NCIS

登録日:2011/08/21(日) 02:09:40
更新日:2024/01/07 Sun 04:17:16
所要時間:約 4 分で読めます




1.アメリカ合衆国に存在する法執行機関で、同国海軍省の系列下である。

正式名称はアメリカ海軍犯罪捜査局(Naval Criminal Investigative Service)

任務として軍内部で起きた汚職、犯罪や脱走兵の追跡や証人の保護、テロ対策、防諜活動がある。


2.同機関を舞台にした海外ドラマ。
タイトルは『NCIS〜ネイビー犯罪捜査班』

『犯罪捜査官ネイビーファイル』のスピンオフとして2003年から放送されており本国ではシーズン18まで放映を終え、シーズン19が放送中。
スピンオフでありながら本家の人気を越えてしまい、全米で最も人気のあるドラマとすら言われている。
そのためこの作品こそスピンオフなのにも関わらず、NCISから派生したシリーズが3シリーズも誕生してしまったほどの化け物番組。

日本ではFOXチャンネルにて放送していたが、2012年にDlifeが新たに吹替版を製作し、現在はこちらで定着している。

長寿ドラマではお決まりであるが出演者がころころ変更されており、シーズン19ではついに主役であるギブスが降板となった。



主要登場人物

リロイ・ジェスロ・ギブス
声:田中秀幸井上和彦

本作の主人公。
NCIS特別捜査官、現場対応チーム主任として事件解決に帆走する。
元海兵隊一等軍曹で当時はスナイパーであったが、とある事件から退役。NCISに籍を移す。
優れたリーダーシップと捜査能力により数々の事件を解決に導く。
今までに四回結婚しており全員が赤毛。
最初の妻であるシャノンの死別を除き全て離婚している。
趣味はボート作り。
ブラックコーヒーを欠かさないなどこだわりが強く、自分の考えを滅多に曲げない人物。
地獄耳で、気づかれずに人の背後に立つのが得意であり、恐れられている。

ちなみにFOX版日本語吹き替えを担当するのはオタコンでお馴染みの田中秀幸だが、ギブス自身は機械には全く疎い。
一方でDlife版で新たにギブスを担当した井上和彦は自身も多数の離婚歴を持っており、これ絡みで選ばれたのではと言われている。
特に井上和彦の場合はこのギブスの吹き替えが当たり役となり、以降壮年の役を主に演じるようになった。


アンソニー・“トニー”・ディノッゾ
声:居谷四郎・森宮隆

上級捜査官でありギブスの部下。愛称はトニー。
幾つもの殺人課を渡り歩いてきた経歴がある。
女性と映画と車が大好きで、作中ではおちゃらけキャラを演じている。イタリア系
意地悪なことを言ってメンバーをからかい、いつの間にかいたギブスに頭を叩かれるのが定例。
しかし、その能力は本物で気転を効かせた捜査で事件解決に貢献する。
父親とは不仲であまり語ろうとはしないが、彼の名前は父の名前をそのまま受け継いでいる。

演じるマイケル・ウェザリーはドラマ「ダークエンジェル」のヒロイン(?)である
ローガン役でブレイクを果たし、日本でも知名度が高い。
だが、「ダーク~」は2002年春、わずか2シーズンで打ち切りになってしまい
ウェザリーは翌2003年春、起死回生をかけて本ドラマのパイロット版に出演、
見事、賭けに勝利することとなった。

人気のキャラクターだったが、シーズン13でついに番組を去る。が、作中でしばしば名前が出てくる。


ティモシー・マクギー
声:関直人・会一太郎

マサチューセッツ出でチームでは主にコンピューターでの情報収集や解析に務める。
初登場はシーズン1の7話だが本格的に活躍し始めたのはNCISに配属されたシーズン2から。

チームでは最年少であったり、オタクであることからトニーによくからかわれている。
オタクを意味するギークとマクギーを掛けたマクギークや新入りを意味するプロビーなどと呼ばれる事も。
トニーとは兄弟のような関係で捜査を共にする。

趣味は推理小説の執筆で、チームをモデルにした小説を出版している。
いかにもギークな見た目だが、何気に女性にモテる羨ましい人物。

ギブス役のマークが引退、ダッキー役のデヴィッドが出演中に急逝したことから、番組では随一の古株となった。

演じるショーン・マーレイは、製作総指揮のドナルド・P・ベリサリオの義理の息子。
また日本語版で演じる会一太郎は6代目三遊亭圓楽の実子でプロの声優。つまり「有名人の息子」タレント繋がりだったりする。


ジヴァ・ダヴィード
声:大津愛理

モサドから来た連絡将校であり現在はギブスの元で働いている。
後述のケイトと入れ替わりでチームに加わった。
モサドという事もあり、その能力は折り紙付きで暗い中での正確なヘッドショットや体術、尋問能力などで捜査をサポート。
特に尋問については作中で描写される事は少ないが、強情な女性が場面が切り替わった時には完全に怯え自白モードになっていた事も。
モサド恐ろしや。

「外国からやってきた美女で」「殺人などのエージェントテクに長けていて」
「最初は悪役に近い立場で」「時々カタコトでボケる」…といった
フィクションじみた設定の数々を一身に詰め込んで多大な人気を得た、
アメリカ実写ドラマの実力を見せつけるキャラ(注:編集者の私見です)。

父との関係性の悪化もあってモサドから離れ、アメリカ国民として市民権を得たものの、父の死などを経てシーズン11の序盤で降板。
その後作中で死亡したとされていたが、シーズン16で帰還して再度協力者となる。


アビゲイル・“アビー”・シュート
声:葛城七穂・愛河里花子

NCIS切っての科学捜査分析官。愛称はアビー。
黒髪お下げ、ゴシックパンクファッションにタトゥーと一見するとそれとは見えない異質な捜査官。
性格はお茶目でギブスとは違った方面でチームの良きまとめ役。
Mr.ブラックコーヒーことギブスと同じくカフェイン中毒でカフパウというカフェインたっぷりの飲み物を愛飲している。
時折その無邪気な性格が災いして変な奴に狙われる事も。
両親が聾唖者であるため手話が使える。

ギブス、トニーと並んで最初期から登場を続けるキャラであり、スピンオフ「~LA」にも登場する
本作の個性を体現する人物。
人気キャラクターであったが、演者同士のトラブルもあって、シーズン15で降板した。


ドナルド・“ダッキー”・マラード
声:小島敏彦・納谷六朗→千田光男

NCISの検視官主任。愛称はダッキー。
ギブスとは十年来の付き合いで良き友人でもある。
とにかく蘊蓄(うんちく)が多く、メンバーは時折それにウンザリすることも。
検視中に遺体と一方的にだが会話する癖がある。

演じるデヴィッド・マッカラムは、1960年代のTVドラマ「0011 ナポレオン・ソロ」の
イリヤ役でブレイクした古株(親・祖父母世代なら知っているかも)。本作でもネタにされていた。
本作で若い層からも人気を得ることとなったが、1933年9月生まれで、シーズン20時点で90歳という高齢だった。
作中で心臓発作で倒れた際には「番組降板か!?」と心配した人も多かった。
後期は降板を申し出ていたが、スタッフの慰留によってNCISの検視官を退職した設定にはなりつつも歴史家という立場となり、
出番を大幅に減らしながらも出演を継続していた。
しかしデヴィッドが90歳を迎えて6日後に急逝。ついぞデヴィッドの降板の思いは敵わず、図らずともダッキー役を墓までともにすることに。
Dlife版の中の人は双方ともに逝去している。


ケイトリン・“ケイト”・トッド
声:佐古真弓・斎藤恵理

元はシークレットサービスとして大統領の警護などに当たっていたが、上司の命令に反発して辞職。
そこをギブスに拾われる形でNCISに入った。(シーズン1の第一話)
愛称はケイト。
プロファイリングを得意とし、捜査に協力する。
絵が上手く、よくスケッチブックにチームの似顔絵を描いていた。
トニーには色目を使われるというより姉弟のような関係で、チームに色を添えていた。
特にトニーがウイルスに感染した際は自身も感染を装って側に居るくらいだった。
しかしシーズン2は彼女の衝撃的な殉職で終わり、シーズン3でその解決編が描かれる。
殉職後、カウンセラーとして姉のレイチェルが登場する他、チームに深い傷を残していることがしばしば描かれる。
特にトニーは金魚にケイト(と離脱したジヴァ)の名前を付けている。
記念回ではもしケイトが生きてトニーと結ばれていたら?といったIFも描かれている。


【日本における露出(あるいは不遇)の歴史】

近年、海外ドラマ周辺の環境には大きな変化が生じている。
2000年代半ばの韓流・華流ドラマブームによってアメリカドラマはNHK(地上波・BS)、民放地上波から押し出され、
BS・CSのチャンネルに活路を見出していく。

「NCIS」は、この海外ドラマ不遇の流れに押し流されたドラマだった。

2003年にアメリカ本国で放送を開始し、大きな人気を獲得した本ドラマではあったが、
日本輸入は実にそれから3年後、2006年秋のこととなった。
そしてそこで、放映を担当したのはCS「FOXCRIME」…通常の「スカパー!」契約では見られないチャンネルである
(プレミアムサービスなどでしか流していない)。

さらに、日本版制作陣はそこで『日本語吹き替え版は制作しない』という、マイナードラマによくある決定を下す。
シーズン2以降は通常のスカパー!チャンネル「FOXチャンネル」に移動が叶ったものの、
「制作されるのは字幕版だけ」という形が続き、無料チャンネルで公開し辛い状況が長引くこととなった。

2009年、ようやく日本国内でのDVDソフト化企画がスタート。そこでやっと吹き替え版が作られることとなった。
「もう本国ではシーズン6やってんだぞ、オセーんだよ」という声はあったものの人気を博し、
テレビ東京での吹き替え版放映も実現して、ようやく光溢れる世界へ……

とはいかなかった。
DVD企画はシーズン2発売をもって挫折、また「制作されるのは字幕版だけ」という暗黒の中へ引き込まれていく……

かと思われた。
2012年、無料の海外ドラマ専門BSチャンネル「Dlife」開局により状況がまた好転する。
改めて吹き替え版が作られ、全国的に多くの人の目に触れることに成功してシーズン3以降のDVD企画も復活。
「もう本国ではシーズン9やってんだぞ、いい加減にしろよ」という声はあったもののようやく明るい未来へ踏み出した。

ただ、この「Dlife版」は“大人の事情”を強く漂わせるものでもあった。
かつてDVDでシーズン2まで作られた旧吹き替え版を無かったことにして、
キャストを総入れ替えしてシーズン1から新吹き替え版を作り直したのだ。
結果、

「テレビ放送上では旧版は抹消」
「DVDでは旧版がそのまま発売されシーズン3以降の新版に続き、シーズン2までの新版は商品化されない」

という、旧版・新版双方のファン・関係者にとってスッキリしない事態となった。

果たして、日本での放送事情がこの好調のままでいられるか……注目されるところである。


追記、修正は映画ネタに詳しい方にお願いします。

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最終更新:2024年01月07日 04:17