消しゴムショック到来!?(星のカービィ デデデでプププなものがたり)

登録日 :2012/02/16(木) 02:39:35
更新日 : 2017/06/13 Tue 21:23:59
所要時間 :約 6 分で読めます





平和でのどかな国プププランド。


たくさんの自然や食べ物にあふれた豊かな国であったが、


今、あるものの不足が深刻な事態をまねこうとしていた。



消しゴムショック到来!?はひかわ博一の「星のカービィ デデデでプププなものがたり」の、
第20巻の七話目に収録されているお話。

◆ストーリー◆
「おかしーな~、これで3件目だよ。」
ある日カービィは困っていた。
遊びで(マジックペンで)カインの身体にしてしまった落書きを消す為に消しゴムを買いに行ったのだが、
どこのお店に行っても消しゴムが売り切れてしまっていたのだ。
リックの話によるとコンビニにすら無かったようで、クーはまさか消しゴムが売り切れるなんて…と不思議がっていた。
アドレーヌもデッサンに必要な消しゴムが買えず、住人達は落ち着いて勉強も出来ないと嘆いていた。
カービィは、誰かが消しゴムを買い占めているに違いないと推理するが、
仲間達は限定品やブランド品でもない消しゴムを誰かが買い占めるとは到底思えず、ちょっとした不思議現象だろうと思っていた。


ところが…。


「大王さまどうしたんですか、この消しゴムの山~!」
「プププランド中の店から全部買い占めたんだデ!」
所変わって、デデデ城の大王の部屋、 ポピー の驚きの視線の先には、山のような大量の消しゴムがあった。
「これがもうすぐ宝の山に変わるんだデ。なあチック。」
「はい。おおもうけできますよ!」
呼ばれたのは財テクの達人、 チック
彼は持ち前のテクニックで、以前、割り箸やトイレットペーパーが不足していた時に大儲けをした実績の持ち主だという。

そのチックがあるすじから仕入れた情報によると、現在消しゴムの原料が不足しており、
その上、プププランドで 唯一の消しゴム作りの職人(一つ一つ包丁で手作り) が、大リーグに夢中で仕事が手に付かない状態になっているようなのだ。
そこから供給不足になるのは時間の問題と考えたチックは、消しゴムをあらかじめ買い占めて、欲しい人に高く売りつけるという算段をたてたのだ。
ポピーはそんなに上手くいくのだろうかと不安がっていたが、チックもデデデも自信満々だった。
「よっしゃー、もっと買い占めるデー!!」

…何日かたって、事態は大王たちの思惑通りになっていった。
消しゴム不足は世間に広く知れ渡り、大変な騒ぎとなっていた。
消しゴムが一つも手に入らず困り果てる者、残り少ない消しゴムの不安に怯える者、
シャープペンを刺して駄目にしてしまった事を後悔する者、消しゴム付き鉛筆のありがたみを知る者…
そんな住人達が増え、プププランドが不安に包まれていたそんな時、

「おーいみんな!見てくれ!苦労して手に入れたんだデ!」

デデデ大王が住人の前に新品の消しゴムをもって現れた。
デデデ大王はその希少となった消しゴムを自慢すると、それを売ってくれと大王の元に住人が殺到。
中には大王の消しゴム一個の為に当時高額だったCDラジカセを交換に出す者まで現れ始めた。

「消しゴム一個の価値がCDラジカセと一緒だって!?」
「そんなアホな…。」

だがそれはまだほんの始まりに過ぎなかった。

お子様ランチの旗を交換条件にした為、消しゴムを売ってもらえなかったカービィだったが、
怪しげな露店にて、なんと新品の消しゴムを見付け、手に入れてしまう。
喜び皆の元に戻ってくるカービィだったが、鑑定士のブルームハッターの鑑定により、 100%石の偽物 だという事が発覚する。
「ほんとだ。重い、かたい…。」
「買ったときに気付けよ!」
どうやら本物の価値を高める為にチックが根回しをしていたようで、
他にもジャリとゴムが混ざったものや、中身があんこになっているものといった偽物が横行した。


そんな中、狙い通りデデデ大王の持つ純正品はますます価値を高めていき、
更なる加熱の為の広告塔にしようと、大王が消しゴムをカービィに一つ進呈した。
するとカービィはまるで大王が命の恩人であるかのように深々と頭を下げ、
誤字を直す為に消しゴムを借りようとしたリックを 「無礼者ー!」 と一喝。
貴重な消しゴムをそんな事に使えないと二重のガラスケースに入れて眺めたり、
毎日一緒に散歩に出かけたり、普段は盗まれないように金庫にしまったりし始めた。
「消しゴムってのは鉛筆で書いた文字を消す為にあるんだろー!」
「おかしいぞ!」
そう反論するリックとクーだったが、
鑑定士曰く消しゴムのカドが削れた時点で価値は百分の一になってしまうらしく、
今や消しゴムはそれぐらい貴重なものだと、二人はプププランドの住人達からも猛反発を受けてしまった。
「みんなどうかしてるぞ…」

こうして人々の消しゴムに対する熱狂度合いはますます高まっていった。
ヴィンテージものの消しゴムがオークションで高値で落札され、金持ちは宝石の代わりに消しゴムを着飾り、
自分の家を売ってまで一個の消しゴムを手に入れる人も現れた。


「わははは、バブルじゃバブルじゃ!」
「消しゴムバブルじゃー!!」

大王の部屋にはその一個一個が家一件と同じ価値をもつ消しゴムの山があった。
ポピーですら震え上がる、想像もつかない程の宝の山。
消しゴムの相場は今がピークだと判断したチックは、売り時の今の内に欲しい人にどんどん売ってしまおうと大王に提案する。
だが金に目がくらんだ大王は消しゴムの価値はもっと上がる、今に消しゴム一個で惑星が買える程の価値になると、チックの制止も聞き入れず頑なに売却を拒む。
「いや、きっとなる!!俺さまは売らんデ!」

また、そんな輝かしい消しゴムバブルは、いつしかプププランドに暗い影も落としていた。

ある時、徹夜でならんで苦労して買った消しゴムをひったくられる事件が起きた。
政治家の賄賂に消しゴムが使われるようになった他、中毒症状をおこす人まで現れた。
「たのむ~!新品のにおいをかがせてくれ~っ!」

住人達は消しゴムとそれに振り回される社会に嫌気が刺していた。
「いやな世の中になったもんだ。」
「いっそのこと消しゴムなんてなくなればいいのにな。」
そんな事を言っていたリックとク―。
その時彼らは、カービィを見つけ、新品の消しゴムを惜しげも無く使っている姿を見て驚愕する。
「ああーっ!消しゴム使ってるぞ!!」
「いいのか大事な新品をー!!」
「表面がつるつるした机なら消しゴムでよごれが落ちるんだよ!」
「お肌もすべすべになるんだよ。」
「それはうそだろー!」


<へえー便利だな。


僕もやってみよ!>

そんなカービィの姿をみた人々は、それをきっかけに消しゴムを本来の道具として使い始めた。
消しゴム不足も少しずつ解消され、あっというまに人々にいきわたるようになり、一気に消しゴムショックは終息した。


「うそーっ」
「消しゴムの価値は!?」
「元に戻りましたよ!」


消しゴムバブル
崩 壊


「どーすんだこの大量の消しゴム~~~!!」
「だからあの時売っておけば…」

ただの文房具となった消しゴムの在庫を前にして、泣き崩れるデデデの元に、いつものように遊びに来たカービィは、
沢山の消しゴムで無邪気にドミノ倒しをして遊んだのでした。

「わーい!ドミノたおしして遊ぼー!」
「これも本来の使い方じゃないけどな~。」



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