親心…の巻(こち亀)

登録日 :2012/02/07(火) 05:21:46
更新日 : 2016/09/23 Fri 08:37:50
所要時間 :約 3 分で読めます




親心…の巻とは『こちら葛飾区亀有公園前派出所』第24巻の最後に収録されているエピソードである。
今は珍しくなった部長の初期におけるキャラ性と人間性、両津との本来の仲の良さが垣間見える人気の高いエピソードであり、
ファンの間で「初期の作品の中で好きな話は?」と聞かれてこのエピソードを挙げるファンも多いのではないだろうか?


◆主な登場人物
両津勘吉
このマンガの主人公で、警視庁一の破天荒警官(当時。現在では常識的な行動も多くなっているため)。
今話では緊張する部長に「ネクタイより顔が曲がっている」や、
娘夫婦のマンションを親心からしつこく見て回る部長に「現場検証じゃないんですから」と突っ込んだ。
この頃には作画が初期の劇画調から現在のデフォルメ調へ移行し始めた時期なため、その中間程度の作画になっている。
また、ひろみに部長の真意を語るなど、この頃から後々の人情キャラへの変化を見せ始めていた。

大原部長
両津の上司にして天敵。
今話では娘夫婦が心配でしょうがないのだが生来の頑固さからなかなか素直になれなかった。
この作品が掲載された時期は昭和後期なため、大原部長の生年月日は大正期生まれとされていた。
そのため、彼の生年月日が昭和戦前期以降に移動した後の作品に比べると生真面目さが目立つ。
この頃は両津に「時間厳守の堅物・大正生まれ」と揶揄されていた時期でもあるが、最も両津との信頼関係があった時期でもあった。

角田英男
部長の娘のひろみの夫。
部長に食事の時間にまでマンションやローンの話を聞かされた。この頃のキャラは初登場時の「若者」という感じのモノを維持していたが、
部長の話に付き合うなどしており、大人の落ち着きを身につけ始めていた。

角田(旧姓:大原)ひろみ
部長の一人娘。この頃には女子大を卒業して成人している。マンションに越して、彼女の誘いで今話が始まった。
なお、部長は彼女を目に入れても痛くないほどかわいがっており、70年代後期の時点で女子大に入れるほどであった。
初登場時は成人前の女子大生で、何と両津と戸塚によってべろんべろんに酔わされた。
この頃は成人前だったため、部長を「パパ」と呼んでいた。今話以降は「お父さん」とも言っている。
この話から数年後、彼女は子宝を授かる事になる。

中川&麗子
ひろみに誘われたと言った両津に猜疑的な目を向ける。(この頃の両津はハチャメチャさが目立っていた為)

◆あらすじ
大原部長の一人娘、ひろみに部長と自宅に遊びに来ないか と誘われた両津。二つ返事でOKするが、部長は「仕事があるから」と一度は断る。
…が、結局当日は二人で行くことに。

当日、用意してくれていたご馳走を食べるときも部長はお堅い話ばかり、しまいには酔い潰れ寝てしまう。
そんな部長を見てひろみは両津に「つまらない人でしょう」と話す。
両津は部長が寝ているのを良いことに「怒りすぎで人間が出来ていない」「頑固の天然記念物」とケチをつけまくる。
しかし、両津はその部長も娘のひろみの事になると、てんでダメなところや今日の為にわざわざ仕事を休んで来た事を知り、ひろみはまんざらでもない顔を浮かべる。
宴も終わり、帰路に着く両津と部長、さっきの両津の話を寝たふりでしっかり聞いていた部長は
最終バスで帰ろうとする両津を引き止め「今夜はもう一軒飲みにいかんか? わしのおごりだ」と誘い、
両津と二人、肩を並べ夜の街にくりだすのだった。


◆備考
今話の特徴は両津と部長の言葉には出さなくても理解出来る真意である。
この頃は部長は大正期生まれと(生年月日が大正中期生まれから後期生まれに移行したばかりの時期であった)され、落ち着きが見られる。
両津も部長への信頼から、彼の誘いを二つ返事で了承している。

以上のことから、この話は部長と両津が本来持つ長年の人間関係を最も良く示す話として人気が高い。
また、部長のひろみへの愛情も言及された回であり、大原部長の人間性が掘り下げられていった時期であり、レギュラーとして高い地位を堅持していた頃の傑作である。





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