9 TAILS

登録日 :2009/10/09(金) 20:43:34
更新日 : 2017/06/03 Sat 13:08:14
所要時間 :約 4 分で読めます




狂気にも似た、純粋な恋。


著者:南房秀久
イラスト:シンゴ
レーベル:富士見ファンタジア文庫



【あらすじ】

瞳が炎色に輝き、緋色の疾風が少年を包み込む。
「起きろ、お楽しみの時間だぞ」
少年は自分の中の誰かに話しかける。
『……贄か?』
気だるげに答える“邪妖”の声。
「そうだ。好きなだけ喰らえよ」
“邪妖”の目覚めと共に輝きを増す緋の風。少年は剣をつかみ直すと、凄まじい勢いで戦いの輪の中に飛び込んだ――。
領土獲得戦争で疲弊した王国トロンヘイム。“邪妖”に憑かれた少年サキは、死を恐れず、人を殺すことを楽しんでいる。王都守備隊第九中隊、通称“九尾の猫”に入隊したサキは、少女イーファと知り合う。暗殺者の彼女は死ねない体の持ち主。そして娼婦だった……
激しく、妖しく、狂おしく。
出口のない暗闇を疾走する少年と少女。本格戦乱群像劇、開幕!!


南房秀久4作目のハイ・ファンタジー。珍しく過去作品との直接的な繋がりはない。

もともと和製ファンタジーの予定が紆余曲折を経てルネッサンス寸前頃のヨーロッパ風世界になった。随所にその名残が見える。


ちなみにタイトルの元ネタ、九尾の猫とは拷問に使う先端の別れた鞭のこと。



【登場人物】

○サキ
主人公。王都の貧民街ディープスガッセ出身。
14歳にして「狂犬」と呼ばれる有能な暗殺者。アラン暗殺に失敗後、その才能を買われ“九尾の猫”に入隊する。
その身に至高邪妖イェルミエルを宿す、破壊者の1人で覚醒すると緋色の風を纏い人外の戦闘力を発揮する。
当初は人間味が薄く、戦闘狂な部分が目立ったがイーファやアラン達と行動を共にする内に彼らを大切な者と見るようになる。最終的に世界を賭け、アランと対決するが……。

○イーファ・セイレネス
ヒロイン。新米闇隊士でサキより年下。
闇隊士としての能力は「不死」。どんな傷もたちどころに治るが痛みはあるうえ、いつか力の暴走で人の形を失い不滅の怪物になる運命。ツンデレ。

○アラン・シーヴァルト・トロンヘイム
“九尾の猫”隊長。先王カモラク五世の嫡子。
10歳で72の邪妖神を剣に封じた、神の代理として戦う調停者。
もう一人の主人公にして真の最後の敵。

○リネット
ヒベルニアの巫女。
予言にある調停者アランを見届けるために現れた。
お色気担当その1。

○ディアン・リュヴィリエ・ベルトリューシュ
“九尾の猫”のまとめ役。
最初はサキを不審に思っていたが、後に無二の相棒となる。

○ヴィスナ・シェヴオス
“九尾の猫”の紅一点。
11の時に歳を5つ誤魔化して入隊した。

○ロレル
隊の会計役。
事務系だが武術大会準優勝の実力者。

○アギ
元盗賊団“死者の舌”団長。
サキとは犬猿の仲。

○トリスト
没落貴族の放蕩息子。
ちゃらけているが二刀流のトリストの異名を持つ。

○ドーナラッハ
ヒベルニアの守護聖騎士。後に“九尾の猫”に所属する。
メヴィル・オークショット
“九尾の猫”副長。
普段は物臭なおっさんだが実戦では有能な軍師。

○ヨルカ
闇隊士の長。
妖艶な美女でディアンの恋人。
お色気要員その2。

○ハディング
アランの叔父。カモラク五世崩御に乗じ王位に就いた。
至高邪妖アドナルエルの器。
ラスボス的存在だが……。

○ジュリオ・ジェッラ・ドルダンディーニ
ウートガルド評議会議長。
端正な顔つきの好青年だが、至高邪妖イヤスサエルを宿す。
最終巻でいきなり現われたので 影が薄い

○オルウェン二世
ヒベルニア神聖王国の女王。世界の器たる導き手。
リネットとは双子。



【用語】

○紋章
触れることで魔法のような力を発動する特殊な刺青。
1人3つまでが限界。ヨルカのみ闇隊士の異能でそれ以上入れられる。

○邪妖
鬼神の類とされる怪物。
12兆6876万の邪妖と108の邪妖神、さらに格上の3の至高邪妖からなる。
本来は人に似た有翼の姿だが、人の恐怖を基に異形となる。

○闇隊士
トロンヘイム辺境のとある里出身の隠密。超常の異能を持つ。
ほぼ全員女性で、普段は遊郭「粋蜜楼」で娼婦として働いている。

○破壊者
救済者とも。
世界の意向に従い、無限に増える人類から世界を解放し終焉をもたらす者。至高邪妖の器。

○調停者
破壊者と対の存在。世界が消え虚無に至ることを防ぐためにある。






余談、ってかむしろ本題だけど。

イーファのフルヌードとか「君を抱きたい」(byサキ)とか、今の風潮じゃ難しい、際どいどころじゃない描写・挿絵の多い作品だったりする。さすがは富士見。
でも冒頭で言ったように純愛物でもあるので、変に勘繰って見ないように。


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