史上最大の下克上

登録日:2011/07/15(金) 23:56:56
更新日:2024/01/23 Tue 12:00:38
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史上最大の下克上とは、千葉ロッテマリーンズが2010年シーズンに達成した史上初のシーズン3位からの日本一の偉業である。



【概要】
2010年ペナントレース最後の3連戦。
マリーンズは投手陣や長打力不足等苦しいながらも西岡剛やベテラン選手達の奮起もありAクラス争いに必死にしがみついた。4チームが3ゲーム差に収まる大混戦の中、ペナント残り3戦を3勝全勝がクライマックスシリーズ(以下CS)出場への最低条件のなか見事3連勝。シーズンを首位ソフトバンクと2.5ゲーム差の3位で終え、3年振りのCS出場を果たす。

一度勢いのついた大波は止まることを知らなかった。
CS第1ステージ埼玉西武ライオンズ戦(2勝先取)では2試合とも9回表の時点でリードされた状態から2連勝
そして、その立役者の里崎智也は、お立ち台でこう言った。

「最高の下克上を見せる」

そしてその勢いはまだまだ止まらない。
第2ステージ福岡ソフトバンクホークス戦(4勝先取)はソフトバンク1勝のアドバンテージ、つまり0勝1敗でスタートした状態で、王手をかけられてから3連勝。CS史上初の3位のチームが日本シリーズ進出という快挙を達成する。


そして迎えた日本シリーズ。
相手はセ・リーグ覇者中日

両者譲らず一進一退の攻防の中、日本シリーズは終盤へ。

第6戦では毎回サヨナラのピンチを背負いながら延長15回まで粘り切り引き分けに持ち込む。

第7戦では一時4点ビハインドを背負いながら、中日が誇る12球団1と言われた投手陣を打ち崩し逆転勝利。

セ・リーグを制し、特に本拠地ナゴヤドームでは圧倒的な勝率を誇った中日を、敵地でも2勝1敗1分と上回り最終的に4勝2敗1分で4度目の日本一となり史上最大の下克上を達成したのだった。
試合詳細は2010年日本シリーズも参照。


【ポストシーズンの立役者】
  • 里崎智也
ケガからの復活で第一ステージではここ一番でのタイムリー、ホームランを放つ。第一ステージのMVP。

  • 内竜也
第一ステージ第一戦でのミスを引きずることなく、日本シリーズでは神がかったピッチングを連発。
中日井端は「久しぶりに本物の150kmのボールを投げる投手を見た」と評した。

  • 福浦和也
DHや代打などの起用ながらもシーズン同様に一振りで試合を決める活躍を見せる。今思えば下剋上は福浦のホームランから始まった。

  • 成瀬善久
第二ステージではシーズン中、苦手にしていたソフトバンクを翻弄。文句なしの第二ステージMVP。

  • 渡辺俊介
シーズン中二軍落ちを経験もポストシーズンは大一番で得意の緩急を使いソフトバンク、中日の打者を翻弄。ポストシーズン影のMVP。

  • 清田育宏
ポストシーズン3HRの新人記録を作り、大舞台にも動じない活躍を見せた。

  • 今江敏晃
日本シリーズMVP。 出場した二度のシリーズどちらもMVPを獲得する という偉業を成し遂げた。

下剋上の締めくくりを飾った男。育成枠から這い上がってきた苦労人の活躍はまさしく2010年のロッテの象徴ともいえる。


【セ・リーグの下剋上】
ロッテが史上最大の下剋上を成し遂げてから7年後、セ・リーグで大波乱が起きる。
優勝は広島東洋カープが早々に決めていたが、2位3位争いは熾烈を極め、最終的に阪神タイガースが2位、最後までもつれた3位は横浜DeNAベイスターズに決まった。しかし首位広島とのゲーム差は14.5とあまりに大きかった。

迎えたCSファーストステージはDeNA対阪神。甲子園球場では比較的五分に近かったが、対戦成績は阪神が有利だった。
そして相性通り初戦は阪神が勝利し、DeNAは崖っぷちに立たされる。
しかし2試合目、文字通りの泥試合をDeNAがものにすると、そこから連勝してファーストステージを勝ち抜ける。
勢いそのまま乗り込んだファイナルステージの対広島戦、初戦は雨天コールドで落としアドバンテージ含め0勝2敗となったが、そこから4連勝し、CS史上最大ゲーム差をひっくり返しての日本シリーズ出場を成し遂げた。

日本シリーズではパ・リーグ王者ソフトバンクと対戦し、4勝2敗で惜しくも破れてしまったが、ソフトバンクも満身創痍で、「7戦目をしていたら勝てなかった」と言われたり、絶対的守護神のサファテを3イニング登板させてまで勝ちを拾いに行くなど執念が目立った。

下剋上完成こそならなかったが、セ・リーグのCSにおける最大の番狂わせである事は疑いようもないだろう。


【余談】
なお、2010年の日本シリーズの第6戦と第7戦はフジテレビ系列で放送されており、第6戦が190分、第7戦も140分と放送時間が大幅に延長されており、第6戦終了後に放送される予定だった土曜プレミアム『バブルへGO!!タイムマシンはドラム式』は午後9時からの放送予定が日付が変わって午前0時10分からの放送となった。
また、第7戦終了後に放送の『Mr.サンデー』も日付が変わっての放送となり、サンデーなのにマンデー(月曜日)の放送となった。




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最終更新:2024年01月23日 12:00