東海道新幹線

登録日:2013/07/17(水) 21:03:00
更新日:2018/05/13 Sun 01:51:57
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東海道新幹線(とうかいどうしんかんせん)とは東京駅から新大阪駅まで結ぶ、JR東海の高速鉄道路線である。

かつては東海道といえば日本初の路線である東海道本線(JR東日本)東海道本線(JR東海)が交通&物流の大動脈であった。
しかし、相次ぐモータリゼーションの発達や高速の発達、そしてなによりも高度経済成長によりありとあらゆる高速化の手段を施したにも関わらず、既に線路容量と輸送能力は 最早限界を迎えていた。
そこで、国鉄(当時)は折しも開催が決まった東京オリンピック開催に合わせて、戦前に実在した「弾丸列車」計画を基に高速運転が可能な標準軌新線の建設を決定し1959年4月20日に着工、開催直前の1964年10月1日に開業した。
当時特急の発達により日帰りこそ可能であったものの、僅か2時間しか滞在できなかった東京~大阪間の旅が一気に6倍近く滞在可能となり、今までの常識を覆し様々な社会構造に著しい変化を及ぼした。
JR民営化後、新幹線も管轄が分かれ東海道新幹線は在来線はJR東日本 区間である東京~熱海間、JR西日本 区間である米原~新大阪間を含めて全面的にJR東海に移行した。ちなみにJR東海が設立されたのは国鉄トップクラスの稼ぎ頭だった東海道新幹線を東日本会社に持たせるか西日本会社に持たせるかでモメた末の妥協案の産物だとか。

この東海道新幹線の御蔭で、現在JR東海は会社として経営が成り立っている。
(詳しくはJR東海の記事参照)
東海道新幹線の収入は、JR東海の鉄道収入の92%を占める*1
2014年度の輸送密度(1日平均通過人員)は248,560、営業係数(100円稼ぐのに必要な経費)は60.8。注意すべきなのは、これは新幹線の経費が収入割合と等しくなるよう勝手に補正を掛けた結果*2なので、実際の営業係数は40を切る
輸送密度は首都圏や関西圏の在来線にこそ及ばないが、JR東海ではダントツ1位。さらに注目すべきなのは、新幹線は全て特別料金を徴収する特急列車であること。
純粋な利益の大きさでいえば、間違いなく日本一の大黒字路線

【路線データ】
  • 管轄:東海旅客鉄道(JR東海)新幹線事業本部・関西支社
  • 路線距離:東京~新大阪間 515.4km
  • 軌間:1,435mm
  • 駅数:17
  • 信号場数:2
  • 電気方式:交流25,000V 60Hz
  • 保安装置:車内信号式(ATC-NS)
  • 営業最高速度:270km/h(~2015年春)/285km/h(2015年春~・N700A/N700改造車限定)

【モデル線】

現在の新横浜-小田原間に相当する、相模川の東付近から東海道本線鴨宮駅近くまでが新幹線のテストコースである「モデル線」として先行して完成。鴨宮駅近くに基地を設置し、この基地を拠点にして試験車の1000形や先行して製造した0系6両を使用して営業運行に必要なデータの収集、新開発の保安装置が正常に作動するかなどのテスト、一足早く時速200kmの世界を体験できる試乗などが行われた。
試乗客は
  • エドウィン・O・ライシャワー(アメリカ大使)
  • ジョン・ハーシェル・グレン(宇宙飛行士)
  • 国連アジア極東経済委員会代表団
  • 秩父宮妃
といった内外の要人を始め、報道関係者、どこで売ってたかは不明な試乗切符を持った一般人まで多数受け入れられ、新幹線反対派の理解を得るのにも役立った。

ちなみに試乗列車のトイレは基地に処理設備がないため鍵をかけて封鎖していたものの、試乗客からは度々トイレを使いたいという要望が出ており、その都度乗務員が現場の判断でトイレを使わせていた。当時の新幹線のトイレはモノを床下のタンクに貯めておく方式で、定期的に抜き取りを行わないとタンクが満杯になり、トイレが使用できなくなってしまう。
ある時、検査員が出庫前の車両を点検中、汚物タンクが一杯でこれ以上トイレが使えない状態になっているのを発見。すぐに国鉄本社新幹線総局へ「テストコースの基地にトイレの処理設備を作ってくれ!」と要望がされたものの、総局の返答は「現場の工夫でなんとかしろ」(意訳)という無責任なもの。
現場の工夫でどうにかしろと言っても、基地内でタンクのコックを開けて中身を垂れ流せば基地がかぐわしい香りに包まれるだけ、バキュームカーを頼もうにも車両に付いている口金とバキュームカーの口金が合う保障はなし、近くの農家に肥やしとして中身を引き取ってもらおうにも柄杓が入るような開口部がない。重苦しい雰囲気が支配する中1人の助役がある案を思いつく。その後電力区の職員へ「今夜は一晩中電気を通電させておいてくれ。急だが夜間走行試験を行う」と連絡。
その日の真夜中、試乗列車はヘッドライトもテールライトも点灯させず、車内灯も全て消した完全な無灯火状態で基地を発車。酒匂川の鉄橋の上で停車し、同乗していた検査員が降りてトイレタンクのコックを開け、中身をすべて川へ放出。その後基地へと戻っていった。
おおらかな時代だから許された所業である。

現在モデル線は東海道新幹線の本線の一部となり、基地として使われていた場所は今も保守基地として健在。

【列車愛称】

実は「ひかり」と「こだま」は戦前から存在する

のぞみ
1992年から導入された最速達タイプの列車で全列車の半分を占める。
停車駅は品川・新横浜・名古屋・京都・新大阪の5駅のみである。
東京~新大阪間の所要時間は2時間25分~2時間37分。
2015年春に最高速度が引き上げられ、最速列車は2時間22分に短縮される予定である。
日中は新大阪行きが1本、博多行きが福山停車・新山口or徳山停車で1本ずつ、広島行き(姫路停車)が1本の4本体制に、多数の臨時列車が運転される。定期列車に大体新大阪行きが1〜2本増えるのが基本。
ちなみに2003年10月1日ダイヤ改正の際に「『のぞみ』は東京~新大阪間において品川または新横浜、或いは両駅、名古屋、京都にのみ停車する列車」と定義されたため、これ以外の駅に停まるとN700系の性能をフルに生かして「のぞみ」より2駅も多く停まりながら、新横浜~新大阪間の所要時間が日中の「のぞみ」と大して変わらない列車があっても問答無用で「ひかり」にされる。

ひかり
「のぞみ」導入前までもの長きにわたって東海道新幹線の象徴・代名詞的存在だった列車。
「のぞみ」登場後もしばらくは主力列車であり続けたが、今では全本数の2割を占めるに過ぎない。
日中はのぞみの停車駅に加えて静岡・浜松に停車する岡山行き(半分は三島にも停車)と豊橋または小田原と岐阜羽島・米原に停車する新大阪行きが1時間に1本ずつ運転される。

こだま
ゆるぎない鈍行。本数は全体の約3割。遠距離通勤・通学の為の利用者が多い。
日中は名古屋行きと新大阪行きが1時間に1本ずつ。朝帯や夜間には三島・静岡・浜松行きなども見られる。


【使用車両】

N700系…2007年に営業運転を開始した現在のメイン車両。500系以来となる山陽新幹線での300km/h運行を可能とした。
2006年から2011年に掛けてJR東海で16両編成80本、JR西日本で16両編成16本が製造された後、2012年度からは改良型のN700系1000番台、通称「N700A」に進化した。既存のN700系も順次N700A仕様に改造し、現在は全編成がN700A仕様。
N700AはJR東海で16両編成13本、JR西日本で16両編成1本が製造され、2014年現在も製造が続けられている。
この他にも8両編成の山陽・九州新幹線用車両が存在し、それらも含めた2014年4月1日現在の総両数は2,016両である。
なお、JR東海は2014年度中にN700Aを16両編成6本製造する予定で、これらが落成するとJR東海保有編成だけで1,600両に達するほか、JR西日本も700系置き換えのためにN700Aを再び製造する予定のため、下手をすると新幹線の同一形式における最多在籍両数記録を更新する可能性がある(現在は0系の2,336両)。なんとも凄まじい。

因みに費用総額は 3800億円かかっている。

*3
http://www.uraken.net/rail/alltrain/tec/n700_1000.jpg

700系…1999年に営業運転を開始した第四世代。最高速度は285km/hだが、東海道新幹線内は270km/hでの運転となる。
1両当たりのお値段は何と 2億3000万円…!
合計1328両が製作された為、費用総額は 3050億4000万円に上る…!!!
これを僅か4か月で稼ぎ出すのだから恐ろしい…。

*4
http://www.uraken.net/rail/alltrain/tec/700f.jpg


【過去の車両】

0系…新幹線といえばまずこの車両を真っ先に浮かべる人が多いほど長期にわたって新幹線の主力車両であり続けた車両。

*5
http://www.uraken.net/rail/alltrain/tec/0.jpg

100系…国鉄末期に登場した車両。新幹線初の2階建て車両も連結。2階建て4両連結した「グランドひかり」という列車もあった。

*6
http://www.uraken.net/rail/alltrain/tec/100f.jpg

300系…のぞみ運転開始と同時にデビューし、東京~博多間の最高速度を270km/hに引き上げた車両。
しかし、他形式と異なり短編成化されることもなく、上記の100系と一緒に引退…。

*7
http://www.uraken.net/rail/alltrain/tec/300.jpg

500系…JR西日本独自設計の車両で、山陽新幹線で日本初の300km/hで営業運転を行った車両。
見た目のカッコよさから非常に人気が高い。しかし、東海道新幹線内では性能を生かしきれない&座席配置の関係で早々と運転終了。
現在は短編成化されて山陽新幹線内のこだま専用の運用となっている。

*8
http://www.uraken.net//ph/2009/091031_04.jpg


【車両基地・工場】
大井車両基地…品川区八潮にある車両基地。留置、車内整備、簡単な検査・修繕を担当する。
新幹線の東京側の一大拠点であり、頻繁に列車の出入りが見られる。
回送線は札の辻橋のあたりで分岐しており、お台場から回送線を走る新幹線が見えることもある。
ドクターイエローの拠点でもあり、検測運転のない日は大体この大井車両基地の中にいる。

三島車両所…静岡県三島市にある車両基地。留置と簡単な整備・検査を担当する。
この車庫を拠点として動く車両はなく、三島止まりの列車を留置しておく場所としての役割が強い。
元々は熱海止まりの列車の折返し拠点として整備された。

名古屋車両所…名古屋市中村区にある車両基地。留置と簡単な検査・整備を担当する。
三島車両所同様この車庫を拠点として動く車両はなく、名古屋発着列車の留置場所としての役割が強い。

鳥飼車両基地…大阪府摂津市にある車両基地。留置と簡単な検査・整備、台車の検査を担当する。
新幹線の大阪側の一大拠点であり、東海道新幹線の車両の他直通運転を行う山陽九州新幹線の車両も出入りする。
この基地の上を大阪モノレールが走っているのでモノレールの車内から基地で待機する新幹線を眺められる。
過去にはこの車両基地への分岐点で脱線事故があった。

浜松工場…静岡県浜松市にある整備工場。JR東海の所有するすべての新幹線電車の大規模検査や修理を担当する。
駅一覧の浜松駅の項目でも記しているが、回送線の途中には踏切があり、フル規格新幹線電車が自力走行で通過する日本唯一の踏切となっている。
毎年夏になると工場の一般公開を行っており、新幹線運転台見学やドクターイエローの展示、物販などで毎年賑わう。
この工場は新幹線開業に際して建設したものではなく、もともと在来線の整備工場として存在していたものを新幹線用に改修したもので、構内には新幹線と在来線両方の車両が通過できる特別なレールが多数敷かれている。
新車が東海道新幹線の鉄路を踏む最初の場所であり、役目を終えて廃車された車両が解体されて金属くずとなり搬出される場所でもある。

【駅一覧】

東京…東北新幹線東海道線横須賀線総武快速線山手線京浜東北線中央線京葉線、東京メトロ丸の内線乗り換え。
言うまでもないが起点駅。
各方面へ向かう新幹線が揃う始発駅で、終日列車の往来が激しい。
駅周辺だけでなく駅構内にも店が非常に多く、平日・休日問わず人が多い。

品川…山手線京浜東北線東海道線横須賀線京浜急行本線乗り換え。
全列車停車駅。この駅自体は古くからある駅だが、東海道新幹線の駅では最も新しい。
東京からここまでは速度制限がある為、隣を走る山手線京浜東北線東海道線に抜かれちゃったりする。
因みにこの駅にあった旧国鉄操車場は1954年にゴジラに最初に破壊された場所という名誉ある記録(?)を持つ。
その影響か品川駅の1番ホームにはゴジラを模したプレート(リードイメージ)が埋められている。
地味に始発「のぞみ」が存在する。

新横浜…横浜線横浜市営地下鉄ブルーライン乗り換え。
横浜駅をこれ以上カオスにしない為に作られた。今でこそ全列車停車駅だが開業当初は「こだま」しか停車せず、ホームから田んぼが見える長閑な田舎であった。
今は開発が進んで新幹線停車駅らしくなっているが。

小田原…東海(ry…、伊豆箱根鉄道大雄山線、小田急小田原線、箱根登山鉄道線乗り換え。
神奈川県西部の中心都市で、2時間に1本「ひかり」が停車する。

熱海…東海(ry…・伊東線乗り換え。
「ひかり」停車駅。言うまでもなく有名な温泉街にして伊豆半島方面の玄関口でもある。
東海道新幹線全駅の中で唯一待避線がない。これは駅のカーブ半径がきつい上にスペースもなかったためである。
そのため、1974年からホームドアが設置されている。何気に日本初のホームドア設置駅だったりする。

三島…東海道線、伊豆箱根鉄道駿豆線乗り換え。
「ひかり」停車駅。車庫がある都合当駅が始終着のこだまも多い。
地味に新幹線ホームが島式1面だけなのは全新幹線駅中ここだけ*9

新富士…なんと新幹線のみの駅。東海道線の富士駅は北に2㎞程離れてる。
乗客数でも富士駅に負け東海道新幹線の駅では唯一、キヨスクがない。

静岡…東海(ry…、静岡鉄道静岡清水線乗り換え。
静岡県第一の都市だが、人口は広大な面積を持つ浜松市より少ない。
けど「のぞみ」は停車しない…。
一応1時間に1本「ひかり」を停めてフォローしている。

掛川…東海(ry…、天竜浜名湖鉄道天竜浜名湖線乗り換え。
「こだま」のみの停車駅の中で最も利用者が多い駅。

浜松…東海(ry…、遠州鉄道鉄道線乗り換え。静岡県第二の都市で意外にも政令指定都市。
静岡と同様に1時間に1本「ひかり」が停まる。
駅から西へ約2kmの位置に新幹線の整備工場であるJR東海浜松工場があり、展示イベントが毎年夏休みに行われている。
なお、この工場の入出庫線には踏切があり、フル規格の新幹線が自力走行する唯一の踏切となっている。

豊橋…東(ry…・飯田線名古屋鉄道名古屋本線、豊橋鉄道渥美線(新豊橋駅)・東田本線(駅前駅)乗り換え。
通称「東三河の交通拠点」。
飯田線と並んでる姿はある意味感動的。JR東海の駅で6番目に利用客が多い駅。
「ひかり」停車駅。だが、名古屋も近いので停車は2時間に1本。

三河安城…東(ry…乗り換え。何故か東海道線は各駅停車しか止まらない(隣の安城は全停車する)。
新幹線の駅である意味最も酷い扱いを受けてる駅。

名古屋…東(ry…・中央本線関西本線名古屋市営地下鉄東山線名古屋市営地下鉄桜通線、名古屋臨海高速鉄道西名古屋港線(あおなみ線)、名古屋鉄道名古屋本線近鉄名古屋線乗り換え。
愛知県第一の都市にして日本第三位の大都市ターミナル駅。車庫がある。食堂車が営業していた頃はこの駅で食堂車の廃水を捨てていた。
勿論、全列車停車する。
のぞみ301号?嫌な事件だったね…。

岐阜羽島…名鉄羽島線乗り換え。厳密に言うと名鉄の駅は「新羽島駅」。
岐阜県唯一の駅にして新富士駅と並ぶもう一つの新幹線しか停車しない駅。
けど名鉄がある分利便性はこっちの方がマシか。けど利用客は東海道新幹線の駅の中で最低の約2700人…。
その割に規模が大きいのだが、これは積雪により関ヶ原超えが不可能になったときに車両が多く留置出来るようにするため。
一昔前までは政治駅の象徴と言われていたが、現在は否定されている。

米原…東(ry…・琵琶湖線北陸本線、近江鉄道本線乗り換え。
在来線はJR西日本との境界駅。北陸方面との乗り換えが主。
滋賀県では唯一の新幹線駅。でも、大津や草津といった滋賀県の主要部には京都駅のほうが近い。
そのため、駅前岐阜羽島や新富士に負けず劣らず人はいない…。

京都…JR京都線琵琶湖線JR奈良線湖西線嵯峨野線近畿日本鉄道京都線
、京都市営地下鉄烏丸線乗り換え。
京都府唯一の新幹線駅。けど全列車停車する為、岐阜羽島とは全然レベルが異なる。
因みに奈良県からやって来た奴に駅構内で大暴れされ爆発・炎上の憂き目にあった事がある。

新大阪…山陽新幹線JR京都線Osaka Metro御堂筋線乗り換え。終着駅。
そのまま、山陽新幹線に直通する列車もある為、あまり終着駅に感じない人も多い。
現在2本しかない引き上げ線を4本に増設中。

【新駅】
相模新駅…新横浜~小田原間。神奈川県と関係自治体が新駅設置を要望している。
JR東海も
リニアが開業して新幹線のダイヤにゆとりが生まれたら設置を検討する
と比較的前向きな様子。

富士山静岡空港新駅…静岡~掛川間。富士山静岡空港への空港連絡鉄道として新幹線が利用できるよう静岡県が設置を要望したもの。
ただしJR東海は
既存の駅と距離が短くなりすぎて加速が間に合わなくなるし、何より静岡空港へ飛んでくる飛行機なんて居るの?
と完全に否定モード。

南びわ湖駅…米原~京都間。一度は開業に向けて着工したものの、着工後の県知事選挙で駅建設の凍結を訴えた知事が誕生したため、そのまま建設が中止された。
JR東海は
南びわ湖駅の話はもう済んだ話。仮に滋賀県からこれ以外に新駅建設の話が出ても一切応じない
と完全にお怒りモード。

追記・修正宜しくお願いします。

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