星のカービィ 鏡の大迷宮

登録日:2011/12/17 Sat 22:36:51
更新日:2024/04/15 Mon 13:17:09
所要時間:約 6 分で読めます






ピンチの時はだ!



◇概要

 2004年に発売された、星のカービィシリーズGBA用ソフト。
 販売を任天堂、開発をフラグシップが担当した。
ハル研究所は開発側への資料提供などに留まっている。

 前作にあたる『夢の泉デラックス』のシステムを基本として、多人数プレイも視野に入れた作品。

 2011年12月16日より3DSのアンバサダープログラムで、バーチャルコンソール版が配信された。
 ただしVC版は仕様上マルチプレイ不可。


◇物語

 プププランドの遥か上空に存在する「ディメンションミラー」。そこから繋がる鏡の国が、突如暴走を始めた。

 それを知ったメタナイトは、鏡の国の暴走を止める為、ディメンションミラーへと向かうが……


 ところ変わって、呆れ返るほど平和なプププランド。
 平和に暮らしていたカービィの前に、漆黒のメタナイトが現れた。
 黒いメタナイトがカービィを斬り刻むと、なんとカービィが4人に増えてしまう。
 飛び去る黒いメタナイトを追い、カービィは鏡の国へと足を踏み入れた――



 以下、ネタバレ注意。




◇システム

基本的なシステムは従来通り。
本作で新登場したシステムのみ紹介する。

  • がんばり吸い込み
吸い込みがパワーアップ。一定時間吸い込み続けるとこの状態になる。
更に吸い込み続けると疲労して一瞬だけ行動不能になり吸い込みが中断されるが、大きな敵を吸い込んだり重いブロックを動かしたりできる。
ちなみに『星のカービィWii』では疲れなくなった。

  • ころがりタックル
急な坂道でスライディングしたり、ずつき落下すると発生。
文字通り転がって、弱めの攻撃判定が発生する。

  • 携帯電話
本作の重要システム。
LRボタンで携帯電話を取り出し、二種類の機能を使い分けることができる。
Rボタンでは他3人のカービィを呼び出し、電池を一つ消費する。電池切れなら使えない。
また、カービィを呼び出した時に回復アイテムも現れる。
Lボタンではワープスターを呼び出し、セントラルサークルに戻る。
こちらは電池を消費せず、電池切れでも使える。
何故かLボタンはワープスターに乗るまで長押しする必要がある。

  • 新コピー能力
新たに「エンジェル」「マジック」「ミニマム」「ミサイル」「スマブラ」が追加。
とくにスマブラは、『大乱闘スマッシュブラザーズDX』で使用した必殺技と一部の通常技を使える。
そして今作最大のチート能力(マスター除く)。ただでさえ技バリエーションが多いのにハンマーの威力が尋常じゃない、ファイナルカッターの範囲の広さ、ストーンの無敵能力も健在と攻守共に完璧。勝ち抜きボスバトルでお世話になった人も多いはず。

ただし、DA技だったバーニングは採用されず、走行時に攻撃しても歩行や静止している時と同じ技になる。ゲーム内の仕掛けを全て解かれてしまうからだそうだ。それだったら他の仕掛けを導入する方が良かったかもしれないが。
コピー能力についてはコピー能力(星のカービィ 鏡の大迷宮)を参照


◇登場人物

カービィ
ご存知ピンクだま。
ただし冒頭で4人に分裂するのでデフォルトでイエローとレッドとグリーンも迷宮を探索している。
カラースプレーが登場し、色違いの秘密が明かされた。お気に入りのカラーで突っ走るべし。

メタナイト
準主人公。
ディメンションミラーの暴走を止めるため、鏡の国に向かうが、ダークメタナイトとの一騎討ちに敗れ、ディメンションミラーに封印される。
コピー能力「マジック」で呼び出されることもある。「マジック」のメタナイト出現は全カービィで共有されていて、CPUが思い出したように使用しては時々プレイヤー視点にも現れて画面内の敵を一掃していく。

デデデ大王
プププランドが舞台ではないためかシリーズ中唯一一切の出番無しとなった。
「カービィのゲームでデデデが出ない訳が無い!」と彼を出す方法が模索されたが、結局デマがいくつか流れただけで出ないという結果に収束した。
この作品からデデデ大王の扱いが雑になっていき、メタナイトが目立つようになった。
しかし後に、ディメンションミラーから生まれた自分の影と対峙することになるとは想像もつかなかっただろう。

ダークメタナイト
メタナイトが持つ僅かな悪の心がディメンションミラーにより実体化したもの。
メタナイトに打ち勝つほど強いが、ただでさえ邪魔なカービィを4人に増やしてしまうというドジっぷりを披露してしまう。
後に『トリプルデラックス』でまさかの復活を遂げる。

シャドーカービィ
カービィが持つ僅かな悪の心がディメンジョンミラーで実体化したもの。
メタナイトと違い、カービィは本当に純粋な心を持っていたため、悪戯程度の悪さしかない。
所々で現れ、何もせず去っていくと思いきや、ファイアやアイス等の能力でたまに攻撃してくる。
倒すと回復アイテムや無敵キャンディを落とし、最終決戦ではマスター能力を失った際に投げ渡してくれる。
後に『トリプルデラックス』の「カービィファイターズ」にも登場。デザインを一新し、スマブラのMr.ゲーム&ウォッチをコピした時の姿みたいになった。

ダークマインド
本作のラスボス。
普段は青い鎧とマントを被った姿をしているが、本気を出すとシリーズお馴染み一つ目の姿になる。
ラウンド数が歴代ラスボスの比にならない。


◇ステージ

本作では、従来の「クリアしたら次のステージが出現」という要素が無く、広大な鏡の国を好きな場所から探索でき、自由度が高い。

鏡の国はエリア1〜9の9エリアで成り立ち、1を除いた8エリアはそれぞれボスエリアとゴールの各1区画ずつが終点となっているが、途中で別のエリアに行き着いてしまうこともあり、文字通り巨大な迷宮となっている。

  • エリア1
RAINBOW ROUTEレインボー ルート

鏡の国の中心で、最も広大なエリア。
ここからエリア2〜5まで行くことができ、ゴールが複数ある。
ボスはいない。

  • エリア2
MOONLIGHT MANSION(ムーンライト マンション)
エリア1を除き最初に到達するエリア。
紫色の建造物と、付近の林のステージ。
一応最初に攻略するエリアなので複雑な仕掛けはあまりない。

ボスは壁型のキングゴーレム
プププランドではないので今回はウィスピーウッズが登場せず、ウィスピーウッズの石柱版と言えるボス。

  • エリア3
CABBAGE CAVERN(キャベッジ キャバーン)
地下深くに続く洞穴のステージ。これを抜けると遺跡へと続く。
枝分かれが多く、複雑な作りになったエリア。

ボスは大モグラのモーリィ
ハンマーで挑むとモグラ叩き気分。

  • エリア4
MUSTARD MOUNTAIN(マスタード マウンテン)
山岳地帯から火山へと続くエリア。
火山に入るとゴールかボスまで一方通行。

ボスはクラッコ。火山なのに…

  • エリア5
CARROT CASTLE(キャロット キャッスル)
巨大な城のステージ。
仕掛けや分岐が盛り沢山の中々意地悪なエリア。

ボスは浮遊ロボットのメガタイタン
スパーク等の電気属性以外の攻撃を受けず、壁の電流に押し当てる必要がある特殊なボス。
地味に4つのパンチが初見殺し。

倒すと頭だけ飛び出して「タイタンヘッド」となりカービィに挑むが、体力がかなり低くダメージも普通に通る。むしろ壁の電流でダメージを与えられなくなる。
鬼ごろし火炎ハンマーやスマブラのハンマースイングで一撃で倒せる。

  • エリア6
OLIVE OCEAN(オリーブ オーシャン)
南国のような海辺と深海のエリア。
深海になると本格的に水中が舞台になる。

ボスは鮫のガブリエル
意外にもストーンでほぼ1発で倒せる。

  • エリア7
PEPPERMINT PALACE(ペパーミント パレス)
氷でできた宮殿と氷山エリア。
床のほとんどが凍りついており動きにくい。

ボスはマジシャンのウィズ
行動パターンは『夢の泉』のペイントローラーに似ている。

  • エリア8
RADISH RUINS(ラディッシュ ルインズ)
古代の遺跡と荒れ地のエリア。
遺跡の名に恥じずたくさんの仕掛けが待ち受ける。

ボスは???。
姿形はメタナイトそっくりだが剣を投げてこない。
倒すと一瞬だけ正体を現す。

  • エリア9
CANDY CONSTRATION(キャンディ コンストレイション)
エリア2、4、5、7、からワープスターで到達できる宇宙のステージ。
宇宙ステーションの環状エリアを逆に回って抜けられなくなった人多数。

ボスは『スマブラ』からのゲスト「マスターハンド」&「クレイジーハンド」
マスターハンドは中ボス時と違い倒すと消滅するのでコピーはできない。


  • ディメンションミラー
各ボス8体を倒して鏡を完成させると、この中に入れる。

???の正体であるダークメタナイトと戦った後、ダークマインド戦となる。
全部で6ラウンドあり、1〜3は偽物、4で本物、5ラウンド目で巨大化した心臓部と戦う。
最後はシューティング面でトドメを刺す。


余談

本作のステージマップの作成にはこんなエピソードがある。
開発スタッフは「ゲームというのは一度作った後、必ず様々な反省点が残り、後悔するもの」という認識があった。
そこで、
  1. 「スーパーデラックス」の全ステージの地形をスクリーンショットとして用意
  2. それらを元に自分たちの解釈で「なぜこの場所にこういう地形があるのか」「この仕掛けはどういう意図で配置されているのか」を学習
  3. 本作用のステージを最初から最後まで作る
  4. 作ったステージを全部破棄
  5. その「プロトタイプ」の反省点を反映した実装用のマップを新たに作る
という「後悔を先に立たせる」方法で作成したのだとか。

追記・修正は4人に分裂してからお願いします。

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最終更新:2024年04月15日 13:17