フェストゥム(蒼穹のファフナー)

登録日:2013/07/06 Sun 17:37:10
更新日:2024/03/18 Mon 16:15:25
所要時間:約 47 分で読めます






あなたはそこにいますか?




この項目には『蒼穹のファフナーシリーズ』のネタバレを含みます



蒼穹のファフナーシリーズ』に登場する生物であり、物語の要となる存在。


【目次】




【概要】


宇宙から地球に襲来した地球外知的生命体。
体を構成する成分の大半がケイ素=シリコンである事から、「シリコン型生命体」とも称される。
外見は一部を除いて黄金であり、空に輝くその姿は神々しいまである。なので初戦闘時に誰かが「綺麗」と感嘆するのはシリーズ恒例行事。

本編開始の30年以上前に地球に突如姿を現し全人類に対し無差別攻撃を開始。
以後半世紀近くに渡り人類と戦い続けており、「蒼穹のファフナー」の人類史はまさにフェストゥムとの戦争の歴史になっている。

そんなフェストゥムだが当初は生命体を殲滅するために地球に現れたというわけではなく、彼らは最終的に「宇宙を全て同化して無に帰す事で、より高い次元へ移行させること」を目的としていた。
膨大な時間の果てに宇宙は熱的死を迎えるとされており、その解決策の1つと考えられるのが「宇宙を別の次元へと移行させること」であり彼らはそれを成そうとしているのである。
「フェストゥム」はラテン語で「祝祭」を意味しており、これは彼らにとって人類にやっていることは、少なくとも北極ミール破壊までは敵意や悪意によるものではなく、同化によって更に高次元へと移行させる行為であったため。
この目的についてはどうやら作中人類も比較的早い段階で分かっていたようだが、人類にとって同化して無に帰すつまり「いなくなる」事は個体及び種族の存亡に関わる大変ありがた迷惑な事であり、殆どの人類は彼らとの徹底抗戦の道を選ぶことになった。
一方でフェストゥムの在り方を理解し、個の消失を招かない形での彼らとの共存・共生を模索しようとする人類もわずかながら存在している。

フェストゥムの最大の特徴は「読心」つまりヒトの心を読む能力にある。
詳しくは後述するが、これによって人類のあらゆる攻撃を無力化することができる。
おまけにレーダーも効かないので、読心防御と有視界戦闘用の兵器として人類はファフナーを建造することになった。
体内に有する「コア」(「ペルソナ」とも)と呼ばれる中核部分を破壊する事で倒す事が出来るが、これを破壊しない限り時間が経てば再生してしまうという設定がある。*1

地球外生命体なので人類の言葉は当初は「あなたはそこにいますか?」としか発しなかった。
これは、人類の外宇宙探査機に積まれていた人類存在のメッセージである「あなたはそこにいますか?」を読み取ったから。(同時にこのメッセージを読み取ったことでフェストゥムが地球に来訪することになった)
この問いかけは肯定すると「そこにいるなら同化するわ」という事で同化を図り、否定した場合は「いないなら無に帰りましょうねー」といった具合に攻撃を仕掛けてくるのでどっちにしろ攻撃される。
言うなれば「同化するか殺していい?」という問いに「Yes」か「はい」で答えるようなもの。
対処手段としては「答えない」つまりガン無視してファフナーで攻撃する(ファフナー以外では心を読まれるので答えなくてもやられる)事。
因みにカノンの「前はいたが今はいない」という返答は否定にあたるので攻撃される。
また、『EXODUS』2話で真矢が行ったように、敢えて問い掛けに答えることで答えた対象に注意を引かれてしまうという欠点もあることが発覚している他、あえて答えて自らを奮い立たせて攻撃するパイロットもいる。
なお、フェストゥムの「あなたはそこにいますか?」という問いかけはシリーズを通し、遠見弓子役の声優であるゆかな女史が声を担当している。

HEVEN AND EARTH』(以下HAE)においては、無印で北極海ミールがヘブンズドア(蒼穹作戦)で消滅した後、
いくつかの群れに別れて独自のコロニーを形成しており、消滅後に生まれたミールによって統制され、目的も異なる。
『EXODUS』では直接殺すよりも更に効率的な人類の殺し方を学習、補給基地を狙う等の進化を見せた。
「あなたはそこにいますか?」についても、これを聞けばヒトはビビるということを学習した結果、ホラーめいた言い回しをしてより人類を恐怖させてから攻撃するようになった。

上でも少し触れたが、フェストゥムは学習能力も非常に高い。
このため人類がファフナーを始めとする強大な戦闘能力を持つ対抗手段を手に入れると、それを学習してフェストゥムもパワーアップするという極めて厄介な性質を持っている。
末端の個体であれば竜宮島のものより総合性能で劣る人類軍のファフナーでも余裕で倒せたりするが、学習を重ねた上級の個体だと島のファフナー部隊ですら苦戦を強いられるほど。
また人類が個で成り立つ生命であること(つまり「命」の概念)を理解する個体が現れたり、「情報」という概念を理解したり、戦術、戦略といった概念をも学習していくようになり、
『EXODUS』の頃になると統制されるミールにもよるが組織的な攻撃を仕掛けてくるようになった。
一方で、「痛み」という概念を理解したことで「生と死」を恐れる群れも出現するようになったり、「悲しみ」や「喜び」といった感情、「空が綺麗」といった人と変わらないメンタリティを獲得した個体(或いは群れ)もいる。
『THE BEYOND』では作中の登場人物達が(ファフナーやミールを通じて)能力や思考の面においてフェストゥムにより近づいていくのに対し、フェストゥムがより人間的になっていくという対比になっている。


攻撃手段は主に同化、ワームスフィア現象。



【基本能力】


同化

同化は対象と文字通り同一化することで、対象の能力・情報を吸収する事ができる。
同化されたら基本的に同化現象の進行で"いなくなる"が、甲洋のように中枢神経などを中途半端に同化された場合、「半同化」状態となり、脳死に近い状態に陥る。
竜宮島回覧板によると、フェストゥムの中には同化しすぎると「飽和」を起こして崩壊する個体がいるのだとか。
「飽和」を起こして崩壊した個体の質量は崩壊する前より大幅に減っており、
物質に内在している目に見えないものを4次元方向に放出しているという推察が劇中でされているようで、
存在永遠に向かって放出しており、同化が目的の全てではなく何かしらのプロセスに過ぎないのでは?」とされているらしい。

作中では日本がこの研究をしていたが故に新国連から危険視されていたそうだが、人類軍の核攻撃で日本がほぼ消滅した際、
その研究成果等もロストしているので真偽は定かではない。なんということをしてくれやがったのでしょう
小説版によると同化される感覚は、痛みが消えて心が穏やかになるらしく、一騎曰く「傷つける行為を根本的に馬鹿にしている」。その一騎はアニメ版では同化に際して別の境地に至ることになるのだが……
また、『EXODUS』の描写を見るに読心で心に入りそこから同化で消し去ることが可能な様子。

ちなみに海中では同化能力が半減するという意外な弱点がある。
これは海中の有機物を片っ端から同化してしまうためのようで、当初は海中で動けるフェストゥム自体が限定的であった。
その後動ける個体も増えてはいるのだが、同化能力の半減については解消できていないようで『EXODUS』で竜宮島を襲ったリヴァイアサン型の超大型個体はヴェル・シールドを中々突破することができなかった。
メタ的にいうと竜宮島は「移動する島」なのだから、海中から攻めればいいのでは?となってしまい水中戦だらけになってしまう事が懸念される。
『THE BEYOND』ではマレスペロの領域によって海中でも弱体化しないフェストゥムが出現しており、シリーズでも珍しく水中戦が行われている。

読心

読んで字のごとく、人間の心を読む能力。
これによって人類の攻撃は基本的には命中せず、人類の戦術は読まれてしまうので組織だった抵抗が通じない。
対策としては核兵器のような超広域兵器で有無を言わさず焼き払うぐらいしかなく、当然ながら人類の生存圏すら狭めてしまう。
裏設定のようなものだが読心や次元を歪めることによる防御フィールドのようなものを形成しているらしく、作中では明らかに当たっているのに効いていないのを「命中していない」と表現しているシーンがあるのはその名残と思われる。
ファフナーは「心を隠して戦える」兵器であり、ファフナーでの攻撃は彼らに通じる。(前述の障壁は接近戦で破りやすく、接触による同化のリスクを払ってでもやる価値のあるハイリスク・ハイリターン戦法となっている様子)
これに「心を隠したまま心の接続が行える」ジークフリード・システムを併用して組織だった戦闘を行えるのが竜宮島の(後に人類軍も)強み。

ちなみにグレンデル型やシーモータル型のような末端に近いザコキャラ個体は人類の攻撃がファフナー無しでも通じる。読心が弱いのかできないのかは不明。
『HAE』『EXODUS』の頃になると島の雷撃システムや竜宮島及び人類軍の戦闘機でもスフィンクス型などの中級フェストゥムを多少だが落とせるようになっている。

なお、電気的な通信も読心で読む事ができるので、ミールの加護がない空域での広域通信は即フェストゥムを呼ぶフェストゥムホイホイになってしまう。
各拠点間の遠距離通信も事実上不可能であり、人類は各拠点ごとに孤立した対応を迫られることになった。
『EXODUS』まではこの対策が実質存在しなかったため甚大な犠牲を強いられることになったが、『THE BEYOND』ではアショーカミールが通信用ブランチを生成できるようになり、これを使ってフェストゥムに読まれない超遠距離通信が可能になっている。

ワームスフィア現象

フェストゥムの攻撃手段である黒い球体。
空間の球状の捩じれが発生することで起こり、これに触れた物質はゼロ次元へ向かって捩じ切られる。これより攻撃されるとら球状に消失するのはこのためである。
ただでさえ単純な攻撃力の高さと射線が読めないことに読心能力が加わって対処が面倒なのに、彼らは消滅する時にも自分を中心に発生させるので非常に迷惑で始末が悪い。
ファフナーは内蔵されているコアで威力が減衰されているものの無印版やRoLでは一撃必殺級の威力だったが、『HAE』では北極作戦で入手した技術でファフナーの対フェストゥム防御機構を改良した為、致命傷には至らない。
それでも衛のように射出したコックピットに直撃すればひとたまりもないが。
一部の進化したフェストゥムには、形状を変えて放つものもいる。
特に『EXODUS』からは、竜宮島はおろか人類軍のファフナーもワームスフィア程度なら耐えられる機体が増えたため、
楔状の鋭利な形状で射出して対象に突き刺さってからワームスフィアを発生させるワームウェッジを使う種が多い。
後述のディアブロ型は、薄い円盤状にして放つことでファフナーすら容易に両断している。ニヒトにパクられたが。
また、物質を消し去るという特性上銃弾などの実体弾などをワームウェッジに当てることでワームスフィアを誘発させ、直撃を防ぐという事もできなくはない様子。



【種類】


様々な種類が存在し、作品によって亜種が存在するものもある。
シリーズを通して進化・変異を繰り返しており、種類は増え続けている。
一方で出現しなくなった型も存在しており、統廃合みたいなものもされているのかもしれない。

◇スフィンクス型

「質問者」と呼ばれているフェストゥム。
「あなたはそこにいますか?」という問いかけを行うのは主にこの型で、特にA型が問いかけを行う事が多い。

○スフィンクスA型種
出現頻度No.1フェストゥムで、視聴者にとっては最もポピュラーな種類であり「フェストゥム」を象徴する個体。
顔の無い人間の上半身にスカート状の長い下半身、翼のようなものが生えた半円状の構造体を有する。
ワームスフィアの他、手を変形・伸縮させて攻撃や捕縛同化を行う。
一説では、『ROL』終盤に登場した水中適応型の進化種なのだとか。
『HAE』に登場したものは所属するボレアリオスミールが痛みを理解したためかスカラベ型と同じワームカッターを使えるようになり、人のような表情を見せることもある。
また、ミールの干渉によって強制的にエウロス型に変異させられたりしていた。
『EXODUS』以降はより強力な個体が多くなったこともあって半ばやられ役のモブキャラと化している。

○スフィンクスB型種
『EXODUS』で登場。
他のスフィンクス型とは違い、ほぼ完全な人型になっている。
A型と同じ攻撃の他にワームウェッジ、プレアデス型親のように完全に姿を消す、
コアは持たないが能力は本体と全く同じ分体を作り出すと多彩な能力を持ち、
それぞれの分身がフュンフ、ノイン、ツェン、ツヴォルフの4機を1対1の戦闘で圧倒した。
7話ではウォーカーによって特化型に変異したB型種が登場。それぞれがファフナーの戦い方を模倣しており、
巨大な腕部を持つ近接型、4本のブレードを持つ近接型、イージスに似た防御膜を展開する防御型、ワームウェッジや火炎放射を放つ射撃型が確認された。
『THE BEYOND』でも地味に登場しており、パンチでツクヨミの防壁を突破しようとしていた(完全に防がれていたが)

○スフィンクスC型種
A型の進化型。背中の構造体がA型に比べて巨大化している。
初登場したのは5話で、宇宙空間での活動が確認されている。

○スフィンクスD型種
スフィンクス型の中では最も長距離攻撃を得意としている。
ワームスフィアを弾丸状に高速射出するワームショットでの攻撃を得意としているが、近距離攻撃には滅法弱い。

○スフィンクスE型種
A型種より大型で、外見はC型に酷似。背部から無誘導爆弾のようなものを投下する。

○来主操(くるす みさお)
『HAE』に登場したキーパーソン。人の姿で生み出されたスフィンクス型の亜種で、総士の肉体と半同化状態にある。北極ミールが生み出した個体であるが、ミールによって「個」の概念を学習したことで「ここにいる」ことを選択し残存した。
身体構造その他は人間同様で、精神面もフェストゥムであることを除けば人間そのもの。全体の集合としての自らのミールを「俺達」と呼んでいる。この名前は総士がつけたもので、操の存在を人間の言葉に翻訳したものらしい。
空を綺麗だと感じており、史彦が同意した際には喜んでいた。なお、アルヴィスの制服を着ているが、これは総士のものを借りている。
ボレアリオスのミールのメッセンジャーとして竜宮島に事実上の降伏を勧告に来たが、これまでフェストゥムが成しえなかった「交渉」という行為を曲がりなりにも行っていたことは竜宮島の面々を驚かせた。
ミールと自分の関係を「頭脳と手」に例え、原則的にミールの意思には逆らえないことを明示している。ミールのメッセンジャーとしては一騎達が同化に同意しない以上は戦うしかないが、操「個人」としては彼らと戦いたくないという二律背反に苦しんでいた。
結果的には交渉途中に島を攻撃していたフェストゥムがマークザインが封印していたマークニヒトを奪取したため、その操縦のために召喚され離脱。ニヒトを操り竜宮島のファフナー部隊と激戦を繰り広げ圧倒。マークザインをも取り込み再度島を襲うが、島のファフナー部隊の奮戦と、帰還した甲洋の活躍により復活したマークザインとの激闘の末、一騎が同化を通してミールの支配下にあった操を解き放ち、その反動でミールに同化された一騎の存在が消えかけた時、ついに操がミールに向かって「俺はもう…戦いたくない!」と叫びミールと共鳴、一騎への同化と戦闘を停止する事に成功した。
その直後、人類軍の核攻撃から美羽と島を守るために総士から分離、他のフェストゥムと共に核爆発の爆風を阻止。自分の見た空を一騎にも見てもらうためにと彼の視力を回復し、消滅した。
『EXODUS』では命の循環を理解したボレアリオスのミールによって、その記憶と人格を引き継いだ「新たな来主操」がコアとして生み出された。こちらの操については下記の「アザゼルE型種 フローター」および「ボレアリオスのミール」を参照。


◇スレイブ型

同化行動をとらないというフェストゥムの中では異質な種であり、マスター型或いはコアギュラ型に同化されたものの派生種。フェストゥムとして覚醒した当初の甲洋がこれに当たる。
1人の人間としか同化出来ず人格も1つなので、同化した人間の意思が表に出ることが多い。
同化しないという特性故か他のフェストゥムからは食べ物扱いされる程ヒエラルキーは下。
そもそもフェストゥムが人間を同化してその人間の意思を保ったまま同化行動をとらずに存在し続けるというのが超激レアケースであり、作中でも甲洋以外はついぞ登場しなかった。
ソロモンもよくスレイブ型なんて型を認識していたものである。過去に例があったのだろうか。

◇コアギュラ型

攻撃せず同化行動のみをするタイプ。但し攻撃を仕掛けると攻撃した者を最優先に同化しに来るので、無闇に手出し出来ない。
更に砂浜の砂と同化して肉体を形成する等、極めて高い同化能力を持つ。
強くはないが対処が難しい厄介なタイプであり、竜宮島に襲来した時は史彦らはファフナーパイロットに犠牲が出ることも覚悟していた。そして実際に直前に実戦投入された真矢がいなければ咲良はいなくなるところだった。
この種から派生したのが乙姫や織姫のようなコア型である。
コアギュラはラテン語で「融合」を意味しており、「フェストゥムの卵」とも言われている。


◇コア型

人間とフェストゥムの独立融合個体。外見は人と殆ど変わらないが乙姫と織姫は虹彩がヒトと異なる。
フェストゥムとしての存在とヒトとしての存在を両立するという世界でも極数名しか存在していない個体(フェストゥムに同化された時点で大半の個体が消えてしまうため)。
作中でハッキリコア型と明言したのは皆城乙姫のみだが、その成り立ち上皆城織姫、第2アルヴィスのコア、アトランティスのコアもこれと考えられる。
必ずしもミールの人型コア=コア型ではないようだが、『EXODUS』以降の甲洋、操、そして『THE BEYOND』の一騎、ルヴィ・カーマも、成り立ちは違えどこれに準拠する存在と言って良いだろう。

他のヒトの姿を取るフェストゥムとの大きな違いとして、フェストゥム形態を有さない事が挙げられる。
このためある程度の肉体に成長した時点で*2ファフナーにも乗る事が可能であり、器のスペックを最大まで発揮して戦うことができる。
読心や同化、ワープといったフェストゥム由来の能力も生身で使用できるが、自らの意思でコントロール可能なので無差別に同化したりといった事象は起こさない。

○竜宮島のコア
個体名「皆城乙姫」⇒「皆城織姫」⇒「皆城輝夜&朔夜」。
乙姫と織姫は戦局の鍵を握る導き手でもある。
竜宮島(人類軍の呼称は「D・アイランド」)に属する個体で、乙姫は胎児の頃に母体がミールに同化されたことで竜宮島ミールと一体化した存在となった。
彼女は友達に、フェストゥムが全て敵たる存在となるとは限らないことを説明するのに「コア型フェストゥム」であることを自称した。
織姫は生命の循環を理解した竜宮島ミールによって新たに生まれてきた個体であり、外見と記憶は乙姫から引き継いでいるが乙姫とは別人格であることをアピールしている。
輝夜と朔夜は竜宮島史上初となる双子のコア。輝夜は乙姫・織姫の外見を継承しているが朔夜は白髪な上に男のである(よく見るとズボンを履いている)。

○蓬莱島のコア
「もうひとつの竜宮島」第2アルヴィスこと蓬莱島(人類軍の呼称は「アヴァロン」)に属していた個体。蓬莱島自体が人類軍に編入された後消滅したとされており、本編未登場。
TV1期と『EXODUS』以降の媒体では設定が異なっており、1期で出てきた「他国のアーカディアン・プロジェクトの島」が『EXO』以降は蓬莱島であったという設定に改められている。
従ってこのコアを同化したフェストゥムがマスター型「イドゥン」であると考えられる。

○海神島のコア
第3アルヴィスこと海神島(人類軍の呼称は「アトランティス」)に属する個体。金髪の少年。
乙姫/織姫同様に島民と共存していたが、人類軍の攻撃で海神島が壊滅、ミールと共に強奪された上にベイグラントと同化させられ、プロメテウスの岩戸に軟禁された状態で新国連の手足として使役されていた。
しかし新国連の手で海神島の島民が滅ぼされたことと、分身であるパペットの人格が無数に生み出されては消滅させられるという「死」を学習したことから、ゴルディアス結晶を成長させると共に深く激しい憎しみの感情を蓄積させており、ジョナサンが新国連に回収されたのをチャンスと見て彼と接触。「憎しみの器」として彼をフェストゥム化させ反旗を翻した。
なお、シュリーナガルに出没していたグレゴリ型の姿と感情はこの個体のそれをコピーしたもの。
『THE BEYOND』ではかつての個体名が「ミコト」であると本人の口から語られたが、人類を滅ぼす「マレスペロ(絶望)」を名乗るようになり、人類に対する最大の脅威として君臨する。
コア不在となった海神島にアショーカミールが根付いた後は新たなコアである「ルヴィ・カーマ」が生まれている。前述の通り彼女もコア型に準ずる存在と言っていいだろう。

○春日井甲洋
前述の通り同化能力を持たないスレイブ型として覚醒した甲洋だが、『HAE』ではマークニヒトに対して同化を仕掛けることもあった。
その後『EXO』で自らの肉体を新たに作り出して復活した際には、春日井甲洋としての人格と感情(ただし当初は若干希薄気味であったが少しずつ馴染んでいく)を有しながら読心やワープも行使できる存在となっている。
『EXO』の公式サイトでは「融合独立個体」と記載されており、スレイブ型を経てコア型フェストゥムのような存在になったと考えられる。

◇アルヘノテルス型

群れをなして行動するフェストゥム。一体から多くのグレンデル型を生み出して統括する。
またダメージを受けても生み出したグレンデル型をとりつかせて再生する事もできる。
『EXODUS』ではウォーカー指揮下の個体が24体で密集陣形を組み、強固な防壁とノートゥングモデルさえも触れてすぐに同化できる同化能力を得ていた。
第四次蒼穹作戦でも同様の陣形を組んでいたが、マークザインに防壁を軽々と突破され、同化された。
アルヘノテルスとは「単為生殖者」を意味する。


◇グレンデル型

歩兵の役割を果たす下級フェストゥム。大きさは自動車より少し大きいぐらいでフェストゥムの中では小型。
またコアであるペルソナを持たないので溝口さんぐらいの腕があれば対物ライフル等で倒すことが可能。
アルヘノテルス型から生み出されているが、アルヘノテルス型が窮地に陥った際は取り付いて再生させる。
生み出したアルヘノテルス型が倒されると消滅してしまうようである。
『EXODUS』でも登場したが、エスペラントに消滅させられたりニヒトの操るパスタで纏めて同化されたりと散々な目に遭っている。
パスタが押し寄せてきて慌てる姿がちょっとかわいい
18話では集結したアルヘノテルス型から数ミリの個体が大量に生み出され、竜宮島上空からヴェルシールドを覆い尽くした。
一方で、人類に敵意を持たない共存派または中立派のミールに属する個体には、結晶の森の中を元気に駆け回るかわいい連中もいた。
なお、グレンデルとは「怪物」を意味する。

○グレンデルH型種
『THE BEYOND』で登場したグレンデル型の亜種。
最大の特徴はどこで学んだのかバイクと合体している事。
バイク型フェストゥム部分に乗っての高速移動を得意としており、バイクに付いたブレードと拳銃型ワームショットが武器。ちなみにバイク部分と本体を分離することもできる。
例によって戦闘力は低く、溝口さんぐらいの腕があれば対物ライフル等で倒すことが可能だがバイクのせいでスピードが速く、溝口さんの防衛線を突破した個体が大惨事を引き起こすことになった。
最終話でも出てくるがそのシーンはちょっとギャグっぽい。

◇プレアデス型

魚から腕と羽根が生えたような姿をしたフェストゥム。
スフィンクス型に比べて非常に戦闘能力が高く、親と子の二種類が存在する。
「親」は腹の切れ目から「子」を生み出して統括。更に胴体の顔部分が開くと目玉のようなものが露出してプラズマを発射する。
またあらゆる探知手段でも発見できない上に、ソロモンにすら反応しないほど完全に姿を消すこともできる。
「子」は集団で行動し、対象に取り付いて自爆する。
人類軍と島のファフナー3機を圧倒したが、マークザインのルガーランスで跡形もなく消し飛ばされた。
『EXODUS』にも登場したが、やっぱりザインとニヒトに数体纏めて倒された。


◇スカラベ型

クラゲに虫の脚が生えたような姿をしている。
周囲にあるものに見境無く同化してひたすら巨大化し、やがて植物のように根を張る種に変容する。変容したタイプは「スカラベR型」と呼ばれる。
『HAE』で登場した空母ボレアリオスに貼り付いているドーム状の物体は、この種が飽和したもの。
雑巾絞り

○スカラベR型種
スカラベ型の完熟形態。一期の時点で人類軍が把握する限り3体しか確認されておらず、
外部からの攻撃を受けるとその攻撃のエネルギーを逆利用してねじれを起こし、機体を捻るワームカッターを使用する。
この「ねじれ」はカウンターの一種で、ファフナー側からジークフリートシステム側に送られるデータ上では「攻撃を受けた」と認識出来ず、
ジークフリートシステムからペインブロックを作動できない(この為劇中では捻られた腕を切り落として強引に認識させてペインブロックを作動させている)。
視聴者にとって一番トラウマを刺激される個体で、付いたあだ名がパスタ(本編参照)。
『EXODUS』では個体数も増加し、竜宮島にも早速姿を見せた。この種も進化しており、ヴェルシールドを弱体化させるフィールドを形成するだけでなく、
マークザインとマークジーベンが見せたあの同化射撃をスフィンクスD型種と同化する事で再現している。パスタほんと碌なことしねぇな……

なお他の個体が使うものも含め、作中でねじり攻撃を完全に防げた竜宮島のファフナーは現れなかった。
唯一完全に防いだのが『EXODUS』のマークレゾンだけ。実は本シリーズ最強の攻撃なのでは……

○スカラベJ型種
『HAE』で登場。体が菱形になり、左右に10本のヒレと長い尻尾が増えている。
通称「島殺しのフェストゥム」。枯葉剤のような毒素を散布して生態系そのものに害を与える能力を持つため、こう呼ばれた。
根を張る以外にも他のフェストゥムに比べて高威力の緑色のワームスフィアを展開して、強化されたファフナーの装甲すら容易に破壊する。
鋭利な体を生かした突撃や触手による突き刺し攻撃も繰り出してくる。
『EXODUS』でもロードランナーの配下としてシュリーナガルを襲いパスタを張り巡らせていたが、ニヒトに同化ケーブルをぶっ刺されて操られ、パスタを地下のフェストゥムを一掃するために利用されてしまった。


◇マスター型

人の形を取った上級フェストゥム。
他のフェストゥムを統率する司令塔となる特殊な存在で、人として振る舞う事で人間社会に溶けこむことが出来るが、言動はどこか無機質さを感じる。
またフェストゥムとして会話する時は、全体の集合としてのフェストゥムを「我々」、個体としての自分を「私」と形容する。
戦闘時には自身も巨大なフェストゥムの姿に変化することも可能。
現状北極ミールの下でしか確認されておらず、現在確認されているのはイドゥンミョルニアの二体のみと個体数は極端に少ない(HAEの操は人の形を取ったスフィンクスA型)。
北極ミールが砕け散ってからは砕けた破片毎に群れが形成され、(イドゥンや)ミョルニアも個体として定義づけられたので自然消滅した型であると思われる。

一部の媒体では『EXO』で一騎が島の祝福を受けた際の台詞から彼をマスター型とされる事もあるが、人の心を維持したままフェストゥムとしての存在も得た一騎にこの型を当てはめるのは不適切ではあろう。
ただし、『THE BEYOND』では(実質的に島の最上位存在たる)日野美羽の判断はそれがどんなものであっても止められないと甲洋と共に語るなど、あくまで上位存在に統括される個体であるマスター型のような立ち振る舞いもしてしまっている。*3

◇リヴァイアサン型

巨大な魚類または鯨のような姿のフェストゥムでL計画中に発見された。非常に大型で体高は戦艦をも上回る。
水中の活動に特化しており、大きく開いた口で対象を飲み込む。更に『HAE』では放電能力も得ている。
『EXODUS』に登場した個体は口からワームキャノンらしき攻撃を放つ能力も得ていた。
18話では全長60kmにも及ぶ超大型の個体が登場。アルヴィスを丸ごと飲み込むべく、ウォーカーが用意した。
竜宮島に張り付き島民及び防衛部隊に精神的に揺さぶりをかけたが、自身で飲み込んだによっておいしく頂かれましたコアを同化された。
第四次蒼穹作戦でも同等サイズの個体がベイグラントの戦力として出現し海神島を飲み込もうとしたがニヒトの放った特大ワームリング三枚と虚無玉で撃破された。
第六次蒼穹作戦では久々に大型サイズ(上記と同サイズかは不明。少なくともLボートよりは遥かにデカい)が登場してLボートを取り込もうとしたが、直後にBGM「禁忌」が流れる。後はお察しください

◇エウロス型

『HAE』で初登場した赤色のフェストゥム。エウロスとはギリシア神話に登場する嵐を呼ぶ東神。
長い尻尾を持ったほぼ完全な人型に近い形状をしており、どことなくファフナーに似た姿をしている。
人類の戦い方を理解して模倣した種で非常に俊敏で攻撃的であり、格闘や、体の一部を巡航ミサイルや銃器に変形させて射撃武器として用いる。
人類軍兵器を模している為、砲身に人類軍のイニシャルと思われる刻印が残っているのがチャームポイント。
全身の眼を開き、強力なワームキャノンを放つことも可能。
リミッター付きとはいえマークザインを苦戦させるというフェストゥムの中でも群を抜いて高い直接戦闘能力を持つ個体だが、人類の戦法を模倣した結果逆に人類にとっては行動が読みやすく、対処しやすいという欠点も露呈している。
後述の『スパロボUX』でも、スペック自体は高いが武器からバリア無効が消え切り払いや撃ち落としが可能なものが増えるという形で忠実に再現されている。
とは言えその戦闘力が凄まじいものである事には変わりなく、『EXODUS』22話でアルゴス小隊と戦った際は描写された限りエウロス型は一体もやられていないというワンサイドゲームとなった。
ボレアリオスのミールがミョルニアを介して紅音の知識を得たことによって生み出した種であるため、実質的にこのミールの固有種であり他のミールが発生させることは出来ない。
操が竜宮島に合流した後は実質島の防衛力として機能している。操が直接フィールドを形成して呼ぶことも可能。



◇シーモータル型

『ROL』、『EXODUS』で登場。
他のフェストゥムと比べるとサイズがかなり小さい。
『EXODUS』に登場したものは進化体(シーモータルB型種)で、人類の戦闘機を学習したのか戦闘機に手が生えたような姿をしており、ワームエッジ弾を連射してくる。
サイズが小さい分耐久力も低く、戦闘機の機銃が数発当たっただけで消滅していた。
アビエイター指揮下には、ノートゥングモデルと同等のサイズという大型で強固は防壁を発生させる個体も確認されている。
グレンデル型ほどではないが人類の通常兵器がそれなりに効く個体ではある。もっとも取りかれると即座に同化されてしまうなど、1体でも十分脅威ではあるが。

◇デルフィネ型

『EXODUS』で登場。
蛇のような細長い姿をしたフェストゥム。モンゴリアンデスワーム。
地中を移動する能力を持ち、尾で串刺しにして同化する。
1話のテレビ放送版では出番を丸々カットされた悲しい奴。
特性上竜宮島や海神島では姿を現すことができない。また、地中を動けるとは言っても地下深くのトンネルを急襲したりはできない模様。
この特性のせいで『THE BEYOND』では一切出てこない。


◇アケロス型

『EXODUS』で登場。
魚とザリガニを混ぜたような姿をした水上・水中行動に長けたタイプ。
ロードランナーの配下としてシュリーナガルの戦闘で確認されている。
とにかくぶっちぎりで影が薄いタイプで名前は長らく不明だったが、BD-BOXのブックレットでようやく名前が明かされた。
『THE BEYOND』では水中戦メインの回でシーモータル型に代わるやられ役担当としてちょいちょい出てくる。
海上に出たアマテラスやアズライールを追いかけようとトビウオのように跳ねたはいいものの飛べないのでそのまま海に落ちる。かわいい。

◇ディアブロ型

『EXODUS』で登場したタイプ。
アザゼル型ロードランナーとベイグラントの配下に属する個体で、後々の描写を見るにベイグラントの専属種であると思われる。
ベイグラントが『EXODUS』で斃されたのが理由か、或いはもっと効率的に人間を支配できる方法が手に入ったからか不明だが『THE BEYOND』では一体も出現しない。

○ディアブロA型種
鎧を被った騎士のような姿をした人型フェフトゥム。
素早い動きとワーム・リングやワームの防壁などを使いこなし高い戦闘能力を発揮。また右腕が槍のようになっており、突き刺したものを同化する。
対ファフナー戦ではコクピット内の人間をピンポイントで狙ったり、そこからディアブロJ型による同士討ちさせたりと、厄介な戦い方をする。
デルフィネ型と同じく、1話での出番がテレビ放送版では丸々カットされた。ハワイの戦いでファフナー部隊を壊滅させたのはほぼこいつの仕事なのに…
高い戦闘力だけでなく、抉り出したコックピットを取り出して串刺しにしたものを人間に見せ付ける、そのコックピット内の人間を同化しディアブロJ型として放って同士討ちさせる等、悪魔の名に相応しい残忍さを持つ。ザインとニヒトのかませになったがな!
シュリーナガルでの戦いでは複数体出現。(人類軍製のファフナーは竜宮島のものと比べて同化耐性が低いとはいえ)短時間で多数の機体とパイロットを同化によって操り、同士討ちさせるという狡猾な戦い方を見せた。
その実力と厄介さはフェストゥム内でも指折り。

○ディアブロJ型種
ディアブロ型の同化用端末。通常の同化と異なる金色の結晶が生える同化を行い、対象を消滅させずコントロールのみを奪う事が出来る。
J型はスピードは本体と変わらない上に非常に小さい(人間サイズ)為迎撃も困難という難敵である。
ファフナーが同化された際は機体の胸部にJ型が貼りつく形になるが、一度同化されると物理的な分離・排除は事実上不可能である。こうなってしまうと最早寄生しているJ型諸共パイロットを殺害するしか方法はなく、シュリーナガルの戦いでディアブロ型に同化されたアイは真矢に「私が"いる"間に撃って」と真矢に懇願した。
同化耐性を大幅に上げたエインヘリアルモデルでも簡単に同化してしまうほどで、海神島上陸作戦ではコックピットを射出した後のマークドライにも取り付いて操っており、コントロールを奪うのにパイロットの有無は関係ない模様。
はっきり言ってしまえばザルヴァートルモデル級の性能が無ければ立ち向かうことすらできない。…が、一応ナレインは性能的にザルヴァートルモデルに劣る陸戦機でほぼ完封勝利しているし、操も(SDPの補助を得て)撃破しているので、機体性能差をひっくり返すほどの腕や能力があれば対処は可能なようである。


◇アザゼル型

『EXODUS』で登場したフェストゥム。呼んでない。
砕け散った北極ミールの欠片の一部が変化したフェストゥムであり、世界で6体しか確認されていないらしい(うち一つはボレアリオスのミールによる擬態なので正確には5体)。
単体でも凄まじい戦闘能力を誇るうえ、戦闘などで得た情報を反映し自身を強化するという能力まで持っている。
更にミールとしての特性から自身からフェストゥムを生んで群れを構築し、群れにも情報を反映した戦術や能力を付与していくという厄介極まりない特性を備える。
正に動くミール。

いずれも人類に対して強い敵意を抱いている上にそれぞれが他のアザゼル型とは敵対しており、仮に1体を味方に付けても残り全てが敵になってしまう為、実質的に対話による和解が不可能である。
各々が地球に接近している新たなミール・アルタイルをその手に得ようとしており、殲滅しようとする人類軍、共存を目指した対話をしようとするナレイン将軍一派と竜宮島とは三つ巴の敵対関係にある。
『EXO』で5体全てが撃破されているが、ベイグラントに同化されたウォーカーとクロウラーは『THE BEYOND』でも意外な形で再登場する。


○アザゼルA型種 ウォーカー
仮面をかぶったような顔を持つアザゼル型。
これまでに登場したフェストゥムの中でも一際巨大で、下半身が海中に没した状態で周囲を飛行していたマークジーベンが虫に見え、手のひらだけでスフィンクスA型種くらいはあるレベル。
(※ノートゥング・モデルの全高は約35mで、スフィンクスA型種はそれより少し大きい位)
とはいえ、この姿は実体ではなく影に過ぎない。
エメリーを追って竜宮島に接近したが、竜宮島との遭遇以降はエメリーと美羽が島を発っても追わずに執拗に竜宮島を襲い続けた。
自身は表に出ず戦いは配下のフェストゥムに任せ、度重なる戦いで竜宮島の防衛システム、ファフナーの特徴、パイロットの心理状態等の情報を収集して次の戦いで活用するという軍の指揮系統を模倣したような戦術を見せた。
配下は作戦に合わせて能力をカスタマイズされた個体が多く、ウォーカーの指揮で統率の取れた行動をとる。
島のパイロットが自らの力とその代償に怯えていることを察して嘲笑したり、必勝を期した策が破られて敗因が理解できずに怒りで吠え猛ったり、勝利を確信して邪悪な笑みを浮かべたりとと割と感情豊か。
その本体であるミールの正体は、約15万トンの意志を持った海水。コアも海水と同化しており、島の大気となった竜宮島のミールに対し、海となったミールと言える。
これには長年フェストゥムを研究してきた竜宮島の面々も驚きを隠せず、「この40年で最大の進化」と評した。
実は正体についてはわりと初期から伏線が張られていた。
  • ウォーカー→ウォーター
  • 手に水かきがついている。
  • 三美香の母親の「この領海は魚が捕れにくい」発言。
  • 出現する時は海面にフィールドを展開する。
等…。
ついには超巨大リヴァイアサン型と24体のアルヘノテルス型から生み出した無数の超小型グレンデル型と6体のスカラベR型のシールド弱化フィールドを用いてアルヴィスを追い詰めるが、
エインヘリヤルモデルへと改装した竜宮島ファフナー部隊と帰還した甲洋の奮戦によりコアに深手を負わされ撤退。その後約2ヵ月ほど回復に時を費やす。
その後、案の定島とナレイン一行の合流ポイントに他のアザゼル型と共に再出現したが、クロウラーによって海が凍らされていたからか、或いは甲洋の毒の影響が残っているのかこの段階では配下のフェストゥムを生み出すこともままならず、数体のエウロス型に取り付かれて身動きが取れない状態になり、ほとんど何もできずに撤退してしまった。
逃げ足だけは早い。
さらにその後も完全には回復しきっていなかったのか行動を起こしたベイグラントにあっさりと同化されてしまい第3アルヴィスに上陸した竜宮島の面々を迎撃する役目を与えられ群れを率いて出現。
ベイグラントの恩恵とおぼしき反射能力を見せ一旦はゼロファフナーを圧倒するが、再度反射したゼロファフナーの攻撃を彗のSDPで真上から撃ち返され消滅している。

しかし、難を逃れたコアの欠片が再生を果たし、『THE BEYOND』においてフロロの名で登場した。
フロロは日野美羽の記憶から生み出された皆城乙姫とうり二つの人間体を有しており(ただし光彩は常人と変わらない)、マレスペロの命令で「総士の妹」として偽の竜宮島で暮らしていた。
多彩な感情を学び、乙姫・織姫よりも更に人間らしい姿を見せるようになっているドジっ子属性が新たに付与されたが……

○アザゼルB型種 ロードランナー
1話でハワイの補給基地を襲ったアザゼル型。4本の脚と2本の腕を持つ人馬のような姿で、歪な顔をしている。あだ名は田中邦衛
人類軍による核攻撃の直撃を受けても表皮が焼ける程度という並外れた耐久力を持つ。展開する防壁もヴェルシールド並みと非常に強固。
そう言われると強そうに見えないとか言わない。
攻撃面でも、核攻撃より学習した全身を赤熱化させ、その余波だけでシュリーナガルがほぼ壊滅するほどの熱と爆炎を起こす力を持つ。
陸海空地中全ての環境を幅広くカバーする非常に豊富な種類の配下を持っており、軍団の規模と幅の広さで言えばアザゼル型でも屈指。
ハワイを(人類軍のおかげで)消滅させた後はシュリーナガル周辺を徘徊しており、美羽とミールの対話を察し、シュリーナガルミールを執拗に付けねらって攻撃を仕掛ける。
リミッターを全て外しシュリーナガルに派遣されたザインとニヒトと交戦、互角の戦いを繰り広げた末に、ニヒトに実体化を妨げる因子を流し込まれて弱体化したところにニヒトの同化ブーストを受けたザインが放った全力の砲撃でようやく倒された。
体の大部分を失いながらも直前にコアは転移して無傷であり再生を開始しようとするが、その隙を狙ったアビエイターに襲われ、同化された。
まだ意識はあるらしく、アビエイターの腹部に顔を出現させることがある。
つまり、アビエイターはアザゼル型2体分の強さを持っていることになる


○アザゼルC型種 アビエイター
劇中で登場した第3のアザゼル型。二足歩行だが、目が頭部になく大きく膨れた胸部のすぐ上に付いている。
また、巨大な貝のようなものを背負っており、尻尾が生えているためウォーカーよりは異形寄り。
ザインとニヒトに敗れて逃げ延びたロードランナーを襲い、同化。
この時に得た情報からか、ニヒトに似た強力な電撃を使用している。
ロードランナーと同じく高熱を操ることもできその際には腹部にロードランナーの顔が表出する。

その後シュリーナガルミールも同化しようと目論見、ナレイン将軍の隊列に執拗に追撃を仕掛けている。
カノンの見た未来では、どこかの荒野でザインと死闘を繰り広げていたようだが……。
逃げるナレイン軍や避難民の乗ったバスをいたぶるような真似や笑みを見せながら人類軍パイロットにフェンリルで自爆するチャンスを与えながらあえて防ぐ、
無人になったファフナーを態々踏み潰しエスペラントに見せ付ける、同士討ちをし始めた人類軍とナレイン軍にほくそ笑むなど、
明らかに今までのフェストゥムとは比べ物にならないほどの悪意と邪悪さを見せつけ始めている。
これがフェストゥムが人類から「憎しみ」を学んだ末のものなのかは定かではない……。
竜宮島との合流ポイントでナレイン一行に最後の攻撃を仕掛けザインと戦う、熱波攻撃で苦戦させ、一騎の右腕を失わせたが、捨て身の一撃でボディを切り裂かれコアへと還元され、
コアだけになりながらも高熱攻撃で悪足掻きするが同化されて消滅、ザインは消し炭同然となり、壮絶な相打ちとなった。

プレアデス型、強化されたシーモータル型を使役するが自ら前に出る武闘派なのか最前線に直接出向く事が多く、配下の種類・個体数が少ない。

○アザゼルD型種 ベイグラント
衛星軌道上に存在していたアザゼル型。竜宮島のミールと同じくゴルディアス結晶を有している。
北極ミールの欠片を入手した人類軍が第3アルヴィス・海神島(アトランティス)のコア(瀬戸内海ミールの一部)と同化させ誕生させた。見た目は黄金の宇宙ステーション。
地上のダーウィン基地にあるプロメテウスの岩戸で管理されたコアを介し人類軍によってコントロールされており、情報を与える事で他のアザゼル型の動きをある程度コントロールする事を可能としていた。
また、コアの分身である「パペット」によって本人にも自覚が無いままスパイとして諜報活動に利用されているがこれらはミツヒロの遺した研究成果らしい。…要するに人類軍もバリバリにフェストゥムを利用してしいたことになる。おい、本当にいい加減にしろ。
ヘスターをはじめとする新国連の思惑から他のアザゼル型との交信やパペットによる工作でナレイン一行を追いつめた。
しかし幾度となくパペットたちの心を生み出しては消し続けた結果、コアがこれを「生と死の循環」と認識した事でゴルディアス結晶が発生する原因となり、さらに「憎悪」を学習した上で成長、ジョナサンという器を得た事で機は熟す事となり、人類に反旗を翻した。
ジョナサンを憎しみの器としマークレゾンを奪取。自ら呼び寄せたアザゼル型・クロウラーを迎撃し、レゾンの正面に開いたワームスフィアの門から光の奔流を放って同化。このマッチポンプによってジョナサンを人類軍の英雄と祭り上げ、実権を掌握した。
ジョナサンを「ボクの玩具」等と呼びマークレゾンを駆る彼を介して周囲に憎悪を手当たり次第にぶつけるその様相は、子供の八つ当たりに果てしなく近い。
ジョナサンの心を憎しみで満たしてもなお、真矢や一騎を憎む事を拒んだため、操るのに都合の悪い記憶を消去した上で今度は「愛するもの」として既に死亡していたアイを蘇らせたもの(実際は仮初の体に意識のみをダウンロードさせたもの)を与える。結果的に他のザルヴァートルモデルと同様に「理由」を名にもつファフナーが「理由なき憎しみ」を持つ者が動かすという皮肉な矛盾が発生している。
その後も衛星軌道に留まりアショーカとアルタイルの交信を妨害しつつ、同化したウォーカー・クロウラーに加えバーンズを頭目として掲げ新国連の支配から外れた人類軍を第3アルヴィスへの刺客として差し向ける。
だが、第4次蒼穹作戦中にヘスターの指示で放たれた多数の核ミサイルの直撃を受けダメージを負ったところを里奈の補助で強化された彗のSDPによって第3アルヴィス近海に引きずり落とされる。
それでもなおアショーカを同化しようと前進するが、エメリーをはじめとしたエスペラント達、ナレイン、弓子の命で力を取り戻したアショーカの防壁に阻まれ、ようやくバリアを突破したところですっ飛んできたマークニヒトの渾身の貫手で身体を貫かれ、コアを粉砕される最期を迎えた。
レゾンに力を与えすぎたのか、ベイグラント本体の戦いっぷりは耐久は高いが大して強くないような印象があった。
ドライとトルーパー部隊に攻撃されていたがほぼほぼ無抵抗だったし、宇宙から見下ろしながら戦う・支援するのが本分だったのだろう…。
第四次蒼穹作戦において、ベイグラントのコアである金髪の少年の動きとしては、アイの乗る機体を倒した際にひるんだ一騎の隙を突き竜宮島のミールと一騎の繋がりを消そうとしたが、竜宮島のゴルディアス結晶に宿る翔子とカノンの「手」によって失敗。
続いて飛来したアルタイルに自らの憎悪を同化させようとするが、アルタイルを島へと呼んだ織姫の妨害により失敗。
マークレゾンとの戦いにおいて一騎の決死の説得により自分を取り戻したジョナサンと共に一騎とマークザインをフェストゥムの虚無の空間へ落とそうしたが、操と甲洋により救出され失敗。マークレゾンとジョナサンは共にゴルディアス結晶がある宇宙空間へ放逐された。
ベイグラントのコアがマークニヒトに粉砕された際に彼もまた苦しんではいたが、本体は宇宙空間に残されたゴルディアス結晶のため今だ健在とみられる。
『EXODUS』終了時においてアザゼル型は全滅し人類への脅威は大幅に減退したが、最大の脅威が生き残ってしまった。
『THE BEYOND』ではアザゼル型としてではなく憎しみのコアであるプロメテウス(後のマレスペロ)が力を付け、「ベノン」と名乗る一大軍事組織を形成し人類最大の脅威となる。


○アザゼルE型種 フローター
竜宮島との合流ポイントへと到着したナレイン一行の元に、アビエイター、クロウラーから一足遅れて出現した第5のアザゼル型。
シャンデリアのような豪奢な巨体を空中に浮遊させている。
その正体は空母ボレアリオス。『HAE』終盤で生まれ変わったボレアリオスのミールが成長し、アザゼル型に擬態した姿であった。人類軍はこれをアザゼル型の一種と誤認していた。
美羽たちエスペラントの声に呼応する形で救援に駆けつけ、再び邂逅した竜宮島と共闘する。
多数のエウロス型を引き連れており、エウロス型自体が非常に強いため他のアザゼル型に勝るとも劣らない戦闘力を有している。
また、ボレアリオス本体は武装などはないが、人類軍の空母として誤認させることで艦隊に紛れ込み、ぶつけて制御権を同化して奪うなどの活躍を見せた。
『THE BEYOND』ではフェストゥム達に気付かれることなく偽の竜宮島近くまで接近したり、一騎の心を守るために彼を保護して眠らせる母艦としての役割も担っている。

中核となっているのは来主操だが、こちらの彼は乙姫に対する織姫のような存在で、『HAE』の操とはあくまでも別の個体(彼のことは「前にいた存在」「前のコア」と呼んでいる)。
しかし前の操と外見含めほとんど同じで記憶も完全に引き継いでおり、より人間らしい振舞いを見せるようになった。
「生まれることを嫌がった」ミールに属していた『HAE』から、「生まれる喜び」を学んで生まれてきたため生を目いっぱい謳歌しようとするようになったのが大きいだろう。
『EXO』の公式サイトでは「スフィンクス型」と記載されておりコア型フェストゥムではない(そもそも人と同化していないのでコア型の定義とは外れる)が、「人の心を持つフェストゥムにしてミールのコア」という意味では彼もコア型に準拠する存在と言ってよい。
当初は人類とフェストゥムのアルタイル争奪戦には関しない立場を取っていた*4が、交信に当たった美羽が誰にも内緒で「自分を同化する」ことを救援の見返りとして操に提示しており、これを了承して駆け付けた。
操は戦闘後に美羽に同化を求めるが「世界中のみんなが平和になって、誰も悲しくて痛くなくなったら」という追加条件に同意し、同化は保留することに。それって事実上のタダ働きでは…。
この約束は『THE BEYOND』でも健在であり、「いつまで経っても美羽を食べられない」とぼやいていた。
戦闘に参加しているフェストゥムの中では数少ない人類側(正確には竜宮島側)のミールになったと言えるだろう。

喫茶「楽園」に訪れた時は、読心能力ではなく言葉を用いてのコミュニケーションを好み、よく喋る様子を甲洋や織姫に呆れられていた。
甲洋とは転生前に交戦経験があるためか反発心を示し「君の事は好きじゃない」「違うところに行きなよ」と告げたところショコラをけしかけられビビッていた。犬が苦手*5なのも転生前と変わらずである。
その後、エインヘリヤル・モデルへと改装されたマークドライツェンを駆り「現在」の時間を引き延ばして知覚するSDPを発現、海神島上陸作戦以降の戦いに参加した。海神島上陸作戦ではウォーカーに対して「空が綺麗だと思った事はあるか?」と尋ねるが満足のいく回答は得られなかったらしく「つまらない」とこぼしていたり、憎しみのフェストゥムたるディアブロ型を「君は嫌い」と吐き捨てている。
第四蒼穹作戦では総士と共に戦う事を喜んだり、ベイグラントが地上に落ちた時は「やっとアレと戦える」と意気揚々と戦いに臨んでいる。

『THE BEYOND』では何の因果か容子と一緒に暮らしており、彼女を「お母さん」と呼ぶようになった。より感情豊かになり、傍目には人間と何ら変わりない立ち振る舞いを見せる。
その為元が純粋なフェストゥムであるにもかかわらず「人の心を持ちながらフェストゥムとしても極めて強大な力を持つ」エレメントとして、フェストゥムからは甲洋や一騎と同列に脅威視されている。
海神島の島民からは島の人間の一人として扱われており、平時は甲洋の喫茶店でバイトしているらしい。

○アザゼルF型種 クロウラー
北極圏を徘徊していた第6のアザゼル型。
ドクロの仮面をつけた巨大な蚊のような姿をしている。
ナレイン一行と竜宮島との合流ポイントでアビエイターと共に襲来。
水を凍らせる能力を持ち、水中活動できないタイプのフェストゥムを海上にも配備することで戦線を形成する。また、対象を凍結させながら同化することも可能。
これは相手の接触による同化を無効化しつつ自分だけ同化を仕掛けられるため、対フェストゥム・ザルヴァートルモデルにおいては非常に強力な能力である。
その上、アビエイターの電撃を学習することで凍結する電撃を放つことも可能となった。
また、最高位のエスペラントである美羽とエメリーですら襲われるその瞬間まで全く気付かなかったほど完全に敵意を隠す能力も持っている。
配下は主にプレアデス型で、親と子の圧倒的物量で敵を圧殺する。
合流ポイントでニヒトと交戦し凍結能力を駆使して撃破寸前まで追いつめたが、駆けつけた甲洋の援護により仕留めきれずウォーカーの撤退と共に姿を消した。
その後、竜宮島と交渉中のダーウィン基地を襲撃し再びニヒトと戦うが、マークレゾンの放った光による同化で半身を失い、露わになったコアと残りの体も光に変換されベイグラントに同化される。
そして第四次蒼穹作戦中、先のウォーカーと同じくベイグラントの戦力として第3アルヴィスを襲撃するが人外三人組の駆るニヒト、フィアー、ドライツェンの集中攻撃を受け、ニヒトに抉りだされたコアを他二機に破壊され撃破された。

『THE BEYOND』ではセレノアという日野弓子とうり二つの(例によって美羽の記憶から生み出された)フェストゥムが戦闘時にこの姿になる。
凍結によるフィールド形成能力は健在だが、甲洋と操に足止めされた挙句マークアレスによって呼び出した群れを全部喰われてしまった。人間体の方が厄介まである。


◇グレゴリ型

『EXODUS』で登場。
ミールに寄生する種で、同化した少年を模した姿をしているが、その目は真円で異常に大きく瞳が大半を占める気味の悪いものとなっている。
普通の人には無害であるらしいが、神出鬼没でどこにでも現れてはケラケラと不気味な笑い声を上げて消えるため、幽霊のように認識されている。
放送前に物議を醸した「みんないなくなればいいのに」の発言者。口から電撃をぶっぱはしない。
シュリーナガルミール由来の種と考えられていたが、その正体はアトランティスのコア=ベイグラントに由来する種。その外見と憎悪の感情は、アトランティスのコアであった少年型フェストゥムを転写したものである。
このため新国連の生み出した「パペット」と同一視されがちだが、グレゴリ型はミールが自ら生み出した純粋なフェストゥムである。
パペットの一つであるジョナサンにこの種の一つが取り付いており、ナレイン達と竜宮島が合流した際、彼の精神を乗っ取って輸送機を落とし、アイを殺害した。


◇ウーシア型

『ROL』で登場し、『EXODUS』で正体が判明した種。
コアギュラ型に似ており、『ROL』時代ではフェストゥム側の主戦力として恐れられていた。ティターン・モデルが交戦していたのもコイツ。
この種の情報からスフィンクスA型種などの海中に適応できる種族が生まれた。
戦闘ではリーダーとして機能し、集団の統率を務める。ワームスフィアからシーモータル型を生み出す能力を持つ。
武器を失いパイロットは戦意喪失というとどめを刺すには絶好のチャンスだったにもかかわらず、海中に墜落したアマテラスを放置していたことから、
『EXODUS』においても海中での活動はできないと思われる。

◇ギガンテス型

『THE BEYOND』で登場した種。ウミガメのような姿をしている。
少しコンパクトになったアザゼル型といった具合で、核を思わせる強大な火炎放射や尻尾からの極太ワームビームを放つ。
耐久力も非常に高く、壁を張って人類の核攻撃を余裕で防ぎきるほど。
島のファフナーを相手にすると一騎と美羽によって速攻で同化されてろくに戦えないイメージであるが、何かさせたらヤバいタイプのフェストゥムなので初手確殺はある意味仕方ない。

◇マイスター型

『THE BEYOND』で登場した種。ちょっと紛らわしいがマスター型ではない。
マレスペロがジョナサン・ミツヒロ・バートランドを進化させる形で生み出したフェストゥムであり、作中ではケイオス・バートランドのみが該当する。
ジョナサンと全く同じ外見だが記憶は完全に消されており、それどころか感情も希薄。
マレスペロは彼をアルタイルミールの器にすることでアルタイルを憎しみで染め、それを同化することで強大なアルタイルを手に入れるつもりであった。
経緯が経緯なだけにコア型のようにフェストゥム体を有さないが、彼のみが持つ能力として人間を「ソルダート」と呼ばれる改造兵士に変えられる事が挙げられる。
これまで同化によって無理やり&「いなくなる」までの短時間限定で操っていた人間を恒久的に支配することが可能となった。(役割が被るディアブロ型が本作では登場しない)
ケイオスはこれを「祝福」と呼んでいる。

◇マークニヒト型

PSP版に登場したオリジナルの種。ニヒトを完全に同化しており、金色に輝いている。
耐久力に応じてレンジを変えてくる上に異常なレベルの機動力を誇り、極めて戦いづらい上、撃墜するとフェンリルを起動して島ごと吹っ飛ぼうとするなど往生際も悪い。
ゲームオリジナルだが、原作においてもヘブンズドア作戦以後の時系列においてマークニヒトに似た個体が出現はしていたらしい。
とは言えわざわざ人の姿をしたフェストゥム(操)がこれを奪って操縦するために作り出されるぐらいなので、性能も含めた模倣はできなかったようではある。

◇フラグメント型

PSP版に登場。マークニヒト型が攻撃を受けた際に飛び散った破片が変化した種類で、プレアデス型(子)と同じような特性を持つ。母体であるマークニヒト型が倒されると活動を停止する。

◇タイプ不明

『THE BEYOND』のレガートが該当。
日野美羽の記憶から生み出された日野道生とうり二つ(ただし美羽は父親の声を聴いた事がないので声と性格は再現されていない。これは劇中においても担当声優さんの違いで表現されている)のフェストゥムだが、
彼は人間体のままファフナーに乗って戦闘するのでフェストゥム形態にならず、それが故に上記のどのタイプに該当しているのかは不明。
セレノアと対等な立場を取り、フェストゥムに同化された人間である改造兵士ソルダートを指揮して戦うのでアザゼル型やマスター型に相当する上位個体ではあると思われるが、ソルダートを作る描写がないためマイスター型ではない様子。
マレスペロの命令により総士の父親役として偽の島に配置され、フロロやセレノア同様に感情を学んでいく。
フロロを破壊した一騎に対して憎しみを吐露するが、自身たちのオリジンたる道生や乙姫が「他者を生かすために犠牲になった」事を知って一騎達の行動にも一定の理解を示したり、マークアレスに恐怖するなど人間臭い言動が多い。


ミール


フェストゥムの指令系統の中枢に当たる存在で、情報を高密度に集積した光子結晶体。全宇宙に無数に存在し、本来は知識を記憶し続けるだけの存在であるが、ごくごくまれに、吸収した情報に反応して、生態系に多大な影響を及ぼすほどの行動を起こす。
その「ごくごくまれな行動」が地球で起こったことが地球人類にとっては悲劇の始まりとなった。

全てのフェストゥム=人類側が「個体」と認識するのは全てミールの端末であり、自意識を持っている場合も基本的に例外ではない。

マスター型が「我々」、操が「俺達」と呼んでいるのはこのミールのこと。要するにフェストゥムの本体である。これが学習した情報に応じてフェストゥムは活動し、フェストゥムの集積した情報によってミールは学習する、という繰り返しである。

他作品でいうと、バジュラに対するクィーン、マキナ人間に対するセントラルのようなもの。

無印までは一応善意によって動いていたのだが、北極ミールが人類軍の核攻撃で破壊されたのと、その直前に総士がイドゥンを介して「個」の概念を教えたという二つの事象が最悪のタイミングで重なったのが原因で、ミールごとに分裂、別々の意識を持ってそれぞれの目的のために動き出した。
当然ながら各々がフェストゥムを生み出す能力も残っており、『EXODUS』時点では「人類を敵視するミール」「人類との共存を模索するミール」「争いに参加せず独自の生態系を作るミール」など様々な性質のミールが地上に存在している。


【各ミール】


  • 超古代ミール
確認されている中ではもっとも古いミール。
古代人類がホモ・サピエンスに進化する過程で遺伝子に干渉しており、現在ではヒトの遺伝子の一部として存在している。
フェストゥムが人類を読心出来るのはこのミールの存在が遺伝子という形で残っていることによる名残のようなもの。
長らく裏設定みたいなものだったが、『THE BEYOND』で初めてその存在について言及された。総士曰く「人類と一つになって消えた」らしい。

  • 北極ミール
西暦2114年に北極に飛来したミール。地球上全てのフェストゥムを生成・統括し、それによって全地球生命体の同化を成し遂げようとしていた。TV版の元凶。
2113年に「あなたはそこにいますか?」と問いかけ、地球人が電波信号による返答を行った結果地球へ飛来、フェストゥムを生み出し侵略に乗り出した。月面の裏には分身である小ミールが無数に存在する。
各地にスフィンクスA型種を送り出して情報を収集・解析・学習することを繰り返し、最終的には分身となるマスター型2体を作り出し、人類軍にスパイとして送り込むまでに成長した。
竜宮島を攻撃しつつファフナーを解析、要であるジークフリード・システムをイドゥンによって奪い、切り札にしようとした。そして、蒼穹作戦でシステムを奪回されたことをきっかけに本気で動き出し、大気圏外から襲来するフェストゥムと共に全てを同化するため宇宙へ上がろうとしたが、ザインとジーベンによる同化砲撃の直撃を食らって木っ端微塵に砕け散った。
この作戦を通じて総士によりイドゥンを通して「痛み」の概念を学んだ北極ミールは、砕け散った際に残されたフェストゥムに「個」の概念を伝えた。
『EXODUS』においては、人類軍から「ポラリス」のコードネームを振られている。
エメリーの弟が偶然この欠片を手に入れ、彼が同化された後はエメリーが継承。彼女によってシュリーナガルに根付かされた事により成長を遂げ、アショーカとなった。
ボレアリオスミールやアザゼル型もこの時の砕けた破片が個体となって誕生している。


  • 瀬戸内海ミール
西暦2085年に日本において人類史上最初に発見されたミール。
瀬戸内海の海底にあった巨大なクレーター跡から発見され、人類はこれを研究することによって超古代ミールの存在と、人類進化にミールが大きく関係していることをつきとめた。
しかしその過程で妊娠を妨げる遺伝子障害を発生させる毒素を日本中にばら撒き、影響圏内にあった全生命体から受胎能力を喪失させた。
3分割された後、アルベリヒド機関、日本自衛軍研究機関、国際エネルギー研究公社の3箇所に保管されていたが、北極ミールのフェストゥムの活動に呼応して増殖を開始。
「死」の概念を間違って理解していたことから、日本中の全生命を「死なせないために生まれさせない」という認識から遺伝子障害を発生させてしまい、国内の日本人は全て生殖能力を失うこととなった。
さらに汚染拡大を恐れた新国連の攻撃によって日本列島が焦土と化して以降は、3つの欠片がそれぞれ3つ作られたアルヴィスに託され、現在の竜宮島製ファフナー、およびそのコアに欠片が使用されている。
この性質上、3つに分離したとは言え島のミールは限りなく純粋ミールに近い存在であると言える。


  • 竜宮島のミール
竜宮島のコアとして使用されている瀬戸内海ミールの欠片の1つ。本編では結晶体から大気へと組成を変えており、島の空気に溶け込んで存在している。
乙姫がまだ胎児の状態であった頃、ミールの欠片が北極ミールと呼応して研究中に暴走、身ごもっていた皆城鞘を取り込み同化、生命を宿した母体であった鞘と同化した結果「誕生」を理解し、無機物から有機物への激変を成し遂げた結果による。なお鞘との同化時に彼女の胎内にいた乙姫は、フェストゥムと融合した状態で救出されたことで大気となったミールの欠片と意思疎通をする能力を得た。
これによりブリュンヒルデ・システムが成立し、ミールによる島の環境制御・防衛システムが制御可能になっている。これは、紅音が北極ミールに命を与えたように、鞘が瀬戸内海ミールに命を与えたということらしい。
TV版後半で中途半端に「死」を理解してしまったために島の環境ごと自滅しようとしたが、乙姫と完全に融合したことで、「生と死の循環によって成り立つ生命のあり方」を理解する。その結果、弓子は道生との間に娘をもうけることとなり、誕生した美羽は世界最高のエスペラントとして生を受けた。
『EXODUS』ではエメリーの接触を通して、ウルドの泉で大量のゴルディアス結晶を発生させている。さらに新世代パイロットたちに「SDP」と呼称される異能の力を発現させ、同時に部分的同化と肉体の変質を引き起こしているが、これは織姫曰く、島のミールはまだ成長の過程であり、人間を理解しきれていないまま、それでもパイロット達の命を守ろうとした結果の「祝福」らしい。
そして第三次蒼穹作戦中に剣司及び彗とクロッシング、それまでに「いなくなり」ゴルディアス結晶へ「還った」者達の姿を借りて対話する。
両者はその間周囲から見れば「眠っていた」らしいが、剣司は目を閉じたまま指揮を行っていた。このことから、一時的に意識が「ファフナー側」と「ゴルディアス結晶側」に二分していたのではないかと考えられる。
また、里奈はダッカでの戦いで広登が死亡したのと時を同じくして「広登が還ってきた」と語っていたが、当初は「還った者達」の中に広登の姿はなく、第三次蒼穹作戦の際、暉と共に島へと還る姿が描かれた。
大気となったミールなので、生命を正しく学んでいけばいずれは海中だろうと宇宙空間だろうと島に住む人を生存させられるだろうと真壁史彦は語っている。そしてTHE BEYONDでは……

  • 蓬莱島のミール
人類軍呼称・アヴァロンこと「第2アルヴィス・蓬莱島」にある瀬戸内海ミールの欠片のうちの1つだが第一シリーズでイドゥンによって島のコアごとに同化されてしまう。現在はマークニヒトの中で眠っている。
第1シリーズ中盤で人類軍による奪回作戦が行われたのはこのアルヴィスである。当初の設定では他の国が建造した事になっていたが、EXODUSで設定変更が行われ、今の設定となった。
先述した通り、当初は異なる設定だったためかかなりマイナーであり、ファンでもこの設定及び設定変更を知る人は少ない。その為か月間シリウス版では例の甲洋が同化された島はハッキリと蓬莱島と明言されている。


  • 海神島のミール
第3アルヴィス「アトランティス」こと「海神島」のコアとなっている瀬戸内海ミールの欠片1つ。
島のミール同様に島民と絆を育んでいたが、島は人類軍によって滅ぼされ、コアも奪取され、人類軍の入手した北極ミールと強制的に同化。ベイグラントの制御やパペットの生産に使われていた。また、パペットの一つであるジョナサンを通じて人類軍の情報収集にも使われ、他のアザゼル型の誘導も行わされていた。
しかし、人類軍が滅ぼしたアトランティスの島民や、パペットの中で発生・消滅を繰り返した人格の「死」がベイグラント内部に「憎しみ」の感情から成るゴルディアス結晶を発生・成長させ、最終的にジョナサンの人格が消去され、器としての条件を満たした事で反旗を翻した。
要するにこのミールは、アトランティスの人々やパペット達の死を招いた人類軍にとうとうブチキレたのである。
ジョナサンを制御していたグレゴリ型を相互同化することで融合、マークレゾンを強奪して攻撃を開始。襲撃してきたクロウラーを返り討ちにして同化、その後「理由なき憎しみ」を植えつけたジョナサンとマークレゾンを代行者に、島を訪れたアショーカと竜宮島の部隊を抹殺すべく襲来。
かつての己の居場所を襲撃するという皮肉な運命を辿る事となった。


  • ボレアリオスのミール
空母ボレアリオスに同化した北極ミールの欠片。操の母体でもある。
人類軍の空母ボレアリオスを丸ごと同化したあとコロニーを形成し、平穏の中で島のミールと同じように命の循環とは何かを学び生まれ変わろうとしていたが、新国連の攻撃を喰らったことで理解した「痛み」と「憎悪」に苛まれ生まれ変わることを拒むようになる。
紅音を同化したミョルニアを保護しており、彼女がもたらした紅音の知識により、人類の戦術を学習・模倣するようになっている。
竜宮島の防御システムに関しても学んでおり、偽装鏡面やヴェルシールドも備える。
メッセンジャーとして操を生み出し、竜宮島のコアを同化することを求めた。これは、存在することの痛みに耐えられないミールが、それを教えた竜宮島のコアを同化すればどうにかなるのではないか、と考えたことによる。
しかし、第二次蒼穹作戦を経てようやく命の循環と島のミールの祝福を理解し、美羽との対話によって生命体の在り方を理解。操の呼びかけに応じボレアリオスを包む大気へと組成を変え、人類との共存の道を探すために姿を消した。
『EXODUS』では劇場版で死亡した操の後継体として「新たなる来主操」を作り出しており、当初は艦体周囲を金色の結晶で覆ってアザゼル型に擬態。
当初は戦いに関わらず中立の立場にいたが、アビエイターとクロウラーの襲撃を受けた美羽とエメリーからの交信を受け、美羽が交換条件として自分を同化することを申し出たのを受け、アルヴィスを救援。
以降は操と共に竜宮島部隊との共闘関係を結んでいる。


  • シュリーナガルミール(アショーカ)
シュリーナガルに存在する北極ミールの欠片。別名「世界樹アショーカ」
北極ミールの破片をエメリーが古井戸「バルカ」に根付かせ、天空にまで届こうかという高さを持つ巨大な樹の形にまで成長した。
寄生・共生するフェストゥムは人類を同化しないが、ロードランナーの襲撃を受けて壊滅してしまった。
人類側に引き込もうと考えたナレインによって美羽と対話するが、彼女が幼すぎたため、美羽の肉体年齢を急速に成長させることで対応しようとした。10歳程度で止まったが、これは弓子が勘付いたことと、急激な成長は美羽の命にかかわると考えたため。その後、崩落で死亡した弓子を美羽を守る存在として蘇生・存在を維持している。
基本的に人類の意思を拒否・敵対する様子はないが、島のミールやボレアリオスのミールのように、人間という生き物をまだ完全には理解できていないため、どうにもやり過ぎ・行き過ぎな部分が目立つ。
美羽との接触の翌日に襲来したロードランナーによって樹の部分は破壊されたが、根元のコアは生存しており、ナレイン一派によって第三アルヴィス・アトランティス跡地へと植樹するための「脱出行」が始まることになった。
最終的に第三アルヴィスのコアとして根付き、人型のコアを生み出している。

『THE BEYOND』では一貫して「アショーカ」と呼ばれている。
脱出行の経験からか人を守護することにかけては非常に優れており、かつて核汚染を受けた竜宮島の大人達を竜宮島ミール同様に保護しているだけでなく、ヴェル・シールドを突破して島内に突入した敵に対しては物理防壁を使わずアショーカ自体の守りで攻撃を防ぐことができる。
更には戦闘機にアショーカの守護を持たせることで低度のワームに対する耐性を持たせるなど、防御能力は弱体化さえされなければ極めて高いと言える。
おそらくは脱出行やその後島の復興の過程で命についても正しく学んでいったらしく、『EXODUS』のような過剰な側面は見受けられない。*6
コアはかつてのエメリーと似たルヴィ・カーマ。未来視の能力があるらしく、滅びの未来を回避すべく様々な試練を島の面々に提示していく。
その経緯から彼女も厳密には人間とフェストゥムの融合体ではないが、実質的にコア型フェストゥムに相当する存在であると言えるか。
ナレイン将軍を彷彿とさせる話術も特徴的。レスバ最強幼女と呼ばれたりも……


  • 外宇宙のミール
ミールは大半がこれに該当するのだが、ここでは『EXODUS』で地球に近づきつつあるミールを指す。別名「アルタイル」
ナレイン一派は交信を試みているが、アザゼル型が妨害しており未だ対話は果たせていない。
一派がシュリーナガルミールを引き込もうとしたのはこのミールとの対話のためである。
シュリーナガル壊滅の時点では半年後に到来すると予想されており、人類軍も色々な手段で敵意がないことを示していたが、結果的にはさらなる脅威の到来となってしまった。
新国連側もこれを手に入れることを模索しており、アザゼル型ベイグラント(=第三アルヴィスのコア)を使ってアルタイルを手にする計画であった模様。
つまりところ『EXODUS』の物語は全てこのアルタイルに起因している。

『EXODUS』最終回にてついに地球に到着。
分割などされていない純粋ミールである為、独立したフェストゥムである甲洋やボレアリオスミールのコアである操が、凄すぎる、抵抗できないと述べる程の影響力を持っている模様。
おそらく地球に到着したころの北極ミールと同等かそれ以上の存在とみられる。
その圧倒的な力で竜宮島を問答無用で同化しようとするが、芹の決死の攻撃で一瞬同化が緩んだところに織姫が説得を試み、対話の準備が整う未来まで竜宮島と共に眠らせる事に成功した。
史上最高のエスペラントである美羽がその能力を十分に発揮できるように成長するまで、あるいは美羽並かそれ以上のエスペラントが生まれて対話が可能となるまで、竜宮島、そして芹と共に眠り続けるのであった。

『THE BEYOND』でも相変わらず竜宮島と共に眠り続けているのだが、前述の通り凄まじい力を持つためマレスペロはこれを手中に収めようとしている。
一方でアルヴィス陣営としても竜宮島を取り戻すことは悲願であると同時に、アルタイルを迎え入れる事がマレスペロに対抗できる人類にとって唯一の手段である。
新国連や独立人類軍も、アルタイルを味方に付けられるのは竜宮島及び海神島の面々のみであると認識しているらしく彼らの邪魔はせずむしろ協力態勢を構築している。
アルタイルを迎え入れる手段は『EXODUS』以後の2~5年間で確立したようだが、その手段は………


  • 森のミール
シャッター作戦で作られたフェストゥムの密集地の一つに存在するミール。人類との共存を目指す、あるいは単に敵意や戦意のないミールの欠片が一箇所に流れ着いて互いを同化し巨大化したもの。
その名の通り森のような姿をしており、一本一本はシュリーナガルミールには及ばないが、それでもファフナーを凌駕するほどデカい。
森の中にはグレンデル型が群れをなして駆け回っている。
派遣部隊とペルセウス中隊はこのミールと対話を行い、エネルギーの提供を受けている。



【ゲームにおけるフェストゥム】


スーパーロボット大戦K

命中・回避が上昇する「読心」という特殊能力を持つが、効果がショボすぎるのでほぼ効果はないと思っていい。
更に全体的にパイロット能力・機体性能共に低いので、本作でも屈指の弱敵勢力である。『K』の原作愛と知識の無さがこういうところでもよくわかる。
同化もイドゥンしか持っていない上にファフナーにしか効果がない。
尤も、後述のルート分岐の点や『UX』での全力全開っぷりも併せて、意図的な調整と見るプレイヤーも多かった。
…事実、上記の読心の効果がショボいなどと笑ってられるのは雑魚戦まで。
マークニヒトに乗っている由紀恵*7やイドゥンはC・コードと読心の重ね掛けにより、命中回避+80%が付く。
こんなの相手に精神コマンドなしでスーパー系を立たせた日にはどうなるかお察し。このルート唯一のスーパー系のガンソの皆様お疲れさまでした。
…まぁ、マークニヒトのメイン武器であるホーミングレーザーがビームなのが災いしてアカツキと海に沈めたアークエンジェルで完封できたりするわけだが。
むしろ彼らがいるおかげでマークニヒトをガス欠にして安全に戦う事ができるのでヤタノカガミとラミネート装甲に感謝しつつ、フルボッコにして差し上げよう。

シナリオ上でもファフナーの原作再現をするためだけの存在でクロスオーバー等は無く、ルート分岐によっては一度も戦わないことも。
何故か擬態獣と仲が良く、必ず同時期に活性化している他、一緒に竜宮島を襲撃してくるステージもある。
両者にどんな関わりがあるのかは最後まで不明だが、終盤では同化現象のデータの応用でラビットシンドロームの治療法が確率できたので「本当は「フェストゥムと擬態獣は元は同じ存在だった」ということにしたかったが、ライターの技量の問題で描ききれなかったのでは?」と考察されることも。
撃破時の演出はワームスフィアを伴って消滅という専用のものになっており、これは『UX』にも引き継がれる。


スーパーロボット大戦UX

『K』での原作レイプな扱いの鬱憤を晴らすように、「読心」が超強化。
雑魚でもリアル系トップエースクラスが精神無しでは油断できない命中・回避率を叩き出してくるようになった。スーパー系ならお察し。
例としてプロローグに出現するフェストゥムと戦う場合、SEEDを発動させたアスカさんでも殆どの場合で命中率が5割以下になる。
何故ならここに登場するスフィンクス型が読心Lv4で命中回避に+80%の補正がかかっているため。
つまりのっけから『K』のフェストゥム最終決戦クラスの補正持ちとの戦闘を強いられる。しかも完封方法なし。なに…この…なに…?

余談ながら、読心Lv4を持っているフェストゥムは他に13話にしか登場しない。
イドゥンや操ですら読心Lv3(命中回避+50%補正)である。つまりはイベント仕様。マークニヒトに乗ってもCコードはつかないので、イドゥンは弱体化しているが、代わりに毎回ターン制限で苦しめてくる。
なので、序盤の雑魚フェストゥムならここまでぶっ飛んだ戦いにはならない。油断は禁物だが。
前述のエウロス型も読心Lv3持っているので切り払いができるようになったのは全く慰めにならない

更に『K』ではイドゥンしか持っていなかった「同化」を全てのユニットが持っている上にファフナー以外にも効くようになったため、
ある例外(後述)を除いて攻撃を当てられるごとに気力が減り一定以下になると問答無用で撃墜されてしまう。
読心の補正と併せて「スーパーロボット絶対同化するマン」である。
プロローグにてシナリオでもゲームシステム上でも、その強さを見せ付けられて驚かされたプレイヤーは多いだろう。
総じて原作の「ファフナー以外の兵器では手も足も出ない」という設定に合致した非常に厄介な敵となった。
余談だが、ゼロファフナーは里奈の能力がリアル寄りなのに機体が完全スーパー系というアンバランス過ぎる状態であるため、
事前の改造不可で出撃させられる第二次蒼穹作戦では里奈の養成を全くしていない状態で突っ込ませると大体フルボッコにされるというファフナーのくせにフェストゥムとの相性が悪いという何とも言えない事に…

シナリオ面でもファフナー勢と同じく多くの作品との魅力的なクロスオーバーを見せてくれる。
特に、「人類とはまったく異なる存在との対話・共存」がテーマになっているバジュラやELSとのクロスオーバーは話題となり、
『UX』自体を「スーパー対話大戦」と呼ぶプレイヤーもいる。

なお、この作品ではSEED系のMSは対フェストゥムを想定して開発された兵器である、と言う設定がある。
シナリオ上でそうなっているだけで、この作品でだけSEED系MSに特別な能力が追加されていたりする訳ではないのだが…
ここまで想定してかどうかは分からないが、「フェイズシフト装甲」系の特殊能力がゲームシステム上で実際に対フェストゥムとして機能する。
フェストゥムの攻撃は基本的にバリア系の能力で防ぐ事ができず、1ダメージでも受けてしまえば「同化」が発動する。
なので避けるのが望ましいが読心のせいでそれは難しい。では「特殊装甲」に分類される能力では?
バリアではないのでフェストゥムの攻撃にも作用し、かつ一定以下の威力ならダメージを0に抑え込んでしまう。
つまり食らっても同化されないのだ。
そんな訳で、デスティニーなどのMSでもファフナー並とは言わずともそれなりに対抗できたりする。
……正直このシナリオとゲームシステムの噛み合いっぷりがマークデスティニーのパイロットというネタを補強してる感もある。
尤も、あくまで「それなりに対抗できる」レベルであることに注意。頼みの綱のVPS装甲もワーム・スフィアーがVPS装甲貫通属性持ちなのでスフィンクス型以降のフェストゥムには基本的に無力というオチが付く。
装甲も厚くないし、基本は何とか回避に持ち込む方向で戦うのが正しい。エウロス型のミサイルには効果があるのだが、貫通される可能性が高い。

ちなみにゲーム中で説明がないが、実はヒーローマンとNPC飛影は読心も同化も無効するという凄まじい能力を持ってたりする。
なので飛影はともかくヒーローマンは対フェストゥム戦の主力となる。水中戦ができないので第二次蒼穹作戦では相方に飛べるようにして貰う必要があるが。

これは、フェストゥムが人類の心を読めるのは遺伝子に存在する超古代ミールの痕跡のおかげであり、機械であるヒーローマンとNPC飛影はそもそも対象外だからである(特にヒーローマンの場合、コントローラーのジョーイの思考は読めるので余計に混乱するらしい)。
ただし、シナリオ上ではフェストゥムとの初戦でジョーイが読心能力を警戒する場面があるので気づかないプレイヤーもいたと思われる。

ちなみに三璃紗の侠達はしっかり読心の対象。まぁ精密検査をした結果、「正真正銘の人間」って社長が言ってたし…

あと、劇場版の甲洋と隠しで仲間になる操もしっかり読心L3で命中回避に+50%がかかっている。マークニヒトも同化を持ってるけど、さすがに仲間になった後は無差別な同化はしてくれない。

なお、実はSEEDを発動させたアスカさんは読心能力すら無効化するフェストゥム特効みたいなパイロットであった事が後の『SEED FREEDOM』にて判明している。
その彼が、5割以下の命中率の戦いを強いられた末にデスティニー大破まで追い込まれたのがUXプロローグである。最初からクライマックスってレベルじゃねーぞ!

【余談】



アニメ前半で文芸統括・後半でメイン脚本家となった冲方丁氏は、小説家としての第2作『ばいばい、アース』にて主人公の愛剣の属性として「生まれ続ける『未然形(アンテ・フェストゥム』)」、
主人公と対する剣士が手にした剣の属性として「死に続ける『己然形(ポスト・フェストゥム)』」なんて形容詞をつけており、もしかしたらそれが由来になったのかも知れない。



追記・修正はグレンデル型を倒してからお願いします。

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最終更新:2024年03月18日 16:15

*1 作中では殆ど描写されないが、『EXODUS』ではダメージを与えたスフィンクス型フェストゥムがそのダメージを修復しようとする描写がある

*2 マレスペロは自らの肉体を成長させた際に「ファフナーにも乗れるよ」と発言しているので、幼い姿のままでは乗れなかったと思われる

*3 もっとも、美羽の言うことには逆らわないというのは『EXO』以降島の住民が無意識にやってしまっていることではあるのだが

*4 襲われたら人・フェストゥムを問わず撃滅していた様子。アザゼル型と誤認されたのもそれが理由だろう

*5 実は操が感情を得る学習元となった総士が「犬が苦手」なのが犬を苦手とする原因だったりする。なので『THE BEYOND』では猫のクーを可愛がっている

*6 例えば海神島での戦いで死亡した人間の存在を維持したりはしなくなった。

*7 『K』においてはイドゥンに同化された由紀恵と戦う機会がある