妄想代理人

登録日:2011/06/07(火) 23:32:29
更新日:2023/08/22 Tue 17:17:35
所要時間:約 4 分で読めます





人々の内側で蠢く不安と弱さが最大限に増幅されたとき、少年バットは現われる──



『妄想代理人』はマッドハウス製作のアニメ作品。
全13話構成で、WOWOWにおいて2004年2月から5月まで深夜帯に放送されていた。


OP「夢の島思念公園」
ED「白ヶ丘-マロミのテーマ」

OPの曲は爽快感を感じさせてくれるが、いかんせん映像が……。
登場人物全員が笑顔なのだが、まるで自殺志願者のようにビルの上で靴を脱いで手に持つ女性、
空中を落下しているにもかかわらず相変わらずの笑顔だったり、人によっては気味悪く感じてしまう。
なお何かと意味深のOPだが実は納期に間に合わせるために
アニメのカット数を減らすためにとりあえず笑わせとけと言うだけの話で背景も同監督が手かけた東京ゴッドファーザーから流用している。

そしてEDの汚らしいおっさんの寝顔に「誰得だよw」とつっこんではいけない、絶対ニダ。




【概要】
今敏監督が監督として手掛けた唯一のテレビアニメ作品。
ジャンルはサイコサスペンス。

タイトルから「ぼくのかんがえたさいきょうの(ry」みたいなのを叶えてくれる、
カッコいい人物が登場する作品だと解釈する方が多いことだろう。

しかし、このタイトルこそが最大のミスリードというオチ。

実際の作風は現代社会で強く感じる「プレッシャー」からの逃避、
癒しを何か別の物に求めるという誰もが生きていく上で行っていることを皮肉っている、そんなお話。




【ストーリー】
人気キャラクター「マロミ」を生み出した鷺月子は新キャラクターの納品が迫る中、なかなかアイディアを出せずにいた。

周囲の妬み、プレッシャーに押し潰されそうになっていたある夜、
「金属バットを持って野球帽を被り、ローラースケートを履いた少年」に襲われる。

「少年バット」と名付けられたこの人物に襲われる人が続出、
しかし襲われた人々はどこかホッとした様子だった──




【主要登場人物】

◆鷺月子
CV:能登麻美子
マロミを生み出した人気デザイナー。
とぼけた発言が目立つ不思議ちゃん


◆マロミ
CV:桃井はるこ
月子が生み出した超人気なイヌ。
作中の登場人物はその愛らしい容姿を「見て」癒されているようだが、
ぬいぐるみを思いっきり殴り付けるほうがストレス発散できそうじゃね?


◆猪狩慶一
CV:飯塚昭三
「少年バット事件」を追っている刑事コンビのベテランの方。
「男の生きざま」を見せてくれる作中一かっこいい人物。


◆馬庭光弘
CV:関俊彦
同じく「少年バット事件」を追っているコンビの若い方。
実は作中の重要な鍵を握る存在だったり?


◆老師
CV:槐柳二
不慮の事故が原因でボケてしまっているご老人。
度々路上や床に意味不明な計算式を書いているが……。


◆少年バット
CV:阪口大助
月子が最初に遭遇したバットを持ったブサメンで、
「現実から逃げたい」人の前に現われてはバットで殴り付けて去っていく。




【話の中身】
当然全話の詳細を書くつもりは毛頭無いので、ここでは「本筋から離れた話」を一話紹介する。


#8「明るい家族計画」
……別にゴム的な意味じゃないよ?

自殺サイトで知り合ったゲイの青年と老人、
まだ幼い少女が集団自殺を図るもなかなか死ねず、「あれ、三人でいるの楽しくね?」と気付くというお話。
三人の自殺志願の理由等は一切語られず、これから死のうというにもかかわらず、
ずっとほんわかとしたテンポで進むため暗さを感じさせない。

しかしずっと圏外の携帯電話、堂々と写り込んだはずの写真を見た若い女性達のリアクション、
三人を一切気に掛けることのない周囲の人々が意味するものは……。




【考察】
非常に解釈の難しい本作だけに、某大手サイトを始めとした様々な場所で考察がなされている。
しかし、製作側からの「明確な答え」は提示されていないため、あくまでも「有力な解釈」止まり。

手放しで人に薦められるほど万人受けするような内容ではないが、伏線をじっくりと紐解き、時間をかけて楽しみたい。
そんな人にはお薦めの作品かもね!




追記修正をお願いします。


この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • アニメ
  • マッドハウス
  • 今敏
  • WOWOW
  • マジキチ
  • トラウマ
  • 妄想代理人
  • 阪口大助
  • 能登麻美子
  • 04年冬アニメ

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2023年08月22日 17:17