魔法権利

登録日 :2010/12/25(土) 19:19:26
更新日 : 2017/07/02 Sun 09:36:43
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行くものは行かず、

来るものは来ない。


月は太陽。


小鳥は魚。


生者は骸。


鋼鉄は朧。


全ての現は夢にして、

幻想は全ての現なり。


あるものはなく、

なきものはあり、

万物を虚偽と定義して、

これより、

魔術審議を執り行う。




魔法権利とは、戦う司書に登場する特殊能力の総称。

一般にそれは魔法や魔術と呼ばれている。

魔法権利を持つ者を魔法使いや魔術師と言う。



魔法権利を得た者には二種類が存在する。

一つは、生まれながらに魔法権利を神から与えられている者。

もう一つは、後天的に魔法権利を得る者。


後天的な魔法使いは、魔術審議を繰り返す事で魔法権利を得る。

当然ながら、先天的に魔法権利を持っている者は圧倒的に少ない。

普通は魔術審議を経る事で魔法権利を会得する。





魔法とは何か。

水の入ったコップを傾ければ水は零れる。
手を離せばコップは落ちる。
鳥は空を飛び、魚は海を泳ぐ。
朝になれば日が昇り、夕暮れになれば日は沈む。

世界がこうあるのは、かつて世界を造った『始まりと終わりの管理者』が世界をそうあるように定めたからだ。

世界の全ては『始まりと終わりの管理者』が造ったその理(ことわり)の中に定められている。

創造神がそうあるように定めた部分を世界と呼ぶと言ってもいい。


人間も創造神に作り出されたものである以上、当然その理の中にある。

どんな力持ちだろうと1トンの岩は持ち上げられないし、手から光を産み出したり、口から火を吐く事もできない。

創造神が人間を、そうあるように造ったからだ。



だが創造神は、人間を世界で唯一、神の定めた理に逆らえるものとして造った。


創造神に逆らう権利の行使。
世界を秩序立てる公理からの逸脱。

それを魔法と言う。



ある程度修練すれば、肉体強化やコップを傾けても水を零さない魔法は誰でもできる。

鍛え上げれば肉体は強くなるし、水を零したくないなら蓋をすれば良い。

これらの魔法は、世界の公理から大きく逸脱しているとは言えない。



武装司書や一流の戦士は、肉体強化に加えて、世界の公理から大きく逸脱した事を成す魔法権利を持っている。


自分にしか使えない、自分だけの魔法だ。

世界の公理に逆らうというのは並大抵の事ではない。

自分だけが使うと限定しなければ、 魔法権利は得られない。




魔法権利は、魔術審議を行う事で獲得できる。

魔術審議を行うのは、どんなに早くとも十三歳からにしなければならない。
何故ならば、精神が幼い内から始めると混沌に近付き過ぎてしまい、発狂してしまうからだ。

二十代前半を過ぎてしまうと、常識や諦観が邪魔をし、どんなに魔術審議を繰り返そうと、魔法権利を獲得する事はできなくなってしまう。



魔術審議は、以下の文言(もんごん)から始める。

「行くもの(ゆくもの)は行かず(ゆかず)、来るものは来ない。月は太陽。小鳥は魚。生者(しょうじゃ)は骸(むくろ)。
鋼鉄は朧(おぼろ)。全ての現(うつつ)は夢にして、幻想は全ての現なり。
あるものはなく、なきものはあり、万物を虚偽と定義して、これより、魔術審議を執り行う」

この文言と共に意識の最奥部へと分け入り、自らの意思をもって世界の公理を書き換える。

創造神の造り出した世界の公理は、今は現代神トーイトーラが管理している。

その世界の公理に侵食し、書き換え、自らの望む形に作り変える。


そうする事で、自らの望む魔法権利を獲得するのだ。



だが、魔法権利を得るには努力は勿論、才能も不可欠となる。

才能が無ければ、望みに近いが、貧相な魔法権利を得るという事になる。


例えば、世界最強の一角に数えられる男の攻撃が効かない魔法権利を得ようとして、体を石油に変える魔法権利を得るように。

確かに相手の攻撃は効かないが、それでどうやって反撃するのか。

火を付けられれば終わる、頼りない魔法権利だ。



才能があろうと、一朝一夕で魔法権利は得られない。

魔術審議が成功し過ぎるのも駄目なのだ。

魔術審議は世界の公理を歪める行為だ。

急激に世界の公理を歪め過ぎると、その歪みに自身が巻き込まれ、正気を失い死んでしまう。

魔術審議には魔法使いが監督につき、審議が上手くいき過ぎるとそれをやめさせる。

時間をかけ、少しずつ審議を成功させていかなければならない。



極稀に、魔術審議を経ずに魔法権利を獲得する者が居る。

強い思いから魔法権利を得る者だ。


魔術とは、意志の力で公理を曲げる行為だ。

何かを強く願い続ける事で、無意識の内に魔術審議を繰り返し、魔法権利を獲得するに至るのだ。





生まれながらに魔法権利を持っている者は、髪の色が普通とは違っている。

そして、持っている魔法権利によって、その色も決まっている。


白と黒と茶の斑色(まだらいろ)。この猫のような色をした髪を持つ者は未来予知の魔法権利を持っている。

若草色の髪は、幻を生み出す魔法権利。

透明の髪は『本』を食う魔法権利。
この魔法権利は、『本』食いや『本』食らいと呼ばれている。

紫系統の髪の色は、精神知覚系の魔法権利だ。




複数の魔法権利を持つ者は少ない。

肉体強化や触覚糸、念動力といった簡単な魔法権利ならば別だが、複数の魔法権利を持つには才能がいる。

それに、多くの魔法権利を得るより、一つの能力に特化させた方が強力になるからだ。

強い戦士を目指す者は、肉体強化と、自分だけの魔法権利を特化させる。





魔法権利の特徴として、全ての魔法権利は自分が使うという事を前提としている。

例)
「ヴォルケン=マクマーニは舞剣を操る」
「エンリケ=ビスハイルは雷を操る」
「ロンケニー=ロインマニーは炎を操る」

条件を限定する事でその魔法権利は強力なものとなる。

念動力でも、動かせるものを十二本の舞剣に限定すれば、並みの銃よりも遥かに高い殺傷力となる。



【主な魔法権利】

  • 肉体強化
非常に簡単な魔法権利。
武装司書は全員が修得している。
五階建ての建物の屋上まで一足飛びに飛んだり、また屋上から地上まで降りたりできる。
視力や聴力も向上し、900メートル先の人物を識別する事も可能になる。
傷の治りも早くなる。
距離さえあれば、銃弾を放つのを視認してから避ける事さえできる。

  • 触覚糸
触覚器、視覚器、聴覚器を不可視不可触の糸として体外に放出する魔法権利。
尾行などに役立つ。
ハミュッツ=メセタを最強たらしめる能力だが、それはハミュッツが異常に強いためだ。
不可触ではあるが、強風が吹くと流されてしまう。

  • 念動力
物を動かす魔法権利。
普通は動かせるものを『十二本の舞剣』や『銃器』等に限定し、精度と威力を高める。

  • 思考共有
顔と名前のわかる者へ、距離や場所に関係なく思考を送る魔法権利。
思考を送り返す魔法権利を持つ者へ思考共有を使うと会話をする事が可能で、
思考を送り返す魔法権利は、ハミュッツ=メセタ以外の武装司書全員が獲得している程簡単なもの。

  • 未来予知
未来を予知する魔法権利。
後天的に得る事も可能だが、完璧な予知となると少し先の未来までしか難しい。
天気予報に便利。
生まれながらに予知能力を持っていた、常笑いの魔女シロン=ブーヤコーニッシュは千年先まで見通せた。






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