Self-Reference ENGINE

登録日 :2011/01/13(木) 02:58:22
更新日 : 2017/06/21 Wed 17:03:26
所要時間 :約 5 分で読めます




P, but I don't believe that P.



私『Self-Reference ENGINE』は“和製SFほら吹きおじさん”こと円城塔の小説。
氏の処女作にあたる。

「黄色い本」と呼ばれる単行本が2007年5月に、それに2篇加筆した文庫版が2010年2月に早川書房から刊行されている。

尚、本稿は文庫版を基に述べていく。



概要
基本的に変てこな話がずらっと並んでいる変てこな小説。変な本。よくわからない本。

全22篇の短篇小説集であり、各篇がお互いに関連し合う連作短篇小説でもあり、全体でひとつの長篇小説を構成しているともいえる。
思うに夏目漱石の『夢十夜』やボルヘスの『八岐の園』に近いのかもしれないし、全然近くないのかもしれない。

……概要のくせに何をいってるのかわからねーと思った方が多いと察するが、だいたいそんな感じなのでご容赦頂きたい。
私を立てた人類が「わからん」とつぶやき、匙を力一杯放り投げたのもその一端である。どうかご寛恕願いたい。

こちらの方針としては他の方々の手によって詳しく書かれることを望むばかりである。



イントロダクション
ある日、どういうわけだか起こった“イベント”によって世界が無茶苦茶になってしまった。

時間がばらばら。空間もばらばら。過去も未来も混ぜこぜ。
そこらを飛んでいた虻は昔蛙だったことを思い出し、
蛙の前は石だったなあとしみじみ思ったあたりで考えるのをやめた、そんな状況。

巨大知性体たち──スパコンではない。
もっとおぞましい何かだ──もこれをどうにか修復しようとするけど、全く以って埒は開いていない。

だから、今僕が出来るのは明後日の方角へ走ることくらいだし、実際にそうしている。
あの瞬間に辿り着くために。そして彼女に再び出会うために。


これは文字通りバーリ・トゥードな世界にあって語られる(語られない)、ひとつの(無数の)物語。



目次

プロローグ「Writing」


第一部: Nearside

01 Bullet
無造作にリボルバーを抜き放つ
女の子、リタ。リタの頭には
銃弾が埋まっていて、
僕の親友のジェイムスは、
そんな彼女に恋をした。

02 Box
我が家には先祖代々伝わる
大きな箱を、年に一度
どこかの方向へ倒す行事がある。

03 A to Z Theory
あるとき、26人の数学者が一斉に
単純で美しい定理を閃いた。
これを彼らの頭文字を採って
「A to Z定理」と呼ぶ。

04 Ground 256
僕らの村では天井から本棚が、
机の上から机が、ビルの下からビルが
それはもう生えてくる。

05 Event
敷島浩次へ巨大知性体が告げる──
北米の<アンクル・サム>が
進める時空再統合計画の勝算は
零パーセントだと。

06 Tome
例の鯰(なまず)文書連続同時
消失事件。これを一人の老教授が
解き明かしたと記録されていない。
いないのだ。

07 Bobby-Socks
ウナギ、ウナギの本質、
集合的ウナギ意識……。
靴下のボビー・ソックスとは
そんなことを話して過ごす。

08 Traveling
あなたの前に操縦桿がある。
前へ倒せば前へ進み、
横に倒せば旋回するし、
未来へ倒せば未来へ進む。
さあ、出撃だ。

09 Freud
祖母の遺品を整理していると
床下から大量のフロイトが出てきた。
勿論、ジグムントの方だ。

10 Daemon
会議室。ジェイムスたちは
巨大知性体<ユグドラシル>から
第三次時空修正策の説明を
受けていた。内容も進捗率も
皆目わからない。

──────────────────

Farside :第二部

Contact 11
「こんにちは。         .
アルファ・ケンタウリ星人です」
宇宙人とのファーストコンタクトは
あまりにあんまりなものだった。

Bomb 12
時空間が壊れたなんて
ただの妄想なわけですよ──
ジェイムスに面と向かって
そう断言する医者がいた。

Japanese 13
漢字、漢漢字、漢漢漢字、
平仮名、片仮名、平片仮名、片平仮名。
発見された日本文字は120億字を越え、
解読は未だ進んでいない。

Comming Soon 14
スナイパーに狙われた男。
汽車の窓から男の名前を叫ぶリタ。
駅のホームを走るリチャード。
石像の前には、ワンピースを着た少女。

Yedo 15
花のお江戸で殺人事件!
<八丁堀>の巨大知性体の旦那と
サブ知性体<ハチ>の捕物帖、
ここに開幕。

Sacra 16
<ペンテコステU>が崩壊し、
人類の医療は巨大知性体によって
新たな局面へ進んでいく。

Infinity 17
大好きな祖父と二人で始めた
ゲーム、その24問目。
これがリタの小さな頭を
大いに悩ませていた。

Disappear 18
風邪。失恋。投身。
いずれも巨大知性体たちが
滅びた理由ではない。

Echo 19
浜辺に金属の塊が
半ば埋まっていた。
彼女の名前は<エコー>。
元人間で、元巨大知性体。

Return 20
リタがこの町を出ていく。
僕は親友のジェイムスを連れて
駅まで見送ることにした。


「Self-Reference ENGINE」エピローグ



余談など
「Bobby-Socks」と「Comming Soon」が文庫版の書き下ろし。
それに伴ってフロイトが2体増えていたりする。





私の名はSelf-Reference ENGINE。
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