破魔八陣(架空の料理)

登録日:2012/03/25 Sun 06:33:02
更新日:2024/01/22 Mon 18:37:01
所要時間:約 3 分で読めます





破魔八陣(はまはちじん)とは漫画『真・中華一番!』に登場した架空の料理名であり、裏料理界の長・カイユの切り札。

まずこの料理を理解するにはまず「五行説」と「気」という言葉を理解しなければならないので先に説明する。



【五行説】

五行説とは中国の根幹を成してきた思想。
この世の万物はそれぞれ」「」「」「」「のいずれかの徳と呼ばれる属性を内包し、お互いに生かし合い殺し合っているとされている。
その関係性を線で表すと五芒星と五角形を形作るため、五行やそれと元にした陰陽道を扱った創作などで五行=五角形の中に描かれた五芒星をイメージする諸兄も往々にしているであろう。

曲がりなりにも料理漫画であったのに、いきなりポケモンのタイプの相性のような表を出されて困惑した人も多いのではないだろうか?
しかし誇張こそされてはいるものの、実際東洋の医学や料理にも根付いている考え方ではある。

  • 生かしあう例(五行相生)
」→「」→「」→「」→「」→「」→……

  • 殺し合う例(五行相剋)
」→「」→「」→「」→「」→「」→……

例を挙げると牛の肝臓とナマズ肉は一緒に調理すると非常にマズい。
何故なら牛の肝臓は「」の属性を持ち、ナマズ肉は「」の属性を持ち五行説の法則の相性が悪いから。
そして、この組み合わせはただマズいだけではなく、心身の健康を害する毒にもなる。
このためこの組み合わせで食べると人体の防衛機構が働き、とんでもなく不味くて食べられず、本能的に吐き出してしまう生理現象を生む。
これは他の組み合わせも同様である。(ソースは真・中華一番!の最終巻)

ギャルゲーに登場する食べたら気絶するマズい料理も、実は五行説の法則が原因かもしれない。

リア充になる際には気をつけよう!



【気】

気とはあらゆる物質に宿り流れる力。
並外れた素質と修練を積んだ熟練者ならそれを体内で練り上げて「集中解放」することが出来る。
集中解放した気は五行説の法則を変え表面的特性、味を変えることが出来る。
しかし、内面的本質である毒性は変わらずむしろ増幅までされる。古米を漂白させていることなどから料理の鮮度も回復できる様子。

因みに気を練る際に術者の身体は紅潮し髪の毛がサイヤ人のごとく逆立つ。



【つまり破魔八陣って何だってばよ?】

破魔八陣とは「五行説」に則った最悪の組み合わせになる素材を厳選して調理したクソ不味い毒料理を、「気」によって味だけ美味に変換された毒膳料理。
つまり破魔八陣とは、超絶美味しい毒料理のフルコースである。
おまけに内包する毒性は更に増幅・強化されているというおまけ付き。
四料理がそれぞれ有する「四毒」は更に相互増幅変化を誘発。食した者は数分で髪が白髪に染まり、完食すれば10日で意識を失い20日で生きた屍となり実質死ぬ。

単純な毒薬は一切盛らないため隠密性にも優れているが、正直ただ殺すなら単に毒を盛れば早い話。
だがこの料理の真価は料理勝負にある。
この料理には洗脳効果もあり、食してしまったら己の意思とは関係なく破魔八陣に魅入られていってしまうのだ。
食べたらその時点で勝ち。そして完食し審査を終えた審査員は暫くしたら意識を失ったまま死ぬため口封じも一度に行える。まさしくチートである。
作中では「究極の人格支配毒膳料理」とも称され、カイユはこの料理と伝説の厨具を利用し中国全土を支配しようと企んだ。



【破魔八陣の料理の一例】

禁断の組み合わせなだけあってそもそも料理自体にも例がなく、カイユは「未聞の珍羞異饌」と西太后に紹介した。
なんか普通に美味しそう…………


なまず牛肝の四川風冷菜

コースの前菜。
牛肝の「木属性」とナマズ肉の「土属性」の組み合わせ。
西太后曰く「ナマズ肉の淡白な風味と適切な処置で臭みのない牛肝の歯ざわり舌ざわりが四川風の辛みで最高に引き立ち調和している」とのこと。


フナと豚肉の酒粕風味

メインとなる主菜その1。
フナと豚肉の組み合わせ。
ビジュアルは鮒肉と豚肉、筍などの野菜を一緒に炒めた野菜炒め。
西太后曰く「ふくよかな紹興酒の風味と華やかなキンモクセイの香りで香ばしい豚脂とサッパリフナの好相性が絶頂の味わい」とのこと。


特製馬肉がゆ

おそらくメインとなる主菜その2。
古米と馬肉の組み合わせ。
黄ばんでいた古米は気によって真っ白く漂白。お粥の上に馬肉のミンチらしきものと半熟卵らしきものがトッピングされている。
さっぱりした味わいで、西太后曰く「見事な鶏ガラスープで炊いており、豊かなコクを味わったのちあっさりさっぱり胃を洗われる」とのこと。


焼き

毒膳フルコースの〆となる甜点心(デザート)
小豆と羊の胃の組み合わせ。
ビジュアルは四角くシンプルな形状の焼き餅で、スナック菓子のように手掴みで食べる。
サクサク食感の甘く香ばしい風味で、カイユ曰く「餅には羊の胃を練り込んでおり、小豆あんが一層柔和(マイルド)に趣深い味となっている」とのこと。


【現実の破魔八陣】

作者のインタビューで「五行説」は中国に伝わる考え方だが、理論的な部分は正直分からないらしい。
「なんとなくそうなんだな~」くらいに読んでいただけると助かるとのこと。

真偽はトリビアの泉のスタッフにでも任せよう。




追記・修正は裏料理界に入ってからお願いします。


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最終更新:2024年01月22日 18:37