変なモチーフの怪人 機動刑事ジバン編

登録日:2011/03/01 Tue 16:05:29
更新日:2024/04/17 Wed 13:59:16
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某怪人図鑑にて「怪人にならないモチーフはない」という言葉が出てきたが、世の中には本当に「何でこんなモチーフの敵が!?!?」というものも多い。
機動刑事ジバンも、比較的そのようなものが多かったように思える。
しかし、そんな「変」な敵でも、そこは雨宮慶太氏のデザイン。確かに「生物」感のグロテスクさがあふれ出ていながら、スタイリッシュにまとめられたものも多かっただろうか。
ちなみに、1989年のテレビマガジン11月号のジバン特集では、これらの「どうしても異形でカテゴリに分けにくい」敵が「能力型」としてまとめられているのだ。

「ある超能力をつかえるように作られている。おもいがけない姿をしているものも多い」とか。

ではここでは、そんな愛しき「変な」怪人を紹介する。

  • ドロノイド
カメレノイド(カメレオン)、ネコノイド()、バラノイド等生物系の敵が続く序盤で、第三話にしていきなりの無生物。この時点で不安を感じた視聴者は少なくなかった筈である。
ちなみに、人間体(演:林家源平)はジャッカーの炊事当番ぞなもし。
泥だけに植物栽培が生きがいで、超音波発生器で有毒なガスを出すお化け野菜を育てていた。
戦闘時には口からガスを吐き、両肩と両腕から刃物を伸ばして相手を切り裂く。

  • カゼノイド
七話に登場。採取した人形にギバウィルスをベースにあらゆる雑菌をブレンドして誕生したバイオノイド。
表面上は風邪と大差ない凶悪なギバウィルスをばらまき感染した者を24時間以内に死に至らしめるという恐ろしい怪人…なのだが、かかった人間はクシャミが連発して衰弱死するという腰砕けな症状。
しかも人間体の名前はハクションおじさん(演:平松慎吾)でごじゃるよカンちゃん。
戦闘時には口から各種ガスを吐き、頭突きを繰り出しまた両腕から触手を伸ばして攻撃する。
一度ジバンと戦い傷を負い、その時に人形の持ち主だったミコと出会ったことで良心に目覚め、最後はジバンエンドによって倒され元の人形に戻り、ジバンにギバウィルスの抗体ワクチンを託すのだった。
ちなみに風邪をモチーフにした怪人は『イナズマン』の『カゼバンバラ』が確認されている。というかカゼノイドに似ている。

  • アクムノイド
十話に登場。悪夢モチーフというから、どんなバイオノイドかと思ったら、巨大な脳みそにアレンジされてたところに、センスを感じる。
天童良作博士(演:立原博)にすり替わり、彼が発明したが人体に副作用があるために廃棄された天才バンダナに黒いアメーバ状の霧を吹き付け人々に悪夢を見せる。
悪夢の中では首だけが飛んで行動可能。両腕が伸び、頭に三連式の機銃を内蔵。さらに体をスライム状に変形させ、三体に分身する。
悪夢の名を冠する脳みそモチーフの怪人は他に『超力戦隊オーレンジャー』の『バラナイトメア』がいる。こっちはロリコ…ではなく誘拐犯だったが。

  • キラーノイド
十四話で登場。ジバンを抹殺するために作られたバイオノイドで、雨宮デザインの鬼って感じ。炎をまとった獅子か狼か?ってデザインは、バイオノイド中一、二を争うんでは?
実際に胸の装置からの電磁シャワーでジバンを再起不能寸前まで追い詰めたし……。
が武器で、顔から発砲する。

  • チュウシャノイド
十九話に登場。を持っている生物を全部集めて作られ、片腕にサイコガンならぬ注射器をつけたバイオノイド。黄色い毒バチ注射や赤いサソリ注射、緑色のマムシ注射を使い、更に口から注射器を発射し、口の巨大なドラクネ注射を突き刺す。モチーフもと、非常にわかりやすい。その他に目から黄色い光線を発射。
マスクが輸送中に誤って落としてしまったバイオ怪物の素を奪還すべく行動する。

  • カネノイド
二十話に登場。お金のデザインと、いかにもクリーチャーなデザインがベストマッチ!口から偽札を吐きまた目からの光線で札束を作り出し、街を混乱に陥れる。自身も一万円札に変身可能。 武器も金額によって威力が上がるコイン&お札爆弾とこだわりがある。ツリガネノイドと比較して欲しい。ただ、昨今偽金事件が頻発してるからナァ。今だとジバンどころか警察が総力あげて潰しかねねぇ。

  • ハンターノイド
二十二話に登場。100万円ハンターの故、あの方が!?!? というのは嘘。
右手が高性能銃、右目がスコープなコブラゴルゴもまっつぁおなジバンを倒すために誕生したスナイパー。左手親指がバナナマガジンなのは、見てて感心!
隠し武器として口の中にビームガンを内蔵。

  • ジサツノイド
二十四話に登場。 ジサツってあーた。今では絶対に問題になりそうなバイオノイド。
ジバンはもちろん、人質まで道連れに心中しようとするし……とどめに座右の銘は「俺は死ぬことに誇りを持っている男だ!」
大霊界への道案内人を名乗り、その体には全てのものを腐らせるピンク色の毒ガスが充満していて、右手の指を伸ばし電撃を流す。その他に胸のトゲを発射し尻尾からピンク色の光線、口からエクトプラズム?を吐く。
スタイルは、エイリアンスケルトン+ゾンビで、いい意味で「死」をダイレクトに感じさせる名デザイン。
目から映し出される映画『大霊界』の画像も使って、子ども心にトラウマになった方も折られるのでは?

  • バクハノイド
二十五話に登場。頭の中にダイナマイトならぬ頭全体が爆弾というボルガ博士も真っ青なバイオノイド。
ジサツノイドのすぐ後にこいつって……。美しいものを爆破せずにはいられないという根っからの爆弾魔。「芸術は爆発だ!!」
口から吐き出す「バイオ爆弾」はロールパンみたい(ちなみに人間体(演:高橋利道)時でも出せる)。その他に鎌状の右手で斬り付け、顔から発砲する。

  • ダブルノイド
二十九話に登場。W? 仮面ライダー?ではもちろんなく、甲殻類ベースの双頭のバイオノイド。おしゃべりが得意で二人組の漫才師(演:ブッチャーズ)に化け、仕組まれたデート番組の司会をした。ねるとんやツーショット等、時代を感じるナァ。
兄は火炎や火の玉、弟は冷凍ガスを吐き、二人同時に攻撃するダブルアタックという技も使った。また両手のハサミで攻撃する。左手のハサミは機関銃に変化させることが可能。

  • カブキノイド
三十話に登場。幕開けと共に登場し、「絶景かな絶景かな」「しばらくしばらく」「世にバイオロンの種はつきまじ」等事ある事に見栄を切る、非常にやかましいバイオノイド。
発砲も可能な巨大なキセルが武器。更に花吹雪爆弾を発生させキセルを刺股に変化させ電流を流す。また仮面が外れて、になる。
体内で増殖した怪物細胞を散布、人間を月光で凶暴化するバイオノイド化させる作戦のために作られたのだが、何故モチーフがカブキ!?しかもエビも入ってる、市川海老蔵か!?

しかも、冒頭で怪物細胞紛失!しかもそれが俳優兼舞踊家の竜千之丞(演:東千代之介)に憑りついてしまう。
かっこいいバイオノイドなのに、不敏な!
その後怪物細胞奪還のため、千之丞の捕獲をしようとするもジバンに妨害され失敗。そこで作戦を変更し、常磐座の支配人や踊りの相方(演:梅若鈴友)に化け息子の小太郎(演:竜小太郎)の監視を行い、息子の所に戻ろうとする千之丞を待ち構える。
同年の戦隊には渡り鳥の名を語るお役者モチーフの怪人が登場した。
数十年後に歌舞伎モチーフのヒーローが現れたのは言うまでもない。

余談だが某イラスト投稿SNSでは妙な人気があり、他のバイオノイドのイラストは多くて精々一桁という中で、こいつのイラストだけ何故か200を超えている

  • シノビノイド
三十一話に登場。神経を錯乱させる細菌を使い、日本のシンクタンクを洗脳し大混乱を起こそうとする。
右手や口から火炎を噴き出し、手を真っ直ぐに伸ばして爆発を起こし、細胞分裂し体をゲル化して移動し二刀流で攻撃する。
マスクは指揮せず、その代わりに自分の分身であるバイオ下忍を配下に使う。こちらは見た目は茶色の忍者装束に鎧を着用した普通の忍者で、日本刀や十字手裏剣を武器に使う。本体であるシノビノイドがいるかぎり不死身。
ツチグモ忍者みたいなデザインは、非常にカッケー!なおかつ説得力がある。雨宮氏監督映画、未来忍者を連想するのは、私だけ?
ちなみにコイツが登場した回にはスペシャルゲストが…詳細はその目で確かめてほしい。

ディストノイド
三十二話に登場。ディスト……ってどういう意味だ!? 雑誌などでは早くから取り上げられていたが、特筆すべき超能力がない……。
というのも、この回は真珠(演:滝川理恵)という美少女とジバンのラヴロマンスがメインで、彼女の命を狙うのがこのディストノイド……という設定。
ちなみに、『テレビランド』の漫画では、アシュラノイドという阿修羅モチーフの怪人にすり替わってた。
このディストは『ディストーション(歪み)』?ううん…合ってるような合ってないような?
モチーフは映画「宇宙水爆戦」のメタルーナミュータント。目から赤い光線を発射し、何故か水中でも行動可能で魚雷が武器。

  • チャンバラノイド
三十六話に登場。幾人かの侍のエキスから作られたバイオノイドで、鞍馬天狗の格好をした黒覆面(演:高橋利道)に化け、道場破りを行い子供たちを勝つことが全ての暴力の崇拝者に洗脳する。しかし洋子を夢にまで見た姫と勘違いしてしまいバイオロンを裏切ってしまう。その後、マッドガルボに渡されたバイオ爆弾を内蔵してジバンとの決闘に臨むが…。
二刀流の使い手で、その他に鎖鎌や瓢箪型爆弾も使う。
カブトムシ+鎧武者というデザインが非常に渋い。カブキ、シノビとならんで、今すぐにでもタオの月とかに出れそう。
カブト虫+鎧武者モチーフは仮面ライダー555の『ライノセラスビートルオルフェノク』でも使われたモチーフ。
侍にあこがれているらしいが目潰しを使ったり勝つためには手段を選ばない。流派は邪心流か?

  • スイトルノイド
四十四話に登場。クイーンコスモが宇宙バイオで発生させた「眠り病」の治療のために来日した井原博士の記憶を吸い取るために送り込まれた。
記憶を吸い取るからスイトルノイド……って、ニセハハノイドに告ぐ安易なネーミングでんがな! しかも「吸い取る」って動詞だし!
外見はヒルとドクロモチーフの怪人。腕から電流を流し、眼から爆発を起こす閃光や赤い破壊光線を発射する。

  • ツリガネノイド
四十八話に登場。バイオノイドの量産工場警護の為に送り込まれたバイオノイド。
釣り鐘がどんなカッチョいい怪人に?と期待してたら、まんま釣り鐘に手足くっつけただけやないかい!いくら年末ネタのバイオノイドだからってストレート過ぎ!
ただ、実力は相当なもの。木槌でボディを打ちならして超低周波を発生させ、百八回目に相手をバラバラにしてしまう除夜の鐘攻撃の前には、ジバンもピンチに!
木槌による攻撃や身体についているツリガネ爆弾も強力だ。

そんなこと言ったら『百獣戦隊ガオレンジャー』のツリガネオルグさんに怒られますね……どうもスイマセンでした。

  • ニセハハノイド
四十九話に登場。まゆみの母に化けジバン基地を爆破しようとする。
まゆみの偽のお母さんだから、ニセハハノイド……。
あまりのストレートなネーミングのインパクトが、かえって記憶に残ります。しかもこいつが最後の通常怪人とは……
体内に爆弾を内蔵した自爆要員で、マッドガルボの持つスイッチで爆弾が爆発する。右手の人先指と中指に銃を内蔵。更に口から白い爆発性のガスを吐く。
着ぐるみは上記ハンターノイドの改造。

  • ギバノイド
最終話で姿を現したドクターギバの正体…もう本当に今更だがラスボスの名が「ギバ」ってどうなのよ。ちょっと安直すぎませんか?
しかも劇場版で3体のバイオノイドの合体による「ダイギバノイド」が登場したので、格落ち感が否めない。
一つ目から放つ黄色い光線と電流も流す事も可能な触手が武器。



もしももっと情報をご存知の方、「○○ノイドにもっと愛がある」方、追記・修正よろしくお願いします。

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