陰陽師(夢枕獏の小説)

登録日:2012/07/15 Sun 05:39:07
更新日:2024/03/04 Mon 23:42:40
所要時間:約 3 分で読めます




『陰陽師』とは、夢枕獏による伝奇小説。
1988年に第一作『陰陽師』が刊行されてからシリーズ化され、現在まで続いている
最新巻は『陰陽師 女蛇ノ巻』で、17刊目にあたる。

基本的に一話完結の構成になっており、陰陽師である安倍晴明が、まわりで起こる様々な事件を解決していくというもの。
陰陽師の話というだけあって、たいていは妖怪退治の話となっている。
しかし「妖怪を倒すバトル物」というわけではなく、どちらかというと"とんち"を使って解決するような内容が多く、激しい描写はかなり少ない。
そのため『熱くなれる作品』ではなく『まったりとする作品』というのが的確だろう。それでもホラー的な描写などもあるので、油断は禁物。
また、平安時代の名詞や動詞(いわゆる古語)なども出てくるので、ある程度知識を得ておくと、より内容を理解することが出来るだろう(無論、知らなくても十分に楽しめるが)。


【登場人物】


■安倍晴明
30代はじめの陰陽師で、容姿端麗でミステリアスな魅力を持つ男。陰陽師としての腕は立つようで、様々な人物から信頼されている。
たいていは自身の屋敷で酒を飲んでのんびりしており、親友の源博雅に頼まれたりして妖怪退治に赴くことが多い。
知識も深く、常に沈着冷静で飄々とした人間だが、高飛車なわけでもなく、さりげなく相手を思いやるなど、優しい人間である。

■源博雅
本作一の萌えキャラ。晴明の無二の親友でもある。
知的な印象の晴明とは裏腹に、素直で喜怒哀楽が激しい男。だがけして単純な人間というわけではなく、笛と琴を得意としていたりと風柳な一面も。
特に笛の腕前は人間はもちろん、妖怪や神仏さえも虜にするほど。晴明曰く「よい漢(おとこ)」
優しさの塊の様な人物で、そこにつけ入れられることも。
今作の物語は、周りから様々な噂を聞いた博雅が、晴明のもとにやってきてそれを話すという流れが多い。
晴明のところにやってくる度に一緒に酒を飲んでいるので、彼もなかなか飲んべえなのかもしれない。

後、よく死にかける

実は醍醐天皇の孫で従三位という高貴な人物だったりするが、作品上は武士と設定されていた。
(親友の晴明からは本来目上の立場なため、人前では晴明は敬語を使う)

■式神
陰陽師の代名詞。晴明もよく使っている。
たいていは綺麗なお姉さんの恰好をしており、晴明の屋敷にやってきた博雅を案内することが多い。
そのほか、事件解決の際にも使われたりする。




漫画、映画、ドラマ化もされている。

岡野玲子による漫画版(全13巻)は、小説の「まったりとした雰囲気」を上手く表現しており、原作ファンからも好評。後半はオリジナル展開となっていて、こちらも見どころ。
後にオリジナル要素を更に膨らませた続編『陰陽師 玉手匣』(全7巻)も連載された。
その他、睦月ムンクによる別の漫画版も月刊コミックリュウにて連載されていた。

滝田洋二郎監督による映画版は、安倍晴明役の野村萬斎の好演などの評価は高いものの、原作の雰囲気とはかけ離れているので、良くも悪くも別物として見たほうがいいかもしれない。
『陰陽師を題材にした特撮作品』と言えばわかりやすいか。

NHKによるテレビドラマ版は安倍晴明役をSMAPの稲垣吾郎が演じており、小説版と比べると『映画程遠くはないが、とても近いわけでもない』といったところか。
内容自体は面白いので、試しにレンタルしてみてもいいかもしれない。






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最終更新:2024年03月04日 23:42