キレンジャー(初代)/大岩大太

登録日:2011/12/14 Wed 02:27:19
更新日:2024/02/21 Wed 23:05:18
所要時間:約 4 分で読めるたい






イーグル九州支部を襲ったのは、青銅仮面とその軍団であった。

ここにも、不死身の若者がいた。

その名は……大岩大太(おおいわだいた)


おどば阿蘇山たい!怒ればでっかい噴火山たーい!!



大岩大太とは『秘密戦隊ゴレンジャー』に登場するゴレンジャーの一員であり、キレンジャーに変身する人物である。
誕生日は7月15日の23歳。結構若い。

演:畠山麦


【人物】

容姿はふとましくも柔道家らしくがっしりした、愛嬌のある容姿の青年。怪力が自慢。
服装は意外にオシャレで、主に水色のハンチング帽にデニムジャケットにジーンズ、赤と黒の横縞のシャツがトレードマーク。
ちなみにパンツはトランクス派。
ゴレンジャーの中で唯一出身が九州と判明しており、九州弁で話す。
仲間に対しては名前の後に「○○どん」を付けて親しげに呼ぶのが特徴。

イーグル九州支部で柔道のクラブ活動中、黒十字軍の仮面怪人・青銅仮面の襲撃を受け、重傷を負いながらも唯一生き残った。
その後、ゴレンジャーの一員に選ばれ、ゴレンジャー指令室『ゴレンジャールーム』の入り口を擁するスナック『ゴン』に集まった。
他のメンバーからは「大ちゃん」と呼ばれている。

『気は優しくて力持ち』を地で行くゴレンジャーのムードメーカーであり、女性や子供にも優しいが、それが仇となって敵の策にはまることもある。

なぞなぞが好きで、ミドレンジャー/明日香健二や太郎君になぞなぞをよく出されるが、
それに対して「何じゃろな~?」「何じゃらホイ?」などと返す辺り苦手らしく、口の悪い九官鳥・ゴンやナレーションにも次回予告で馬鹿にされていた。

その一方で精密機械や通信関係のスぺシャリストという一面もあり、監視モニターの妨害装置や毒ガスの濃度を測る機械を使用したり、
個人装備のYTCや福引で当たったアンドロイド(実は黒十字軍の仮面怪人・赤面仮面)を一人で組み立てるなど、決して頭が悪い訳では無い。
そのこともあってか、アオレンジャー/新命明バリブルーンを操縦する時サブパイロットとして同乗し、スイッチの操作を任されることが多かった。

(↑)「さて行きましょうか、大ちゃん。」
(-)「はいな、新明どん!」

またスナック「ゴン」のマスターが江戸川権八総司令であることに最初に勘付くなど、勘が鋭いところもある。

第55話で古巣の九州支部の教官に栄転するが、第67話「真っ赤な特攻!キレンジャー夕日に死す」でキレンジャー(2代目)/熊野 大五郎が殉職したため復帰し、黒十字軍と戦い抜いた。

第79話では、刑事コロンボに変装し捜査をした事がある。


【キレンジャー=カレー好き】

キレンジャーの中で外すことの出来ないものといえばこれだろう。
第1話でスナック『ゴン』に入ってすぐにカレーライス大盛りで4枚!」と頼み、
マスターに「4枚だと多いから2枚にしとけ」と言われても「4枚でお頼み申す!」と押し通し、それを全部平らげたのである。

その後もスナック『ゴン』にいるシーンではほとんどカレーを食べており、キレンジャーの個性として深く根付いた。
マスター不在時にはつまみ食いすることもしばしば。本人曰く「カレーには弱い」

ちなみに第3話の時点で早くもマスターにツケのことをぼやかれてたりする。
また味にもこだわっているようで、第9話では魔女仮面が用意したカレーを食べて「ゴンのカレーよりうまかっ」と言ったり、
第37話ではただで腹いっぱい食べられるとはしゃいでいたものの、料理教室に来た女性達のポークカレーのまずさに悶絶していた。
第78話ではある人物を助けた礼としてレストランに呼ばれたが、メニュー表のフランス語が読めない上にカレーはないと店員に言われ、適当に何かを指したら出てきたのはプリンで凹んだ事も。

そんなカレー好きの性格は黒十字軍内でも戦闘員であるゾルダーにすら知れ渡っており、キレンジャーをおびき出すために時々カレーが使われるほどである。
第3話で青銅仮面が用意した際は、アジトに潜入したキレンジャーにが一切入っていないカレーを机に置いて、それをキレンジャーが美味しそうに食べると「お口に合って私も嬉しい」と述べていた……敵同士でしょうが。

後年の作品においてもリスペクトされており、影響の強さをうかがえる。

放送終了後は石森プロと東映の許可を得て『キレンジャーカレー』が発売された。

ぶっちゃけ、後のスーパー戦隊でカレー好きのデブというキャラ付けのイエローはそんなに登場していないのだが、このキレンジャーのイメージだけで「イエロー=カレー好き・デブ」というイメージを持たれがちである。



【キレンジャー】


ゴー!

キレンジャー!


大岩大太が変身する黄色の戦士。
ナンバリングは『3』。
動きはあまり素早くないが、体力では誰にも負けない。
得意の柔道で敵を投げ飛ばしたり頭突きや怪力などで攻撃する。

また、メカの取り扱いにも長けるため、相手を攪乱する作戦でもその実力を発揮する。
個人装備は初期のころは持っておらず、第22話でやっとYTCが登場した。
しかし、武器としての個人装備は第43話まで待たなくてはならなかった。


◆武器と技

  • 阿蘇山投げ
上記の台詞を言いながら投げ飛ばす技。

  • 阿蘇山頭突き
自慢の石頭での頭突き「メガトン頭突き」と呼ばれることも。

  • YTC
第22話で水爆を止めるべく自ら開発。
『イエロートランシーバー』の略で、様々な音波や電波を出して攻撃する無線機。
水爆を不発にしたり、鉄の爪仮面の苦手な不快音波を発生させたり、YTCマグネットパワーによるマグネット金縛りで赤面仮面を動けなくしたり、
超低周波光線で軍艦仮面を弱体化させた他、黒十字軍の空中戦艦を破壊したりした。

  • キーステッカー
第43話から登場した伸縮自在の。YTCの能力を受け継いでいる。
穂先をグーチョパーにする事も出来、短くした状態(キーモクギョ。キーゲンコツやキレンジャー怒りの鉄拳などとも)でゾルダーの頭を殴りつける「ドレミ打ち」が得意技。

  • 阿蘇山投げ
相手をつかんでそのまま転がり、その勢いで投げ飛ばす。


【『海賊戦隊ゴーカイジャー』にて】

レジェンド大戦にも初代キレンジャーが参戦し、集団で襲いかかるゴーミンを相手に力でねじ伏せていた(映画『ゴーカイジャー ゴセイジャー スーパー戦隊199ヒーロー大決戦』で確認可)。


【余談】

第55話~第67話までの2代目キレンジャー/熊野大五郎への一時交代は、演者の畠山麦氏のスケジュールの都合による大人の事情
元々『ゴレンジャー』は一年間4クールの放送を予定しており、放送終了後を見越して舞台公演の予定を組んでいたのだが、予想以上の人気により放送延長が決定。
どうしても都合がつかなくなってしまったためである。

そして畠山氏だが、残念ながら『ゴレンジャー』終了から1年半後に自殺されてしまっている。
キレンジャーのイメージが付きすぎてその後の仕事で苦戦したことで、ノイローゼに陥ったのが一因だと言われている*1

アカレンジャー/海城剛役の誠直也氏は畠山氏が自殺する前日も別のドラマの撮影で彼と共に現場におり、その前日に「今日の撮影が終わったら飲みに行きましょう」と約束していたが、
畠山氏の撮影が長引いてしまい*2、翌日再会の約束をしてやむを得ず先に帰宅。そしてその翌日、現場で畠山氏の訃報を聞いたという。
前日まで生前の本人と会っていたこともあり、「ツラかった」「せめて俺に相談してほしかった…」と仲間の早すぎる逝去に当時大変落ち込んだと後年のインタビューで答えている。
同じく、キレンジャー役を石ノ森章太郎氏に推薦した漫画家のすがやみつる氏は当時、自分が気を利かせて売り込んだことに責任を感じ、気が滅入っていたことを明かしている。
ちなみにスーパー戦隊シリーズ歴代作品の戦士を演じた人物の中で、畠山氏は消息が分かる範囲で鬼籍に入った最初の役者であり、2017年に『五星戦隊ダイレンジャー』のシシレンジャー/天幻星・大五役の能見達也氏が鬼籍に入るまでは唯一であった。



追記・修正大盛りで4枚御頼み申す!


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最終更新:2024年02月21日 23:05

*1 戦隊ヒーローなどの特撮ドラマが若手俳優の登竜門となった現在では感覚が分かりづらいが、当時の子供番組は人気とは裏腹に業界では「ジャリ番」と呼ばれ、キャリア的にもマイナスに捉えられるなど、ネガティブなイメージが付きまとっていた。とはいえ、現在でもジャンルを問わず役者が過去の役のイメージが付きすぎて苦労することは珍しくないが。

*2 以前より畠山氏はNGを連発しており、飲みに行く約束もそんな彼を気遣ってのものだったという。