闇の力(仮面ライダーアギト)

登録日 :2011/06/28 (火) 20:27:02
更新日 : 2017/04/21 Fri 20:08:16
所要時間 :約 5 分で読めます




元始にテオスありき。
テオス、光と闇を分かち、昼と夜を分けぬ。 天と地とを分かち、陸と海を分けぬ。
世界の創られしはこなり。
テオス次にエルを創り、マラークを創りぬ。
マラークをかたどりて動物を創り、己をかたどりて人間を創りぬ。
世界は楽園なりき。

やがて人間増え、地に満ちれり。
人間のいわく、
「我らテオスの形なり。されば、我らエルやマラークに勝るべし。
マラークの形なる動物ども、我ら家畜としし従えん」
マラークらのいわく、
「見よ、人間の動物どもを家畜とし従えしを。
我ら人間を家畜とし、従えん。さもなくば殺すべし」と。
ここにマラークと人間の戦い始まれり。
その数各々二億にして、戦い40年に及べり。

7人のエルの一人プロメス、人間を助けんと地にくだりて人間と交われり。
プロメスと人間の間に生まれし子供、これネフェリムなり。
戦いの挙げ句プロメスは殺され、マラーク勝利せり。
エルらのいわく、
「我ら大洪水を起こし、プロメスの子らも、彼らの従えし動物らも全て滅ぼし尽くさん」と。
即ち欺くなりて、水が地の表を40日に渡りて覆いたりき。

テオス深く悲しみ、人間と動物の1対ずつを方舟に乗せ、洪水を生き延びさせたまいけり。
40日を経てのち、水の枯れ、人間の生き残れるを見て、エルら怒りて言いけるは
「テオスよ、人間は汝に逆らう者。ならばすべて殺すべし。
彼ら、すでに汝の創りたまいし人間ならずして、ネフェリムなれば」

テオスの言いたまいけるは、
「エルどもよ、我が言葉に逆らいしは汝らもひとしからん。
人間の再び増え、地に満ちる日まで、
我は我と、汝らを封印せん而して、
人間が果たして我に逆らう者らなりや確かめるべし」
即ち欺くなりぬ。


仮面ライダーアギト」に登場する存在。
そしてアンノウンの黒幕で、「アギト」の力を持つ人間を抹殺すべく、エルロードをはじめとする「アンノウン」を送り込む。

◆幼児(演:八木優希)
◆少年(演:神木隆之介、穴井隆文)
◆青年(演:羽緒レイ)

与那国島で発見されたオーパーツに隠されていたDNAモデルを再現した結果赤ん坊の姿で生まれ、短期間で成長、中性的な外見の青年となった。
「アギト」の力を持つ者をアンノウンに殺害させているが、「アギト」の力を持たない人間は(邪魔しない限りは)決して襲わないよう命じており、
これを破ったアンノウンには自らの手で自らを殺すという裁きが下される。

劇中では瀕死の重傷を負って錯乱したスネークロードが只の人間を殺した際、制裁を受けた。
ビーロードも触覚を斬り落とされて混乱した時に無差別殺戮を行っているが、こちらは制裁される前にアギトに倒されている。


青年の姿に成長した後、「あかつき号事件」の生存者である三浦涼子を自ら殺害したが(針金で絞殺するという妙に生々しい方法で殺害している)、
いくらアギトの力を持つ者とはいえ愛する人間を手にかけてしまったために心に傷を負い、
風谷真魚の助言を受けた氷川誠にわざと逮捕されて精神病院に落ち着く。

その後、過去に最初のアギト=沢木雪菜を殺した(実際はアギトの力に錯乱して飛び降り自殺しようとする雪菜の手を「放してしまった」だけなのだが)功績を持つ沢木哲也(本物の津上翔一)を蘇らせ、
力と永遠の命を与えてアンノウンだけでなく人類の側から「アギト」を滅ぼさんとするも、
人類の可能性を信じた沢木哲也はこれを拒否。彼は「アギト」達の覚醒を促し、彼らを導く者となる。
沢木が自らの意に反した行動を取っていることは当然知ってはいたが、特に処罰はしなかった。


そして、アンノウンが「アギト」の力を持つ者達に敗れ続けるのを見て、ついに自ら行動に移る。


※以下正体及びネタバレ
























その正体ははるか昔、世界を創造した創生者(テオス)の「闇の力」。わかりやすく言えば、「神」というべき存在である。

彼は自らの創造物の中でも、自らに似せて創った人類を特に愛していた。
しかし、その人類に「光の力(「火のエル?」)」が「アギト」の力を与えようとしたこと
(理由は不明だが、おそらく人類の可能性を信じた「光の力」による彼なりの褒美)で、憎しみの戦いの末に「光の力」を倒す。

しかし、「光の力」が最後の力で全人類に「アギト」 の力を与えたため、一度大洪水で世界を滅亡させた。
だが愛する人類を滅ぼせなかったので、全動物のつがいを一組ずつだけ生き残らせた。(ノアの方舟とかプロメテウスである)

その後、人類が再び繁栄する中で自身が制御できない「アギト」が生まれることを嫌い、
抹殺すべくエルロードを解き放ち、自身もオーパーツにDNAを残しアギトが生まれだした頃に現代に復活できるよう布石を打っていた。



劇中でわかるのはここまで。裏設定では更に深く掘り下げられたが上記との矛盾も存在する。


※更にネタバレ
















終盤、津上翔一=アギト、葦原涼ギルス、木野薫=アナザーアギトからアギトの力を奪うが、
その際、氷川誠G3-Xの援護を受けた翔一に殴られてアギトの力を奪い返される。

愛していた人類から攻撃を受けた…その事実に狼狽した闇の青年はもはや人類は愛すべき対象ではなくなったと判断し、人類自体を滅ぼそうとする。
手始めとして、「蠍座の人間にドッペルゲンガーを見せて死なせる」というゲゲル…じゃなくて殺害計画を実行。
この時涼の恋人の水原リサも犠牲となった。



ドルド「ゲゲルのルールは『蠍座のリント全てに幻覚を見せて殺す』」

バルバ「できるのか?」
闇の力「容易い」


そして自身を「風のエル」「地のエル」に護衛させ、翔一達にぶつける。

しかし「風のエル」「地のエル」は敗れ、アギトの攻撃を受け、人類を見守る方向に考えを改め、姿を消した。



その後、眠りに就く中でそれに伴って永遠の命を失った沢木哲也と再会。

人を信じるか否かで揺れる胸中を吐露するも、
あくまで信じることへの迷いを見せない沢木哲也に見送られながら
「闇の力」は今度こそ何処へともなく姿を消し、沢木哲也はその命に幕を閉じた。

なお、この時の沢木哲也の眼差しは、
それまでの「アギト」と人類の葛藤と戦いを見守ってきた者としての強い意志と自信に満ち溢れており、
同じように作中の戦いを見守ってきた視聴者の胸を熱くさせる。


「きっと俺が、勝つさ!」



仮面ライダーディケイド「アギトの世界」】

「闇の力」は登場しなかったが、その代わりとも言える「バッファローロード・タウルス・バリスタ」がアンノウンのリーダーとして登場。
「人は人であればいい」と人類の進化を否定。ショウイチ=エクシードギルスを付け狙っていた。

しかし、自身の言葉を士に「お前の道案内なんか必要ない」と否定され、
最後はアギトに完全覚醒したショウイチやディケイド=士、ユウスケ=G3-Xに敗北した。




【能力】

創造主というだけあって、その力は全知全能。本来アギト達が何人いても、それらが束になってかかっても相手にならない。

しかし、人類を愛していたが故にG3-Xの攻撃を防がなかったり、
「アギト」の力を奪われた翔一に殴られたりと、その強さを示す機会には恵まれなかった。

絶対的存在であるが故にちょっと想定外のことが起きるとすぐに動揺したり、
上述のようにたとえアギトでも殺すと深く悲しんでいたことから、豆腐メンタルの神様なんて呼ばれることも。


劇中で見せた能力は

アンノウン(エルロード)創造・吸収
時間操作
瞬間移動
天体をも移動させる程の念力
死者の復活
特定の人間を殺す

おそらく、人類が「闇の力」の全能力を把握することは不可能である。
グロンギを超えるという設定であるアンノウンの黒幕として、前作のン・ダグバ・ゼバからのスケールアップを図ったとも受け取れる。
知名度は低いがスケールや実力はライダー史上最大最強と言っていいだろう。

闇の力がこれほどの力を以て本編中でやろうとしたことは、
スープ作ってる時に光の力がカレールー入れてカレーにしようとしたのをおたまですくってスープに戻そうとしているレベルだけど。


ここまで、書くと「仮面ライダーアギト」は仮面ライダーにそぐわないオカルトな作品だと感じる人もいるかもしれない。

しかし、「アギト」の作中で描かれた「創造主への反逆」は元々、
「サイボーグ009」等をはじめとして晩年の石ノ森章太郎氏が描こうとしつつも完結できなかったテーマである。

加えて前作「クウガ」で描かれたヒーローとしての仮面ライダー、
そして次回作「龍騎」 で描かれた同族同士の殺し合い…形は違えど平成ライダーも根底では昭和ライダーと同じ側面を持っているのだ。







「闇の力」に選ばれた人は追記・修正よろしくお願いします。

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