オメガモン

登録日:2010/03/10 Wed 01:14:55
更新日:2024/03/18 Mon 16:32:34
所要時間:約 10 分で読めます




ウォーグレイモンと…

メタルガルルモンが…


合体した……!?


『オメガモン』とは、『デジタルモンスター』に登場するキャラクター。


【基本データ】

英名 Omnimon(オムニモン)
世代 究極体
タイプ 聖騎士型
属性 ワクチン種
必殺技 ・グレイソード
ウォーグレイモンの力が宿った左腕の炎の大剣で敵を切り裂く。
・ガルルキャノン
メタルガルルモンの力が宿った右腕の冷気の大砲で敵を撃ち抜く。
メディアミックスでは普通の砲撃を行うことがかなり多く、『デジモンアドベンチャー:』にて冷凍弾を主体として使用されていた際には非常に驚かれていたほど。
・ソード・オブ・ルイン
“グレイソード”から放つ究極乱舞。
リ:デジタイズのものはガルルキャノンの誤植
・オールリカバー
アニメ『アドベンチャー:』で登場した、傷ついた世界を修復する技。
使用時にはグレイソードにデジ文字で「オールリカバー」の文字が浮かび上がる。
得意技 ・ダブルトレント
右腕から氷、左腕から炎を地を這う様に交互に放つ。
・アルティメットアッパーカット
“グレイソード”で敵を上空に打ち上げ、“ガルルキャノン”を連射して追い討ちをかける連撃。
・オメガソード
“ガルルキャノン”を後方に放ち、その勢いで“グレイソード”を突き立てながら突撃する。
インペリアルドラモン パラディンモードのオメガブレードによる技名にも使われている
(書籍のものはともかく、ゲーム作品のものは誤植なのかは不明)。
・オメガブラスト
・オメガハウリング

【概要】

ウォーグレイモンメタルガルルモン合体(ジョグレス)して誕生した聖騎士型デジモン。

初登場のアニメ映画『ぼくらのウォーゲーム!』の活躍から高い人気を誇り、年月を超えてなお、デジモンというコンテンツを代表する一体といえる。ティラノモン
その人気と知名度から、ほとんどのデジモンアニメシリーズをはじめ、多くのデジモンコンテンツに登場している。

当初、ゲームにてガルルグレイモンという名前で登場し、映画以降はオメガモンが正式な名前になった。

来歴としては、遥か昔の『古代デジタルワールド期』に発生した極度の“デジタルクライシス”時に、
共にウィルスバスターズに所属していたウォーグレイモンメタルガルルモンが、平和を願う人々の強い思いにより融合して誕生したと言われている。
『最後の聖騎士』の異名を持つ、言わずと知れた(といっても後付けだが)ロイヤルナイツの一員。

右腕は大砲やミサイルなど、 メタルガルルモンの特徴を色濃く残し、
左腕は“グレイソード”と呼ばれる大剣を、肩には“ブレイブシールドΩ”を装着しており、ウォーグレイモンの特徴を残している。

攻撃は“グレイソード”と“ガルルキャノン”で行い、“ブレイブシールドΩ”で防御し、回避、飛行時にはマントが自動的に出現する。
如何なる状況下でも対応し、実力を発揮するトータルバランスを有するオールラウンダー。
また、『闇との戦いに終止符を打つ者』の名に恥じぬ力と心を持つ。

立場や設定上、対になるのはロイヤルナイツ空白の席の主であるアルファモン

◇誕生まで

ガシャポンブログ2018.11.8「渡辺けんじさんインタビューその②-オメガモン:マーシフルモード-」にて、渡辺けんじ氏が解説している。

オメガモンが初登場した映画『ぼくらのウォーゲーム!』で監督を務めた細田守氏から、
ウォーグレイモンとメタルガルルモンが別々ではなく、一緒になって戦えるデジモン、それこそ合体できないか」
「全体的にひょろっとして、腕にデジモンたちの特徴が残るような感じの姿のデザインで」
という提案が、渡辺氏にきたという。

渡辺氏はその提案を受けて「両腕に、両方のキャラクターの頭くっつけた感じにしちゃえ!」と考えたが、個人的にキャラクターとして「“手”が欲しい…」と悩んでいたところ、
当時のバンダイ社員デジモン企画担当のボルケーノ太田氏が、
大丈夫ですよ、このキャラクターきっと飯食わないですよ
「茶碗持ったりしないんだからいいんじゃないですか!」
等と言ってくれたため、渡辺氏も戦うキャラクターだからいいかと吹っ切れて、今のデザインが完成したとか。
なお、当然だが育成ギアなどではオメガモンも飯は食う

◇胸部デザイン

胸には宝玉があるタイプか“勇気の紋章”と“友情の紋章”をそれぞれ半分にし、合わせた紋章が刻まれているタイプが居る*1
時々勇気の紋章しかないタイプも居る(デジモンワールド2やリ・デジタイズ等)、おそらく友情はいらなかったのだろう。100%勇気。
というか、実は紋章タイプのオメガモンかつポリゴン製のオメガモンで友情の紋章もきちんとあるやつのほうが少なかったりする。

また宝玉タイプも後述するが、「ぼくらのウォーゲーム」等を見ればわかるように本来青色のはずなのだが、赤だったり黄色だったり緑だったり色がコロコロ変わる。
オメガモンで戦隊モノができそうである。

まぁ、これに限らず人気が高いゆえに出番も多いオメガモンは特に全身のデザインが(意図的な改変を含めて)地味にコロコロ変わるのだが。

◇オールデリート

“グレイソード”にはデジ文字で『オールデリート』の文字が刻まれている。
…はずなのだが、実はアニメ設定画時点でデジ文字の誤植があるため、「ぼくらのウォーゲーム」を含むほとんどのアニメ作品で「オールデリーソ」か「オールデーソ」となっていたりする。

◇ミサイル

オメガモンの項目でなんでミサイル? と思った方もいるかもしれない。

実はオメガモンの公式設定にはこんな記述がある
ウォーグレイモンの形をした左腕には盾と剣が、そしてメタルガルルモンの形をした右腕には大砲やミサイルが装備されている。

ウォーグレイモンサイドの盾と剣はわかるだろう。“ブレイブシールドΩ”と“グレイソード”がそれに該当する。
メタルガルルモンサイドも大砲はわかるだろう。
絶対零度の冷気砲弾という描写こそ少ないものの“ガルルキャノン”は大砲である。

そしてメタルガルルモンサイドに残っているもう一つの装備が「ミサイル」である。
確かに合体元のメタルガルルモンはミサイルを持っているので撃てても何もおかしくないのだが、
オメガモンが右腕側からそんな攻撃を放った例が一度もなかったのだ。

そんなこんなでほぼ死に設定とも言えるミサイルだが、ファンの間では概ね二通りの解釈がなされていた。

1.肩のトゲが発射される
毎回色と数が安定しないオメガモンの右肩のトゲがミサイルのように発射されると言う説。
一見珍説にも見えるが、メタルガルルモンには肩にトゲ状のミサイル発射ポッドがあるため、それと似たような感じと見れば妥当であろう。

2.肩がメタルガルルモンのように展開して、中からミサイルが発射される
メタルガルルモンの肩のミサイルランチャー(1のポッドとは別)のように展開ギミックがあったという説。
両肩共通で球体、そこに右肩にはトゲ、左肩にはブレイブシールドというのが現在のオメガモンの肩周りの主流デザイン。
だが、公式デジモン図鑑にも使用されている最初期のオメガモンの公式絵では、それぞれの肩がウォーグレイモンとメタルガルルモンの肩パーツの形状に準じていることから考えられた説。

そして初登場から20年の時を超え、『デジモンアドベンチャー:』にてついに初披露され、その発射描写が判明。
肩が展開して発射される、という2の説の形で描写された。
また、メタルガルルモンの頭部の鼻の上辺りが展開し、若干小型のミサイルを大量発射する様子も描かれた。

更に余談だが、“ブレイブシールドΩ”からエネルギー状のさらに巨大なシールドを展開する機能も初披露された。


【X抗体】

オメガモン(X抗体)

世代 究極体
タイプ 聖騎士型
属性 ワクチン種
必殺技 ・オールデリート
“グレイソード”に刻まれたデジ文字通り、グレイソードに触れたものすべてを消滅させる一撃必殺技。
・オメガインフォース
X抗体を得た際に手に入れた未来を見る能力。敵の動きを先読みする事ができる。

オメガモンがX抗体を得てX-進化(ゼヴォリューション)した姿。
これにより、戦闘において敵の動きを先読みし、対応できる能力「オメガインフォース」を得た。
極限まで高められた戦闘センスとポテンシャルも合わさって、オメガモンXを倒せる他のデジモンは理論上存在しないとされている。
ネットワークセキュリティ上で絶対に負けられない戦いでの切り札となりうる存在である。
この為、デジモン最強議論ではオメガモンXが上位に挙がる事が多い。

しかし、後付けや設定のインフレには事欠かないのがデジモンというコンテンツ。
公式は「デジモンクロニクルX」にて『オグドモンX』というトンデモない爆弾を投下してきた。
暗黒七大魔王の上位に存在するオグドモンが進化したオグドモンXは、原種の「少しでも悪意のある存在の攻撃を寄せ付けない能力」を受け継ぐだけに飽き足らず、
ディアボロモンXがX抗体を持つ七大魔王を取り込んで進化した存在という、オメガモンXをこれでもかとメタっているチートを超えた何か。どうやって倒すんだコイツ…
この為、純粋な戦闘力も非常に高く、クロニクルXでは、実際デュークモンXアルファモン王竜剣の三人がかりでも敵わなかった。


【派生種】

◆オメガモン ズワルト

世代 究極体
タイプ 聖騎士型
属性 ワクチン種
必殺技 グレイソード
通常種と同様。
ガルルキャノン
通常種と同様。
カードシリーズ『デジモンジントリックス』が初出。

融合の過程で姿を黒く変えてしまう分泌物『ブラックデジトロン』が混入し、黒の聖騎士の姿となった。
力は増大し、より強力になっている。
所属は同じくロイヤルナイツで、見た目こそ黒いがワクチン種。

しかし、『サイバースルゥース』などではロイヤルナイツとしては数えられず、
ジョグレスに必要なデジモンも、ブラックウォーグレイモンとメタルガルルモン(黒)が指定されている。

その後、『デジモンコレクターズ』の2013年12月の更新においてブラックデジトロンの形状が判明した。

ちなみに、ズワルトに先駆けてアーケードゲームの『デジモンクロスアリーナ』で「オメガモン(黒)」が登場していた。
カラーリングは本体の白い部分が黒になっており、両腕の色は通常のオメガモンのまま。


◆オメガモン ズワルトD(ディフィート)

世代 究極体
タイプ 聖騎士型
属性 ウィルス種
必殺技 グレイソード
通常種と同様。
ただし、途中で折れてしまっており、赤色のエネルギーの刃でそれを補っている。
ガルルキャノン
通常種と同様。ただし、砲身にヒビが入っている。
ゲーム『デジモンワールド ネクストオーダー』で初登場。
デジタルワールド内に異常データが発生した場合、これを駆逐する「執行者」。というか処刑人。
初登場時は異常発生したムゲンドラモン数体を瞬く間に殲滅するという恐ろしい戦闘能力を見せた。
一応は育成可能デジモンの一体でジョグレスにより誕生させられるが、後述のAlert-Bとの差別化のためか、余り物を押し付けられている感が…
シャイングレイモン×ミラージュガオガモンなんかはまだいいとして、ジジモン×プラチナヌメモンで誕生させられたりするのは…

オメガモンズワルトが、何者かにウィルスプログラムを注入されて狂戦士とされた姿、とされているため属性もウィルス種になっている。
DEFEAT(ディフィート)”とは「敗北」という意味で、その名の通りボロボロの外見が特徴的。
角は折れ、両腕の頭部は痩せこけ、首から下は骨しかない、というその戦闘能力とは裏腹に非常に弱々しい姿をしている。

そのような姿となる理由として、前述のウィルスプログラムと微かに残るワクチンプログラムが体内で反発しあって不安定となり、その影響で傷ついた身体も癒えることなく疲弊、暴走を繰り返しているためだという。
また、ワクチンプログラムが押し返し自我を取り戻した一瞬に、被害を抑えるため両武器を拘束したらしい。


◆オメガモン Alter-B(アルター ビー)

世代 究極体
タイプ 聖騎士型
属性 ウィルス種
必殺技 ガルルソード
グレイキャノン
ゲーム『デジモンワールド ネクストオーダー』で登場。
事件の元凶と言える人物が、オメガモンズワルトDを異常進化させて生み出した最強のデジモン。

オメガモンズワルトをより豪華にしたような外見をしている他、見ての通り、メタルガルルモンとウォーグレイモンの頭部の役割が入れ替わっている。これが「Alter」の由来だろうか。

右手の「ガルルソード」は根元から二又に分かれており、ビームソードとなる。
左手の「グレイキャノン」はメカニカルな2連装の砲身となっている。
また、根元にはリボルバーのようなシリンダーが確認できる。
外見が大きく変化しているため、今までに登場した上記三体と比べると必殺技の演出がかなり違う。

設定を参照をするとオメガモン→オメガモンズワルト→オメガモンズワルトD→オメガモンAlter-Bとなる。
さすがに進化ルートが長すぎる為か、ゲームなどでこのルートが採用される事は無い。

◆オメガモン Alter-S(アルターエス)

世代 究極体
タイプ 聖騎士型
属性 ウィルス種
必殺技 ガルルソード
剣中央に溜めるエネルギー量で斬撃力が変化する。
最大チャージしたガルルソードの斬撃に切れぬものはない。
グレイキャノン
ブリッツグレイモンの形をした砲塔からプラズマを撃ち抜く。
ウォーグレイモンの亜種「ブリッツグレイモン」とメタルガルルモンの亜種「クーレスガルルモン」が融合し誕生したオメガモン。
通常のオメガモンとは別個体だが、強さは同等。
分泌物“ブラックデジトロン”が混入されるとAlter-Bになる設定だが、登場はAlter-Sの方が後だったりする。
ちなみにAlter-B共々ウイルス種である。

Alter-Bとは必殺技名は共通だが、武装の形状は異なる。
右手の「ガルルソード」は巨大な矢印↙のような形状の刃を持ち、中央部が肉抜きされている。
左手の「グレイキャノン」は一般的に想像されるオートマの拳銃のような砲身で、砲口は一つになっている。
ブリッツグレイモンのバーニアにもやや似ているか。

『デジモンアドベンチャー:』では67話でのアバドモンコア戦にてオメガモンが、グレイソードとガルルソードの二刀流とグレイキャノンとガルルキャノンの二連装という過程を経て変化した姿として登場。
グレイキャノンが放つ重圧でアバドモンコアの動きを止め、ガルルソードで真っ二つに切り裂いた。

アニメ登場前提のデザインではないAlter-Sはその複雑さ故か、僅か6カット程度の登場だったが、作画スタッフの創意工夫による演出がなされた。
渡辺けんじ氏は自身のツイッターにて、ダンデビモンのデザインについて「(作画の手間から)ともかくデジモンは線を減らせとすごく言われる」、ブリッツグレイモンについて「短時間で描くのは辛い~。アニメーターって改めてすごいと思う」、クーレスガルルモンについて「線が多いのでやはり動かせないよね」等と述べており、線の多いAlter-Sも登場に際しては、苦労と工夫があったことがうかがい知れる。


◆オメガモン:マーシフルモード

世代 究極体
タイプ 聖騎士型
属性 ワクチン種
必殺技 虞玲刀(ぐれいとう)
西洋大剣型のグレイソードから日本刀状に変化した。
雅琉々砲(がるるほう)
形状は大きくは変化していないが、絶対零度の冷気をレーザー状に撃ちだす。
Merciful(マーシフル)”は「慈悲深い」の意味。
デジモンアドベンチャー tri.』第6章『ぼくらの未来』で初登場。

戦い、倒すことでしか救えないと判断したオメガモンが悲しみと決意を抱いて変化した姿。
道を踏み外し、後戻りが出来なくなったデジモンを裁くことで救済する姿であり、マーシフルモードが攻撃する対象は全て本来は「善の心」を持つ者たち

マントはマフラーのようにたなびく翼に変わり、天使のような印象を与える。
涙が頬を伝うようなライン「フォトンスプレッド」は全身にも広がっており、フォトンスプレッドのエネルギーが全身を駆け巡ることでパワーを一時的に高めている。
日本刀状になった「虞玲刀(ぐれいとう)」。
これは斬る対象を一太刀で介錯するための武器で、別れの思いを胸に秘め、惜別の一刀を振り下ろす。
両腕がビーム状の刃になって、あまり差異が無くなった。

6章クライマックスにて、仲間の究極体デジモン達からエネルギーをもらったオメガモンが進化、究極体数体係でも歯が立たなかったオルディネモンをまるで寄せつけず「虞玲刀」で真っ二つにして倒した。
オルディネモンの核となっていたメイクーモンもそのままデリート…
この時点では、『これではmerciless(無慈悲)では…』となる視聴者も多かった。

渡辺けんじ氏によると、最初はまたオメガモンに頼るのは嫌だったが、メイクーモン(オルディネモン)を滅却・昇華させてあげるためのキャラクターが必要になったため、生み出されたとのこと*2

最初はただの金色のバージョンを考えていたがラストに相応しくなく、
メイクーモンというスタッフからも“忌み子”と設定された自らの存在意義を否定しているキャラクターに対する“介錯人”として、
最後の一瞬であれば、新しいオメモガンオメガモンもありかと思いOKにしたという。

そのため、「マーシフル(慈悲)」を選んだのは英語に適した言葉が無かったためで、本来は「介錯人」をイメージしていたキャラクターだったとのこと。
「日本刀」「白装束」という点にもそれが表れている。
また、モチーフとして仮面ライダー、サイボーグ009*3も取り込んでおり、羽の付け根はマフラーをイメージして布のような質感にし、発光する水色のラインは、仮面ライダーの「涙ライン」を意識したらしい。


【関連種】

◆インペリアルドラモン:パラディンモード

世代 究極体
タイプ 古代聖騎士型
属性 ワクチン種
オメガモンから力を授かったインペリアルドラモン:ファイターモードが聖騎士(パラディン)に覚醒した姿で、かの聖騎士軍団「ロイヤルナイツ」の始祖とされている。
詳しくはインペリアルドラモンを参照。


◆スサノオモン

世代 究極体
タイプ 神人型
属性 ワクチン種
伝説の十闘士が遺したスピリット全てを用い、エンシェントスピリットエボリューションして誕生した神人型デジモン。
詳しくは該当項目を参照。


◆カオスモン

世代 究極体
タイプ 特異型
属性 ワクチン種
バンチョーレオモンとダークドラモンorヴァロドゥルモンが合体して誕生した特異型デジモン。
だが、合体元となったデジモンのデジコアをそれぞれ保持したまま誕生する不安定な存在である。
詳しくは該当項目を参照。


◆オメカモン

世代 成熟期
タイプ パペット型
属性 データ種
必殺技 オメカキック
意外と威力のある蹴り。
ラクガキロケット
背中に背負っているペンのインクをロケット弾として放つ。
「デジモンペンデュラムエックス3.0」で初登場。
白いレゴブロックの人形に酷似した姿をしている。
とあるコンピュータの設計図面のデータから誕生したパペット型デジモン。
自身が何者か分からないため、とりあえず有名なオメガモンに姿を似せている。
背中に背負っているロケット鉛筆形のペンは、コンピュータの中にあるお絵かきソフトから拾ってきたもので、インクを射出することが出来るが、当然色が付くので他のデジモンからヒンシュクを買っている。


◆オメガシャウトモン

世代 完全体(クロスウォーズ)
タイプ 竜人型
属性 データ種
オメガモンから進化の力を授かったシャウトモンが超進化を果たした姿。
詳しくはシャウトモンを参照。


【関連種?】

◆オメダモン

世代 究極体
タイプ 士型
属性 ワクチン種
必殺技 シザースソード
どんな敵をも唐竹割りする右腕の剣。
ビートルキャノン
一斉射撃で敵を撃つ、左手に備わった武装。
得意技 マルチリフレッシュインパルス
別次元のデジタルワールドから迷い込んだ正体不明の聖騎士、ならぬ聖機士型デジモン。
どんな困難にも屈せずに立ち向かう勇気を持つ。
また、ナノマシンによる自己修復機能を備えた超金属『サイプラシウムデジゾイド』と呼ばれる装甲を持ち、戦闘で受けたダメージも次戦までに完全回復可能である。
また、背中には古びた布切れを思わせるビーム状のマントを着用している。

20世紀末に別次元で流行した“あるゲーム”のデータから生まれた、とされている。
その姿から、ロイヤルナイツのオメガモンとの関連を疑うファンもいるが…。


…という、2020年のエイプリルフール企画
公式曰く
明るい気持ちになる楽しい投稿をお届けしたいと思って誕生したコラボ
とのこと。
スマホアプリ『メダロットS』の主人公機「クロスメサイア」をベースに、右肩には「ロクショウ」、左肩には「メタビー」の意匠が施されている。
なお、メダロット側にはオメガモンを意識した『オメガナイツ』が登場した。

このように、1日限りのお笑い企画として、ファンを楽しませてくれた。

+ だったが…
なんと、翌年の2021年4月1日に、アプリ『デジモンリアライズ』にて、正式実装された。

なお、この「メダロットS」コラボイベントではオメダモンだけでなく、メタビーとロクショウも参戦した。
なお、メダロットS側のコラボイベントでは前述の『オメガナイツ』に加え『グレイウォーズ』と『ガルルメタル』が参戦。
ネタ元はお察しの通り。



【アニメ・漫画・ゲームでの活躍】

アニメ『デジモンアドベンチャー』、『デジモンアドベンチャー02

本編で登場することはなく、『02』作中で光子郎が「デジモン同士の合体」≒「ジョグレス」の例に挙げた程度。

映画『ぼくらのウォーゲーム!

ウォーグレイモンとメタルガルルモンが合体。
圧倒的な強さを見せつけ、一躍有名になる。
映画を見る前は「ダサい」とか「格好悪い」(つぶらな瞳や極端な腰の細さなど)と言う人もいたが、映画を見終わった全ての観客を虜にし、ヒーローになった。

ディアボロモン数万体を殲滅する様は、初見の人は間違いなく圧倒されてしまうだろう。
この映画では通常の進化(この映画以外の他のデジモン作品でのオメガモンになる過程)とは完全に異なる進化をしている。
この時のシーンはとても素晴らしいので、是非とも映像で見て欲しい。


映画『ディアボロモンの逆襲

任意で合体可能になっており前半から活躍。
小さすぎる上に無数に存在する幼年期クラモンには翻弄され続けてまともに戦えないというシーンもあった。
だが、それでもエンジェモンやエンジェウーモンのサポートもあってディアボロモンを瞬殺。
しかし、ディアボロモンの策略(と、京のミス)によって無数のクラモンの現実世界進出を許してしまう。
その後クラモンを追って現実世界に出現するが、アーマゲモンには攻撃がまるで通用せず、逆に反撃を受けて戦闘不能に…。
力尽き、両腕が落ちてしまう姿は痛々しい…。
その後、インペリアルドラモンに力を託してパラディンモードに覚醒させる。

本作ではクラモンに翻弄されたりアーマゲモンに敗北したりと苦戦が目立った。
とはいえ、海上を滑るように素早く動き回ったり、空中で身を翻してのガルルキャノン連射等、戦闘シーンは非常にかっこよく、負け戦と言えど人気は高い。
前作と違いアグモン・ガブモンによる戦闘の掛け声も入っており、そこまた二人の意志を感じられて前作とはまた違う印象を受ける。


PSソフト『デジモンワールド デジタルカードアリーナ

ディアボロモンが開催するEXアリーナクリア後に、『けんじゃのとう』に登場。
初めて見る顔のはずなのに、いきなり『フッフッフッ…私は君の事を知っているぞ!』『何度も熱いバトルを繰り広げてきたのだよ!』等と、ネタがわからないプレイヤーにとっては気持ち悪いセリフを吐いてくる。
そして、開催されるアリーナで勝ち進み、彼とのバトルになると『ウォーグレイモンとメタルガルルモンがジョグレス進化*4により、オメガモンとなった。』事実が明らかになる。
な、なんだってーー(棒)

使用デックは「赤い星青い月デック」。
2種類のオメガモン(後述)を軸にした、火炎と氷水の混色デック。
…なのだが、進化OPなども搭載していないため、恐らく進化されることは稀であろう。
なお、アリーナに勝利すると、3体目のパートナーの最後(2つ目)のデジメンタルをもらうことができる。

カードとしては、火炎属性の「オメガモンⅠ」および、氷水属性の「オメガモンⅡ」の2種が存在する。
完全同種のデジモンで2種類もカードが存在しているのはオメガモンだけなので、その破格の待遇がわかるであろう。
どちらも、特殊合成でしか作成できず、Ⅰはウォーグレイモン+メタルガルルモンという分かりやすい組み合わせだが、
Ⅱは真メタルグレイモン+ワーガルルモンという少し捻ったもの。
また、いずれのオメガモンもパイルドラモンと合成することで、インペリアルドラモンのカードを生み出すことができる。
その他、ウィザーモンの杖にパスワードを入れることで、1枚ずつだが入手することも可能。
これも、Ⅰは「OMEGA1」とそのままだが、Ⅱは「OMEGAS」と少し捻ったものになっている。

カード性能は、オメガモンⅠは必要進化Pが60と重いが、それ以外の数値は優秀な1枚。
特に、レベル完であるにもかかわらずPOW20もあるため、進化できないタイミングでも手札で腐りにくい。
攻撃性能は〇攻撃の『グレイソード』が攻撃力960とトップクラスの値を誇る。
援護効果は『自分の属性は火炎になり、自分の攻撃力+100』。
オメガモンⅠを採用している時点で、自分を火炎属性にするのがデメリットになる事はほぼないであろう。
ただ、唯一ネックとなるのが、×攻撃『ダブルトレント』の特殊効果が「×カウンター」であること。
メタ的には×攻撃が「自爆」であるディアボロモンへの対抗策、ということなのかもしれないが……正直、活きる場面は少ない。
そのため、同じ必要進化P60で「〇カウンター」持ちのインペリアルドラモンにお株を奪われがちである。

一方、氷水属性のオメガモンⅡは、同じく必要進化P60だが、それ以外のステータスはがらりと変わる。
全デジモントップタイのHPと、トップの△攻撃力(800)の『ガルルキャノン』が目を引く、ややトリッキーな一枚。
とはいえ、△は〇より止められる可能性が低いので、使用すると氷水らしからぬ攻撃力で大暴れしてくれるであろう。
また、×攻撃特殊効果はⅠと変わらず「×カウンター」だが、相手にすると痛い「対氷水×3」持ちの相手を牽制できる分、Ⅰよりも有用な場面は多いと思われる。
氷水には「相手のボタンが〇であるなら、×に変える」援護効果持ちのシェルモンがいるのも追い風か。


アニメ『デジモンテイマーズ

映画『冒険者たちの戦い』で冒頭から登場。
アポカリモンの因子から生まれたメフィスモンを追い、別世界からネット空間を介して出現。
圧倒的な強さを見せつけるが、現実世界には出られなかったためタカト達に後を託す。

声がアドベンチャーのアグモン&ガブモンかつダブって話すことやメフィスモンの出自から上記のアドベンチャーのオメガモンの可能性が高いが、詳細不明。


漫画『デジモンアドベンチャー Vテイマー01

最強のエイリアス『ヒデト』のオーグとメルーガがジョグレスする形で登場。
ヒデトの命令に忠実な上、力量も太一のエアロブイドラモンを終始圧倒する程だが、自分の正義に疑問を感じ、心に戸惑いを残したまま戦う。
太一の『全てのデジモンを護りたい』という意志に心を打たれ、エアロブイドラモンのドラゴンインパルスをわざと受け敗北する。

その後、太一達と和解したヒデトはネオに反旗を翻し、
ネオにデジメンタルのエネルギー集めだけに利用されてたことを知り、ネオのアルカディモン究極体と戦闘。
しかし、アルカディモンの未知の能力『ドット・マトリックス』の前に全ての必殺技が無効化され敗北。

だが、力を振り絞って生存し、最終決戦ではヒデトの苦肉の策で技の発射口を見つけるまでに至り、最後まで生き延びた。

初めて敵対したオメガモンかつ「善を望む人々の強い意志によって融合し誕生した」「正義のデジモン」という根本設定には忠実だったこともあり、
敵対するオメガモンへの扱いへの一つの基準としているデジモンファンも少なくない。


アニメ『DIGITAL MONSTER X-evolution


ロイヤルナイツの一員として、多くのデジモン達のデリートを実行。
主人公ドルモンや多くのデジモン達にとっての恐怖として描かれる。

X抗体を得て、通常の究極体以上に強くなったウォーグレイモンやメタルガルルモンをものともせずなぎ倒す。
しかしイグドラシルに疑問を持つ盟友デュークモンとは一騎打ちをし、デュークモンをグレイソードで倒したことでイグドラシルに疑念を抱く。

ドルグレモンへと進化したドルモンを殺そうとするが、途中ドルモンはアルファモンに進化。
アルファモンの思いを聞き入れイグドラシルへの謁見を許す。
だが、イグドラシルはすでにデクス系デジモンを量産しており、
イグドラシルを見限ったオメガモンはアルファモンと共にイグドラシルの暴走を止める。

最終的にはアルファモンからX抗体を受け取りオメガモンXに進化。
オールデリートでイグドラシルを消滅させる。


ウェブストーリー『デジモンクロニクル』

前述のCGアニメと立ち位置は基本的に同じ。

ドルゴラモンに敗北しそうになるが、自らの正義を貫くためにX抗体を取り込んでオメガモンXになり、ドルゴラモンを倒す。

ドルゴラモンを倒した後、デクス系デジモンが繁殖。
これを止めるために親玉であるデクスモンに戦いを挑む。

無敵の能力を持つオメガモンがデクスモンと戦ってる最中に勝てないと悟った。
しかし、デクスモンは駆け付けたアルファモンが倒したので生き延びた。

最後は互いの信じる正義の為にアルファモンとの最後の戦いに挑む。
勝負の行方は不明。


アニメ『デジモンセイバーズ

CV:高橋広樹

第4クールの敵として登場。
正確にはロイヤルナイツが敵でありオメガモン単体での出番では無い。
なかなか話さなかったが、最終話目前でようやく発言する。
最終的にはイグドラシルを止めるために、達に協力する。


アニメ『デジモンクロスウォーズ

CV:島田敏

東京大決戦にて路地裏に落ちていたデジメモリより姿を現す。
話す中でタイキ達を導いた存在であることが判明。
戦いには参加しなかったが、志願したタイキを再びデジタルワールドへ送り込み姿を消す。

その後、シャウトモンは伝説の『進化』の力を受け取り、オメガシャウトモンになる。


3期後半の歴代主人公集結では、序盤はウォーグレイモンで戦っていたが、途中でメタルガルルモンが到着したのでオメガモンに合体した。
テントモン曰く「ただの合体」。まあ、間違ってはいないのだが言い方ェ…。
活躍はデュークモン:クリムゾンモードと共に飛行し、グレイソードでベリアルヴァンデモン2体を斬るだけと、少し少なめ。
というか、主にインペリアルドラモン兄貴が持っていっただけだが。


漫画『デジモンクロスウォーズ

本来ならX抗体のオメガモンが持つはずの「オメガインフォース」の能力を持つ特殊なオメガモンが登場。ロイヤルナイツの一員。
一応、X抗体はデジコア内の潜在能力をより高度に引き出すものであるため、通常種のオメガモンがその力を使えること自体はそこまでおかしくはない。

その強さは、刀の封印を解き放って全力となったタクティモン*5とその主君バグラモンの二人がかりでもオメガモンを倒しきれないほど。
バグラモンはオメガモンのオメガインフォースをクラッキングすることでかろうじて勝利する。

オメガモンの死後、その因子はいかなる経緯かシャウトモンに受け継がれた。


アニメ『デジモンアドベンチャー tri.

無印の続編となる本作でも登場。
02までやクロスウォーズ(およびテイマーズ劇場版)へのゲスト出演の際には胸のデザインが宝玉タイプであったが、
本作では紋章と宝玉のハイブリッドとなっている(これは後述のマーシフルモードでも同様)。

第6章では、新形態のマーシフルモードが登場。


ゲーム『デジモンストーリー サイバースルゥース

CV:坂本千夏&山口眞弓

ロイヤルナイツの一人として登場。イグドラシルの命を受け人間世界にやってくる。
人間世界にやってくる際、データを送信するため成長期レベルに容量を落とし、アグモンとガブモンの姿でやってきた。
しかしその際に記憶の一部を失ってしまい、この世界にやってきた目的と本来の立場を忘れてしまう。
この時に白峰ノキアと出会い、純真で前向きな彼女に気に入られ交流を深める。後にウォーグレイモンとメタルガルルモンに進化した。

アヴァロンサーバーにてザクソンのフェイとの戦いでノキアを守るため遂に合体、本来の姿であるオメガモンの姿に覚醒した。
彼女らとの交流で人間を守る側の筆頭となった彼は他のロイヤルナイツをまとめるため、そして人間世界と現実世界の双方を救うための力となってくれる。
人間世界が一部電脳化した後も、たまに力の維持の問題でアグモンとガブモンの姿に戻っていたこともあった(人格も相応になる)。

ちなみにこの時とオメガモン時では完全にキャラが違ってるが、初見でノキアに名乗りを忘れられてガルルグレイモンと呼ばれしょんぼりしたり、
ノキアの話していた「かふぇみーてぃんぐ」をやってみたくてオメガモンの姿でKカフェにやってくるも、
体躯がデカすぎてものすごく窮屈な体制で体育座りしていたりと成長期時代を思わせるようなちょっぴりお茶目な一面もある。
前述の通りノキアとは強い絆で結ばれており、尻込みするノキアを彼女の口癖「なんとかなる、ていうかなんとかする」で逆に励ます一幕もあった。

ちなみにこのゲームでは「防御力or知力貫通攻撃」が相手の耐久を無視して攻撃できるため非常に強く、貫通攻撃を持つデジモンが強力なゲームバランスである。オメガモンはガルルキャノンが知力貫通攻撃であり、「相手の耐久無視して自分の知力依存のダメージを叩き込める」という強力な技なのだが、なぜかオメガモンは攻撃力一辺倒て知力がまるで伸びないため、貫通持ちの中では非常に弱い。あろうことか進化前のウォーグレイモンの方が明らかに強い。

ちゃんと貫通攻撃を使いこなせるロードナイトモン「ロイヤルナイツの面汚しめ!」


アニメ『デジモンアドベンチャー:

2020年の『デジモンアドベンチャー』のリブート(リメイク)作品。

第2話ラスト、電脳空間にて凶悪なアルゴモン究極体に追い詰められ、東京にも暴走させられたミサイルが迫る中、
太一とヤマト達がアルゴモンを倒すべく心を一つにしたとき、グレイモンとガルルモンが進化し合体。
オメガモンが出現した。

第3話にて周辺のデジタル空間を支配し大量のビームを放つ眼や触手を出現させたアルゴモンの攻撃をさばいて撃破。
オメガモンの力でミサイルの軌道を上空にそらし東京を守ることに成功するが、太一とアグモンは離ればなれになってしまい、強制的に現実に戻された。

「急に進化して強敵と戦う」「パートナーと最後は離ればなれになる」という展開から、全ての始まりである劇場版デジモンアドベンチャーをオマージュした展開だったのかもしれない。

この展開に関しては、情報配信番組『デジナビ』第3回「~夏だ!祭りだ!デジモンだ!アニメ&グッズ紹介SP~」では、シリーズ構成の冨岡淳広氏が、
「デジモンアニメというと、多くの人が『ウォーゲーム』を思い浮かべるため、“最初からミサイル飛ばす”ことで旧作のファンも初めての人も驚かせつつ、毎週クライマックスの意気込みでやる」
「最初にオメガモン出しても後で苦しむのは我々なので」と意気込みを語った。
なお、アルゴモンを倒しただけではミサイルが止まらなかったのは、すでにミサイルのプログラムがアルゴモンに書き換えられていたためとのこと。


第18話でも、現実世界の東京も巻き込む大爆発を起こそうとしていたニーズヘッグモンによる大ピンチの中で満身創痍ながら諦めない太一やヤマトの前に再び顕現し、ニーズヘッグモンを撃破した。

第63話では、ヴァルキリモンの魂がその存在について語っており、人やデジモンたちの祈りと願いが集った時に数多の時空を超えて現れる「大いなる力」とのこと。
ヴァルキリモンの回想によれば、古代に起きたズィードミレニアモンとの戦いで英雄たちが敗れた際に、ウォーグレイモンとメタルガルルモンに戦士たちの魂が集い奇跡の聖騎士として誕生し、ズィードミレニアモンの頭部一つを削った様子。そしてズィードミレニアモンはセラフィモンとオファニモンの特攻で散り散りとなり封印された。

第66話で、ネガーモンが進化したアバドモンにより地球もデジタルワールドもすべてが破滅する危機の中、デジタルワールドと人間世界の希望の光が集い再度出現。
ちなみに2話(ネガーモンの眷属であるアルゴモン)、18話(シルエットでネガーモンが出現)の登場と、回想を除くと本作のオメガモンは全てネガーモンの出現に呼応して姿を現している。

67話にてアバドモン内部の本体であるアバドモンコアと怒涛の戦闘を繰り広げた。
前述するミサイルやブレイブシールドΩからエネルギーシールドを展開したりと新技を多数見せていた。

これらに関してはデジモンウェブ公式曰く

アニメチームより「オメガモンのデジモン図鑑に左腕に盾、右腕にミサイルが装備とあるが使っていい?どんな風に使えばいい?」と聞かれ
「ぜひ!こちらで!」と資料を送り、初めて描かれました

とのこと。それ以前のアニメ制作チームは尋ねてなかったのだろうか。
これまでの映像作品でのオメガモンは、圧倒的に勝利するか完敗するかのどちらかが多かったが、今作では互角にアバドモンコアと渡り合う姿が見られた。
高熱や爆撃として描写されることが多かったガルルキャノンやミサイルもきちんと冷気の攻撃として描写。
ガルルキャノンでアバドモンコアのキャノン砲『デスチャージ』を殴って射線をそらしたり、『ゲーズイレイザー』をマントで弾いたり、マントで体を隠しつつ後ろを向きながら不意打ちかつ射線を隠した上でガルルキャノンを放つなど、巧みな戦いぶりを見せる。

本作ではパートナーデジモンが他の形態に進化することもあり、ブリッツグレイモンクーレスガルルモンが登場していたが……。


我ガ消エル……消エル…消エル………!


いや……お前もデジモンならば、きっと……
その行く先、辿り着くはまた悪しき存在か或いは良き存在か…
いや、それだけに縛られはしない。
我々には無限の可能性があるのだから

────さらばだ。また会おう

そしてアバドモンコアを撃破後、グレイソードに浮かび上がった新たなデジ文字「オールリカバー」により、アバドモンに傷つけられた世界を修復した。


【商品化】

放送当時ではガチャガチャなどのフィギュア以外では可動フィギュアシリーズのD-real、海外限定販売のフィギュアなど入れてもあまり数が多くなかった。
人気No1デジモンの名は伊達ではなく、2010年以降のデジモンの立体化企画があれば大体そこに名を連ねている。
2023年時点で一度も立体化されていないのはズワルト・ズワルトD・Alter-Bの3体。
造形が異なる後者2体と違いほぼ色違いでしかないズワルトが未販売なのが意外だが、派生の中では割と古株にも関わらず出演作が少なく、Ver違いで出しても売上が未知数なためだろうか…*6

デジモンリブートの第1弾としてバンダイからプラモ化。
2010年11月より発売、作品のコンセプト上独自アレンジの利いたデザインで元よりマッシブになっているので好き嫌いが分かれる。
後にFigure-rise Standard Amplifiedで一部修正が入る形で登場、X抗体版も発売されている。

D-Arts第2弾としてアクションフィギュア化され2011年2月19日より発売。
カッコよくもあり美しくもあり、評価はとても高いが宝玉の色など所々デザインが違っている。
S.H.Figuartsでも発売され新規造形となったが生地が透けるためにマントが妙に赤っぽい不満点があった、後にリペイント版が発売されそちらではマントが作り直されている。
SD体系のNXEDGE STYLEシリーズからもオリジナル・Alter-S、DYNACTIONシリーズでも全長40cmの巨大可動フィギュアも発売されている。
無可動フィギュアではX抗体・マーシフルが発売され、メガハウスからスケールフィギュアも発売されているほか1番くじの景品なども出ている。

ワンフェス2010冬にて、X抗体の可動式ガレージキットが販売された。
なんとパッケージイラストは、X抗体全般のデザインを担当したAs'まりあ氏本人が描いている。
キットとイラストの両方とも素晴らしい。2013年9月には、渡辺けんじによるTシャツやパーカーが
プレバンから販売されている。

なお中国ではX抗体版の合金製可動フィギュアがデュークモン・アルファモン共々非公式で発売されている。*7


【余談】

上述したように海外名は“Omnimon(オムニモン)”。
ただ海外名が違うとはいえ、熱心なあちらのファンはちゃんと“Omegamon”と言ってくれる。

『デジタルモンスター ver.5』で初登場したデルタモンもオメガモンやアルファモンと同じくギリシア文字の名を冠したデジモンであり、
両腕がデジモンの頭部となっているコンセプトがオメガモンと共通しているが、世代が成熟期で魔獣のような外見という聖騎士とはかけ離れた設定となっている。
もっとも、デルタモンが初登場した当時は究極体や聖騎士型などの概念が存在していなかったので致し方ないとも言える。


【立ち位置について】

カードゲームやテレビゲームでのオメガモンは常に最強クラスの存在として確立している。
知名度やカリスマ性から、主にウォーゲームまでしか見ていない層からは『最強のデジモン=オメガモン』としてほぼ成り立っている。

ただ公式で最強のデジモンと言われた訳では無く、今まで語ってきたように、作品によっては敗北しているシーンもある。
しかし行き過ぎた愛から「負けたのは◯◯だから」とこれといって作中で言及されていない理屈をこねくり回し、オメガモン最強説を声高に訴えるファンも少なくない。
とまあ、こういった「オメガモン最強説を絶対曲げないファン」に対してはかねてより強い反発や批判が多い。
一方でウォーゲームにおける活躍がデジモンファンに与えた衝撃と感動がいかに凄まじいかもわかるというものである。
それだけのカリスマ性を持っている一方で、公式としてもそれがあまりに強すぎてぶっちゃけ腫れ物扱いになっている時もしばしばある。*8

逆に負けている点をあげつらってオメガモンをこき下ろしたりすることもまた然りである。
他のデジモン好きに迷惑をかけることのないようにしよう。

その知名度と強さ故かロイヤルナイツが集合する際はセンターにいることが殆ど。
ロイヤルナイツにリーダーは存在しないが実質的なリーダーとして扱われている。


そして悲しいことに、有名であるが故にかませにもされやすい。
デジモンといえば長い歴史と設定のインフレが特徴であり(デジタルの影響を受けていることを考えれば妥当ではあるが)、
オメガモンでも勝てない敵や、そんな相手でさえ圧倒してしまうデジモンは結構多い(オメガモンに限らず、設定だけなら七大魔王を超えるキャラが多く登場している)。
各作品でも言われているが、単体での強さ以上にテイマーとの絆の力が設定以上の力の発揮に繋がっているものも多い。

ちなみに後者はインペリアルドラモンPM(「ディアボロモンの逆襲」)やアルファモン(「X-EVOLUTION」)、
アルフォースブイドラモン(「Vテイマー01」)など、ロイヤルナイツ関連が多かったりする。

とはいえ作品ごとの設定や相性に加えて個体差などもあり、それらのデジモンと戦ったら確実にオメガモンが負ける、というような話ではない。

ぶっちゃけ作中の強さ設定ならともかく、知名度や人気はオメガモンに及ぶものはほとんどないため、良くも悪くも亜種や似たデザインがよく生み出されたり、
度々フィギュア化されたり、プレミアムバンダイで発売されたデジモンカード『デジモン20thメモリアルセット』のデッキ3つ全てにオメガモンが関わるような事態も起きている。
前述の敗北云々も、裏を返せばそれほど登場させられていることが多いということである。

このオメガモンの扱いに関しては、渡辺けんじ氏も『tri』の際に、
「またオメガモンの新しいのを作るのはヤダ!」
「何かって言うと、みんなすぐオメガモンに頼りたがるから、『もう、やめようよぉ』」と意見した」
と発言したこともある*9など、疑問視されている面もあるにはあるが*10
アニメや漫画ならともかく、ゲーム作品でオメガモンを出さないというのは今更ナンセンスであるとも言える。

今後、アニメやゲーム作品を作るとしても、オメガモンを超えるストーリーやキャラクターを生み出すプレッシャーは、製作者側にとっても大変なものかもしれないが、頑張ってほしいところである。




追記・修正はメールを転送しながらお願いします。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • デジモン
  • デジタルモンスター
  • 聖騎士型
  • 合体
  • ワクチン種
  • 究極体
  • 超究極体
  • 最強
  • ロイヤルナイツ
  • テントモン「ただの合体」
  • 原点にして頂点
  • インフレ
  • 亜種
  • 坂本千夏
  • 山口眞弓
  • 田中秀幸
  • 高橋広樹
  • 島田敏
  • 白銀の聖騎士
  • 融合
  • 次元を越えし勇者
  • ガルルグレイモン
  • ディアボロモン無双
  • 僕らのヒーロー
  • 絶対的英雄
  • 勇気
  • 友情
  • 俺達の勇者
  • 俺達の誇り
  • 一騎当千
  • バンダイ冬のオメガモン祭
  • D-Arts
  • リブート
  • オメガモン
  • X抗体
  • X進化
  • As'まりあ
  • デジモンアドベンチャー
  • デジモンアドベンチャー:
  • ぼくらのウォーゲーム!

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2024年03月18日 16:32

*1 胸のデザインが紋章と宝玉のハイブリッドのオメガモンもいる

*2 ガシャポンブログ2018.11.8「渡辺けんじさんインタビューその②-オメガモン:マーシフルモード-」

*3 共に石ノ森章太郎氏が原案・原作のヒーロー

*4 厳密にはただの「ジョグレス」であり、「ジョグレス進化」ではないのだが…

*5 他のロイヤルナイツ3体を同時に圧倒したり、主人公達のデジクロス最強形態を圧倒できたりするほどの実力者

*6 なおデュークモンの色違いのカオスデュークモンはS.H.Figuartsでカラバリ発売されている

*7 持っている加筆者の感想としては質感や重量感はガンダムのメタルビルド系などに近く出来自体は良好なのだが非正規品なので手放しに賞賛しかねる代物、なおデュークモンにはオメガモンの修正版頭部が付属されている

*8 例えばデジモンセイバーズでは登場こそしたがほとんど活躍せず、人間達との対立も程なく有耶無耶となった。声優も同じとなったデュークモンすら見せ場があるのに対してこの扱いになったのは、人気故に出さないといけないが扱いにくい存在という、いかにスタッフから困った扱い方をされていたかがうかがい知れる。

*9 ガシャポンブログ2018.11.8「渡辺けんじさんインタビューその②-オメガモン:マーシフルモード-」

*10 例えばオメガモンのデザインは当初酷評されていたように万人受けタイプではなく、『ウォーゲーム』以降の活躍あってこその人気でもあるため。