔とスカル魔スター相手にBLACKに変身しようとするも、妨害を受けて拉致されてしまう。
クライシス帝国から協力を要請され、これを拒否したところを変身機能を破壊され、宇宙に放り出されてしまう。
しかし、太陽の力で奇跡が起こり、仮面ライダーBLACK RXとしてパワーアップした*3


途中から、ロボライダー、バイオライダーにフォームチェンジ出来るようになる。
昭和仮面ライダーの中でフォームチェンジが出来るのは仮面ライダーストロンガーと彼のみである*4

今度は「おのれクライシス!!」

普段の服装はそれまでとは別の白いブルゾンに白いパンツ。
愛車はSUZUKIのRGV250にモデルチェンジ。偶然かはたまた意図的なものか、前作の回想シーンで信彦が乗っていたバイクと似た青と白のツートンカラーである。



  • OVA『仮面ライダーSD』での南光太郎
頭身はSD化されており、RXとして登場。
CVは残念ながら倉田氏ではなく、石ノ森章太郎の息子である小野寺丈(『RX』にもセミレギュラーで出演)。
主人公であり、バトルライダーズの一人。
一応主人公だが、先輩であるZXに賭事で負けて金をせびられたり、好きな女の子に告白しようとしたらV3に取られたりと、
酷い扱いを受けている。
シャドームーンとは幼なじみでありライバル。…だがRXはシャドームーンの名前を覚えていない。
というか、サンシャインムーンと名前を間違えて覚えてしまった。


  • コンパチヒーローシリーズでの南光太郎
ウルトラマンタロウとは『ヒーロー戦記』にて組んで漫才をさせられた仲。
名前が東光太郎でややこしいから、変身後のタロウと呼ぶ。東に巨人、南にてつを。天地に死角なし。
仲間から外れた時は寂しそうだった。

『ヒーロー戦記』の光太郎はノリの良い熱血おバカキャラと化しているので注意。ポジション的にはスパロボシリーズの兜甲児に近いか。
しかし、決めるべきところは決めており、しっかりヒーローとして活躍している。
そして彼がかけたある言葉がある男そのを10年越しに決定付ける事になった。


最初はBLACKとして登場し、後にRXにパワーアップ。
原典通りのロボライダー、バイオライダーへのフォームチェンジ再現に加え、先輩ライダーであるストロンガーから『電キック』、
仮面ライダー2号からは『ライダー回転キック』、ZXからは『ZXシューティングスター』を教わった(正確にはZXからだけは貰った)
…その煽りを喰らった結果、リボルクラッシュがいらない子になってしまったが(あろう事か、RX単体最強必殺技はボルティックシューターである)
また、劇中では仮面ライダー1号、XV3アマゾン、そして名前だけだが、スーパー1も登場しており、
その先輩ライダーの多さをモロボシ・ダンから突っ込まれている。
まぁ、昭和ライダー達は登場順に先輩後輩の縦社会になるという暗黙のルールがあり、彼は仮面ライダー11号だから仕方ないと言えば仕方ない話でもある。



  • 漫画版の南光太郎
原作の石ノ森章太郎先生が最後に漫画を手掛けた仮面ライダーであるが、タイトルは『仮面ライダーBlack』となっており、
南光太郎を始め、設定やストーリー展開が特撮版『BLACK』とはテイストが異なる作品になっている。

特撮版同様に、ゴルゴムに改造されながらなんとか脱出に成功したが、記憶喪失という点が異なる。
変身後の姿も、特撮版がバッタの中にヒーローとしての要素を落とし込んだデザインなのに対し、こちらはよりバッタに近い怪人で、
さらに変身すると服が破けるので変身解除すると全裸になるという違いがある。
また、『仮面ライダーBlack』を名乗ったのも劇中一回だけである。
最初の状態は緑で、怒ると色が黒く変わり能力が向上する。
活動範囲も漫画版は世界各国と広く、世界各地を回りながら数々の謎を追うため、「仮面ライダー」なのにほとんどバイクに乗らない。

記憶喪失だった自分を助けてくれたケイトとサム、大学の先輩にして「仮面ライダー」としての道を示した大門五郎らと共に、
人類の自由のために“ゴルゴム”の怪人と闘いながら光太郎は失った過去(記憶)を探し、自らが京都に住んでいたことを思い出す。
そして、京都で両親を喪った幼少期の自身を家族同然に育ててくれたという秋月家に辿り着き、秋月家の実の子供で、きょうだい同然に育ったという秋月杏子と再会。
記憶喪失前に自分と共にニューヨークに渡ったという秋月信彦が事故で死んだことになっていることを知った光太郎は、それがゴルゴムの陰謀で彼はゴルゴムの手の中にあると直感。
終盤、その直感通り、自分と同じく改造されながらゴルゴムの手から逃れたという信彦と合流し、手を組んでゴルゴムと戦っていくが――。

……しかし、彼を最後に待っていたものは親友との決着と人類絶滅の危機であった。

戦いの中、未来世界に飛ばされた光太郎は、そこで人類が滅亡した世界を牛耳る「魔王」と名乗るバッタ人間と出会う。
自分や信彦が変身した姿にそっくりな「魔王」は光太郎に世界支配への協力を持ち掛け、拒否した光太郎と「賢者の石」*5の力のぶつけ合いになるが、
自身のそれよりも30年分の重みがある「魔王」の「賢者の石」には敵わず、そのエネルギーで元いた時代の7年後(1995年)の秋月家に戻される。

戻された光太郎が見たものは、光太郎が姿を消した後の7年間で世界征服の陰謀を巡らす魔王と化した信彦であった。
彼に攻撃された後、今度は1999年に導かれ、激闘の果てに光太郎は信彦を倒すが、既に世界は滅亡の一途をたどっていた。

これで未来は救われたのか?
人類が滅亡した30年後(2018年)に君臨していた「魔王」は信彦だったのか?それともあれは未来の自分だったのか?
これで人類は守れたのか? それとも、これから自分が人類を滅ぼすのか……?

苦悩のあまり彼は叫んだ。


教えてくれ! 俺は誰だ!?


それに答えるものは、誰もいない。




◆第26・27話
『RXの世界』の南光太郎=BLACK RXと『BLACKの世界』の南光太郎=BLACKが登場。
それぞれ同じ顔をしたパラレルワールドの人物で、TV本編の光太郎とは別人として描かれていた。
最初は他のリ・イマジネーションライダー達と同様、仮面ライダーディケイド世界の破壊者と認識して戦っていた。「おのれディケイド!」
パラレルワールドとして設定したおかげで、BLACKとRXの同時変身が実現した。

なお、『RXの世界』では原典を意識したような上下とも白の服装だったが、『BLACKの世界』では上下とも黒になっている。まあ、変身シーンはCGで再制作されている。


◆『劇場版 仮面ライダーディケイド オールライダー対大ショッカー
冒頭のライダーバトルではRXはディケイドと対戦し、BLACKはV3やスーパー1と共にチームを組み、ディケイドとディエンドクウガのチームと戦った。
両者共に様々なフォームチェンジを駆使し一進一退の攻防を繰り広げるが、最終的にはディケイドに負けてしまう。

大ショッカーとの決戦では、RXはリボルケインで雑魚を倒していき、カブト1号、2号と共に大ショッカーの大幹部・ガラガランダを倒した。
BLACKは雑魚と戦うぐらいで目立った活躍がなかった。

エンドロール前にはRXが変身を解いて、津上翔一モモタロスと共に門矢士にエールを送った。


「テレまんがヒーローズ」の藤沢真行氏のコミカライズではRXがシャドームーン(月影ノブヒコ)と会話している。
地の石を破壊し、門矢小夜をお姫様抱っこして救出した。

「そこまでだシャドームーン!! 人を想う心…それだけで人は光になれる!」



前作『平成ライダー対昭和ライダー 仮面ライダー大戦 feat.スーパー戦隊』は変身後のみだったので声は代役だったが、今回はてつを本人が変身前/後を担当。
歴史が変わってしまい、歴代仮面ライダーがヴィランになる中、たった一人仮面ライダーBLACKとして孤独な戦いを続けていた。
彼と出合った事で泊進ノ介は人々の自由を守る仮面ライダーとしての心を取り戻すものの、光太郎は遂にショッカーの凶刃の前に倒れてしまう。

だがふしぎなことがおこり、RXとして復活する。
ちなみにディケイド以降毎回サラッとBLACKとRXが共闘しており映画『仮面ライダー 世界に駆ける』は忘れろ、映像媒体での客演でちゃんと同一人物扱いなのは今回が初。

これまでの作品はディケイドでの設定を踏襲していたと解釈すると変身機能が異なる同一人物が二人いてもおかしな事は無いが、今回の場合、光太郎は最初の登場時点で変身機能がBLACKに戻されている。『RX』最終回からの長年の空白期間においてどういう経緯で戻ったのかは明らかにされていない。

『ディケイド』同様にBLACKとRXの変身シーンがCGで再制作され、当時同様にバッタ男に一瞬変わったり、蒸気が出たりなど忠実に再現されている。

「子ども達の夢を守り、希望の光を照らし続ける……それが仮面ライダーだ!!



〈主な出演作品〉



などなど



【余談】
ノドを押し潰したかのような独特のガラガラ声をしており、当時の視聴者に強い印象を残していたが、
近年では動画サイトの普及などにより「ゆ゛る゛さ゛ん(許さん)!!」などのセリフが今まで以上にネタにされるようになり、
とりあえず彼がキレたときの台詞には濁点が付く、「てつを語」などと呼ばれて親しまれている。
こんな声や喋り方になったのはそれなりの理由があり、DVDに収録された倉田氏本人のインタビューによれば、
「なるべくヒーローらしい迫力のある声で喋ろうと、特に変身した後などは意識して声色を変えるように努めていた」のだという。
しかし、当時の倉田氏はデビューしたばかりの新人俳優。
せっかくの心遣いも、俳優としての技術力が足りずに明後日の方向に暴走してしまっていたのかもしれない…。


さて、歌唱力や名言等で何かとネタにされがちな光太郎ではあるものの、劇中における彼の最終的な状況は…

  • 物心付く前に両親を失う
  • 育ての親を目の前で殺される
  • 心の支えの二人とも別れる
  • 親友を自らの手で殺める
  • 叔父と叔母も救えなかった
  • 二つの惑星を天秤に掛けられて結果的に50億人を見殺しにしてしまう
  • 仲間やいとことも別れて孤独に旅立つ

という非常に重く悲しい結末となっている。

漫画版での「魔王になるかもしれない」という恐怖や身内全滅・文明崩壊という追い打ちがないだけましかもしれないが…。
しかもキングストーンを埋め込まれているため普通の人間と体の構造が変わってしまい、それだけの十字架を背負っているにも関わらず、
天寿を全うするにはあと5万年は生き続けなければならないという色々と救われない男である……。


ちなみに彼と関わったゲストキャラには、後に『ブラック』の名を冠するキャラの声を演じた役者が3人もいる。

2022年にはAmazonプライムビデオで、『仮面ライダーBLACK』のリブート作品『仮面ライダーBLACK SUN』が製作・配信されたが、
リブートということもあってか『BLACK』に登場するキャラもキャストが一新されており、南光太郎役は倉田氏ではなく西島秀俊氏が演じている。



追記・修正がされていない!?
…ゴルゴムの仕業だな!

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最終更新:2023年12月30日 14:15

*1 キングストーンが光りベルトが形成された後に光太郎の腰についたベルトにズームするカットと、変身完了後にベルトからBLACKの全体の画にカメラが引いてジャンプするカット

*2 なお、ロードセクターのベース車両にも使われている

*3 そのためBLACKには変身できなくなったが、後楽園ゆうえんちの『スーパーヒーロー大集合』では最初はBLACKで登場し、途中でRXに二段変身するという作品非公式の設定が用いられていた。

*4 ダブルライダーとスカイライダーのスーツ変更も強化形態扱いとなっているが、こちらはBLACKにとってのRXのような恒常的なパワーアップなのでフォームチェンジには該当しない

*5 漫画版における「キングストーン」