東海道新幹線

登録日:2013/07/17(水) 21:03:00
更新日:2024/04/07 Sun 17:54:02
所要時間:約 10 分で読めます




東海道新幹線(とうかいどうしんかんせん)とは東京駅から新大阪駅まで結ぶ、JR東海の高速鉄道路線である。

【路線データ】

  • 管轄:東海旅客鉄道(JR東海)新幹線事業本部・関西支社
  • 路線距離:東京新大阪間 515.4km
  • 軌間:1,435mm
  • 駅数:17
  • 信号場数:2
  • 電気方式:交流25,000V 60Hz
  • 保安装置:車内信号式(ATC-NS)
  • 営業最高速度:285km/h

【概要】

かつては東海道といえば東海道本線が交通&物流の大動脈であった。
しかし、相次ぐモータリゼーションの発達や高速の発達、そしてなによりも高度経済成長によりありとあらゆる高速化の手段を施したにもかかわらず、既に線路容量と輸送能力は 最早限界を迎えていた。
そこで、日本国有鉄道(国鉄)は折しも開催が決まった東京オリンピック開催に合わせて、戦前に実在した「弾丸列車」計画を基に高速運転が可能な標準軌新線の建設を決定し、1959年4月20日に着工、開催直前の1964年10月1日に開業した。
当時特急の発達により日帰りこそ可能であったものの、僅か2時間しか滞在できなかった東京~大阪間の旅が一気に6倍近く滞在可能となり、今までの常識を覆し様々な社会構造に著しい変化を及ぼした。

国鉄分割民営化後は全区間がJR東海に移行した。
この東海道新幹線の御蔭で、現在JR東海は会社として経営が成り立っている。
(詳しくはJR東海の記事参照)
東海道新幹線の収入は、JR東海の鉄道収入の92%を占める*1
2014年度の輸送密度(1日平均通過人員)は248,560、営業係数(100円稼ぐのに必要な経費)は60.8。注意すべきなのは、これは新幹線の経費が収入割合と等しくなるよう勝手に補正を掛けた結果*2なので、実際の営業係数は40を切る
輸送密度は首都圏や関西圏の在来線にこそ及ばないが、JR東海ではダントツ1位。さらに注目すべきなのは、新幹線は全て特別料金を徴収する特急列車であること。
純粋な利益の大きさでいえば、間違いなく日本一の大黒字路線だろう。

【モデル線】

現在の新横浜-小田原間に相当する、相模川の東付近から東海道本線鴨宮駅近くまでが新幹線のテストコースである「モデル線」として先行して完成。鴨宮駅近くに基地を設置し、この基地を拠点にして試験車の1000形や先行して製造した0系6両を使用して営業運行に必要なデータの収集、新開発の保安装置が正常に作動するかなどのテスト、一足早く時速200kmの世界を体験できる試乗などが行われた。
試乗客は
  • エドウィン・O・ライシャワー(アメリカ大使)
  • ジョン・ハーシェル・グレン(宇宙飛行士)
  • 国連アジア極東経済委員会代表団
  • 秩父宮妃
といった内外の要人を始め、報道関係者、どこで売ってたかは不明な試乗切符を持った一般人まで多数受け入れられ、新幹線反対派の理解を得るのにも役立った。

ちなみに試乗列車のトイレは基地に処理設備がないため鍵をかけて封鎖していたものの、試乗客からは度々トイレを使いたいという要望が出ており、その都度乗務員が現場の判断でトイレを使わせていた。
当時の在来線のトイレは、モノを線路に垂れ流す方式だったが*3、新幹線のトイレはモノを床下のタンクに貯めておく方式に改められた。しかし定期的に抜き取りを行わないとタンクが満杯になり、トイレが使用できなくなってしまう。
ある時、検査員が出庫前の車両を点検中、汚物タンクが一杯でこれ以上トイレが使えない状態になっているのを発見。すぐに国鉄本社新幹線総局へ「テストコースの基地にトイレの処理設備を作ってくれ!」と要望がされたものの、総局の返答は「現場の工夫でなんとかしろ」(意訳)という無責任なもの。
と言っても、基地内でタンクのコックを開けて中身を垂れ流せば基地がかぐわしい香りに包まれるだけ、バキュームカーを頼もうにも車両に付いている口金とバキュームカーの口金が合う保障はなし、近くの農家に肥やしとして中身を引き取ってもらおうにも柄杓が入るような開口部がない。重苦しい雰囲気が支配する中1人の助役がある案を思いつく。その後電力区の職員へ「今夜は一晩中電気を通電させておいてくれ。急だが夜間走行試験を行う」と連絡。
その日の真夜中、試乗列車はヘッドライトもテールライトも点灯させず、車内灯も全て消した完全な無灯火状態で基地を発車。酒匂川の鉄橋の上で停車し、同乗していた検査員が降りてトイレタンクのコックを開け、中身をすべて川へ放出。その後基地へと戻っていった。
おおらかな時代だから許された所業である。

なお、現在の鉄道のトイレは、モノを真空にして吸い出す「真空式」が主流になっている。水は少量でよいため、タンクは以前より大幅に小型になっている。

現在モデル線は東海道新幹線の本線の一部となり、基地として使われていた場所は今も保守基地として健在である。

【列車愛称】

実はすべて戦前から存在する、伝統的な列車愛称である。

  • のぞみ
1992年から導入された最速達タイプの列車で、定期列車に限れば全列車の半分程度運行される。
停車駅は東京・品川新横浜名古屋京都新大阪の6駅のみである。
東京~新大阪間の所要時間は2時間21分~2時間30分。
品川駅開業以降は代名詞の所要時間2時間30分で走る列車が僅か上下2往復ずつで、それ以外の列車は全て2時間33分~37分で走っていた時代もあったが、N700系登場以降再度所要時間が短縮され始め、700系が退役した2020年3月ダイヤ改正で全列車の所要時間が2時間30分以内に統一された。
日中は新大阪行きが1本、博多行きが福山停車・新山口or徳山停車で1本ずつ、広島行き(姫路停車)が1本の4本体制に、大量の臨時列車が運転される。というかむしろ臨時列車のほうが本数が多い
ほぼどの時期であっても定期列車に大体新大阪行きが1〜2本増えており、繁忙期にはさらに増発・延長運転が行われる。最大本数は2020年3月ダイヤ改正時点で毎時12本。日中の京浜東北線と同じ本数であり、もはや高速鉄道というより285km/hで走るだけの通勤列車である。
運行開始当初は全車指定席という当時としては異例の措置であったが、2003年10月1日のダイヤ改正に合わせ自由席が設置された。
なお、2023年末からは繁忙期(GW・お盆・年末年始)の全列車が全車指定席で運行される。
ちなみに先述した2003年改正の際に「『のぞみ』は東京~新大阪間において品川または新横浜、或いは両駅、名古屋、京都にのみ停車する列車」と定義されたため、これ以外の駅に停まるとN700系の性能をフルに生かして「のぞみ」より2駅も多く停まりながら、新横浜~新大阪間の所要時間が日中の「のぞみ」と大して変わらない列車があっても問答無用で「ひかり」にされる。
あまりに本数が多いため、何気に最後まで700系による運行が存在していた。

  • ひかり
「のぞみ」導入前までもの長きにわたって東海道新幹線の象徴・代名詞的存在だった列車。
「のぞみ」登場後もしばらくは主力列車であり続けたが、今では全本数の2割を占めるに過ぎない。
1時間に2本が運転され、1本は新大阪発着、もう1本は山陽新幹線の岡山発着。
速達列車ではあるが、途中で「のぞみ」に抜かれたりするため実際のところ「のぞみ」より過酷な運転を強いられ、そのため他の2種別を差し置いて最初にN700系に統一された。
東京から福井へ行く場合、新大阪行のひかりに名古屋まで乗り、名古屋から特急しらさぎ+北陸新幹線に乗り換えるルートのほうがちょっとだけ料金総額が安い。
列車名は何と戦前に朝鮮総督府鉄道で使用されていたことがあり、戦後九州内の急行で使われていたところを奪ってきた採用した歴史がある。
停車パターンは非常に複雑なため、表にしてみた。東京から新横浜と京都から新大阪は共通のため省略
運転系統












備考
東京-岡山 - - - - - 京都-岡山間各駅停車
-
-
東京→広島 - - 京都-広島間各駅停車、広島行・東京行各1本のみ
広島→東京
名古屋→博多 京都-新神戸間各駅停車。
以遠の停車駅は姫路・岡山・福山・広島・新下関・小倉・博多
1本のみ
名古屋→広島 京都-岡山間各駅停車。
以遠の停車駅は福山・広島
1本のみ
新横浜→広島 - - - - - - 京都-姫路間各駅停車
以遠の停車駅は岡山・福山・広島
1本のみ
東京-新大阪 - - - - -
-
-
-
東京-名古屋 - - -
東京→新大阪 - - - - 各1本のみ
- - -
- - - -
- -
新大阪→東京 - - - - - -
-


  • こだま
ゆるぎない鈍行。本数は全体の約3割。遠距離通勤・通学の為の利用者が多い。
日中は名古屋行きと新大阪行きが1時間に1本ずつ。朝帯や夜間には三島・静岡・浜松行きなども見られる。
追い抜きが沢山あるため所要時間はかかるがその代わりぷらっとこだま等の割引サービスが充実している。
鈍行と言うとのんびりしたイメージだが、その実態はできるだけ早く加速し、追ってくるのぞみやひかりから逃げるため目一杯の減速で駅へ飛び込むハードな種別。
愛知県出身のシンガーソングライター山本正之氏(中日ドラゴンズ応援歌「燃えよドラゴンズ」と、タイムボカンシリーズの主題歌を歌ってる人)が、「がんばれこだま号」という曲を出している。


【使用車両】

歴代形式は全て鉄道友の会ブルーリボン賞・ローレル賞のどちらかを受賞している。

現行車両

2007年に営業運転を開始した現在のメイン車両。500系以来となる山陽新幹線での300km/h運行を可能としただけでなく、通勤電車並みの起動加速度を有する。
2006年から2011年に掛けてJR東海で16両編成80本、JR西日本で16両編成16本が製造された後、2012年度からは改良型のN700系1000番台、通称「N700A」に進化した。AはAdvanced(アドバンス、進歩)の頭文字。既存のN700系も順次N700A仕様に改造し、現在は全編成がN700A仕様。
N700AはJR東海で16両編成51本、JR西日本で16両編成24本が製造され、2020年まで製造が続けられた。
この他にも8両編成の山陽・九州新幹線用車両が存在し、それらも含めた2020年時点の総両数は2,992両であった。
JR東海保有編成だけで1,600両を超えたほか、JR西日本も700系置き換えのためにN700Aを再び製造したため、新幹線の同一形式における最多在籍両数記録を更新した。*4なんとも凄まじい。
因みに費用総額は 3800億円かかっている。
初期編成についてはN700S系への置き換えが進んでおり、試作編成についてはリニア・鉄道館に保存されている。
今後JR西日本所属の一部編成は8両化され500系の置き換えに転用される予定。
2008年鉄道友の会ブルーリボン賞受賞。

*5

  • N700S系
2020年7月1日より運行が開始された、N700系のフルモデルチェンジ車。
Sは「Supreme(スプリーム、最高)」の頭文字。
見た目こそN700系とほぼ同じで違いといえば側面の帯程度だが、機器類や内装類が大幅に変更され、車内案内表示にはJR東海初の液晶ディスプレイが採用された。
また、内外装には廃車となった700系やN700系のアルミニウムを再利用して使用している。
短編成や海外輸出など柔軟な構成を取ることができる標準車両と位置づけており、西九州新幹線の車両は本形式がベースの6両編成が導入された。また台湾高速鉄道にも12両編成が輸出される予定。
2021年鉄道友の会ローレル賞受賞。

過去の車両

500系を除く各形式がリニア・鉄道館で保存・展示されており、それ以外の形式も博物館など各地の施設に展示されている。

新幹線といえばまずこの車両を真っ先に浮かべる人が多いほど長期にわたって新幹線の主力車両であり続けた車両。引退最晩年まで「ひかり」運用もあった。
1965年鉄道友の会ブルーリボン賞受賞。

*6

国鉄末期に登場した新幹線初のフルモデルチェンジ車両。
内外装に現行車両につながる新機軸を多数導入し、新幹線初の2階建て車両も連結。2階建て4両連結した「グランドひかり」という列車もあった。騒音の関係上披露できなかったが270㌔運転も可能だった。
1986年鉄道友の会ローレル賞受賞。

*7

のぞみ運転開始と同時にデビューし、東京~博多間の最高速度を270km/hに引き上げた車両だが乗り心地が…
しかし、他形式と異なり短編成化されることもなく、上記の100系と一緒に引退…。*8
開発当初はデザインが大幅に異なっており、100系をベースにハイデッカー化したもので、「スーパーひかり」という愛称があった。
実物大モデルも制作され、プラレールにもなったが実用化されることはなかった。
1993年鉄道友の会ローレル賞受賞。

*9

JR西日本独自設計の車両で、山陽新幹線で日本初の300km/hで営業運転を行った車両。
見た目のカッコよさから非常に人気が高い。しかし、東海道新幹線内では性能を生かしきれない&座席配置の関係+0系の置き換えに500系を使いたいJR西日本の事情で早々と運転終了。なお、乗り入れていた時代は浜松工場の一般公開イベントで、ちびっこたちから「なんで500系はいないの?」と聞かれたり、700系と500系が並んでいると一般人に500系の方が新型と勘違いされることが日常茶飯事だったとか。
現在は短編成化されて山陽新幹線内「こだま」専用となっている。
1998年鉄道友の会ブルーリボン賞受賞。

*10

1999年に営業運転を開始した第四世代。最高速度は285km/hだが、東海道新幹線内は270km/hでの運転となる。
1両当たりのお値段は何と 2億3000万円…!
合計1328両が製作された為、費用総額は 3050億4000万円に上る…!!!
これを僅か4か月で稼ぎ出すのだから恐ろしい…。
2020年ダイヤ改正を前に惜しまれつつ東海道新幹線から引退した。華々しい引退企画も行われたが、肝心のラストランイベントは新型コロナウイルスの影響で中止になってしまった。
廃車後、座席・方向幕などの部品類はJR東海の公式サイトで発売され、車体のアルミ合金はリサイクルされ、N700Sの荷物棚の部材として使われている。
なお山陽新幹線ではレールスター用の車両は引き続き使用されているが、16両編成についてはこちらも2021年に運行を終了した。
2000年鉄道友の会ローレル賞受賞。

*11


【車両基地・工場】

  • 大井車両基地
品川区八潮にある車両基地。留置、車内整備、簡単な検査・修繕を担当する。
新幹線の東京側の一大拠点であり、頻繁に列車の出入りが見られる。
回送線は札の辻橋(田町駅)のあたりで分岐しており、お台場や東京モノレールの天王洲アイル駅から回送線を走る新幹線が見えることもある。
ドクターイエローの拠点でもあり、検測運転のない日は大体この大井車両基地の中にいる。

  • 三島車両所
静岡県三島市にある車両基地。留置と簡単な整備・検査を担当する。
この車庫を拠点として動く車両はなく、三島止まりの列車を留置しておく場所としての役割が強い。
元々は熱海止まりの列車の折返し拠点として整備された。

  • 名古屋車両所
名古屋市中村区にある車両基地。留置と簡単な検査・整備を担当する。
三島車両所同様この車庫を拠点として動く車両はなく、名古屋発着列車の留置場所としての役割が強い。

  • 鳥飼車両基地
大阪府摂津市にある車両基地。留置と簡単な検査・整備、台車の検査を担当する。
新幹線の大阪側の一大拠点であり、東海道新幹線の車両の他直通運転を行う山陽九州新幹線の車両も出入りする。
この基地の上を大阪モノレールがオーバークロスしており、モノレールの車内から基地に留置されている新幹線を眺められる。
過去にはこの車両基地への分岐点で回送列車の脱線事故があった。

  • 浜松工場
静岡県浜松市にある整備工場。JR東海の所有するすべての新幹線電車の大規模検査や修理を担当するほか、同形式車がJR東海に存在する場合はJR西日本の車両の廃車解体も請け負っている*12
駅一覧の浜松駅の項目でも記しているが、回送線の途中には踏切があり、フル規格新幹線電車が自力走行で通過する日本唯一の踏切となっている。
毎年夏になると工場の一般公開(2023年以降は団体列車によるツアー形式に変更)を行っており、新幹線運転台見学やドクターイエローの展示、物販などで毎年賑わう。
この工場は新幹線開業に際して建設したものではなく、もともと在来線の整備工場として存在していたものを新幹線用に改修したもので、構内には新幹線と在来線両方の車両が通過できる特別なレールが多数敷かれている。
新車が東海道新幹線の鉄路を踏む最初の場所であり、役目を終えて廃車された車両が解体されて金属くずとなり搬出される場所でもある。

【駅一覧】

東北上越北陸新幹線東海道線東北本線高崎線常磐線横須賀線総武本線山手線京浜東北線中央線京葉線東京メトロ丸ノ内線乗り換え。
言うまでもないが起点駅。
各方面へ向かう新幹線が揃う始発駅で、終日列車の往来が激しい。
駅周辺だけでなく駅構内にも店が非常に多く、平日・休日問わず人が多い。

山手線・京浜東北線・東海道線・横須賀線、京浜急行本線乗り換え。
この駅自体は古くからある駅だが、東海道新幹線の駅では最も新しい。
将来はリニア中央新幹線の始発駅となる。
東京駅から当駅までの区間は速度制限がある為、隣を走る在来線各線に抜かれちゃったりする。
さらにここから新横浜駅の少し手前にある武蔵小杉駅までは横須賀線とも並走するが、同駅付近には東海道新幹線で最も急な最少曲線半径500mの急カーブが存在する為、下りは多摩川橋梁付近で、上りは駅手前で減速(120km/h程度)を強いられる。
因みにこの駅にあった旧国鉄操車場は1954年にゴジラに最初に破壊された場所という名誉ある記録(?)を持つ。
その影響か品川駅の1番ホームにはゴジラを模したプレート(リードイメージ)が埋められている。
地味に始発「のぞみ」が存在する。

横浜線横浜市営地下鉄ブルーライン相鉄新横浜線・東急新横浜線乗り換え。
横浜駅をこれ以上カオスにしない為に作られた。今でこそ全列車停車駅だが開業当初は「こだま」しか停車せず、ホームから田んぼが見える長閑な田舎であった。
今は開発が進んで新幹線停車駅らしくなっているが。初電列車は知る人ぞ知るひかり533号である。
2023年3月18日に相鉄・東急新横浜線が開業。同路線とのアクセス機能向上を狙い、月曜日と土曜日運転の臨時便「のぞみ491号」が誕生。小田原でひかり533号を追い越した後、前に先行列車がいないのをいい事に猛スピードで爆走する。

  • 小田原
東海道線・伊豆箱根鉄道大雄山線・小田急小田原線・箱根登山鉄道線乗り換え。
神奈川県西部の中心都市で、2時間に1本「ひかり」が停車する。

  • 熱海
東海道線・伊東線乗り換え。
「ひかり」停車駅。言うまでもなく有名な温泉街にして伊豆半島方面の玄関口でもある。
東海道新幹線全駅の中で唯一待避線がない。これは駅の最小曲線半径が1500mときつい上にスペースもなかったためである。
そのため、1974年には日本初となるホームドアが設置された。同様の理由から通過列車もこの付近で減速(185km/h程度)を強いられる。

  • 三島
東海道線・伊豆箱根鉄道駿豆線乗り換え。
「ひかり」停車駅。車庫がある都合当駅が始発着のこだまも多い。
外側に通過線を設けた島式1面構造。地味に新幹線ホームが島式1面だけなのは全新幹線駅中ここだけ*13
上記の通り熱海駅に待避線がないため折り返しを円滑にするべく、在来線でもたった2駅しか離れていないこの駅も新幹線停車駅となった。
沼津駅の方が在来線利用者は多いのだが、地盤が不安定なため新幹線駅を作れなかったらしい。
尚、この三島駅では1995年に駆け込み乗車に起因する乗客転落死亡事故が発生した。
これをきっかけにJR東海では発車ベルの鳴動時間の厳格化やベル以外の発車合図を禁止したり等の再発防止策を講じ、管内の他社にも徹底させている。

  • 新富士
なんと新幹線のみの駅。東海道線・身延線の富士駅は北に2㎞程離れている。
乗客数でも富士駅に負け東海道新幹線の駅では唯一、キヨスクがない。駅の誘致には某宗教が絡んでいるとか何とか
駅の前後は車窓から富士山がよく見え、新幹線屈指の絶景スポットとして有名。

東海道線・静岡鉄道静岡清水線乗り換え。
静岡県第一の都市だが、人口は広大な面積を持つ浜松市より少ない。
けど「のぞみ」は停車しない…。
一応1時間に1本「ひかり」を停めてフォローしている。

  • 掛川
東海道線・天竜浜名湖鉄道天竜浜名湖線乗り換え。
「こだま」のみの停車駅の中で最も利用者が多い駅。
待避線が長く、こだまが停車した直後にのぞみが通過する光景がよく見られる。

  • 浜松
東海道線・遠州鉄道鉄道線乗り換え。静岡県第二の都市で意外にも政令指定都市。
静岡と同様に1時間に1本「ひかり」が停まる。
駅から西へ約2kmの位置に新幹線の整備工場であるJR東海浜松工場があり、展示イベントが毎年夏休みに行われている。
なお、この工場の入出庫線には踏切があり、フル規格の新幹線が自力走行する唯一の踏切となっている。

  • 豊橋
東海道線・飯田線名鉄名古屋本線、豊橋鉄道渥美線(新豊橋駅)・東田本線(市内電車)(駅前駅)乗り換え。
通称「東三河の交通拠点」。
新幹線では比較的珍しい地平駅で、飯田線と並んでる姿はある意味感動的。JR東海の駅で6番目に利用客が多い駅。
「ひかり」停車駅。だが、名古屋も近いので停車は2時間に1本。
一見待避線にのみ相対式ホームがある、新幹線らしい配線に見えるが、実は上りだけ島式ホームという変則的な配線。在来線寄りの11番線は普段使われない予備のホームとなっている。伊勢湾横断新幹線の分岐を準備していた跡という噂もあるが実際のところは不明。

  • 三河安城
東海道線乗り換え。だが、東海道線は普通列車しか止まらない(隣の安城は全停車する)。しかも用地の都合でホームがやたら離れている。
新幹線の駅である意味最も酷い扱いを受けてる駅。

東海道線・中央線関西線名古屋市営地下鉄東山線桜通線名古屋臨海高速鉄道あおなみ線、名鉄名古屋本線(名鉄名古屋駅)、近鉄名古屋線(近鉄名古屋駅)乗り換え。
愛知県第一の都市にして日本第三位の大都市ターミナル駅。車庫がある。食堂車が営業していた頃はこの駅で食堂車の廃水を捨てていた。ホームには名古屋らしくきしめん屋がある。
勿論、全列車停車する。
のぞみ301号?嫌な事件だったね…。

  • 岐阜羽島
名鉄羽島線(新羽島駅)乗り換え。
岐阜県唯一の駅で、東海道新幹線では唯一、接続路線が私鉄しかない駅。
けど名鉄がわざわざ新線を建設した分利便性はこっちの方がマシか。
けど利用客は東海道新幹線の駅の中で最低の約2700人…。
その割に規模が大きいのだが、これは積雪により関ヶ原超えが不可能になったときに車両が多く留置出来るようにするため。
2017年の台車亀裂インシデントで名古屋駅14番線が使用できなくなった際、列車の接続をとるために当駅にのぞみを臨時停車させるという、意外な場面で役に立った。
一昔前までは政治駅の象徴と言われていたが、現在は否定されている。まあ駅前に地元議員の銅像があったりするが

  • 米原
東海道線(大垣方面・京都方面)・北陸本線、近江鉄道本線乗り換え。
在来線はJR西日本との境界駅。北陸方面との乗り換えが主で、新幹線ひかりと北陸方面へ向かう特急しらさぎが接続するダイヤが組まれている。かつては車両基地や機関区など鉄道関連の施設が多く設けられ、駅周辺に国鉄職員が在住する「鉄道の町」として栄えた。現在もJR総研の施設があり、新幹線の試験車両も保存されている。
滋賀県では唯一の新幹線駅。でも、大津や草津といった滋賀県の主要部には京都駅のほうが近い。
そのため、駅前は岐阜羽島や新富士に負けず劣らず人はいない…。
米原市がまだ米原町だった頃は、東海道新幹線で唯一、「町」にある駅だった。

東海道線・山陰線奈良線湖西線草津線近鉄京都線、京都市営地下鉄烏丸線乗り換え。
京都の玄関口にして関西有数のターミナル駅。
京都市内は景観条例により高層建築物の建設が原則禁止されているが、この京都駅舎は京都タワーと同様例外的に高層建築が認められている。
新幹線ホームは近鉄ホームの真上にあり、乗換が便利なため、JR西日本は奈良方面への乗客を近鉄に取られてしまうことに悩んでいるとかいないとか。
因みに奈良県からやって来た奴に駅構内で大暴れされ爆発・炎上の憂き目にあった事がある。

山陽新幹線・東海道線・おおさか東線Osaka Metro御堂筋線乗り換え。
終着駅。
そのまま山陽新幹線に直通する列車もある為、あまり終着駅に感じない人も多い。
現在2本しかない引き上げ線を4本に増設し、ホームドア設置も加速中。

【構想中の駅】

  • 相模新駅
新横浜~小田原間。相撲線の倉見駅あたり。神奈川県と関係自治体が新駅設置を要望している。
JR東海も
リニアが開業して新幹線のダイヤにゆとりが生まれたら設置を検討する
と比較的前向きな様子。
この付近へは相鉄いずみ野線も延伸計画があり、今後が楽しみな地域となっている。

  • 富士山静岡空港新駅
静岡~掛川間。富士山静岡空港への空港連絡鉄道として新幹線が利用できるよう静岡県が設置を要望したもの。
ただしJR東海は
既存の駅と距離が短くなりすぎて加速が間に合わなくなるし、何より静岡空港へ飛んでくる飛行機なんて居るの?
と完全に否定モード。
ぶっちゃけ空港駅作るよりさっさとリニア工事認可してのぞみの何割かをそっちにシフトさせたほうが線路容量空いて県内に止まるひかり増やせて利便性高まるのにね。

  • 南びわ湖駅
米原~京都間。滋賀県栗東市、草津線草津駅~栗東駅間の新幹線との交差近くに建設予定だった。一度は開業に向けて着工したものの、着工後の県知事選挙で駅建設の凍結を訴えた嘉田由紀子知事が誕生したため、そのまま建設が中止された。
5年後、よりにもよって南びわ湖駅の中止を決めた嘉田知事が別の場所に新駅建設のぶち上げるものの、当然ながらJR東海からは全く相手にもされなかった。
いわく、JR東海は
南びわ湖駅の話はもう済んだ話。仮に滋賀県からこれ以外に新駅建設の話が出ても一切応じない
と完全にお怒りモード。以降も地元では新駅構想の計画はあるものの、見通しは全くたっていないのが現状である。

【リニア中央新幹線開通後】

リニア中央新幹線が開通すると、のぞみの乗客の大半がリニアに移ると予想しているためか、開通後はのぞみを減らしてひかりやこだまを増やすという発表をしている。
そもそも現在のダイヤは超過密でパンク寸前であり、JR東海としてもリニアの早期開通を望んでいる節がある。
が、2023年現在の静岡県知事が頓痴気な理由や無茶苦茶なジャイアン理論で工事を妨害したため頓挫している。





追記・修正は東京〜新大阪をこだまで乗り通した方にお願いします。

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最終更新:2024年04月07日 17:54

*1 財務・輸送の状況 - 東海旅客鉄道

*2 「100円稼ぐのに10万円も掛かる路線」がある JR東海・JR西日本の営業係数を独自試算 - 梅原淳

*3 当然保線作業は過酷を極め、さらに沿線住民の損害も甚大であり「黄害」と呼ばれた。

*4 それまでは0系の2,336両が最多だった。但し、0系は同形式で置き換えを行っていたため、総製造数は未だに破られていない。

*5 出典:日本の旅・鉄道見聞録 URL: http://www.uraken.net/rail/alltrain/tec/n700_1000.jpg 日時:2016/01/03

*6 出典:日本の旅・鉄道見聞録 URL: http://www.uraken.net/rail/alltrain/tec/0.jpg 日時:2016/01/03

*7 出典:日本の旅・鉄道見聞録 URL: http://www.uraken.net/rail/alltrain/tec/100f.jpg 日時:2016/01/03

*8 これについてはモハユニットが3両構成だったことに起因する。

*9 出典:日本の旅・鉄道見聞録 URL: http://www.uraken.net/rail/alltrain/tec/300.jpg 日時:2016/01/03

*10 出典:日本の旅・鉄道見聞録 URL: http://www.uraken.net//ph/2009/091031_04.jpg 日時:2016/01/03

*11 出典:日本の旅・鉄道見聞録 URL: http://www.uraken.net/rail/alltrain/tec/700f.jpg 日時:2016/01/03

*12 実際、300系F編成はJR西日本所属でありながら、最後まで残っていた3編成を除いた全ての編成が浜松工場に廃車回送されて解体されている。

*13 この駅以外では東北・上越新幹線の東京駅が開業した1991年6月20日から1997年9月30日までの間、島式1面2線だけであった。また、正確には新幹線駅ではないが新幹線の車両のみが乗り入れるガーラ湯沢駅も島式1面2線である。