カスタムロボ

登録日:2009/08/23(日) 23:27:11
更新日:2024/01/05 Fri 23:15:09
所要時間:約 7 分で読めます





ダイブ!!


『カスタムロボ』とは、1999年に任天堂からNINTENDO64ソフトとして発売された3DロボットアクションRPG、および同シリーズの総称。



【概要】

プレイヤーは「コマンダー」となり、全長30cmほどの小型ロボット「カスタムロボ」に精神をダイブさせて戦わせるアクションゲーム。

カスタムの名の通り多種多彩なパーツを組み合わせる事が可能。これにより無限ともいえる数の戦闘スタイルが存在する。
分かりやすく言えば「低年齢向けアーマードコアもしくは「見下ろし視点になったバーチャロン
当然低年齢しか楽しめない訳では無く、大人でも充分ワイワイ楽しめる。

またシナリオも充実しており、主人公がカスタムロボと出会い、大会に参加したり悪の組織と戦ったりと、ホビー漫画的な王道展開でプレイヤーを楽しませてくれる。

音楽担当は細江慎治氏、佐宗綾子氏、渡部恭久氏らが中心。
どことなくゲーセンから聞こえてきそうなナ〇コサウンドを彷彿とさせるような、明るくポップな曲が多い。
『V2』からは安井洋介氏も参加している。

基本ルール

戦闘は至ってシンプルで、『ホロセウム』と呼ばれる戦闘エリア内で自身のロボを操作し、ガンやボムなどの攻撃を相手に当ててHPを0にした方の勝ち。

ルールや操作は単純だが、互いのカスタマイズの相性やホロセウムの影響、細かい仕様などが合わさり、バトルは非常に奥深い。

バトル中、自機は常に相手をロックオンした状態のため、ガンやボムの弾は基本的に相手に向かって飛んでいく。
したがってFPS等と異なり『相手に狙いをつける』必要はないものの、相手も常に動いているため、適当に撃っていても簡単にかわされてしまう。
攻撃を当てるには「ボムやポッドで相手の逃げ道を塞いでからガンを当てる」「相手がジャンプで避けたら着地の隙を突く」といった工夫が必要で、この『隙の読み合い』という駆け引きが本作のバトルの肝となる。

また、このゲームには基本的に「主人公のレベルアップ」や「機体の強化」といった要素がないため、プレイヤー自身の腕前が上がらなければ相手に勝つことは難しい。
とはいえ、登場するロボやパーツにそれぞれ明確な長所・短所があるので、相手の弱点をつくようなカスタマイズや立ち回りを意識できれば、低年齢層のプレイヤーでもシナリオ攻略できるようなバランスになっている。
例えば、相手が近距離戦向けのカスタマイズである場合、こちらは「相手に接近しない、接近させない」ことに特化してカスタマイズや戦術を組み立ててみると、ストーリー中のCPU程度であれば驚くほどあっさり勝てたりする。

初代は1vs1の2人対戦しかできなかったが、続編の『V2』では“2on2”と呼ばれる交代制のタッグバトル*1が実装され、擬似的に4人対戦が可能になった。
さらにゲームキューブで発売された『BR』ではハードの性能向上を活かし、バトルロイヤル方式での4人同時対戦や、2vs2、1vs3等のチーム戦が実現した。


ロボキューブとキャノボット

カスタムロボは非戦闘時、『ロボキューブ』と呼ばれる立方体の形をしており、持ち運びがしやすくなっている。

バトルが始まると、戦闘エリア内に『キャノボット』と呼ばれる発射台が出現し、互いのロボキューブが装填、射出される。
そしてロボキューブが着地すると、キューブからヒト型へと変形し、移動や攻撃ができるようになる。

キャノボットからの射出方向はプレイヤーが決められるため、開幕の位置取りという意味ではとても重要。

また、ロボキューブが着地した際、どの面が上になっているかで変形時間が大きく異なる。
頭部 > 腹・背中 > 右腕・左腕 > 脚部 の順に変形・行動開始が早い。
(頭部が上なら即座に変形できるが、脚部が上だとロボの頭が地面に埋まってしまうため起き上がるのに時間がかかる)

レバガチャで変形時間を短縮できるが、乱暴に扱うとスティックの寿命を縮めかねないのでほどほどに
『V2』以降は、ボタン(A, B, R, Z)連打の効果が大きくなった。レバガチャとの併用が効果的。
しかし連打に夢中になり過ぎると、起き上がった直後にガンやボムが暴発して隙をさらしてしまうことも。

ちなみに立ち上がる最中にダメージを受けると必ずダウンする。

なお対人戦を行う場合、「お互いに変形完了するまで攻撃を禁止する」というローカルルールを設ける場合もある。
カスタマイズとキューブの出目によっては、こちらが動けない間にコンボ攻撃でHPの1/4が簡単に消し飛んだりもするのでやむなしである。

ちなみに『GX』および『BR』ではキューブ各面の表記が部位ではなく数字になっており、1が最も早く、6が最も遅く戦闘開始となる。
またキューブ着地後の描写は順を追った変形ではなく、エネルギーのチャージ時間といった風合いで、数字が0になると瞬時に変形する。
なお『BR』では射出前であれば、AまたはBボタンを押しっぱなしにしている間はキューブの回転速度(=数字の切り替わり速度)を上げる事ができ、A>B>無操作の3段階で調節可能。
なので、これを利用して出目が1で着地するように狙う事が基本テクニックとなった。

ダウンとオーバーロード

ロボは一定量のダメージ、または特定の攻撃が当たるとダウンしてしまい、少しの間動けなくなる。
ダウン中は無敵ではない*2ため普通に攻撃されるが、少し経つと復帰して一定時間無敵状態になる。

言い換えれば、相手のダウン~無敵時間に入るまでは、こちらの攻撃チャンスである。
連射の効くガンを復帰直前まで撃ち込んだり、ガンでダウンを奪いボムやアタックで追い討ちをかけると言ったコンビネーション(コンボ)を行うことも可能。

またガンに当たってダウンした場合のみ、ダウンさせられた側のガンの弾が全て消滅してしまう“オーバーロード”という現象が発生する。

このオーバーロードの仕様は、バトルの駆け引きにも大きく影響する。
通常、ホーミング性能の高いガンは避けづらく鬱陶しいが、その手のガンはたいてい弾速が遅いため、こちらは弾速の速いガンやダウン力の高いガンを装備して相手のダウンを奪い、積極的にオーバーロードを狙っていく…という戦法が成り立つ。

さらに、ロボごとに『がまん(=ダウンに至るまでの耐久力)』の性能も異なる。
基本的に小柄なロボほどダウンしやすいため、オーバーロードを狙われやすい。ロボの性能も踏まえたカスタマイズや立ち回りが重要となる。


用語

  • カスタムロボ
全長約30cmほどの小型の玩具。コマンダーとシンクロすることによって動く。

  • コマンダー
カスタムロボの操縦者。本来は「指揮官」「司令官」のような意味。
転じてカスタムロボシリーズのプレイヤーのことを指してコマンダーと呼ぶことも。

  • ダイブ
コマンダーが精神力を使用してロボを操縦する事。
ダイブ中は精神力を消耗するため、長時間のダイブは推奨されない。ダイブは一日1時間まで?
作中の描写では、一流のコマンダーでも連続して15~20回程度バトルをこなすとだいぶ疲労する模様。
コマンダーとロボの(物理的な)距離が離れていると負担が増す。

  • アイ・コンタクト・レジスター
ロボが最初に目を合わせた以外の人物を受け付けなくするシステム。いわゆる網膜認証。
アイ・コンタクト・レジスターを済ませると、ロボの顔つきが次第にコマンダーに似てくる…らしい。

  • ホロセウム
カスタムロボを戦わせる戦闘フィールド。
ホログラムとコロセウムをあわせた造語。ホログラフィにより、様々な地形を作り出す。
基本的には備え付けのホロセウムデッキで作り出すが、『V2』からは携帯型の『ポータブル・ホロセウム』が登場し、更に『BR』ではロボ自体に内蔵されている他、一部のコマンダーは自力で作る事が出来る。
ステージの形状は基地のようなものから公園、海底、回転寿司屋など色々。
ダメージ床や移動する壁などのギミックが仕込まれているものも多い。

なお、ホロセウムを使用せず現実空間でバトルを行うことも可能だが、基本的に危険なので禁止されている。(ストーリー展開上、現実空間でのバトルを行う事もある)
2D作品で上下左右を飛び回って移動する『GX』では、ホロセウムは無重力と言う設定。
その割に重力のあるはずの現実空間で無重力のホロセウムと同じように戦う場面もあるが。


【カスタムロボのパーツ】

カスタムロボは以下の5種類のパーツによって構成される。
なお『GX』のみ、ポッドとの選択式パーツである「ガンナー」と、新パーツの「チップ」が存在し、代わりにレッグが無い。

  • ボディ
    ロボ本体。耐久力や移動速度、空中性能などがここでほぼ決まる。
  • ガン
    右手の武器。弾やレーザーを発射し攻撃する。
  • ボム
    左手の武器。着弾すると様々な爆風が発生する。
  • ポッド
    背中の武器。敵をしつこく追尾したり罠としてその場に留まる等、相手の妨害が得意。
  • レッグ
    ロボの脚部。ジャンプ力や加速性能を強化するなど、ロボの機動力に味付けができる。

ただ適当に強いパーツを選んでも意味はなく、パーツ同士の相性などはかなり頭を使う。
自分なりのカスタマイズを見つけることが、このゲーム最大の面白さである。

各パーツのバランス調整は新作の度に毎回行われており、同じ名前のパーツでも細かい性能は作品によって異なる。

+ 各作品のバランス傾向
■初代カスタムロボ(無印)
後年の作品に比べて全体的にロボの挙動が硬めで、「いかに攻撃をかわすか」よりも「いかに攻撃を当てるか」が重視されている。
全体的にガンが強く、一方ポッドのホーミング力は控えめ。
筆者の私見だが、ロボの機動力の違いはワイルドソルジャーのダッシュ速度を比較するとわかりやすい。(『V2』よりも明らかに遅い。)
他に、ポッド射出の仕様、爆風のヒット硬直、ダウン時間などシステム面の細かい違いも多い。

■カスタムロボV2
初代よりも回避寄りのバランスに変化しており、ガン単独での攻撃が当たりにくくなっている。
具体的には、ロボの空中制動やダッシュ速度などがテコ入れされバトルのスピード感が高速化した一方、マグナムガンなど一部パーツが弱体化した。

ただし、各種攻撃のヒット硬直は増加傾向で、単発火力ではなくコンボ火力を狙うゲーム性にもなっている。
また、ポッドの挙動が大幅に改善され、ニュートラル撃ちが仕様として追加されたことで、格段に扱いやすくなった。
加えて初代では低性能だった違法ボムや違法レッグの性能が見直され、違法パーツらしい強化が施された。

■カスタムロボ バトルレボリューション(BR)
『V2』の操作性・スピード感はそのままに、武器を調整して初代のダメージレース寄りのバランスに少し戻した(戻そうとした)ような印象。
一部のロボがタイプごと廃止・整理されたほか、ガン全般の弾速およびホーミング力が強化され、各種攻撃の命中率が相対的に上がっている。
そのため、壁や地形(あるいはオーバーロード)を利用しないと攻撃を避けきれないケースが増えた。

さらに違法パーツが一新。性能が尖っている点も特徴。
中には原型を留めていないような大胆な改造が施されたものも。

■激闘!カスタムロボ(激闘!)
携帯機のDSにてリリースされた3D作品のカスタムロボ。
Wi-Fiコネクション対応タイトルで、コマンダー待望のオンライン対戦が実装された。(※DSのオンラインは2014年にサービス終了。)
さらに『BR』にてリストラ削除されたタイプ*3の各種機体が復活を果たし、それらにライトニングスカイヤー型を加えたラインナップとなっている。
「ソウルブースト」(下の『激闘!』の項も参照)という一定時間のロボ強化の代償に効果が切れると性能ダウンという、いわばバフ/デバフ要素が実装されたがこちらは賛否両論。
また、ロボのライフゲージが従来の80%ほどに抑えられており、耐久力の低下によって相対的に火力が上がった環境になっている。
パーツの強弱については調整不足な部分も多々見受けられ、それらはオンラインの対戦環境でも猛威を振るい、有力な構成が半ばテンプレ化し使われるパーツが偏ってしまっていた。
ソウルブーストといった新要素もあいまって大味なバランスになっている点は否めない。
違法パーツは前作の近未来的な世界観から64並びにGXのホビー競技モノに戻ったことで再び一新されているが、オロチガンなど続投しているものもある。


パーツ解説


+ ボディ
■ボディ
詳細はこちら→ロボ(カスタムロボ)

カスタムロボを作る上で最も重要なパーツ。
移動速度、空中性能、耐久力などの基本ステータスはほぼこのパーツで決まる。

ボディの性能と一口に言っても、非常に多くの要素がある。
  • 防御力
  • 地上での加速力・移動速度・小回り
  • ジャンプの高さ・速さ・移動距離
  • 空中ダッシュや多段ジャンプの距離・小回り・回数
  • ダウンのしにくさ
  • アタックの種類
  • 武器の威力の増減(一部のロボ、スタイルのみ)

中でも「アタック」は隙こそ大きいが、発動中は基本無敵状態な上に、命中すれば敵に大ダメージを与えられる、まさにカスタムロボの必殺技と言える技である。
RTAにおいてもアタックは序盤攻略の生命線となるメインウェポンと位置付けられる。*4

ボディ(ロボ)には、大区分として『型(タイプ)』が、小区分として『スタイル』がある。

  • 型(タイプ)
    ロボの体型・性能を決める区分。
    スタンダードな性能を持つ「シャイニングファイター型」、大柄で鈍重だが攻撃力や耐久力が高い「メタルグラップラー型」、長身の女性型で高く鋭いジャンプが特徴の「セクシースタンナー型」など様々な型が存在。
    (『初代(無印)』は10種、『V2』は12種)
  • スタイル
    同じ型のロボ同士の、さらに細かい性能区分。
    『初代(無印)』ではノーマル/スピード/アーマースタイルの3種類、『V2』では新たにパワー/ジャンパースタイルが加わり5種類が存在。

例えば、無印で主人公が使用するロボ『レイ』は、“シャイニングファイター型のノーマルスタイル”に属し、他のシャイニングファイター型と比較して長所・短所がない平均的な能力を持つ。
一方、ライバルのハヤオが使用するロボ『ソル』は、“シャイニングファイター型のスピードスタイル”であり、レイと型が同じであるため基本性能は近いが、移動力が上がった代わりに防御力が落ちている。

しかし、型は極めて重要な一方、スタイルは違いが分かりにくく、「パワースタイル」以外は微々たる差*5なので、型が決まればあとはアタック性能か見た目で選ぶことも多い。


+ ガン
■ガン
メインウェポン。右腕に装備する。
カスタマイズを考える際には、ロボかガンを最初に決めてそれを中心に組むことが多い。

ゲーム内のパーツ説明では、大まかに近・中・遠距離用に分かれている。*6
それぞれのガンで実際に使いやすい間合い(有効射程)は変わってくるため、これらの区分はあくまでも目安。
相手も動いている以上、常に有利な間合いを保てるとは限らないため、いかにして自分の間合いに持ち込むか、また自分のガンが苦手な間合いをどうフォローするかを考える必要がある。

ガンを選ぶときは、威力・射程・連射性能・ホーミング力(追尾性能)・弾速など検討すべき要素は様々であり、ボディやホロセウムとの相性も重要になる。
また、威力が高いほど射程や連射性能が下がり、ホーミング力が高いと弾速が遅くなる傾向がある(例外もある)。

他のパーツと比べて、弾の挙動や性質もバラエティー豊か。
  • 途中で弾道が曲がる
  • 途中で弾が拡散・分裂する
  • 途中から弾速が加速する
  • 当てた相手を手前に引き寄せる
  • 発射後、少し経ってから相手に飛んでいく
  • 近距離でヒットすると威力が低く、距離をはなせば威力が上がる
…など。他にも多くの個性的なガンが存在する。

さらに、地上撃ちと空中撃ちで弾の性質が異なるガンもある。*7
特に中~遠距離ガンに多く、そういったガンを用いる場合は状況に応じた地上・空中の撃ち分けも重要になる。

基本ルールの項で説明したとおり、ガンでのダウンには「オーバーロード」という特殊仕様があるため、特に弾速の遅いガンやダウンしやすいロボを使う場合は注意が必要である。

また、ガンには『スライドショット』というテクニックがあり、地上を移動しながらガンを撃った場合、地上をスライド移動しながらガンを撃てる。
上手く使えば、射撃しつつ障害物に飛び込む、という映画の銃撃戦を思わせる動きも出来る。滑りすぎて障害物から飛び出した?よくある。

初心者はダメージを与えやすいガンに頼りがちだが、ある程度強いCPU戦や対人戦では、何も考えずに撃ったガンはまず当たらない。適当に撃っても攻撃後の硬直を晒すだけなので、「他の武装で牽制してからガンを当てる」という立ち回りが出来るようになれば、初心者からは卒業したと言っても良いだろう。


+ ボム
■ボム
サブウェポン。左腕に装備する。
弾を発射し、着弾すると爆風が発生する武器。

爆風には様々な種類があり、弾道が同じボムでも爆風の違いによって別パーツ扱いになっている。(後述)

総じてボムはガンよりも発射後の隙が小さく、放物線を描いて飛んでいくものが多いので障害物を超えやすい。
また、ボムは発射前にボタンを押しっぱなしにすることによって着弾位置を定める事が可能。
ただし、自分が撃ったボムの爆風にもしっかり当たり判定があるため、至近距離で撃ったり足元に撃つと自爆ダメージが入り危険。

ガンと同じく、地上と空中のどちらかで撃つかによって軌道や性質が変わるものがある。
例外は多少あるが、基本的には地上撃ちのほうが各種スペックは高く、空中撃ちは威力、弾速、爆風のサイズなどで一回り劣る性能になる。
中にはリロードの早さ*8やデフォルトの照準位置が変化*9するものも。
一見、軌道や性質の変化が少ないボムであっても、細かい違いを見比べてみると別種の攻撃扱いになっている。

基本的にボムは「ガンを当てるために相手の逃げ道を塞ぐ」という用途で使われることが多いが、低火力のガンを用いるカスタマイズにおいてはボムがダメージソースになる場合がある。
例えば初期装備の「スタンダードボム」は、クセのない弾道・爆風であり威力も高いため、メイン火力として終盤まで使っていける優秀なパーツになっている。


+ ポッド
■ポッド
サブウェポンその2。背中に装備する。
簡単に言うと近接信管付きのミサイルの類。

ボムと同様、爆風でダメージを与えるタイプの武装だが、相手に向かって決まった弾道で飛んでいくボムと違い、ポッドの弾は「敵を自動で追尾する」あるいは「発射地点付近に留まり、近づいた敵を襲う」といったものが多く、“相手の行動の阻害”に長けている。
ガンやボムと比べ、攻撃力はあまり高くないものの、発射時にほとんど隙が生じないのも長所。*10
ポッドにもボム同様に爆風の種類による違いが存在する。

主に相手の動きを牽制する目的で使用し、ガンやボムを当てていける状況を作り出すのがポッドの役割。
隙らしい隙を全く見せず攻撃できるので、弾が発射可能なら出し惜しみせず積極的に使っていきたい。

『初代(無印)』のみ初心者用に用意されたポッドが3種類存在した*11が、「ハッキリ言って弱くてあまり使えなかった(原文ママ)」ため、『V2』では3つともなくなった。*12

ポッドは基本的に発射時にスティックを倒している方向に弾を射出するが、『V2』以降はスティックを倒さずに発射すると相手方向に弾が飛ぶ、「ニュートラル撃ち」と呼ばれるテクニックが登場した。*13

大半のポッドは、空中で発射すると少しだけ射程が伸びるという小技がある。
また、地上と空中で軌道が変化するものも存在する。その一方ボムと違ってスペック(威力、弾速、サイズ)の変化はない。

ポッドを配置して相手を妨害→ボムで逃げ道を塞ぐ→逃げ場のない相手にガンでトドメ、というのがシナリオモード内でも度々言われるバトルの基本戦術。
ただしこれはあくまでも基本戦術に過ぎず、カスタマイズ次第で役割が入れ替わるという事は珍しい事ではない。


+ レッグ
■レッグ
脚部に装備し、機動力を強化するパーツ。
地上での加速性能や移動速度、ジャンプの高さや速さ等を調整する役割がある。
ボディとの相性が重要で、戦闘スタイルとも大きく関わる。

とはいえ、ロボのタイプ毎に合う・合わないレッグはある程度絞られてくる。
『V2』ではレッグごとの解説文にはおすすめタイプが示されているため、慣れないうちはそれを参考にして選ぶといい。
レッグとロボの相性についてはロボの記事内でも軽く触れているのでそちらも参照されたし。

また、レッグ選択の悩ましい部分でもあるのだが、装備すれば無条件にメリットを享受できるという例はあまりなく、一長一短で移動性能の変化に伴うデメリットが存在する場合が多い。
(例1:地上での移動速度の強化 ⇔ 加速性能・旋回性能・ブレーキ能力の低下)
(例2:ジャンプ力や空中ダッシュ距離の強化 ⇔ 着地後の硬直時間の増加)

中には複数の性能が変化するレッグも少なくなく、ゲーム中の解説文には(スペースの都合のためか)書かれていない性質を持つものも。
レッグの違いが操作感や実戦にどう影響するかは、パーツ説明と「試し撃ち」で確認するだけではわかりづらい部分もあり、使い込むうちに特定のレッグでないと難しい動きがあったり、逆にレッグのせいで回避しづらくなったりといった、実感を伴った具体的な長短として見えてくるようになる。
何はともあれカスタマイズの基本に立ち返って、どのロボにどのレッグが合うのかをあれこれ試行錯誤することが肝要。

他のパーツに比べて圧倒的に種類が少ないため、パーツの使用が一試合一回限りのパーツとりあげバトルのルールでは例外として没収されないパーツ。

なお、初期装備のスタンダードレッグは強化される能力が一切ないため、攻略や対戦ではハンデにしかならないが、機体の素の運動性能を調べる際に使える。
また、各種レッグパーツの性質や性能差を知る上での基準にもなる。
ただし作品によっては仮にも"スタンダード"と言っておきながら、低下する能力が設定されていることも。

余談だが、空中ダッシュや多段ジャンプのバーニア(噴射)のエフェクトの色はレッグの種類で決まる。
『BR』では色調だけでなく見た目の変化も大きい。
常時空中戦の『GX』には登場しない。

↓『GX』のみ登場するパーツ

+ ガンナー
■ガンナー
カスタムロボGXにのみ登場。
ポッドとの選択式で、どちらかを装備することになる。

小さな機体が発射され、一定時間援護射撃を自動で行い、一定時間経つかダウンした際に自分の元に戻ってくる。
その場に置く設置型、相手を追いかける追尾型、自機の周りについてくる衛星型の3種類が存在する。
しばらく自動で攻撃してくれるのでポッドに比べて操作がお手軽な分、攻撃力はポッドより低めに設定されている。

ポッドの扱いに慣れてるプレイヤーからは初見だとつい「これ使えるのか?」と思ってしまう装備だが、実際に使ってみると意外と起動時間が長めなのと、ポッドほど手元が忙しくならず比較的管理が楽なのもあり、なんだかんだ便利でそれなりに優秀な装備。

ただし、使えるものとそうでないものの格差が激しく、とりあえず使っとけば機能する追尾型・衛星型と比べて、設置型は扱うのに結構頭を使う上、若干役割が一部ポッドと被りがち。
あと違法ガンナーは全体的にものすごい地味。どこぞの脱法パーツフェイントガンナーが強すぎるとか言っちゃダメ。

+ アクションチップ
■アクションチップ
カスタムロボGXにのみ登場。
攻撃型、防御型の2種類があり、ロボにアタックができるようにしたり、バリアを張れるようにしたりする。GXではこれがないとアタックが使えない。
攻撃型は従来のアタックに相当。防御型のバリアには攻撃判定が存在せず完全に自分の防御用。攻撃型チップは壁抜けやタックル方向の変化などやたらバリエーションが多いが、防御型チップは合法のものは2種類しかない。

またレッグ以上の種類の少なさから、こちらもパーツとりあげルールで取り上げられることのないパーツとなっている。

このパーツの影響で本作のロボにはアタックによる性能差がなく、どのロボも自由に攻撃型か防御型の選択を取れる。

爆風の種類(ボム・ポッド)

ボムやポッドは、パーツ名の末尾につく英字一字によって爆風のタイプが示されている。
例えば「ストレートボムG」と「ストレートボムS」では、弾の軌道は同じでも爆風の大きさや当たった時の威力、吹き飛ばす方向などが異なっている。

大まかに、
  • 縦方向に飛ばすもの(G型、P型、C型)
  • 横方向に飛ばすもの(F型、H型、B型)
  • 上記以外
に分類でき、立ち回りやコンボの組み立てを考える際に重要になってくる。

数多あるカスタマイズに例外はつきものではあるが、一つのセオリーとしては『爆風のふっとび方向を縦か横かで統一しておく』という手法がある。

なお、これらに該当しない固有の爆風を持つボム・ポッド*14も存在し、それらはパーツ名の末尾に英字がつかない。
その一方で、英字なしのパーツでも、以下のいずれかの爆風と同じ性質を持つもの*15も希に存在する。

そのほか、違法ボム・ポッドの中には必ずしも「~型」の表示通りの性能とは限らず、実際にはこれらの分類に該当しない例外的な爆風を持つパーツがいくつかある。




違法パーツ

詳細はこちら → 違法パーツ(カスタムロボ)

通常のパーツとは一線を画した強さを誇るパーツ。
作中世界でカスタムロボの競技規定から外れる特殊な改造が施されている。
当然、作中世界観ではレギュレーション違反のため使用禁止であり、一般にも流通していない。
カスタムロボを利用する犯罪組織が主に用いる。

『初代(無印)』ではボディ(ロボ)の違法パーツは存在しなかったが、『V2』より違法ロボが定番化され、カスタムロボの常識を覆す巨大ロボも出るようになった。

違法パーツの多くは、通常パーツをベースに性能を強化したもの。
ボディは全能力、ガンやボムは発射弾数や威力、ポッドはホーミング性能が重点的に強化される傾向がある。
レッグに関してはデメリットが消える。かと思いきや、実は初代と『V2』の大半は合法レッグを足して2で割っただけ。

所謂公式チートの様な存在で、対戦モードでは使用可能かどうかを設定できる。
『V2』以降は入手すればシナリオでも使用可能だが、スコアアタックなどで使用すると減点などのペナルティを受ける。


【シリーズの歴史】

カスタムロボ(N64、1999年)

全ては此処から始まった。シリーズモノの例にそって『初代』や『無印』と呼ばれる場合が多い。

記念すべきカスタムロボシリーズの処女作…であるが、後発の作品と比べるとややボリューム不足な感が否めない。
パーツの総数は『V2』の半分よりも少し多い程度。
とはいえ、操作感やカメラアングルなどゲームの心臓部ともいえる部分は本作で既に確立されており、以降のシリーズ作品でもほとんど変更がない。

また、本作のみシナリオモードでボディパーツは変更できないため、最初にもらう「レイ」をクリアまで使い倒すことになる。
シナリオモードとは別に、フリーバトル、VSバトル、アーケードモードがあり、そちらではロボも含めて自由にカスタマイズ可能。

アーケードモードでは、「初級」~「伝説級」まで10バトルずつ計5段階50バトルが組まれており、『V2』以降の激闘編のようにスコアも集計*18される。
相手は基本的に本編で対戦したカスタマイズと同じものだが、「伝説級」ではキャラやロボにちなんだ独自の構成が組まれている。

バーチャルコンソールではV2のみ配信され、こちらは配信されなかった。後述されているようにV2が続編として完璧に近かったことの証左でもあるが。
後にswitchオンラインの追加パックでV2と一緒にプレイ可能になった。初代から通してストーリーをプレイしたかった人もこれで安心。
ちなみに唯一のシリーズ皆勤キャラフカシ様は本作では5つの大会の内4つで初戦で戦う。


カスタムロボV2(N64、2000年)

初代から大幅なボリュームアップを果たした、ある意味決定版。
本作をシリーズ最高傑作と推す声も根強い。

ストーリーは前作の1年後が舞台。*19
シナリオモードは「旅立ち編」「激闘編」の2本仕立てになっており、これは続編にも引き継がれた。

「旅立ち編」は無印のシナリオを踏襲しており、主人公がカスタムロボと出会う場面に始まり、さまざまなライバルとの戦いを通じてコマンダーとして成長していく過程を描く。
前作キャラも何人か登場するが、ストーリーの本筋はあくまで本作からの新キャラが中心となるため、前作未プレイでも楽しめるつくりになっている。
「激闘編」は旅立ち編の後日談的なシナリオが楽しめる他、前作のキャラもここから本格参戦するため、お祭り騒ぎ的な内容になっている。
また、こちらはスコアアタックの要素があり、さらに「パーツとりあげバトル」「パーツレンタルバトル」といった特殊ルールでの戦いを強いられる。

本作では旅立ち編クリア後に「現在のパーツを持った状態で旅立ち編を最初から遊ぶ」という選択肢が表示される。
いわゆる『強くてニューゲーム』的な機能であり、激闘編もプレイしていればそちらで集めたパーツも旅立ち編で使用できる。
違法パーツフル装備で無双したり、ネタパーツで縛りプレイに挑戦したりと遊びの幅が広がった。

本作ではパーツ数も大幅に増加しており、また前作のパーツも一部はバランス調整がされている。
さらに、2on2と呼ばれる交代制タッグバトルが実装された。

入手パーツの実に7割が激闘編に振り分けられているので、激闘編をクリアしないとパーツ数はとにかく寂しいことになる。
とはいえ、旅立ち編の時点で各タイプのロボが1体ずつ揃うよう配慮されている上、中には対戦でも十分通用する優秀なパーツもあるため、パーツが少ないせいで攻略に支障が出るということはない。ロボはレイⅡとホークマンがジャンパースタイル、他はノーマルスタイルとなっている。

激闘編の中盤あたりからCPUの強さがかなりのものになるので、相手のパーツの特性を考え、尚且つボム・ポッドを絡めてガンを打つ、といったことをできるようになっていなければかなりキツイ。そのうえパーツ取り上げバトルも多いので色々なパーツを扱えることが要求される。詰まってくれば練習がてら旅立ち編でのアドバイスを見返すとよい。

新型ロボとして、ストライクバニッシャー型・バーニングビースト型が初登場し、2機種とも空中ダッシュ中に相手のガンに当たらない「ステルスダッシュ」という新機能を備えていた。
既存のロボにもパワースタイル/ジャンパースタイルの新型ロボが追加されており、ロボの総数は歴代最多。
また、違法ロボが登場したのも本作から。激闘編で違法パーツを入手できればシナリオ攻略に使うことも可能になった。*20
さらに、ヒヨコロボという「意図的に性能が低く設定されたロボ」も登場。熟練者と初心者が戦う際のハンデや、旅立ち編(2周目以降)の縛りプレイとして使える。

また、今作からシナリオ終盤に“絶対にダウンしない巨大ロボ”が登場し、その強さに多くのプレイヤーが初見で涙をのんだ。アタックですらダウンせず少し後退するのみ。撃破時には一応ダウンするが
ついでに、この機体はゲーム内で唯一入手不可能なため、さらに涙をのんだ。*21
巨大ロボ戦の後にラスボスが控えているが、インパクトでラスボスを完全に食ってしまっている。

これからカスタムロボに触れてみたいという新規コマンダーにもおすすめの一作。
現在は初代・V2の2作品がNintendo Switch Onlineの追加パックでプレイ可能なので、この方法が手軽。
単純なベタ移植ではあるのだが、Nintendo Switch Onlineの機能でフレンドとのネット対戦が可能となっている。



カスタムロボGX(GBA、2002年)

シリーズ初の携帯機作品。
従来作とは違い、無重力空間で360°自由に動き回って戦う2Dバトルのため、ゲーム性はだいぶ異なる。
やや黒歴史、というかパラレルワールド扱いとなった。
無印とV2のキャラが成長した姿で何人か登場する。

ゲーム性は変わったが、カスタマイズを考える面白さそのものは変わっていないし、ポッドとボムで追い込んでガンを叩き込むという動きは2Dながら結構再現されている。

本作では「ガンナー」「チップ」という独自のパーツが登場。
ガンナーはポッドと選択制。なおレッグは廃止されている。
なお、本作のパーツは相手を倒しても入手できず、大会に出場してお金を稼いでそれで購入するのが基本。一部は人がくれるが。

本作は空中撃ちが出来ないものの、それを擬似的に再現する形で通常撃ちを「αショット」、別ボタンとの同時押しで「βショット」と撃ち分けることができる。
βショットは弾が壁を抜けることが多いが、スライドショットにならずに足が止まるという性質が多い。
人によっては従来作よりハマるシステム。

本作には各タイプ4種類のロボが登場する。
新型ロボとして、ミスティミラージュ型・ライトニングスカイヤー型が登場。
特に後者は初の可変機として人気を集めたのか、後発の作品にも輸入される。

今回の巨大ロボ戦では主人公も軍事用(違法)ロボで戦う。
この軍事用ロボ、ガンよりボムのほうが明らかに強いのは内緒。
旅立ち編のラスボスは初代を踏襲してかチャンピオンと戦う。
まさかの三本勝負。(要するに2回倒す必要がある。その関係でシリーズでも珍しい1戦のみだが敗北してもコンティニュー無しで話が進むという展開がある)

V2のヒヨコシリーズと同じネタ枠として、本作にはガラクタシリーズがある。
ちなみにこのガラクタシリーズ、ロボは激闘編のミッションをクリアすれば入手できるのだが、ガン・ボム・ポッドは本作の激闘編の表の大会で最も難易度が高い大会をクリアした優勝賞品でしか入手できないので、入手には結構苦労する。

シリーズ中でも特に知名度が低く、RTAでは走者に困るほどのマイナーソフト。

カスタムロボ バトルレボリューション(GC、2004年)

今までのデフォルメされたおもちゃチックなロボから、近未来的でメカニカルなロボにグラフィックが大幅変更された。そのせいかロボ数が少ない。
今作ではロボ選択時にカラーリングを選択できる。(オリジナル、レッド、ブルー、グリーン、イエローの5種類。)
レッド~イエローまでの色は、後述する多人数プレイでの1P~4Pのロボのデフォルトカラーとしても使われる。(HPゲージやマーカーの色は固定。)
各パーツのデザインも既存の雰囲気を残しつつ、ロボ同様変更されている。V2では腕に装着している風だったガン・ボムが、装着しつつ手でトリガーを握るようになった。レッグは特に変更され、靴のようなものからロボ毎に足まで描画され、くるぶし付近に装着する補助パーツのようなものになっている。
世界観も大きく変更されており、前作までのキャラクターは基本的に登場しない。(一部例外あり。後述)
キャラクターも3Dモデルになった上、全体的に登場人物の年齢層も上がっており、少年少女ではなく青年や大人が話の中心となっている。

国内向けだった64シリーズや『GX』とは異なり、本作は海外でも発売されており、海外版のタイトルは『CUSTOM ROBO』と(海外での一作目ゆえに)この作品が無印扱いとなっている。
キャラやロボのデザイン変更も、当時の開発チームがシリーズの海外展開および子供向けのイメージからの脱却といったことを意識していたことが少なからず影響している。

各ロボに設定されたスタイルがV2の5種から3種に減少した上、一部のロボはタイプごと削除・統合されるなど、ロボの総数はV2より減っているものの、その他のパーツ*22は基本的に増えている。
違法パーツは総入れ替えに。キャラクター名を冠したものがなくなった。
新ホロセウムもいくつか追加されていて、さらに既存のホロセウムであってもステージ名が変更されていたり、外観が大きく変更されていたりする。
「パニックキューブ」など、中には同じステージとは思えないほどガラリと雰囲気が変わっているものも。

外観こそ大きく変わったが、ゲーム性や操作感覚等は64時代のものを踏襲(概ね『V2』準拠)している。
ポッドを流しボムで追い込み、ガンを撃ち込んだりアタックを仕掛けたりといった、根っこの部分は何ら変わっていない。
「クリクリバシバシシャカシャカバーンバーン、ドカンドカンバシュバシュのピョンピョンガイーンだ!」

ハードの性能向上に伴い、ついに4人同時対戦が実装された。(※64では画面内に2体までしかロボを出せなかった。)
対戦モードも「2on2」*23「バトルロイヤル」が新たに追加。
また、シナリオ中でもNPCと組んで2vs2や1vs3のバトルを行うようになっている。

3人以上の対戦では、ロボの頭上に現在ロックオンターゲットを示す矢印が表示されており、ボタン操作でターゲットを変更*24できる。
つまり、誰が誰を狙っているかは(画面を見ている観戦者も含め)全員が把握できる仕様。
味方を狙う相手を攻撃して援護したり、自分だけが狙われている状況では回避に専念するなど、同時対戦ならではの駆け引きもある。
ターゲット変更以外の基本操作はこれまで通りだが、ガンがあちこちで飛び交い、そこかしこで爆風が起きるため相当なハチャメチャ感があり、慣れるまでは自機や相手を見失いかねないほど。
なお、味方のガンの弾やアタックには当たらない仕様になっているが、ボム・ポッドの爆風には当たる。

また、初代以来のアーケードモードが復活している。全8戦。
相手のカスタマイズはシナリオ中盤~終盤のCPUに準拠。後半のラウンドでは違法パーツも出てくる。
難易度は「ノーマル」「ハード」の2段階だけだが、「シングル戦」「タッグ戦」「2on2」「バトルロイヤル」全てのルールについてバトルセットが用意されている。
一試合に勝利するごとに使用したパーツが「パーツ図鑑」に追加・登録される。
また、最終戦で使用したパーツのカスタマイズの一枚絵(CG)が見られる。地味に左右のバーは負け回数によって短くなる。
対戦モードでプレイヤー1人でCPUと対戦することもできるが、その場合CPUのカスタマイズはあらかじめ複数決められており、難易度の幅やバリエーションはそれなりにあるもののカスタマイズを自由に選ぶことができない誰得仕様
ちなみに、64版にあったフリーバトルは廃止されている。多少AIに難はあったものの、CPUのカスタマイズと距離・強さのおおまかな指定*25ができ、相手が動く実戦的な試し撃ちができたことを考えると、いささか残念ではある。

シナリオモードは『V2』を踏襲しており、チュートリアルを兼ねた「旅立ち編」、スコアアタックの「激闘編」の二本立て。
しかしメインシナリオは「旅立ち編」のみで一応完結しており、V2と比べて「激闘編」のストーリー色は薄め。

「激闘編」のルールは「ノンリミットバトル」と「パーツとりあげバトル」の2種のみで、「パーツレンタルバトル」は不評だったのか廃止された。
その一方、「タッグ戦」「2on2」「バトルロイヤル」「ハンディマッチ」(1vs2のハンデ戦)など、「激闘編」内で従来の「シングル戦」以外のルールで戦う建物が新たに登場している。
スコアシステムは概ね『V2』同様だが、撃破数に10000点のボーナスがつくようになり、タイムアップ狙いでは高得点が出にくくなった。(KO勝ちを評価するための仕様。)
その一方、相手が複数いる「2on2」「ハンディマッチ」「バトルロイヤル」では、単にKO勝ちするだけで20000点以上の加点がもらえることも。
『V2』と比べるとCPUが弱いことや、2対1のハンディいじめバトルがあり、「パーツとりあげバトル」の数も多くないこともあって難易度は低い。

パーツは「激闘編」の全クリアと同時に揃うわけではなく、いくつかの隠し要素が存在する。

少年を主人公としたホビー漫画的な王道ストーリーが多いシリーズ作品の中で、本作はバウンティハンターの青年を主人公とした異端ともいえるストーリーが特徴。
主人公が唯一喋る作品(ボイスはない)で、個性的なキャラ付けがされており、よく喋る。
一方、ギャグやネタにも相当な力が入れられている。ついつい3番目の選択肢を選びたくなる。
シナリオ中、NPCの提案を聞き入れずに好き勝手に振る舞っていると、最終決戦直前に急遽必要になったアイテムを取りに行かされたり、場合によってはGAME OVERになって世界が滅亡することも。

説明書には「地球とは少し異なる世界」となっているが、ストーリーを進めるとその真意にたどり着く。


本作のラスボスはシリーズ屈指の強敵として知られている。
1vs3のハンデマッチ(ラスボス1体に対し、こちらはNPC2名と協力して戦う)であるにもかかわらず、それでもなおこちらを蹂躙してくるラスボスの強さにトラウマを植え付けられたコマンダーも多数。

このラスボス機は激闘編を進めるだけでなく、ある条件(?)を満たすことで使用可能になる。
絶対にダウンしない*28ロボがプレイヤーでも使用できるのは本作が初。
ついでにラスボス機以外の違法パーツの高性能っぷりもシリーズ随一。
低スペックのネタ枠ロボとしては、ドラム缶シリーズが登場している。

激闘編のあるステージでは懐かしのキャラ達と戦える。
登場するのはコマンダー三兄弟の長兄、レイフォールバカ、そしてグレートコマンダー……の枠を乗っ取ったお馴染みの愛すべきバカである。
またGXと連動することであちらの入手が困難な要素を解放することが出来る。

シナリオクリア後にはプレイヤー視点が開放され、オプションからONにしておけばバトル中にCスティック上入力でロボの視点でバトルすることができる。相手のボムのカーソルや横からのポッドが見えないなど死角だらけになり、当然難易度がとても上がる。シナリオ中のキャラクターはこの視点で動かしているのでなりきりプレイをしてみるのも面白い。



激闘!カスタムロボ(DS、2006年)

ゴシゴシ……何この面倒な作業……。

携帯機では2作目となる作品。
基本は『V2』のシステムを踏襲している。
ロボバトルに全振りした作りになっており、フィールドマップは驚きのクオリティ。
メインキャラクター陣には立ち絵が用意されている。

DSという携帯機ではあるが、『GX』と違いバトルは64時代の操作性を意識しているため、その点はそこそこ評価される。
一方、キャラデザインの古臭さや、過去作ロボのデザインの妙な変更点*29が酷評されがち。
登場する過去作ロボも、人気の関係かV2に登場したロボの再登場やレイシリーズがやたら多い。
ロボは基本的には各タイプ3種類のスタイルに特殊スタイル、そして違法ロボが存在。

DSのタッチパネルを活かした遊びとしてジオラマ遊びができ、動かし方にコツがいるが、登場するロボをプラモの如く自由にグリグリ動かして好きなようにポージングできる。
背景の種類も豊富で組み合わせも自由自在と、プラモ好きなプレイヤーなら結構ハマる*30
かつて行われていたWi-Fi対戦では、対戦開始前に互いのジオラマの見せ合いが行われ、非常に凝ったジオラマに見惚れたり、逆に完全にネタとしか思えないものに思わず笑わされたりと、対戦とはまた違ったひとつの楽しみだった。

ジオラマと同じく、タッチパネルを活用する新要素として『ロボの清掃作業』もあるが、こちらはかなり不評だった。
本作のロボは戦ってくうちに汚れていき、磨かないと性能がダウンするというあんまりな仕様がある。
しかも清掃が面倒だからと放っておくと、汚れが悪化してどんどん性能が落ちていく誰得仕様。もちろん対戦相手はある一戦を除いて全て清掃済み。
わりと頻繁に汚れるので磨き効率を上げる使い捨ての高級クロスはほぼ必需品。
使い過ぎて「汚れたクロス」が溜まりまくるのも、きっと誰もが通る道。
意味もなく女性型ロボを磨きまくってた人は怒らないから手を上げろ

バトルでは「ソウルブースト」という、これまた下画面のタッチ画面を利用したシステムが取り入れられている。
シナリオ序盤から中盤を巡る本作の目玉要素であり、紆余曲折あって伝授してもらった後、下画面のゲージがマックスの状態でのみ使用可能。
使用することで一定時間自機の全ての性能を大幅に上げられるが、ゲージ消費後には一時的に性能が大幅ダウンする。
ロボットアニメでしばしば見かけるパワーアップ要素を取り入れたものとなっている。
ただ、ゲージの管理が思いのほか大変なのと、性能が上がるメリット以上に終了時に下がるデメリットがきついため、あまり使わなくても問題ない。
性能の上がり幅は非常に大きく、メタルグラップラー型や高火力の近距離ガン等を併用したときの瞬間火力は上手くハマると恐ろしいことになる。

下のタッチパネルにはガン・ボムのリロードゲージとポッドの使用弾数、余計な移動速度がhm/sで表示される。

ちなみにV2ではシャイニングファイター型の上位互換的な高性能機だったストライクバニッシャー型だが、本作では空中ダッシュ回数が減少*31するなど徹底した弱体化を食らっており、評価が逆転している。

本作は時系列がGXと矛盾する箇所があるため、GXはパラレルワールドとなった。
ただし、こちらはGX程過去作のキャラは登場せず、カトレアとフカシ様が登場するのと、一部のキャラが話題に出るぐらいである。
フカシ様はロボが汚れているというズボラ特別仕様。そしてやっぱり動物を連れている。



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最終更新:2024年01月05日 23:15

*1 バトル自体は1vs1の形式だが、バトル中にいつでもパートナーのロボと交代できる特殊ルール

*2 通常時より受けるダメージは減る

*3 ワイルドソルジャー、セクシースタンナー、ファニーオールドマン、リトルレイダー、バーニングビースト

*4 序盤は対戦相手のAIが消極的なので、アタックのためにとにかく間合いを詰めるのがRTAでの鉄則。

*5 パワースタイルのロボはステータスがやや低い代わりに、特に連射系の武器を使う際に武器の攻撃力補正を大きく得られる

*6 作品によって区分が変わるものもある。例えば「バブルガン」は64シリーズでは遠距離用だが、BRでは近~中距離用(と解説には書かれている)といった具合。おそらくバランス調整に伴う変更と思われる。

*7 例:地上撃ちでは弾が縦方向に分裂し、空中撃ちでは横方向に分裂する『マルチプルガン』など

*8 アイドリングボム他

*9 トマホークボム他

*10 正確には、ポッド発射中はロボが慣性移動を続ける形で移動速度が落ちないだけで、硬直は若干ある。極短距離のスライドショットのような挙動。

*11 スタンダードポッド、スピードポッド、フェイントポッドの3種に初心者マーク付きのポッドが別途存在していた。なおフェイントポッドの爆風はG型。

*12 この件についてはV2公式サイトの質問相談室で語られているのだが、それらと一緒に、初代には存在したダイビングポッドHも細かい武器の調整の結果、廃止された経緯が語られている。

*13 ニュートラル撃ちがない『初代(無印)』では、常に手動での方向指定が必要で、適当に撃っても相手方向に飛んでいきやすいシーカーポッドやダイビングポッド、あるいは方向指定が不要な設置型ポッドが、他のポッドよりも相対的に扱いやすいパーツになっている。

*14 「ジオトラップボム」「ジャイアントボム」「ウォールポッド」など。

*15 例えば「デルタボム」は英字なしだが爆風の性質はF型。「アンブレラポッド」はB型。……など。

*16 ちなみにゆっくり飛ぶようになったのは『V2』からで、初代ではF型のヒット硬直と大差なく追撃の猶予は短い。

*17 個々の爆風の持続は短いが、爆風が連続で発生するため攻撃判定が出ている時間は長い。

*18 試合終了時の残りエネルギーと残りタイムをもとに算出される点は同じだが、配点はタイムのほうが高い。

*19 余談だが今作は現実時間で初代から1年も経たずに販売されている。

*20 前作ではシナリオをクリアすれば違法パーツが解禁されたが、対戦モードでしか使えなかった

*21 ちなみに公式ページでは違法中の違法、という理由と解説されているが、チートを使って他のパーツ一つを上書きすれば使用自体は可能になる。ただ巨大ロボ故にバトルが重くなるので実際はこちらが理由である可能性が高い

*22 主に合法のガン、ボム、ポッド、レッグ。ボム・ポッドは爆風の種類が増えているものもある。

*23 交代制である『V2』の「2on2」は本作では「タッグ戦」に呼称が変更された。

*24 ガンを発射している間は不可能。

*25 距離は近・中・遠距離と移動オフ、強さは弱い・普通・強いと攻撃オフから選べた。

*26 その中でも情報統制がなされており、アールの習性やカスタムロボの兵器転用、記憶消去の件などはさらに限られた者しか知らされていない

*27 ガンボムポッドの攻撃力50%増加・ガン発射後硬直10%減少・受けるダメージ60%増加

*28 正確にはがまん値が非常に高く、耐性を超えるダメージを受けても一瞬で復帰する

*29 大半のロボに謎のバイザーやマスクが追加されている他、ルナやジャベリン等、大幅に見た目の印象が変わったロボも多数見られる。

*30 そもそもカスタムロボ自体初代ではプラモのロボを自在に動かせる、という売り文句があったので、ジオラマ遊びはその要素の発展系にも見える。更なる余談だが初代の頃は現実にカスタムロボのプラモデルも発売されていた。

*31 2回しか使えず、違法ロボすら従来の通常型の3回しかできない。BR時点でもだいぶ弱体化したとはいえ、通常型でも3回は行えた