PARANOIA(TRPG)

登録日:2012/01/28(土) 18:24:45
更新日:2023/10/08 Sun 15:54:56
所要時間:約 7 分で読めます




警告!


一部の文章のクリアランスはUV(ウルトラバイオレット)となっています。
市民、不自然な空白ではカーソルを駆使するのです。
なお、上記の文章も同様にUVです。
クリアランスが足りない、もしくはクリアランスが何か分からない者は



すみやかに自決しなさい。








おはよう市民、幸福ですか?

市民アニヲタ1「はい、コンピュータ、幸福は義務です!」

よろしい、素晴らしいことですね
では、ただいまからブリーフィングを始めます、ようこそPARANOIAへ!

アニヲタ「コンピュータ、PARANOIAの説明を画面の外のコミー共にしてやった方がよいのではないでしょうか?反逆者と言えど、説明を受ける機会はだれしにもあります」

……わかりました市民アニヲタ、本来ならば反逆的な思想のあなたもコミーも直ちに処刑ですが、今回に限り例外を認めましょう。



Cleared for all citizens in Aniota Complex!



PARANOIAは完璧なTRPGゲームであり、幸せと楽しさは市民としての当然の義務です。
市民、幸せですか?

アニヲタ「はいコンピュータ!幸福は義務です!」

よろしい、PARANOIAの舞台は、とある未来の地下シェルター都市「アルファ・コンプレックス」です。
この世界は、核戦争が起こってしまった外の世界から人々を守るため、外界との接触を禁止。
完全で全能たるコンピュータが管理する素晴らしい民主主義社会です。
そうですね市民?

アニヲタ「はいコンピュータ!この世界は完璧です!放射能汚染は恐ろしいですからね!」

市民、放射能汚染とはなんですか?

アニヲタ「えっ」

それはあなたのクリアランスには閲覧を許可されていない情報です、あなたは反逆者ですね?

アニヲタ「いや、そんな、待ってくださいコンピュータさ」

ZAPZAPZAP……(レーザー銃の射殺音)


この都市は事実上の閉鎖状態に陥っている。なぜならば市外では核戦争が起き、「悪辣な共産主義者」「放射能によって変異したミュータント」「スパイによる秘密結社」(まとめて「反逆者」)が都市に潜んでいるからである…と、ゲームマスター演じる都市を支配するコンピューターが信じ込んでいるためである。
彼(彼女)は完全に狂っており、少しでも気に入らない行動を取る人間がいれば直ちに反逆者と判定し、処刑してしまう。


おはよう市民、幸福ですか?

市民アニヲタ2「はい!すがすがしい気分ですコンピュータ!前のクローンは薄汚い反逆者でしたが、私は違います!」

素晴らしい、幸福は義務です。
ならば次の説明に移りましょう。

基本的に市民は上記のように何でもない事や不慮の事故ですぐに死ぬ。そのため慈悲(笑)深いコンピューターは、市民一人につき5人分の残機を用意している。
1ミッションで複数名の1人が出動することはザラ。さらにクローンは階級を一定値まで下げられるものの、反逆の疑いはなくなるのだ。

市民、あなたにはトラブルシューターチームの一員となって、この都市の問題を解決してもらいます。

アニヲタ2「素晴らしい奉仕ですね、コンピュータ!もちろんお受けします!」

しかし気をつけて下さい市民、そこかしこに反逆者はいるのですから。

アニヲタ2「もちろんですコンピュータ!」

もちろんあなたもミュータントであり反逆者。お分かりですね?

アニヲタ2「……は、はい?」

プレイヤー達はゲームマスター演じるコンピューターの命令を受け、プレイヤー4人で1組のトラブルシューター・チームとしてこの脅威に立ち向かう。但しこの任務は、様々な理不尽たる理由のため完遂は事実上不可能なものとなっている。
任務を遂行し、反逆者を狩りだすことはトラブルシューターにとってコンピューターに忠誠心を示し階級を上げる好機である。トラブルシューティングの大半も、反逆者絡みのものだ。
しかし任務の対象となる存在が実際には存在していないことがほとんど。
おまけにプレイヤー全員が、実は「ミュータント」かつ「共産主義者」かつ「秘密結社のスパイ」に所属している本物の反逆者という出自なのだ。よって、反逆者が存在しなかった場合、チームの仲間から反逆者の証拠を(むりやり、あるいは隠密裏に)得て、告発しなければならない。


わかりましたか市民。
ですから、このゲームに協力プレイなんてものは存在しないのです。

仲間の足を存分に引っ張って、無様に死にましょう。

仲間に濡れ衣を着せて数を減らしましょう。

反逆者は「見つからなかった」のではなく「常に、どこかに、いる」のが正しいのです。

アニヲタ2「わかりましたコンピュータ!周りは皆敵です!」

よくできました。
つまりあなたは自分が反逆者と認めたのですね?

アニヲタ2「あっ、ちょっ」

ZAPZAPZAP……


アニヲタ3「…………」

おや市民、不幸そうですね?

アニヲタ3「め、めっそうもない!私は常に幸福です!」

では、幸福な市民ははっぴぃにゅうにゃあをエンドレスで歌えますね?

アニヲタ3「」

歌えますね?

アニヲタ3「は、はいっ!ただちに!」

ンデンデンデー(ヽ´ω`)

このように、幸福に見えない市民には、私やその役目を担う市民によって幸福になるためのジョーク、歌唱、ねむらなくてもつかれないくすりの支給などの措置が取られます。
市民アニヲタを見てください、幸福そうでしょう?
では、市民が歌っている間に我が完璧で幸福な項目の続きを書きましょう。

あなた方が入手できる情報は色で分けられた階級(セキュリティ・クリアランス)により制限されています。これはルールブックでも徹底されており、たとえ完全にルールを理解していても上位クリアランスの内容について言及すると、プレイの先読みだろうが基本ルールだろうが反逆者とみなされますので、注意することです。
この都市は私を頂点とする絶対階級社会です。
上の者にとって下のクズ共は捨て駒であり、鉄砲玉なのです。
従わなければ「反逆的兆候」として報告されます。
よって、1人だけ階級が上の人物が参加していると他の3人から集中攻撃に合いやすく、高位階級になればなるほど死亡率や反逆者として告発される確率が上がります。
市民、気をつけることです。



そして、なんとも面倒臭いことに、コンピュータは事あるごとにトラブルシューターに問いかける。

「市民、幸福は義務です。」

「あなたは幸福ですか?」

コンピューターは常に正しい。よって、上記の妄想に差し挟むような返答はまさに反逆的性向を持つという証拠になる。



さて、説明は以上です。
市民、もういいですよ。

アニヲタ3「わ、わかりましたコンピュータ。幸福な時間をありがとう(の、喉が……)」

このようにPARANOIAはブラックユーモアに溢れた完璧で、幸福で、素晴らしいTRPGです。
しかし、忌まわしいコミー共の陰謀により、日本語版のプレイガイドは発売していません。
市民、素晴しい和訳を各自で行うのです。

アニヲタ3「あれ?コンピュータ、たしか原作者に許可を取った無料の翻訳サイトが一つあっ……い、いえ、コンピュータ様は絶対です。頑張って和訳うわぁぁ」

(どこからか振ってきたドリルが眉間に激突)

悪質な反逆者は処刑されました。
それでは、PARANOIAで幸福な生活を楽しみましょう。
良いですか、


幸福は義務


なのです。


アニヲタ4「コンピュータ様、追記・修正は必要ですか?」

市民、追記・修正とは何ですか?
それはあなたのクリアランスには閲覧を許可されていない情報です、あなたは反逆者ですね?

アニヲタ4「えっ」

ZAPZAPZAP……

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最終更新:2023年10月08日 15:54

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