マテリアル・パズル

登録日:2009/11/09 Mon 11:27:26
更新日:2024/02/12 Mon 22:16:35
所要時間:約 7 分で読めます




マテリアル・パズル』とは、土塚理弘により2002年から執筆されていた漫画である。
序章+0~4章の、全6章という壮大な構成。また(現在の)最終章である4章は、さらに細かく9つの節に分かれている。

最初は月刊少年ガンガンで連載していたが、2008年を最後に長らく連載は中断されており、最終章である『神無』の開始は未定となっていた。
2017年にやっと再開予告がされ、2018年5月より講談社「月刊モーニング・ツー」で『マテリアル・パズル 神無き世界の魔法使い』として連載再開し、2022年…つまり連載開始からちょうど20年後に、壮大な物語はようやく完結となった。
ちなみに10年間という中断期間は、『冒険王ビィト』と同じである*1

なお第0章である『マテリアル・パズル ゼロクロイツ』(作画:吉岡公威)は、当初月刊少年ガンガンで連載されていたが途中からガンガンONLINEへ移籍した。
でも各話とも最初の何ページかは月刊少年ガンガン側にしか載せていなかった。
ONLINEと紙を両方読ませるよう仕組むとは、汚いなさすがガンガンきたない

単行本は、ガンガンコミックス版が、序章~2章の無印全20巻+3章の『彩光少年』全2巻で、それらを加筆修正した電子書籍版全22巻が講談社モーニングKCブランドで再発行。0章の『ゼロクロイツ』も同じく、ガンガンコミックス版と講談社モーニングKCブランド版電子書籍が存在。

また『神無』連載中は、紙の単行本購入者限定で、外伝や設定資料などを載せた小冊子を有料配布するサービスが何回か行われた。有料なのにサービスとはこれいかに。
内容は完全に熱心なファン向けのもので、普通に話を追いかける分には読まなくても特に問題はない。

各話タイトルは「○○と○○」の形で統一されている。これはゼロクロイツも同様。


■シリーズの時系列
  • 『ゼロクロイツ』(0章)
……………ここで大きく時間が空く…………
  • 『神無き世界の魔法使い』第1節(1~3巻前半)
  • 『マテリアル・パズル』(序章、1~2章)
  • 『彩光少年』(3章)
  • 『神無き世界の魔法使い』第2節以降(3巻後半~)
という順番。
『神無』第1節でいったん本編が過去に飛ぶ以外は、特に混乱する所はないだろう。
2章でも序章以前の回想話が何度か差し込まれたり、逆に0章は画が変わるくらい大過去に飛んだりするので、序章から読み進めていればその程度では混乱しないというのもあるが。




■各章のあらすじ


1000年前

大地の底から現れた 大魔王デュデュマが

世界を滅ぼした


どんな時だってあたしたちは一緒だろ?

たとえ…もしこの身体が分かれる日が来ても

一度ひとつになった魂は二度と離れることはないよ


  • 序章:大地の片隅の3つのかけら

辺境の村に住む少年ミカゼは、とんでもない脅威に襲われた村を救ってもらうため、遥か東の絶壁の上に住む3人の魔法使いに会いに行く。
なんとか試練を超えて力を認めてもらったミカゼは、不老不死の魔法使いのひとりである、生意気な幼い少女アクアを背負い村へと急ぐ。

しかしその途中、アクアが突然死んでしまう。

途方に暮れるミカゼだったが、なんとアクアの身体がパズルのピースのようにバラバラになったかと思うと、それはまた別の形へと組み上がり――少年に換わった。

彼はティトォと名乗る魔法使い。
ミカゼがアクアに話した内容を知っていて、アクアのかわりに村をなんとかしてくれると言う。
そしてふたりがやっと村に辿りつくと――



人間の持ちうる究極の力 魔法

それを操る者を人は 魔法使いと呼ぶ


  • 第1章:大陸の魔法使い達

村からとんでもない脅威が去ったあと、ティトォとミカゼの前に女神の三十指を名乗る水の魔法使いアビャクが現れる。

「100年ぶりの本当の客だ」

ティトォの使う回復・強化魔法「ホワイトホワイトフレア」を駆使し、ふたりはアビャクと戦う。

「お前のバックにいる奴は 100年前のあの事を知っているのか?」

奴等はすべてを知っている。
ティトォたち3人の持っている「この大地で最も清い力を持つ物」を奪いに来たのだ。

「100年間ぼくらはずっと立ち止まっていた
 でも遂に先に進むときが来た
 ぼくらの運命がまた動き出す時が…!!
 しかし…… そのためにはまず………

 目の前にいるこの男を倒さねばならない!!!」

そしてふたりは、ティトォのもうひとつの能力をもって、アビャクの奥義を打ち破り勝利する。

そして旅が始まる。ティトォたちの昔の友人に会うため、メモリア王国を目指すことになる。

道中、何度も女神の三十指の襲撃を受けることになるが、その中で心優しいパン屋の少女リュシカや、
かつてのTAP(ティトォ・アクア・プリセラ)の弟子である石の精霊使いサンが仲間になる。

第2章
腹が減ったから飯食って 眠くなったからベッドで寝た

それだけで俺は おふくろも友達も飼ってたモルガンも――――

全部失った


  • 第2章:眠れる城の王子様

メモリア王国の王子・グリンが目覚めた。

彼はふたつの魔法を使える。
その内ひとつは絶対に使ってはいけない、禁断の魔法だ。

「周り皆30年たってんのに俺だけ止まってたんだぜ」

そう、彼は使ってしまったのだ。
時の禁断魔法。使えば時の呪いに縛られ、ひとり取り残されたまま、時間だけが過ぎる。

「……俺の居場所 あんのかな………」


ずだば――――――

バサバサバサ――ム


「グリン!」

「誰っすか? そいつ」「知り合い?」

「うん グリン! ぼくの友達なんだ


何十年の時を経て、ティトォとグリンは再会した。
そしてティトォたちの昔の友人、メモリア王のバレットとも再会し、物語は大きく動き出す。

「五本の指」「獣面」「死神ヨマの襲撃」「切り裂き魔の正体」「五大石」「マジック・パイル」「檻」「大魔王デュデュマ」「カミッツ」「光刺体」「スーパーキャンデー28号」「剣仙」「ドーマローラ」「女神」「星のたまご」「グリ・ムリ・ア」

そしてアダラパタの策略により開かれることになる、禁断魔法「命七乱月」の封印を解き、その使用者を決める儀式「メモリア魔法陣」。

第2章の殆どを占めるメモリア魔法陣、優勝するのは誰なのか――?



あの部屋には一歩たりとも入れさせはしない―――!!!

あの部屋には――――


  • 第3章:煌めきの少年

第2章終了時にプロローグが載るものの、その直後になんと第4章「マテリアル・パズル~神無~」の連載告知が。
本来は第4章の中で「第3章では何が起きたのか」を断片的に明かすような構成にするつもりらしいだったのだが……



世界は救われていない……

もはや残された希望は お前だけなのだ グリンよ


  • マテリアル・パズル 彩光少年

第0章連載にあたって、一区切りをつけるための短期連載。
パキ島での最終決戦という、第3章の中でも重要な一部分が明かされる。
短編もたくさん載ってる単行本が全2巻で発売中(後に電子書籍版で通しの21・22巻となった)。



デュデュマの下僕が

近い 決戦の時が迫っている

虹との 戦いの時が―――


第0章:マテリアル・パズル ゼロクロイツ

本編より1000年以上前の世界。女神と大魔王の伝説が生まれた時代の物語。
魔王の骨と存在変換し、魔導兵器クロイツとなってロボットと戦う。
バトルファンタジーが逆ロボット漫画になるなんてどういう事なの…いや、バトル要素はこっちも色濃いけど。
見どころはやはり、ミト様☆とクリムのふとももだろう。
前提条件を考えれば当然であるのだが、鬱展開がすごい。
作画担当を吉岡氏に任せたのも作風の違いを考慮してとの事。



第4章:マテリアル・パズル 神無き世界の魔法使い(神無)

長い中断期間を経て再開した最終章。
オープニングは初見向けの解説や『ゼロクロイツ』と本作を繋ぐ要素暗示も込めて過去編からスタートし、3巻から本格的に4章に突入している。

…遠い日に、メモリア王国で修行していたティトォ達の知られざる物語。
そして時は戻り、「煌めきの少年」直後に起こった混沌と別離から始まる星の危機。
その2年後、地上と上空両方から迫りくる滅びや、強大な力持つ「十二神獣」を巡り女神三十指の生き残りが争いを起こす中、新しい仲間も加え再び集いゆくミカゼ達。
果たして世界の命運をかけた戦いの行方は…。



■用語

  • 魔法使い
マテリアル・パズルを扱える者。人間の頂点を極めた達人。


  • マテリアル使い
一言で言えば超能力者。
魔力が突出して高いために、力が異常に強いとか、動物の言葉がわかるとか念力があるなどの能力を持っている。


  • マテリアル・パズル(魔法)
科学とは違う、この世に新たな法則を生み出す式。
作者「簡単に言うと、色々めちゃくちゃな事ができる不思議な力です

あらゆる存在に宿るマテリアル・パワー(魔力)を分解し、それを再構築することで発動する。

魔法使いは、才能あるマテリアル使いが何十年も修業して、それでもなれるかどうかわからないという厳しいもの。

(生まれつき魔法使いなんて人もいる)

しかし、魔法の力が込められた「魔法の道具(アイテム)」があれば、マテリアル使いは魔法を使えるようになる。
星のたまごのかけらから作られたそれは、複雑な魔法構築を全部行なってくれる。
ただし、無くしてしまうと使えなくなる。


  • 存在変換
ひとつの身体を3人で使っている主人公たちティトォ・アクア・プリセラ。
彼らは死んだり、精神的なショックによって、その存在が入れ替わる。

このため3人は不老不死といわれる。
が、魔法の類によって殺された場合、不死の鎖が断ち切られ、本当の意味で死ぬ。


  • 女神の三十指
女神を騙るグリ・ムリ・アの配下である30人の魔法使い。超特級戦闘員。
一番大切なものを奪い心を空っぽにしてから魔法アイテムを授け、味方に取り込む。
素質があれば誰でもスカウトされるため、グリ・ムリ・アの目的すら知らずに操られている者や、忠誠心の薄い者も多い。


  • 五本の指
女神の三十指の中でも特に強力な5人の魔法使い。
魔人ジャンクーア、鬼人ジール・ボーイ死神ヨマ、斬り裂き魔コルクマリー、守護騎士ナトラレーゼ。


  • 三大神器
女神の三十指の上に立つ、ブライクブロイド、舞響大天、クゥの3人。
禁断五大魔をひとつずつ持っている。


最強ランクの5つの魔法。

血:真紅虎龍牙
歌:ヘルキルデスベル
仔:マザー
時:ゴッドマシン
命:命七乱月


アニメ版バンブーブレード(BAMBOO BLADE)の世界ではマテリアル・パズルはアニメ化されており、タマちゃんはこれのDVDボックス(特典に喋るドルチルフィギュア付き)欲しさにバイトを始めるのだが……
また原作でも後に怪我をしたタマちゃんがテレビでM・Pを見ているシーンがある。
続編(作中の時系列は同じだが)BAMBOO BLADE Bではゼロクロイツもアニメ化されており、DVDには特典カードがついてくる。


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最終更新:2024年02月12日 22:16

*1 ただし後述の『ゼロクロイツ』を入れると約6年ほどの期間となる。