大谷日堂(鉄鍋のジャン)

登録日:2012/04/12(木) 01:03:54
更新日:2024/02/29 Thu 11:08:00
所要時間:約 4 分で読めます






このスープの中身やけどね~~~まずスッポンが入っとるで 見んでも香りで分かるわ ウン
そして山薬・龍眼肉・万能ネギ・ショウガの香りもするなあ
調味料は紹興酒・・コショウか――芸ないなァ ハハハーーーッ

そしてこっちはもっと簡単 見ただけで分かる
タラに片栗粉で衣をつけて油通しし葱油と清湯スープで煮立ったらソラ豆を入れて炒めたんやね
どんな味かもう想像ついてしもうたなァ

ハハハ――な~~~んやみんな怖い顔やな
そんなに自分らの料理のネタがバレるのが嫌なんか?んん~~~!?


まっなんやね~~
ワシに――この大谷に味をみてもらいたいんやったらもっともっと腕を磨く事やね!

なにせワシは日本一の食通や 日本一やで!
たいていのモンは見ただけでわかるし匂いを嗅げばもう百発百中で当ててしまうのや!!

ハハハハハハッ!アッハッハッハッハッハァッ


大谷日堂とは『鉄鍋のジャン!』の登場人物である。

概要

風貌はふとましい体格にパンチパーマに眼鏡、顎髭を生やし和服を着ている。年齢は番外編より逆算すると66歳。
主人公ジャンとは作中最初から最後まで何度も対決する事になるライバルとは言ったものの、彼の本業は料理評論家である。要は審査員役である。
半端な料理人をとことん見下し虚仮にする姿がかえって視聴者の人気を集めている有名人でもあり、料理評論家ながらマスメディアにも広く顔が利く権力者でもある。

最大の特徴はどんな料理に使った食材も言い当ててしまう、「神の舌」を自称する人並外れて鋭敏な味覚。
ちなみに本人が「神の舌」と豪語する舌自体は本物であり、僅かなミスも見逃さないし塩や水など細かい食材も見抜く。
知識も非常に豊富であり、他の審査員がわからなかったような珍しい物まで解説できる。

ただしそれでも常識に囚われない発想で料理を作るジャンやキリコに出し抜かれることも多い。
特にジャンの料理に対しては認めたくないのにその美味さに屈してアヘ顔になったり悔しそうに貪り食ったりと、まるで快楽堕ちする女騎士のような姿を晒してしまう。
こんな姿から、読者からは本作の真のヒロインとさえ呼ばれる。こんなカバみたいなヒロインいてたまるか
初期の頃は凡百の料理人の食事しか食べてなかったせいか味覚や知識の研鑽を怠ってたかのような素振りもあり、第二回中華料理人全国大会までだとジャンやキリコの料理を食べてまともに分析できなかったりと評論家として醜態を晒すことも多々あった。


人物

関西弁を話し、性格は非常に傲慢にして強欲な野心家。
また半端な料理などは箸を付ける前からメタメタにこき下ろす腹黒い毒舌家でもある。しかも日本一の料理評論家という自負から非常にプライドも高くとことん執念深い。
初期ではを払えば例え不味い料理も褒めると本性は下衆そのもの。
五番町弥一が「料理界広しと言えどもあれだけ腐った心とあれだけ最上の舌を持ってる奴は二人といない!」とこき下ろしたのもそういった理由から。
性格上凄まじく声もデカく、長年積み上げた実績や知名度、権威を悪用して審査員を口車で丸め込み審査を捻じ曲げようとする所業をすることにも躊躇いはなく、自分の発言を「ワシの声は神の声」と騙る傲慢さも特徴。
そもそも自分の口車に乗る人間を等しく小馬鹿にして見下している部分もあり、自分の口車に惑わされた会場の観客を内心でバカ扱いする辺りとことん性悪。

ただ、評価を語る際ははつかないため、付け入るスキがないと黙るしかできなくなる。
前述の勝負にしても非常に傲慢且つ執念深く
  • 五番町飯店に乗り込み料理人をけしかけジャンを辞めさせようとする
  • ジャンを観客達の前で負けさせる為だけに中華料理人全国大会を開く
  • ジャンごと五番町飯店を潰しに掛かる
  • 勘で覚えるタイプのジャンを潰す為全国大会の予選としてクイズ問題を出す
  • ジャンへの嫌がらせのために特別審査員枠で我と癖の強すぎる栄養学・香り・美的センスのプロフェッショナルを招集
  • いっその事ジャン含め料理人全員潰れるようにわざと難しい料理の課題を出す(サメ、ダチョウ等)
  • ジャンの料理が低い点数だと全力で罵倒する
  • その後半戦でジャンが挽回して高得点を出すと、試食もしない内から他の参加者の料理を持ち上げて勝負に水を差す
  • しかも自分の発言のせいで他の参加者を落とす結果になりジャンをマウントで殴る
  • ジャンの優勝が確実になると「日本中の料理人達に「あいつのような料理人になれ」と言えるんかい」料理と無関係な欠点を持ち出して他の審査員を扇動し、ジャンの優勝を潰す
  • 全国大会ベスト3(楊、ジャン、キリコ)よりも自分が優位である事を示す番組を放映
  • 低得点を取ったジャンを土下座させ頭を足でグリグリ踏み付けめっちゃイイ笑顔
等の行為を働く。まさに外道。
……とは言ったものの驚き役の宿命か色々酷い目に遭っている事も確かである
  • 初登場時ジャンの茶碗蒸しで何も言えなくなる
  • ジャンの血のデザートで何も言えなくなる
    • ならばと楊のデザートをヨイショしたら食材のカエルの輸卵管を言い当てたせいで「デザートに相応しくないゲテモノ料理」という欠点を逆に晒し、自分の博識で墓穴を掘る
  • その後キリコを勝たせるもジャンの一撃を喰らい昏倒、しかも他の審査員からは「多目に見ましょうか……」
  • 雇った料理人(五行)にノド輪を受け、ビンロウ子(覚醒剤の一種)を飲まされ昏倒。起き上がった時には何もかも滅茶苦茶に
  • 前述の番組では3人の料理に対し的外れな発言を連発。ジャンに至ってはわざわざヒントをあげられると屈辱を味わう。
  • お玉一杯になみなみと注がれたラー油を飲まされる。*1
  • 雇った審査員に「神の舌は裏切るな」と諭されジャンの料理に高得点を付けざるを得なくなる。
  • ダチョウに顔面を蹴られる
等々中々に散々な結果である。

そもそも何故これ程までにジャンに執着するかと言えば、ジャンの祖父とキリコの祖父に9歳時の誕生パーティーを台無しにされたから
何故こんな事をしたのかと言うと日本軍である父親、大谷月堂が息子共々中国に滞在しており、駐在していた村に上海蟹を用意しろと言いそこにたまたま二人が居合わせた為。
余談だがこの時の大谷日堂は目茶苦茶可愛いショタっ子である。
年月に換算すると約60年前の事になる。
他にも何かありそうな気もするがこれだけでも立派に怨んでそうな性格なので気にならない。

ただし睦十に関しては階一郎ほど恨んではおらず、そのには素直に賞賛し(もっともいつも通り腹黒い考えもあったが)墓参りにきている。
また同じく睦十の墓参りを望む黄蘭青には自ら道案内を買っており、何だかんだで面倒見のいい一面も見られた。

上記のとおり初期は
  • 金さえ払えばいい料理も虚仮にし、悪い料理を褒めちぎって持ち上げる
  • どうしても見るだけでは分からない料理は隠し持っていたスプーンで味を盗み取る
  • ジャンを勝たせたくない一心で判定すら捻じ曲げる
等々の悪行を働く下衆だったが、第二回中華料理人全国大会の中盤からは、己の舌にはプライドを持つ人物になっていく。本人曰く「人を裏切る事は出来ても神の舌は裏切れん」
当初はジャンの料理には最低点を付けていたが、第二回中華料理人全国大会で自らが選んだ審査員の一人にこのことを煽られ、以降は真面目に点を付けだした。
その後は開き直り正々堂々ジャンを叩き潰すことを決意している。
終盤では舌を裏切ってジャンを蹴落とすか、ジャンの優勝になるが舌を裏切らずに点を付けるかで本気で葛藤したことも。
なお、第二回大会では崔会長という目上の人間がいたせいか、ジャン以外の料理はどんなに平凡だろうと貶すことなく真面目に審査してくれている。


続編では

『R』ではジャンが修行中再び返り咲くが、戻ってくるや否やいつものポジションになった。
自分の客受けを上げる為とは言え「舌は裏切らない」と堂々と言い放ち八百長を断ったり、
ジャンに勝たせたくはないが舌は裏切れず迷ってる最中「きっかけ」を与えられると嬉々として最高点を付けたり、悔し涙を流したりと性格は最初期から比べると結構マシになった。

養子の大谷水月(美人で巨乳、とんでもない怪力)からは「パパ」と呼ばれて懐かれている。
料理人であった水月の父親が亡くなった際も葬式に来ており、「お前の父親はいい料理人やったが経営は下手やった」と死を惜しむようなことも言っている。
その後、怪力を見抜き借金を肩代わりした上で養子にした。*2

この時は「なんやこのおっさん!」と水月は思っていたが、その後は「うちのパパはいい男や」と言っているため、意外と私生活では良い父親なのかもしれない。
少なくとも水月のコスプレには呆れて「料理人なら料理で勝負せい! わが娘ながら情けないわ!」と苦言を呈しているため、甘やかしてるわけではないのはうかがえる。

またジャンの父と祖父・階一郎が遺した料理のレシピ「秋山ノオト」には「何としても見たい!!」と非常に興味を示していた。
今は亡き憎むべき敵ではあるものの、やはりその実力は認めていたのだろう。

ライバルキャラとしては欠かせないためか2ndにも登場。ちなみにこの時点で80を超えているだろうに今までと変わらず大層元気である、やってる事もほとんど変わってないのもどうかと思うが…。
ただ自らがプロデュースした店ではしっかり自分の舌で吟味した食材を使用させていたり、甥の大谷千年が勝手にその材料を変えた事で二代目「秋山醤」に負けた件に関してはその点を叱り付けて鉄拳制裁をするなど、
料理への真摯さはRの時と同じように比較的真っ当になっていることがうかがえる。
ジャンの息子に対してもいい感情は持っていないものの、0点をつけるのではなく他のメンツを高得点にすることで優勝を阻むようにするなど、多少は態度がましになっている。
また、五番町葉六(キリコの父親)がジャンの両親を殺したと知った時は因縁の相手の仲間割れを嘲るそぶりも見せず驚愕している辺り、一族丸ごと嫌っているわけでもない様子。

後に、五行を主人公としたスピンオフ作品にて、驚きの事実が語られた。
なんと元々外見年齢で言って30歳前後まではスタイリッシュな体型で、五番町葉六と会っても敵視してはいなかった。
しかし、葉六が自身の料理で今のようなでっぷりボディに変貌させたことで激昂させてしまったのだ。
結果、五番町家はもちろんモットーや外見がそっくりなジャンにまで矛先が向くというとばっちりを受ける羽目になった。


追記・修正は醤達の料理を食べる前に見抜いてからお願いします。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • 鉄鍋のジャン!
  • 審査員
  • 料理評論家
  • 関西弁
  • 愛すべきバカ
  • 神の舌
  • 毒舌
  • 驚き役
  • 昔は美少年
  • く、悔しいっ!!
  • ツンデレ
  • 時は残酷
  • 大谷日堂
  • 俺がルールだ!
  • デブ
  • 下衆

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2024年02月29日 11:08

*1 ジャンのラー油を超大量に使用したチャーハンを「そんな激辛チャーハン喰ったら舌が壊れる」と審査員全員を煽って総出で拒否した為、「直で飲める程なので舌が壊れる事はない」事を身をもって証明させられた。

*2 ちなみに日堂以外の親戚は店の借金と水月を押し付けられることを嫌って葬式に来なかった。