生まれ変わり(怪談)

登録日 :2011/08/12(金) 20:00:33
更新日 : 2017/01/17 Tue 17:18:42
所要時間 :約 3 分で読めます





生まれ変わり(怪談)とは、その通り、生まれ変わりを題材とした怪談話である。


◇はじめに

魂という物は不滅で、人間にせよ動物にせよ、きっとまた何処かで生まれ変わるとされている。
これを輪廻転生という……。



◇怪談その1

【こんな晩】

昔々の事じゃった。
ある夜、一軒家に旅の六部が訪ねて来た。

(六部とは、諸国の社寺を巡って修行する者の事である)

「今晩泊めて頂けませんか?」
六部は一軒家の主人に訪ねた。
しかも六部の懐には、相当の銭の入った袋が……。
それを見た主人は愛想良く六部を泊めてやった。
そして六部が寝た所を襲い、銭の袋を奪った挙句、六部を殺害したのであった。
六部から奪い取った銭で主人の暮らしは豊かになった。

やがて主人に一人の息子が生まれた。
しかし、その子は幾つになっても口がきけず、両親にはそれが悩みだった。
しかし、ある晩、
「しっこ」
と、子供が初めて口をきいた。
主人は喜んで子供を庭に出して小便をさせた。
その晩は綺麗な満月がかかっていた。
その時だった……。



「お前が俺を殺したのも、丁度こんな晩だったなァ……」


小便をしていた子供はそう言って主人の顔を見た。主人は驚いた。
そう、子供の顔は、あの時殺した六部の顔になっていたからだ……。




◇怪談その2

【母と子】

美人の女性の人とイケメンの男性の人が結婚。
ところが生まれて来た子供は両親には似ても似つかず、醜い顔をしていました。
両親は恥ずかしくて外にも出せず、近所の人達には、

「子供は身体が弱く、生まれて来て直ぐに入院した」

という事にした。

やがて、その子供が3歳になった時でした。

両親は子供を連れて、海岸にいきました。
子供は海岸で遊んでいる途中、小便がしたくなりました。
その時、母親は崖っぷちへ子供を連れて行き、小便をしている子供を突き落としました。

近所の人達には子供は病死した事にしました。

やがて、二人の間に二人目の子供が生まれて来ました。
今度は可愛い顔をしていました。
両親は大変喜びました。
そしてその子が3歳になった時、あの海岸へ遊びに行きました。
やがて、海岸で遊んでいた子供が、小便をしたくなりました。
母親は崖っぷちへ連れて行きました。

その時だった。

子供は母親を見て睨みました。
最初に生まれて来た子供の顔になり、こう言った……。


「お母さん、今度は突き落とさないでね」




◇まとめ

生まれ変わった被害者の言葉が不気味に響く……。

「こんな晩」では六部、「母と子」では最初に生まれて来た子供が、
それぞれの犯人の子供に生まれ変わり、小便をする時に悪事をばらす……。

「こんな晩」は、今の世代には馴染みが薄いが「母と子」はピンと来る世代が多い。

また、生まれ変わりを題材にした作品は、
  • ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)の「日本海に添うて」
  • 夏目漱石の「夢十夜」
などにも収録されている他、徳弘正也の「亭主元気で犬がいい」等が有名である。



ラノベ分野にも古くから存在していて、『多重人格探偵サイコ』等「終わらない昭和」が舞台の作品群は、
『魑魅魍魎戦記マダラ』の登場人物達の生まれ変わりであり、マダラシリーズは魑魅魍魎戦記の脇役達が超過去〜現代、
近未来を舞台に何度も何度も生まれ変わりミロクと戦う(殆どバッドエンド)話である。


もっとも、一番最後と思われる作品では、最終決戦に突入しそうで終わったシリーズや、
それに負けたと思われるシリーズの結末や、宿命を全部『厨二病』で片付けました。



お母さん、今度は追記・修正してね。



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