ブラック・ジャック(漫画)

登録日 :2012/02/19(日) 21:50:21
更新日 : 2017/08/01 Tue 23:04:25
所要時間 :約 5 分で読めます






神か悪魔か奇跡の手、一人の外科医が巻き起こす命の物語




『ブラック・ジャック』とは手塚治虫原作の漫画作品、及びアニメ作品。
本作の主人公のニックネームでもある。

医療漫画の元祖であり 金字塔 と言われる。
全25巻で発行部数は1億7600万部に達し、1冊当たりに均すと700万部を超えるお化け漫画。
虫プロも倒産し、過去の人になりつつあった手塚治虫の復活の原動力となり、「漫画の神様」の評価を確実のものとした漫画である。

ワンピースなどでも300万部台であることを考えると驚異的な数字であり
未だに「一冊当たり」ではコミック界不動のトップの座に君臨している(ちなみに2位がドラゴンボール、3位が鉄腕アトム)。


■登場人物(CVはTVアニメ版)


CV.大塚明夫
無免許の天才外科医で主人公。
本名は間 黒男(はざま くろお)。
別に本名を隠している訳ではなく、親しい友人や父親からは名前で呼ばれる。
詳細は個別項目へ。


  • ピノコ
CV.水谷優子
ブラック・ジャックちぇんちぇの助手。
奇形嚢腫という非常に稀な腫瘍として姉の腹部に手足や内臓がバラバラ状態で入っていたが、
ブラック・ジャックによって合成素材等を用いて人間の体に形成された。
人として形を与えられたものの、ピノコの姉にあたる奇形嚢腫の患者はさる名士の娘だったため、
体裁を重視して捨て去られたも同然の処遇を経て、ブラック・ジャックと同居するようになった。
ブラック・ジャック最大の弱点と言える存在で人質にされた事も何度かある。

舌足らずな話し方と三頭身なのが特徴の ょぅι゙ょ
しかし、上記の理由により外見上は幼児だが、 実年齢は18~20歳である。
奇形嚢腫だった時にはやたら知的な喋り方でテレパシーを用いて語りかけたりしていたが、人となった後にはそんな知性はどこへやら。
また、肉体の数割が人工物で構成されている為、その重さで水に入るとあっという間に沈む。つまりは泳げない。
塩分濃度を滅茶苦茶に高めた水場ならば泳げるが、そうすると今度は生身の部分が塩分に耐え切れないので泳げるのは数分のみである。
驚いたときなどには、両手を両頬に強く押しつけ「アッチョンブリケ」と叫ぶのが癖(元ネタは手塚氏が子供の頃に使ってた意味不明な言葉とのこと)。

八頭身美人になるのが夢。
ちぇんちぇの「おくたん(奥さん)」(オクタンではない)を自称しており家事も行う。
しかしブラック・ジャックの方は完全に娘として見ており、娘として育てられているためにその辺で噛み合わないこともしばしば。
最初は家事のかの字も知らない悲惨な状態で割と凶暴だったが、下記の学力含め徐々に研鑽を積んでいった。
ピノコの機転によりブラック・ジャックの手術が成功した事もあり、その際はブラック・ジャックも誇らしげに「あれは最高の助手です」と語っている。

戸籍上は1歳だが大学受験をしようとした。
当然断られるが、 ブラック・ジャックが大金を払い無理矢理 受験した。
しかし試験中に極度の緊張で倒れ結局は不合格に。
成人したピノコ(クロエ)はなかなか美人

なお「TezukaOsamu@Cinema」にて配信されたアニメ版でのCVは、かの有名アーティスト 宇多田ヒカル が起用されていた。演技? これ を見てお察し下さい。


  • 本間丈太郎
CV.阪脩
幼少時事故に巻き込まれたブラック・ジャックを手術した医師で命の恩人。
ブラック・ジャックが医師になるきっかけとなった人物。
直接医術を教えた訳ではないので心の師匠的な立ち位置。
ブラック・ジャックとは後に再会したが既に病の床に伏せており、ブラック・ジャックの努力も虚しく老衰でこの世を去る。
ちなみに一流大学卒。

恐ろしく困難な黒男の手術を無事に成功させる等超一流の腕前を持っていたが、
ある原因不明の心臓の病気(実際は最新鋭の人工心臓の故障という医療技術の限界)を治療出来ず、
本間という名をその病につけられて不名誉の引退へと押しやられた。
ブラック・ジャックを手術した際、体内にメスを置き忘れるというとんでもないミスを犯した。
「人間が生き物の生き死にを自由にしようなんて、おこがましいとは思わんかね?」


  • ドクター・キリコ
CV.速水奨
長髪で左目に眼帯、こけた頬など不気味な雰囲気プンプンなブラック・ジャックのライバル的なポジション。
死神の化身の異名を持ち、金次第だが、奇跡の腕でどんな命でも救おうとするブラック・ジャックとは逆に、
回復の見込みのない患者の安楽死を金次第で請け負う異端の医師。
最低野郎でもエンペラーでもない。
元軍医で傷付いた兵士を安楽死させた時に感謝された経験から、
「治療の見込みの無い患者は苦しませるよりも静かに息を引き取らせたほうが良い」 という信念を持ち、
安楽死を請け負うようになる。

「人間に来るべき寿命の限界を無理矢理延ばすのは如何なものか」という、本間丈太郎の上記の言葉に近い、医療の問題点をある種体現させた、
ブラック・ジャックのアンチテーゼとしての役割を担ったキャラクターである。

わずか9回しか登場しないが、安楽死に反対するブラック・ジャックとは対になる存在で人気は高く、
彼を主役に据えたスピンオフ作品、「Dr.キリコ~白い死神~」が作られている。

死神という異名から殺しを楽しんでいると見られがちだが「治せる患者は治す」と明言しており、
ブラック・ジャックに自殺志望の健康な少年を押し付けられた際には本気で嫌がっていた *1

へぼ医者という訳ではなく腕はむしろ良い方で、作中彼が安楽死させようとしたのはブラック・ジャックでもなければ手に負えない末期患者のみ。
自分のミスで死にかけた患者をブラック・ジャックに治してもらった際は「俺も医者の端くれだ、命が助かるに越したことはない」と述べており、
自らが安楽死を担当する予定だった数十年間昏睡していた患者をブラック・ジャックが治療した直後、
急激な老化で死亡してしまった際には、ブラック・ジャックと共に落胆している。

が、その安楽死させるべきという判断が即決過ぎるため、ブラック・ジャックの手で助けられるはずだった自分の父親を死なせてしまった事がある。
(この父親も、キリコは最善を尽くした上で「治せないのなら、せめて安楽死させるしかない」と判断したのだが)

山本賢治氏の漫画『ブラック・ジャック~黒い医師~』ではピノコの対となるオリジナルの助手が登場している。
キリコの妹であるユリが登場した話では一緒に全裸になった。
ちなみに作者の代表作『カオシックルーン』のキャラも出ている。


■アニメ版

OVA版が1993年から2011年に発売され、OVA作風の劇場版が1996年に公開。

2003年12月19日にSP『ブラック・ジャック2時間スペシャル ~命をめぐる4つの奇跡~』が放送され、これが好評でテレビシリーズ化されることとなり、
原作がアニメに追いついたためにいったん終了(というか打ち切り)した『犬夜叉』の後番組として、2004年10月11日から2006年3月6日に放送。

作品の性質上、災害や事件・人災を扱うことが多く、
そのため放送予定の内容が実際に起こった災害や事件と偶然にも重なった場合、放送を自粛・延期することがあった。

例えば、2004年10月25日放送予定だった『Karte03:ひったくり犬』は、これからレギュラー出演する犬のラルゴのお披露目の回だったが、
本編に地震のシーンがあったために放送2日前の23日に発生した新潟県中越地震の影響で放送延期となり、
本来の放送日には第1回放送の『Karte00:オペの順番』を再放送した(なお、その冒頭の謝罪テロップでも文字が1字多いという誤りがあった)。

放送中止になった影響でラルゴが次の回から何の脈絡もなく家族の一員になっている。
続編の『ブラックジャック21』が2006年4月17日~同年9月4日に放送されたが、視聴率が悪く諏訪道彦のブログでも触れている。



■逸話など

  • 現在こそ医療漫画というくくりだが、当時は顔がツギハギの主人公や人間の内臓が描かれていたためホラー漫画として扱われていた。単行本も最初は「恐怖コミックス」の分類であった。
    そもそも当時は医療を大々的に扱った漫画は皆無であり、医療漫画というジャンルを確立したのがこの漫画である。

  • 手塚治虫自身は医大を卒業し、医師免許を持っているが知識は卒業当時で止まっており、作品内での医術行為や症例が全て正しい訳ではない。
    そのことについて東大の医学生グループに
    「でたらめを書くなら漫画家を辞めろ」
    と非難されたが、手塚氏は
    「東大の医学部とかいっても、まったく幼稚な連中です。 でたらめなことがかけない漫画なんて、この世にあるものでしょうか。
    と返答したとか。
    このことからか手塚氏の別の漫画「ミッドナイト」でブラックジャックが登場した際に
    『そりゃあわたしは、人間の大脳と馬の大脳をとりかえたこともあるし、他人の脳ミソとチェンジしこともあるけどな
    だが…そんなことはマンガだからできるんだ。手塚治虫というバカがかくんだからこっちは責任はない』

    というセリフがあったりする。

  • また、本人は医療技術に関する自分の知識が時代遅れであることを認めた上で、
    「医療技術紹介の漫画のつもりで描いたのではなく、医師が果たすべき使命とは患者の寿命を延ばすことなのか?
    果たして寿命を延ばす事が患者にとっての生きがいや喜びに繋がるのだろうか? そんな医師のジレンマをテーマに描いたのだ」
    と述べている。

  • 本作が連載終了した理由は、息子の手塚眞曰く「誰も立ち入りを許さなかった仕事部屋に、担当編集者が無断で入り」怒った手塚氏が宣言した、とのこと。
    但し、1977年、第153話『ある監督の記録』における描写について抗議運動が起こるほどのかなり辛辣な指摘を受け、
    医学的な整合性についても荒唐無稽なものであったため、以降の話が作りにくくなったことも一因となっているようである。

  • 医学が進歩し手塚の知識では書きづらくなったり、様々な病気に実際に罹患していた患者からの苦情もあり、終盤は病気ではなく、怪我をした人を治すものが増えている。

  • 病気というシビアなものを扱っているので単行本未収録の話もいくつかあり、台詞が改変(いわゆる言葉狩り)が非常に多い。
    雑誌初出時と単行本収録時、あるいは単行本の増版時に大幅に内容(台詞だけでなく絵を含む場合もある)の変更がなされることも度々であった。
    特に、ドクター・キリコの(初出時の)初登場話である第46話『死に神の化身』(単行本収録時『恐怖菌』に改題)は、初出とそれ以降で内容の大半が変わっている。
    未収録の話としては、特に第41話『植物人間』(単行本4巻のごく初期の版のみ収録)と第58話『快楽の座』(単行本に一切未収録)が挙げられる。双方とも脳手術(後者はロボトミー)を描いた作品である。

  • 吉富昭仁氏の作品である『RAY』にはブラック・ジャックと思われる人物が出てきており、『RAY+』では明確に本人として描かれている。
    アニメ版の『RAY THE ANIMATION』では、これまで通り大塚明夫氏が声優を務めた。
    ちなみに作者は後にリメイク版ブラックジャックを手掛けている。

  • 研修生時代をメインとする、別の作者が手掛ける外伝『ヤング ブラック・ジャック』では、
    「子供の身の上では母親の治療費を払えず、止む無く闇金に手を出した所為で膨大に膨れ上がった借金を、独りで処理しなければならない」
    という境遇と、巨額の治療費を我武者羅に払おうとする患者の姿に自分を重ね合わせて、
    「大切な人間の為に治療費を捻出する姿を崇高なものと捉えるようになった」
    という価値観の、二つの設定を独自に設けた。



ブラック・ジャック『追記・修正するなら5000万だ』

Wiki篭り「5000万円!?」

ブラック・ジャック『あなたに払えますかね?』

Wiki篭り「い、いいですとも! 一生かかってもどんなことをしても払います!きっと払いますとも!

(冥ω殿)『それを聞きたかった』

…数分後…

Wiki篭り「どうして無料で編集させてくれたんですか?」

ブラック・ジャック『お互い様でさぁ、あんたが追記・修正してくれたとき、私はもっと嬉しかった。』

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