マンホール(漫画)

登録日:2009/10/18(日) 02:16:25
更新日:2022/03/04 Fri 23:14:48
所要時間:約 3 分で読めます




ヤングガンガンで連載されていた、筒井哲也の漫画作品。
寄生虫を利用した異常犯罪を追う警察・保健所関係者と、犯人との攻防を描く。
単行本全3巻。2015年4月には、新装版(上・下2巻)が集英社より刊行されている。

【あらすじ】

12月7日の夕暮れ。神奈川県笹原市の中央商店街に、泥まみれのうえ右目が白濁した全裸の男が出現。道を行く大学生に「マ、マ」と呟いた後に吐血。驚いた大学生に突き飛ばされた男は後頭部を強打し、死亡した。
検死に回された男の遺体からは、フィラリアという寄生虫が検出された。
翌日。笹原署からの出頭要請に応じた大学生【雨宮洋一】は、事情聴取の最中に突然逃走を図る。赤信号を無視した彼は、トラックに撥ねられ死亡。彼の肉片から見つかったのは、またしてもフィラリアだった……。

事件を追う笹原署の刑事【溝口健】と【井上奈緒】は、変死した全裸男【堀川義人】の母親を訪ねた際、ギャンブル中毒と暴力に耐え兼ねた両親が、写真家の紹介で彼を『ある施設』に入れた事を知る。
施設への引き渡しが行われたという場所には、奇妙なマンホールがあるだけだった。

【内容について】

バイオテロによるパニック作品というよりは

『寄生虫を誰が何の目的で蔓延させたのか』
『凶悪犯罪の加害者と被害者の心の有り様』
『加害者の社会的制裁』

といった点に重点を置いたサスペンス色の方が強い。
そのため全3巻という比較的短い話だが完成度は高く、内容も濃いものとなっている。

【主な登場人物】

■井上奈緒
主人公。笹原署刑事課に所属する若い女刑事。普段から溝口とコンビを組んで捜査に当たる事が多い。
若者特有の軽率な言動が目立つが、マンホールの奇妙な点を即座に指摘したりなど、洞察力と観察眼に優れている。

■溝口健
笹原署刑事課の刑事。刑事ドラマによくいるような強面の熊男だが、誰に対しても丁寧な態度を取る繊細さも併せ持つ。ただし井上は除く。

■滝本修一
笹原署刑事課の老刑事。物腰の柔らかい癒し系のじいちゃん。
彼がある事に気付いたため、捜査が大きく進展した。

■小泉孝一郎
笹原署の署長。登場する度にオヤジギャグを飛ばす愛すべきバカ……かと思いきや、ただの空気でした。

■堀川義人
最初の被害者。中央商店街に全裸で現れ、雨宮に血を浴びせる。その後突き飛ばされて死亡した。遺体からは寄生虫のフィラリアが検出されている。
ギャンブル中毒と暴力に耐え兼ねた両親が、彼を『施設』に送った。

■雨宮洋一
大学生。堀川の血を浴びた事で感染し、事情聴取の最中に逃走。トラックに撥ねられ死亡した。

■関口美香
雨宮の同棲相手。雨宮の血を舐めた事により、彼女も感染してしまう。自宅にあったある物が原因で、感染拡大を引き起こしかけた。

■田村雅樹
二番目の被害者であるピザデブキモヲタロリコンヒキニート。マンホールから這い出して街を徘徊(もちろん全裸)し、女子中学生を追い回した後その子の自宅に侵入。笹原署に保護された。
ちなみにその女子中学生は彼を見た瞬間「変態だ……! 本物の変態を見てしまった……!」と心の中で叫んでいるが、今さら何を言う。彼は四年前、当時小学五年生だった少女を誘拐し乱暴するという事件を起こした正真正銘の変態である。
そのため保護されてからの事情聴取の際も、溝口や滝本から「人間のクズ」「クズという言い方でしか表現出来ない」「ロリコンデブ」「変態のフルコース」などとボロクソ言われる始末。
井上も彼の自宅を捜索した際、部屋のアレさにドン引きしたり、パソコンに触る事を頑なに拒否した。

■水野正章
自称カメラマン。堀川義人を『施設』に送った人物。一連の事件の真犯人の可能性あり、と捜査線上に名前が浮かんでいる。ちなみにこいつが、黒幕である。



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最終更新:2022年03月04日 23:14