勇者王誕生!

登録日:2012/05/14(月) 21:25:56
更新日:2024/03/10 Sun 12:51:48
所要時間:約 6 分で読めます






ガガガッ


ガガガッ


ガオガイガー!



ガガガ


ガガガガッ


ガオガイガー!!



『勇者王誕生!』はアニメ『勇者王ガオガイガー』及びそのシリーズのOP曲。

作詞:米たにヨシトモ氏(同アニメ監督)
作曲:田中公平氏

歌手は【アニソン界の若獅子】こと遠藤正明氏であり、遠藤氏の当たり曲。

TVシリーズ第1話のサブタイトルにもなっている。


■概要

言わずと知れた熱血ロボットアニメ「勇者王ガオガイガー」を象徴する一曲。
それを製作するにあたって米たに監督が「アニメ本編と一体化した歌」を考えたのが始まり。
作曲の田中氏と監督、その他大勢のスタッフの協力により本曲は完成した経歴を持つ。

特徴は、なんと言っても「アニメソング」らしいストレートな熱い歌詞。
本作が放送されていた97年当時は歌詞と番組の内容が全く関係ないようなタイアップの主題歌も珍しくなかった中で、
「サイボーグ」「超人合体」「ディバイディングドライバー」「ゴルディオンハンマー」など数々のキーワードをふんだんに盛り込んである。

「勇者王ガオガイガー」は視聴率などは割と不遇な方であったが、
遠藤氏の力強い歌声による「ガガガ、ガガガ」の連呼は当時の少年達の耳に強烈なインパクトを残し、「あの主題歌だけは知ってる」という者も少なくなかった。
尚、当初の予定では『ガ』の数を400個を想定して歌詞を作ろうとしていたらしい(実現していたら大変なことになっていたことだろう)。

また、この曲はいわゆる詞先(歌詞を先に製作し、それに曲を付けるという順序)で作られている。
そのせいもあり、七五調のシンプルで堅実な歌詞に反して「どうしてこの歌詞にこんなメロディを付けようと思ったんだ」と言いたくなるほど複雑な音程やリズムになっている。
素人がカラオケで歌いこなすには難しい曲である*1

実際、オリジナルの歌手である遠藤正明も初めてこの曲を紹介されたときはあまりの難しさに頭を抱え、
作曲者の田中公平も「どうしても歌いこなせる歌手が見つからなかったら、仕方ないから自分で歌おう」と思っていたという*2*3

歌詞は3種類が存在。「TVアニメVer.」、後述するOVA「神話Ver.」、覇界王「御伽噺Ver.」の3つである(プロトタイプであるデモテープを含めれば四種類だが遠藤氏が歌っていないので割愛)。
歌詞が似ていることや、コーラスが付いた別バージョンがあるなどで非常にややこしく、
歌っている遠藤氏はライブでこの曲を歌う際、歌詞を間違えることがある(まぁお約束みたいなモノなのでそこはご愛嬌)。

ちなみに後述するアルバムの時点で遠藤氏は「そろそろ止めましょう」と告げていたという。残念だが、増えるんだなぁ、これが

この曲は 俺が歌う為に生まれて来たのだと思う

この曲は 俺にしか歌えないのだと思う

そんな 宿命さえ感じる

しかし  いったい いくつ俺は

ヴァージョン違いの歌詞を おぼえるのだろうか?


余談だが、同じタカラ版権で主人公がサイボーグのロボットアニメ、
鋼鉄ジーグ』の主題歌も歌詞の約8割がバンババンとダンダダンで埋め尽くされた熱血ソングだったりする。


■各バージョン

■勇者王誕生!

TVシリーズで使用されたバージョンであり記念すべき第一号。通称「無印」。
『ガ』の数は124個。

曲の歌詞、映像はともに本編の内容にマッチしており、今OPを見ても十分にカッコいい。
ただし一部が猛烈に点滅するので真っ暗な場所で見るのはお勧めしない。
通信カラオケのDAMでは映像つきで収録されているので、勇者なら歌おう。

高らかに歌い上げられている「ディバイディングドライバー」が必殺技でも武器ではなく、市街地の被害(と、作画の手間)を減らすための道具であることは有名。
田中氏も「作曲の時点ではどんなものか全く解らないまま遠藤さんに叫ばせました」とのこと。そして歴史は繰り返す
他には、スタッフの大半が「ゴルディオンハンマー」を「ゴールデンハンマー」だと思ってたらしい。
実際金色になるけど。

番組前半では1番、後半からは2番の歌詞のTVサイズが使用された。
映像もそれに合わせて一新されている。
このOP映像の変更は話が進むにつれ少しずつ行われており、全部で8種類存在する。

最終回で1番の歌詞、ラスボスの新規カットを加えた最初期の頃の映像に逆戻りしたのは、燃える要素のひとつ。


■勇者王誕生!~神話(マイソロジー)ヴァージョン~

続編OVA「勇者王ガオガイガーFINAL」に使用されたバージョン。
作中に合うように前半は『闘う勇者王』、後半は『新たな勇者王』が登場するなど、
歌詞の変更やイントロのアレンジ等があり、以降の派生ヴァージョンはこれをベースにしている。

ちなみにOPとして使われたのはOVA 第2話から第6話まで。
第1話では挿入歌としての使用、7話は後述の究極、8話はピアノバージョンが使用されている。

さらにTV放送する際は、後述する「集大成ヴァージョン」にこれまたOP枠をもっていかれた。
前半モチーフのガオファイガーも作中ではやや扱いが悪い点もある。というか唯一「ぼくらの勇者王」になれなかった……

『ガガガォ、ファイティング、ガオガイガー』と歌うとかっこよく歌える。


究極神話(きゅうきょくマイソロジー)ヴァージョン

『神話ヴァージョン』の後半歌詞に「GGG少女歌激部隊」によるコーラスが付いているのが特徴。
監督曰く『子供番組っぽさを出したかったから』とのこと。その目論見は大成功していると思う。

OVA第7話OPとして使用された際はネタバレを防ぐため、後半歌詞の最終兵器の部分はカット。
映像の方も、代わりにジェネシックとガオファイガー(とガオガイガー)が握手する絵に変更された(CD版ではきちんと聴けるためご安心を)。


完璧絶叫(パーフェクトぜっきょう)ヴァージョン

『無印』と『究極神話』をフルで繋げ、さらに「絶叫」の名の通り、勇者ロボ全部の武器や必殺技などのセリフを取り入れた究極の勇者王ソング。
要所要所で凱兄ちゃんや勇者ロボが熱くシャウトしてくれる。
「ディバイディングドライバー」の辺りも使っている本人が叫んでいる。

カラオケではCROSSOやDAM等の機種には入っているため歌うことは可能。
ただし、2曲分の長さなので8分以上ある上、「メイン」「コーラス」「セリフ」のパートがあるため最低3人はいないと歌えない。
まぁ、勇者である諸君なら歌えるであろう(きっと……)

実はCDで聞くと、歌詞よりセリフの方が音量が大きい。ちなみにベターマンのあの人も登場する。

???「勇者なら歌え!!!」


集大成神話(ギャザリングマイソロジー)ヴァージョン

こちらは通常の『神話ヴァージョン』に「スリージーズ2005」(アニメ出演者達)コーラスとパーカッションが入っているもの。
サビが始まるとどこからともなく「ガガガガガガガガガ…」というコーラスが聞こえてくるため、これまでにない迫力がある。
全曲中コーラスを含めると『ガ』の数が一番多い曲。offボーカルでも歌として成立できる気がする。

第一話ではネタバレ全開の画像を使用した特別版が流れ、また公式MADともいうべき特典動画もある。
ガオファイガーからジェネシック・ガオガイガー……そして四体のガオガイガーによるヘルアンドヘヴン。
最後を締めるのは一号ロボ『ガオガイガー』という、一号ロボを大切にしたいという願いが存分にこもった動画となっている。
……一体レプリジンがいるとか突っ込んじゃダメ

ちなみに初代勇者王誕生!の女性バックコーラスが歌詞変更されてない部分だけ流用されている。
例えば『舞い上がれ』の『上がれ』に勇者王誕生!の『立ち上がれ』の『上がれ』を流用している他、
『闘う勇者王』に『ぼくらの勇者王』の勇者王を流用している。


■-extra-

『FINAL』のサウンドトラックvol.1に収録されたボーナストラック。歌詞はテレビ版と共通。
歌手はベターマンのED『鎮 -requiem-』で知られる※mai。当時の宇多田ヒカルと新人賞を争った(嘘)とも言われ、
米たにヨシトモ監督が「健康のため聴きすぎに注意」と警告するほどの歌唱力は必聴(上手いとは言っていない)。
なお、※とかmaiとかついているが、たにヨシトモとは一切関係が無い(大嘘ォ)。

「歌ってみた」とか「職権濫用」とかは言ってはいけない。

■ピアノソロ・ヴァージョン

日本人ピアニスト「島健」氏の演奏によるヴァージョン。
OVA最終話に使用されたヴァージョンであり、物語の最後を締めくくった。



さて、多くの種類が存在する本曲であって視聴するのは大変そうだが、
2005年に発売された「ガ王~勇者王誕生!10連発!!~」を購入すれば全曲聴けた(カラオケ版等を除く)ので心配は無用だ。
また、謎の吟遊詩人の歌う「-extra-ヴァージョン」など変り種もあるため聴いてみる価値ありである。

カラオケ版にナレーションの小林氏による歌唱指導のセリフが付いた「歌唱指導ヴァージョン」なるものも存在。
最初は息継ぎの指示など無難なことを言っているが、段々と「酸素を1000リットル補給せよ」などと無茶ぶりを淡々と要求し、最終的には自分も歌い出すというなかなかシュールな出来栄えとなっている。

歌唱力よりも腹筋が鍛えられるかもしれない。

ちなみにプロトタイプである作曲家の田中公平氏が歌うデモテープ版も存在。貴重な作曲者本人の歌声を聞くことができる。
一部の歌詞が異なっており、特にディバイディングドライバーがプロテクトシェードになっているというのは面白い。


「空、間、湾、曲・・・プロテェーク・シェエエエエエエエエエエド!!」



……「全曲聴けた」という事で、実はその後に発表されたヴァージョンも存在する。

■パチンコ Ver.

SanThreeのパチンコ『CR勇者王ガオガイガー』で新たなバージョンが登場した模様。
具体的にどこが変わったかは、パチンコを打ったことがないのでわかりません(苦笑)
アニメは描き下ろしのようだ。

■Present of the Voice Ver.

遠藤正明のアルバム『Present of the Voice』に収録されたヴァージョン。
歌っている本人すら想像出来なかったまさかのアコースティックアレンジ。

御伽噺(ジュブナイル)ヴァージョン

「御伽噺」と書いて「ジュブナイル」と読む。
『覇界王 ~ガオガイガー対ベターマン~』の漫画版第1巻特装版同梱ドラマCDにショートバージョンが収録され、
その後、フルバージョンが『ベターマン』のBlu-ray BOX特典CDに収録された、いわば『ガオガイガー対ベターマン』のOPとしての「勇者王誕生!」。
『ガ』の数は109個。

『FINAL』のバックコーラスを全部盛りにしたような「お祭り感」がコンセプトで「究極神話」と「集大成神話」のコーラスが使用されており、
1番の場合は主に、歌詞の一部がガオガイゴーに変わっているほか、天海護戒道幾巳、ベターマンの主題歌を意識した歌詞*4
「勇者王誕生!」派生バージョンで初めてJジュエルとヘル・アンド・ヘブンが歌詞に採用される、などの違いがある。
なんかどう考えてもネタバレ枠としか思えない歌詞がフルバージョンにはあるのは内緒 大体、本編のネタバレでした


カバー

■勇者王誕生!パラパラVer.

石田燿子が歌うパラパラバージョン。

■勇者王誕生!-神話ヴァージョン-ユーロビートVer.

石原慎一が歌う『神話ヴァージョン』をユーロビート調にアレンジしたもの。
これはこれでいい曲なのだが、特撮作品で熱い歌を歌っていた石原氏が歌っているためか「普通に歌っているバージョンも聞きたかった」という声もある。

■いでよ ガイアレオン

トミカヒーロー レスキューファイアー』の挿入歌でガオガイガーとは一切関係ない
だが、同じ遠藤正明氏が歌っているうえ、ガイアレオンのモチーフがライオン。
さらに歌詞に『ガ』や『ガガガ』が存在するため、良くネタにされる曲。




最後に監督より一言。











勇者なら歌ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!





この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • 勇者王ガオガイガー
  • 勇者王ガオガイガーFINAL
  • 勇者シリーズ
  • 楽曲
  • OP
  • 遠藤正明
  • 神曲
  • 歌詞の大半が“ガ”
  • ガガガ
  • GGG
  • 地球温暖歌
  • 米たにヨシトモ
  • 田中公平
  • 歌わずにはいられない
  • 勇者王誕生!
  • 主題歌

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2024年03月10日 12:51

*1 田中氏のインタビューから抜粋すると「AメロとBメロで7回ぐらい転調しているし、最後に1オクターブ駆け上がるなんて誰も作っていません」

*2 田中氏はボーカリストとしての訓練を受けたこともあり、なかなかの美声の持ち主である

*3 ちなみに曲作成中の出来事としては『家の防音室のピアノで作曲していたら妻から「ガーガーうるさい!」と怒られ、それでも続けていたら「そんなの売れる訳無い!」と怒鳴られ、ヒットを報告したら「世の中おかしい」と』とのこと。

*4 「戒め 護り抜け」、「唸れ! 叫べ! 魂(こころ)! 砕け!」は「唸れ! 叫べ! 命、砕け!」、「歌え 希望が湧きあがる」は「湧きあがる希望 歌え!」等