鮫島事件

登録日:2011/09/12 Mon 03:52:07
更新日:2024/03/19 Tue 04:27:21
所要時間:約 7 分で読めます




この項目を見ている貴方は、恐らく2ch(現5ch)を見た、もしくは書き込んだ経験があるだろう。
だとすると、貴方の2ch歴はどれくらいだろうか?
つい最近始めた?それとも3年前?5年前?あるいはもっと昔から?

もし2000年代初頭から2chに精通しているのであれば、この名前を一度は聞いたことがあるだろう。



鮫 島 事 件



概要

2000年前後に日本で起きたとされる伝説の事件。2chと関係の深いことから「2chの暗部」とも称される。
起きたと「される」と伝聞調なのは、未だにその真相が解明されていない為である。
真犯人やその目的といった情報はおろか、事件の全貌や被害者、場所や日時すら明らかになっていない。

マスコミに緘口令が敷かれているのはもちろんのこと、警察にも圧力を掛けている者(或いは組織)が存在すると言われている。
公安が絡んでいるとも。
その為ニュースや新聞、テレビといったメディアで報道されることは、現在に至るまでほぼ無い。

ただし2chでは時折言及される。スレッドの中で、誰かが鮫島事件について追及している光景を貴方も見たことがあるのでは?
2001年頃、関係者ないし目撃者が2chに情報を漏らしたことが全ての発端とされる。
ただしその情報も曖昧かつ断片的なものであり、各々の脳内補完や大風呂敷と化した流言によって、事件の「概要」が完成した。
その数日後に関東近郊で変死体が発見される事件があったが、この情報を漏らした関係者が狙われたのではとも言われている。

ここまで用心深く権力のある犯人が、関係者及び2ちゃんねらー全員の口を封じなかった理由は謎だが、複数の説がある。
一つは2chの存在を知らなかった、或いは軽視していたがために、気付けば関係者は莫大になり、口封じをするのにも限界が来ていたとするもの。
二つ目は情報の力を何らかの形で利用すべく敢えて放置しておいたというもの。

とにかく当時ネットに精通して居なかった者、もしくはネットを利用していても2chをチェックしていなかった人間にとっては、知る由は無いかと思われる。


事件の概要に関しては諸説あり、

  • 集団リンチ説
  • JR柏駅での事件説
  • 鹿児島県沖で発生した殺人事件説

等が有力か。


……とまあ延々と述べてきたが、真相どころか真偽すら不明。あまり考えすぎないようにしたい所である。
2chではよくある都市伝説の一つかもしれないのだから。

しかしこれだけは言っておきたい。


今後もこの事件は話題になる。
誰もが興味を持つようになる…
かもしれない。実際そうだろう。
いつの間にか真相に近くなる。
ただ好奇心の為に。しかし!しかしだ。

助長してはいけないのだ。
けほどの関心を持ってはいけない。
てを伸ばそうとしてはいけない。
くどいようだが貴方の為である。
れいせいになって考えよう。





追記・修正お願いし
























本当の概要

時に、アニヲタ諸兄は「牛の首」という怪談をご存知だろうか?
仮に知っていても、「それはどんな話なのか」と聞かれて答えられる人はいないと思う。

「牛の首」とは、「そういう題名の、語ることすらできないとてつもなく恐ろしい怪談がある」という、内容がないことにこそ意味がある都市伝説の一種である*1
(SF作家の小松左京が、この伝説を基にした同名のショートショートを書いているので、詳しく知りたい方は参照されたし)

この鮫島事件も、牛の首と同様のケースであるとされている


この「事件」が表に出たきっかけは、2001年5月24日、2chのラウンジ版に立てられた「伝説の『鮫島スレ』について語ろう」というスレッドである。
以下が最初の書き込み。

1:22世紀を目指す名無しさん:2001/05/24(木) 22:56 ID:yWtu.nZk

ここはラウンジでは半ば伝説となった「鮫島スレ」について語る
スレッドです。知らない方も多いと思いますが、2ちゃんねる歴が
長い方は覚えてる人も多いと思います。
かくいう俺も「鮫島スレ」を見てから2ちゃんねるにはまった
ひとりでして、あれを見たときのショックは今でも覚えています。
誰かあのスレ保存してる人いますか?

このようにいかにも事件の内容を知らない人を誘う文面であり、追随する形で断片的な情報(もちろん事件の内容そのものではなく、それに関する反応などである)がどんどんレスされていった。
その流れの中で自然と「鮫島事件=タブー」という暗黙のルールが出来上がり、「鮫島事件って何ですか」とレスが来ると、「危険だから尋ねるな」と返したり、「冗談の一種だから気にするな」とはぐらかしたりという否定反応、あるいは「思い出させるな」「アレは2cnの闇の部分だ」という事件の実在を前提にした反応で固定され、実際何が起きたのかはまったく語られないまま尾ひれだけが際限なくついていった。

結果、「真相はわからないが、とにかく何かあったらしい」という認識のもと、名称とともにそれらがネットの海を流れることになった……というのが現在までの流れである。


「真相」について

現在のところ有力となっている説は、「鮫島事件とは架空の事件であり、新参者や本気にした者を釣るためのジョークであったものが、追随するねらーによってハイパーリアリティ*2を構築していくゲームへと変化した」というものである。

鮫島事件の話が出た当時の2chは現在よりもアンダーグラウンドの側面が強く、本当に秘匿情報のリークがあってもおかしくない状況だったことや、ねらー達にシャレなどを好む気風が流れていたこと、さらに深夜の利用者が多かったことがこれらの拡大を助長したとされている。
発端のスレッドを立てたうp主と、それへの質問者のIDが一致していたことも、虚構説の後押しとなっている。
更に発端のスレッドから数日後、スレ立てをした本人を名乗る人物がラウンジ板に現れ、「全部ネタ」「書き込みの多くは自作自演」と宣言したため、一応は虚構説で落ち着いた。

ただし、鮫島事件という事件が本当はなかったと確定されたわけではない
実際に起きた恐るべき事件である可能性も同様に存在している。
掲示板の仕様の関係で、IPアドレスが異なればIDがたまたま一致する可能性も十分にある。また、語られている噂どおり本当に2chの闇の部分であるならば、運営や公安によってログの抹消やIPアドレスの改ざんが行われていても、何ら不思議ではないのである。
当然、ネタだと宣言した人物が本物である(あるいは真実を言っている)保証もない。

この事件が噂として、都市伝説として定着したのは、鮫島事件が事実にしても虚構にしても、それを証明する方法が存在しない悪魔の証明になってしまうからだ。
鮫島事件はこれからも、謎の怪談としてネットの海を漂い続けるのだろう……


ただ、前述の書き込みには「2ちゃんねる歴が長い方は~」と書かれているが、2ちゃんねるはスレが立った当時、開設(1999年)から2年足らずであることを付記しておく。


余談

  • 1968年に、日本経済新聞の鮫島敬治記者が中国当局にスパイ容疑で逮捕・抑留された事件は「鮫島事件」と呼ばれている。

  • 2011年に『2ちゃんねるの呪い 劇場版』、2020年に『真・鮫島事件』として映画化された。監督は同じだが世界観につながりはなく、真相もそれぞれ異なっている。





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最終更新:2024年03月19日 04:27

*1 「牛の首」という怪談自体は大正時代に実在したことが分かっている(当時の雑誌に紹介記事が載っていた)が、伝説との関係は不明

*2 実体に基づかない、メディア上のイメージで構成された現実感