小隊システム(スーパーロボット大戦)

登録日:2011/04/27(水) 19:43:36
更新日:2022/07/18 Mon 20:05:58
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小隊システムは第2次スーパーロボット大戦α第3次スーパーロボット大戦αにて採用されたシステム。

以降の作品では常備とはならなかったが、非常に革新的なシステムであったため新古含めたプレイヤーに確かな衝撃を与えた。
以後累計のシステムが考案され後の多くのスパロボに実装された。

○概要

採用以前のスパロボではユニットとは一部例外を除いてたった1体の機体を指していた。

小隊システムとはその概念を取り払い複数のユニットを組み合わせたチーム、つまりは小隊を作り、それを一括で管理・扱うシステムである。

このシステムの採用により一度に活用出来るユニットの総数は飛躍的に増加し、今まで出番の無かった2軍級の機体にも活躍の場面を与えやすくなった。


○発端

そもそもの話はIMPACTにて戦闘マップを3Dにしたため、一度に表示出来るユニットの総数に限りが出来たのが原因であるらしい。

味方と敵、どちらかの数を増やすために片方の数を削ぐ訳にもいかないための苦肉の策だった模様。


○主な概念

●コスト

各機体には0.5から5までのコストが設定されている。

小隊には最大4体まで組み込めるがコストの総数が5を越えてはならない。
機体サイズに比例してコストも大きくなるため大型機同士は組みづらい。
特にサルファのガンバスターは素のコストが4であるため、コストダウンを使わないと4体の小隊は組めない。

戦艦は全て5に設定されているので小隊を組む事は出来ない。
ただし、敵戦艦は平然と小隊を組んでくる。なんでやねん。


●移動能力

移動力は組み込んだユニットの平均となる。
そのため切りのいい数値に調整するためにブースターが重宝される。

地形適応は陸が優先されるので飛行出来る機体と出来ない機体を組み合わせても空を飛べない。
ただし飛行できる機体が小隊に含まれていると若干の移動コスト軽減効果がある。

戦闘機のように陸の適応を持たない機体も同様で強制的に陸に下ろされてしまう。
地形適応はD(最低)として扱われるので戦闘になると悲惨。
特に変形機能があるユニットと組ませると意図せず起きてしまいがちので要注意。
陸の適応を追加して地形適応もSにする防塵装置は戦闘機の強い味方。

…お気づきかもしれないが、3段変形のゲッターロボとの相性はあまりよくない
これを見越してゲッターチームの小隊長能力は小隊の機体全体の地形適応を補正してくれるのだが…パイロットの適応までは補正しないので空や地上はともかく、海はちょっと…なことになりがち。*1

●修理・補給

小隊内に修理(補給)の能力を持った機体が居た場合、味方フェイズ開始時に同じ小隊の全ユニットのHP(EN)を一割回復する。

修理コマンドは対象の小隊の所属ユニットの全員に対し発動するが補給は一体のみとなる。

●小隊長

小隊に組み込んだユニットの内一体は小隊長、それ以外を小隊員として扱う。
この役割はマップ攻略中に交換が可能。

小隊員には特別な補正は無いが小隊長として扱われたユニットのパイロットは小隊長能力という固有の特殊能力が適用される。*2

敵を撃墜した際に獲得する経験値とPPは小隊長の方が多くなる。

●小隊攻撃

味方フェイズ時、小隊長の攻撃を小隊員が予め決められた武装で援護するシステム。
対象は敵小隊長のみ、小隊員はこの方法でしか攻撃出来ない。

発動するかは選択可能であり攻撃タイミングは小隊長の直前となる。

大概の場合、使われるのはビームライフルなどの基本武装であり、補正により通常時に比べ威力が減少してしまっている事もあってか大きなダメージは期待出来ないが、
たまにとんでもない武器を小隊攻撃に使う機体もいる。普通に最大火力のバスターライフルで小隊攻撃するウイングガンダム(バードモード)とか
逆にビームライフルのような携行武器がない場合、小隊攻撃にバルカンを使うなんて悲惨な事になる場合も。第2次αのW系のガンダムとか。ガンダムW系両極端すぎだろ*3
たま~に小隊攻撃すらできない機体もいる。みんな大好きボスボロットである。*4

装甲の高い敵、バリア持ちの敵を苦手としており、特にボス戦では相手の気力をイタズラに上げる原因になりかねない。
それでも一般の敵なら頭数で撃墜しやすく、数は少ないながらも小隊長能力で小隊攻撃の攻撃力を増加させることが可能なキャラがいる。
小隊攻撃強化の技能と組み合わせてやると驚くほどの火力を発揮するのでお試しあれ。

また、「小隊員が1発命中させる毎に敵の援護防御回数を減らせる」「小隊長の命中率にプラス補正がかかる」効果もある為、
小隊システムの基本戦法は「ちょっとしぶとい雑魚の掃除」、「援護防御の阻止」、「回避力が高い敵に対する命中率底上げ」となる。

●単体攻撃

小隊長が小隊員の援護を受けずに行う攻撃。

敵の小隊員に攻撃する事が可能。中盤以降は援護防御で潰される可能性があるので殆ど意味が無い。
後述の援護攻撃を使用する際にはこちらを使うことに。


●ALL攻撃

敵小隊の所属ユニット全てにダメージを与える攻撃。

小隊攻撃や援護攻撃と絡められず、敵小隊の所属ユニット数が多いほどダメージが減少してしまう。
ダメージ減少をある程度抑える技能があるが元々の攻撃力が高い場合が多いのでぶっちゃけいらな(ry


●援護システム

小隊システムの性質柄、仕様がそれなりにややこしくなる。

援護攻撃は小隊長同士のみで行えALL攻撃や合体攻撃は使えず小隊攻撃と併用は出来ない。

援護防御は小隊内のユニット同士で有効。かなりややこしいが二段階攻撃(小隊攻撃+小隊長の攻撃)に対し一回しか発動しない。


●MAP兵器

全体攻撃が小隊員の数によって減衰するのに対し、全ての対象に減衰なしのダメージを与えられるため非常に強力。
敵の数が増えた分幸運・祝福の恩恵もより多く受けられる。第三次αのジム神様など最たるもの。


○問題点

今までのスパロボの問題点であった「使われないパイロットの発生」を解決したと思われた小隊システムだが代わりに様々な問題点が生じた事から実は賛否両論の立場にある。

●難易度

総じて継戦能力が軒並み上がったため難易度が大幅に下がってしまった。
使えるパイロットの数と共に活用出来る精神コマンドも増加したため苦戦する事も少なく、結果的に近年の中でもかなり温くなった。


●編成の手間・時間

最大の問題点。小隊編成にかなりの時間が必要なのである。

コスト計算だけでもかなりの時間が掛かり、本気で有用な小隊を作ろうとするとマップクリアより長い時間を浪費する場合も。
また、部隊分岐があると分岐の度に組み直し、合流の度に組み直し…とエラいことになる。
ただ、部隊合流については第3次αで実装された小隊編成を保存する機能を使えば大幅に編成時間を短縮できる。
じゃあ、小隊編成保存がない第2次αはヤバかったんじゃないの?と思われるかもしれないが、第2次αは部隊分岐は一度もないのであまり影響はなかった。

第3次αでは自動で小隊編成する機能があるが予め設定された小隊を作るだけで、実用性などが皆無なので使うプレイヤーは殆どいない。

ちなみに寺田プロデューサーはここで時間をかけて小隊組むのが大好きなんだとか


●強制出撃

強制出撃などで一度小隊を外れたユニットを次のステージで使う場合は小隊に入れ直さなければならないのだが、その手間もマイナス点であった。


●戦闘アニメ

必要以上の戦闘アニメの長時間化を防ぐためなのか、小隊攻撃に使う武装のアクションは近年では珍しいほど簡素になっている。
毎回、戦闘アニメに力を入れていただけに不評。
また、小隊システム用に高さを抑えた立ち絵に揃えられており後の作品へのグラフィック流用が利きづらい。


○総評

手軽さが大きく失われた事から、小隊システムの必要性を疑問視する声は大きい。

反面、2軍にも使い道が出来た事は美点であり小隊編成に独特の面白さを感じるプレイヤーも存在する。

微妙な立場にあるのは確かだが第3次α以降、改良や仕様変更を行われた類似形が出てきている事から未完成な手探りの状態にあると言える。
システムとしては今後次第なのではないだろうか……


○類似システム

●トライバトルシステム

Z1で採用されたシステム。
変更は大きく「コスト制の廃止」「組み込めるユニットの最大数が3」「フォーメーションの導入」の3つ。
特にフォーメーションが重要で3種類の中から戦局に合わせて変える必要がある。ざっくり言うとジャンケンの三すくみのイメージでいい。

コストの廃止から簡単に小隊を組めるようになったが仕様変更と相まってALL攻撃に対する耐性が上がっておりSRポイント獲得の最大の壁にもなっている。 
小隊員がいるかどうかで防御力が段違いに変わるので、連続ターゲット補正の存在もあってかリアル系は単体だと簡単に落ちてしまう。

なお、本作にはシリーズ常連のゲッターロボを始め、ザンボット3やアクエリオン、ゴッドシグマ、バルディオスなどと三機合体の機体の参戦が多く、
さらにザンボエースや空雷王はスポット専用とはいえ単体ユニットとして存在するため初期段階では機体の分離合体の導入も視野に入れており、三機編成の小隊もそれを視野に入れたものという推測も出来る。

小隊システムの正統進化系とも言えるがZ1以後は採用されていない。

  • トライフォーメーション
フォーメーションの基本。ジャンケンのグー。
戦闘は小隊長のみが行うが、ちゃんと三機で組めば専用ALL攻撃のトライ・チャージを使用できる。
この時、ミネルバ隊等の特定のパイロット同士で組むと威力が上がる。
センターに対して有利であり、ワイドに対して不利。

  • センターフォーメーション
ジャンケンのチョキ。
αシリーズの小隊システムに近い一点集中攻撃が可能。その代わり全体攻撃に弱い。
ワイドに対して有利であり、トライに対して不利。

  • ワイドフォーメーション
ジャンケンのパー。
各個攻撃に適しており全体攻撃からの被害が少ない。その分援護防御が使えないというリスクがある。
トライに対して有利であり、センターに対して不利。


●ツインバトルシステム

OGSで採用されたシステム。
  • マップ上で2つのユニットを2体1組のツインユニットにする。
  • 両者の気力が110以上である事
が条件。
敵側は最初からツインユニット状態で出撃してくる。なんでや(ry

手数は少なくなるがツインユニット化による武器に制限は付かないので攻撃力は事実上2倍となる。
ただしALL攻撃はALL攻撃としか組み合わせられない。
このシステムの活用でリメイク前には倒せなかった敵を倒せるようになる場合も。
また、ツイン化してるパイロット2人の精神ポイントを消費して通常の物より強力な「ツイン精神コマンド」が使える。

後の第二次OGからは最初からツインユニットが組めるようになっており、事前編成も可能。


●タッグバトルシステム

第3次Zで採用されたシステム。
ツイン、パートナーのブラッシュアップ版とも言えるシステム。
編成画面で2機一組のタッグを組んで出撃する。気力制限はない。またツイン精神コマンドの代わりに、タッグ双方に効果を与える「+」つきの精神コマンドが登場した。

サブユニット側の攻撃はアシスト武器のみに限定されるが、第3次αと異なりトドメ演出やカットインがある通常武器となっている。

本作からの仕様として「タッグコマンド」がある。
レベルが上がる、タッグのマップ内での撃墜数が2増えるのどちらかの条件でタッグテンションが増え、テンションが2になると使用可能になる。
  • SP回復
  • 獲得Zチップを増やす
など色々な効果があるが、もっとも重要なのは敵タッグ壊滅時に追加行動を得る「マルチアクション」。
テンションが増えるときに追加で1増える強化パーツがあるため、これと組み合わせると倒すべき敵と一撃で壊滅できる武器がある限り何度でも何度でも追加行動できる。

また、テンションが2の時のみの攻撃手段として、与えるダメージを1.2倍として1体のユニットを攻撃する「マキシマムブレイク」があるが第2次OGのものとは仕様が違う。
この攻撃の時は、サブユニットもアシスト以外の武器を使用できるが「熱血」「魂」は無効となる。


●パートナーバトルシステム

上記、タッグバトルシステムに近いシステムで携帯版のスパロボK~BXで採用された。
2体を組み合わせているユニットはPU、組み合わせていないユニットはSUと表記される。
PUの場合メイン→メイン。サブ→サブの個別攻撃と、メイン+サブ→メインorサブの集中攻撃の選択が可能(Kは集中のみ)。
SUの場合複数のユニットを同時攻撃するアタックコンボ(K/L)、相手のPUを両方攻撃する全体攻撃(UX/BX)が可能。
援護攻撃を使えるのもSUの特権。また援護防御はPUの場合PU内でしか援護防御するしか出来ないが、SUの場合隣接ユニットから援護防御を受ける事が可能。
正直Kはアタックコンボが異常なほど強かったためにPUを使う必要性がなかったが、L以降はどちらも独特な強みがあるので使い分けが必要となった。

詳細は
を参照。


●グループユニット

複数のユニットで1つのグループユニットとなり、複数機で1ユニットとして行動する。
自由に組む形式ではなく第08MS小隊の小隊で1まとめ等、予めシステム側で用意された組み合わせでしか存在しない。
詳しくはスーパーロボット大戦Operation Extendを参照。



追記・修正は誰かと小隊を組んでお願いします。

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最終更新:2022年07月18日 20:05

*1 『Z』だと適応Sまで跳ね上げるのでパイロット側の地形適応の低さと相殺してAまで持ち込みやすくはなった。

*2 このシステム故、小隊長能力がある作品ではエースボーナスによる固有の特殊能力追加はない

*3 あんまりにもあんまりすぎたためか、第3次αでは小隊攻撃でハイパージャマーするデスサイズや低威力のドラゴンハングを飛ばすアルトロンという方向に修正された。

*4 こっちもさすがにあんまりだと思われたのか、第3次αでボロットプレッシャーパンチで小隊攻撃できるようになった