こうじょうけんがく

登録日:2011/11/27 Sun 20:16:28
更新日:2024/02/06 Tue 10:44:14
所要時間:約 5 分で読めます






<概要>

こうじょうけんがくとは『星のカービィ64』で流れるBGMのひとつ。作曲者は石川淳氏。
本編ではレベル5「ブルブルスター」のステージ4でのみ流れる。そのため、ファンの間ではステージ自体を指してこうじょうけんがくと言うこともある。
曲名は当時の星のカービィシリーズとしては非常に珍しい本作のサントラが一般販売されており、曲名リストにこのタイトルが記されていた事でこの名称はシリーズファンやハル研にも浸透するようになり、後年でも影響を及ぼす事になった。
漢字表記ではなく平仮名表記、これ大事。
このステージでは曲名通り、工場の中を通りながらクリスタルを回収していくことになる。

機械的でどこか物寂しげな曲調であり、プレイヤーからは神曲と評価が高い。


…と同時に、トラウマBGMとしても有名である。



えっ?何でトラウマかって?


それは、このステージの異常な鬼畜さに由来するからである。このステージ、即死ギミックのある場所が3か所もある。

まず、工場に入ってすぐ左右からロックンが襲ってくる。
ロックンからはボムのコピー能力が入手可能だが、ぶっちゃけこのステージではいらなかったりする。
しばらく降りていくと、クリスタルのある場所に到達するが、ブロックに阻まれて取れない。
それらのブロックはニードル+ストーンで破壊可能だが、途中のシャッツォに気を付けながら取る必要がある。



だが、ここまではほんの序の口にすぎない。
ここからが真の地獄である。


次のステップではデデデを操作してシャッターを壊しながら進むのだが、途中の巨大ハンマーは即死ギミックその1

しかもベルトコンベアが常に動いているから、足場を確保しにくい。デデデを操作するため、飛び道具でシャッターを壊すことができないのだ。
いやらしいことにこのコンベア、先に進むと動きが徐々に早くなっていく。最終的には2倍近くの早さ。
更に悪いことに途中にはゴルドーもいて、ジャンプのタイミングも把握しづらい。
本作のもっさりとした操作感も相まって何度ハンマーに潰され、デデデの帽子の飾りが取れたことだろう…。


さて、ハンマー地帯を通り抜けると引き続きベルトコンベア地帯。
先程よりはまだマシな方だが、油断してるとドネンに潰されたりジャキンに挟まれたりするので注意が必要。
なお、ここでスパーク+カッターのミックスコピーを取らないと、後々途中までのやり直しを強いられる。
余談だが、ここの背景には培養液に浸かっている生き物たちがいる。
容姿こそ可愛らしいが生物実験でもされていたのかと考えるとなかなか不気味。

ベルトコンベア地帯を突破したら、中ボス・デカバーニスと戦うことになる。
周りはマグマに囲まれており、足場が狭いため苦戦すること間違いなし。
勝利したら天井のカゴの中にクリスタルが出現するのだが、直前のステップで取ったスパーク+カッターで取らなければならない。*1
ここまで来たら、どこか悪意を感じるのは気のせいだろうか?




中ボスを倒し、クリスタルを手にして一安心…と思って次の部屋に行くと、巨大なプレス機が上下に動く地帯に入る。

そう、このプレス地帯こそが

ステージ最大の難所2と呼ばれる場所である。


上下するプレス機をかいくぐって進むことになるのだが、一見してわかるだろうが、プレスは即死ギミックその2である。

途中の窪みやプレスの凹んでいる場所で一息つきながら、タイミングを見計らって進む必要がある。
後半ではシャッツォの弾が飛んでくる上、狭いプレス地帯をノンストップで走り抜ける必要がある。
シャッツォの弾に当たり、ノックバックでプレス機に押しつぶされてしまう事もある。
しかも意地悪なことに今回のカービィマリオでいうルイージのように滑りやすい挙動なのでなおさらである。
何度も押し潰され、ここで心が折れたプレイヤーも多いだろう…。
???「ハル研の悪意が見えるようだよ…」


プレス地帯を潜り抜け、やっとこの地獄ともおさらばか…?
と思いきや、そうは問屋が卸さない。次が最終難関にして即死ギミックその3である。

今度は迫る電気の壁から逃げながら、上へ上へと登っていかなければならない。もちろん、壁に潰されたら即死である。

しかもクリスタルがとある階層の奥にあるのでややこしいったらありゃしない。
クリスタルを取ったのに押し潰されたプレイヤーも多いはずだ…。しかしクリスタルは一度取ってしまえばミスしても取り直す必要はないのでそこは安心。
その上、前と後ろから迫ってくる壁もある壁の隙間に入り込んでかわす。

クリスタルも取り、最後まで登り切ったらゴールまで一直線。
お疲れ様でした。



以上のことから、このステージの異常な鬼畜さ神懸ったBGMと合わさり、
プレイヤーの心に大きなトラウマを残すことになった。
アクション慣れすると案外ノーミスでサクサク進められるのだが、いかんせん当時の子供(初代からやっていた人でもきついかもしれない)達がどれほど強烈なインパクトと絶望を叩き込まれた事か…。




<関連ステージ及び楽曲>

タッチ!カービィ

この悪夢が再来した。

ステージ名はマッドメカニズム。
BGMは勿論、こうじょうけんがくのアレンジである。
流石ハル研、よく分かってらっしゃる。

64程の鬼畜さではないものの、最初のステップからプレス機、嫌らしすぎる位置に置いてあるメダル、周囲針のむしろにワープするゴールと、やはり初見殺しなステージである。


ウルトラスーパーデラックス

サブゲーム「爆裂コンベアタッチ!」にて、こうじょうけんがくのアレンジが流れる。しかも前半と後半でスピードの違うものが2種類あるというこだわり。
どんだけこうじょうけんがくが好きなんだハル研。


星のカービィWii

64以来のカービィ本編を早速プレイし、グランドローパーを打ち破り、ハルカンドラに到着したプレイヤーを待っていたのはエッガーエンジンズだった。

64をプレイした人なら到着した瞬間、こうじょうけんがくを思い出しただろう。

全くその通りである。

殆どのステージに配置されたプレス機、プレス機、プレス機。
心臓に悪すぎである。

更に画面奥から放たれる大砲*2や、流水が面倒すぎる水中ステージ等、新たな嫌がらせギミックを用意している始末。
心残りな所はあのBGMが使われなかった事と、せっかくハンマーが置いてあるのに食らっても他の敵の攻撃やギミックとダメージが同じな事だろうか…。

因みに、エクストラ版エッガーエンジンズのボスであるメタルジェネラルEXを撃破すると、追加ボスであるHR-D3が登場する。
名前の由来は言わずもがな。


20周年スペシャルコレクション

ゲーム内には使用されていない*3が、付属のサウンドトラックにポップスター、VS.ゼロ・ツーと共に64枠として収録されている。


トリプルデラックス

サブゲーム「カービィファイターズ!」でステージの一つとして遂に復活を果たした。
流石に即ミスとまではいかないが原作よろしく、ハンマーに押し潰されると大ダメージを喰らうだけでなく、ペチャンコ&ペラペラ*4になってしばらくは行動不可能になる。
BGMも原曲を使用してるもんだから、当時のプレイヤー達のトラウマが甦ったのは言うまでもない…。

ファイターズ続編である「カービィファイターズZ」や「カービィファイターズ2」でも登場。特に後者のストーリーモードでは「高速メカギミックの間」や「しかけダメージ2倍の間」という特殊効果も存在するため、阿鼻叫喚の事態が繰り広げられる。
更にファイターズ2ではステージのBGMは原曲の他に裏曲として新規アレンジのBGMも登場した。


ロボボプラネット

全編機械テーマと言う珍しい芸風だが、過去ネタオマージュに余念のない近年作ということで大方の予想通りに再登場。アレンジBGMの「はつでんしょけんがく」は原曲を意識した平仮名表記。一撃必殺ではなく、ダメージもあまり大きくないがハンマーも登場。

ちなみに、サントラにてこのBGMに続く2曲が「ヤラレ」、「ゲームオーバー」…
曲の並びが悪意しかない!!








─2018年 7月 Nintendo Switch……



我々は…、この井戸に見覚えがある……、このブ厚い石レンガの穴を、十八年ぶりに大気を吸ったこの井戸を!



スターアライズ

そしてそして、とうとう『スターアライズ』のアップデートによる「星のアドレーヌ&リボン」の追加ステージのレベル5において、まさかのステージほぼ完全再現。
もともと星のスターフレンズの追加ドリームフレンズは出典の再現ステージが含まれるのだが、ステージの一部の混在である事が多い。その中で1ステージまるまる再現は特異である。

しかも、他のドリームフレンズのレベル5の再現マップは基本的に原作の最終レベルのステージとなっている。そんななか、選ばれた当ステージは最終レベルのステージではない*5
Nintndo Switchのゲームニュースでのコメントでも「皆さんの印象に残っているであろうステージも登場します」という旨のことが言われており、公式サイドもこのステージに思い入れがあることが分かる。

最初の井戸のような入り口と背景のドーム(奥に置かれている肉も再現)から始まり、恐怖のプレス機、くぼみのプレス、迫る電気の壁とよりどりみどりの即死地形がバッチリ揃っている。途中のバーニスのルームガーダーもバードンに置き換えて再現する気合の入れっぷり。
原作でストーンニードルを使って取ったクリスタルの場所には大スイッチか置かれており、押すとドリームロッドが出現して、ドリームフレンズが呼び出せる。ここでデデデ大王を呼べば…?*6
(この中で謎生物入りカプセルのエリアだけは唯一入っていない。ステージ全体の長さとの兼ね合いだろうか?*7)

流石に『64』と比べて操作性が向上しており、アイテムで機動力を補強できる上、そもそもデデデに乗っかる必要がないため原作よりは通り抜けやすくなっている。
反面、フレンズヘルパーたちはプレス系のギミックに鈍感なのでモタモタしていると自分はともかく仲間達が次々と押し潰されるのだが。
ちなみにこの再現ステージが登場するのは最終盤なのでドリームフレンズはもちろん、最後の3連戦前のコピーのもとにないフレンズはやられるともう呼び出せない。カワサキなしは言うほどキツくないけども

ディスカバリー

直接こうじょうけんがくの名前やアレンジBGMが出てきたワケではないものの、
エリア6のレッドガル禁足地に「資源エネルギープラント」なるステージが登場。
施設の入り口から入場するところから始まり、いきなり出迎える迫る壁と安全地帯として用意されたくぼみ
ベルトコンベアの上から襲いかかってくるプレス機降りてくるごとに迫ってくるトゲつきの壁とどこかで見たようなギミックのオンパレード。BGMも「こうじょうけんがく」と同じ石川氏の担当である。
今作は潰されても一発アウトではないので安心……ではあるがダメージは十分にでかく、残機制でない代わりに100%コンプにはかなりの数を要求されるコインスターをミスで100枚持っていかれるのでうかうかしてはいられない。
……というか、クリアすればワドルディを救出できるミッションの中にゴールまで一度も挟まれるな!というやつがある。完全に確信犯である。
ジャンクニードルやデデデのデザインといい今作は随所に「64」を意識したようなデザインが散見されるため、このステージもその一環なのだろうか。
また、どこかから最初の部屋まで引き返すとアレのひとつが隠されている。
そしてどこかで見たようなギミックが3D化したこのエリアのトドメには、どこかのバラエティ番組で見たような抜ける隙間のある壁が迫ってくる。前に行き過ぎるとマグマでダメージを受け、隙間を通れないと落ちてこれまたダメージを受けるので冷静に行くべし。最後は2択があるので注意。


カービィカフェ

第2弾に収録。トラック番号は13、曲名は「眠れるキカイのプラネット」で編曲は安藤浩和氏。
曲名だけ見ると「ロボボプラネット」からの出典と思いきやまさかの「こうじょうけんがく」のアレンジである。
原曲の機械的な曲調から一転してジャズ風にアレンジされ、さらに後半は「タッチ!カービィ」でもアレンジされていた「セレクト画面」(ファイルセレクト画面のBGM)も流れ、原曲よりもさらに穏やかな曲調にアレンジされている。



追記・修正はプレスやハンマーに何度も押し潰されまくった人にお願いします。

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最終更新:2024年02月06日 10:44
添付ファイル

*1 カゴ自体は位置の関係上、戦闘前でも破壊はできるが……。

*2 本作から登場したシャッツオの強化版ともいえる。炎属性のギガッツオ、雷属性のボルトッツオ、氷属性のコルダッツオがある。

*3 星のカービィコレクションに収録されている星のカービィ64を除く。

*4 ただし、この時はダメージを受けなくなる。

*5 ただし、原作の最終レベルとは1-1の再現ステージ・水中メインのステージ・ザコ敵ラッシュのルームガーダーであるという事情もあると思われる。

*6 序盤でも倒した直後にフレンズハートをぶつけて仲間に出来る。

*7 原作ではステージと中ボスだけで構成されていたが、こちらはプラスアルファでラストバトル3連戦が待ち受けているため、原作以上に所要時間が長くなっている。