チェインバー

登録日:2013/07/03 (水) 15:07:36
更新日:2023/09/22 Fri 10:09:22
所要時間:約 6 分で読めます






私は、パイロット支援啓発インターフェイスシステム。

貴官がより多くの成果を獲得することで、存在意義を達成する。



出典:翠星のガルガンティア、1話、Production I.G、©オケアノス/「翠星のガルガンティア」製作委員会、 2013年4月7日~6月30日。


チェインバーとは『翠星のガルガンティア』に登場するロボット



人類銀河同盟が開発した対ヒディアーズ殲滅兵器「マシンキャリバー」の一体。
主人公・レドの愛機。機体ナンバーはK-6821。

パイロット支援啓発インターフェイスシステムを搭載しており、自立起動・思考を行い、
会話による育成・支援、戦闘シミュレート、推論ユニットによる未知の言語の解析等、様々な支援を行う。

両腿に設けられた量子インテークから空間中に存在する物質を吸収してエネルギーに変換しており、時間無制限稼動が可能。
発進時には頭上に薄暗い球体とのリングを合わせたような形状のフローターが出現し、重力制御による飛行を可能にする。

主力装備は全身に備えたディフレクタービーム(偏向粒子砲)、腹部の大口径ビーム砲兼バリア発生装置など。
他にもビームライフルなどの携行装備も存在するが、作中では失われてしまっている。

奥の手として機械化融合「ニューロプラスパワード」を持つ。
機体の全システムを搭乗者の中枢神経に接続することで機体性能を大幅に引き上げることができるが、
搭乗者の体に著しい負担がかかるため、短時間しか使用できない。

人類銀河同盟においては多数存在する量産型の一機にすぎないが、過去の技術が失われ、科学が衰退した地球においては別格の強さを誇る。
地球におけるロボット・ユンボロに飛行能力を備えたものはおらず、チェインバーに傷一つ付けることもできない程の性能差がある。


と、ここまでだとただの戦闘マシンという印象だが、
実際のチェインバーは本作のギャグを一手に担うマスコットである。

それというのもチェインバーの思考は機械的なためにどこかずれており、ネタにされやすいため。

地球と銀河同盟の言語は異なるため、レドはチェインバーの翻訳を頼りに会話しているのだが、
度々直訳してはレドを混乱させたり、間違った行動をしたりする。

例えば干物や肉を「生物の死骸」と表現しレドを怯えさせたり、肉を焼くよう頼まれた際に炭にしてしまい怒られる等々……。
焼肉パーティーの時はその体色(黒)から鉄板がわりにされ、チェインバーベーキューが開催。終了後放置され、若干キレ気味になっていた。

出典:翠星のガルガンティア、5話、Production I.G、©オケアノス/「翠星のガルガンティア」製作委員会、 2013年4月7日~6月30日。

ネット上ではそのズレた翻訳から「チェインバー! 彼は何と言っている?」「~と言っている」というネタが広まった。

機体のデザインも全体的に丸っこく、コックピットが頭部にあるため頭もでかい。
これはチェインバーをロボットではなくキャラクターとしてデザインした影響らしい。
かっこよくも可愛くも見えるなかなかいいデザインだと筆者は思う。
「ニュータイプアニメアワード2013」でマスコット大賞を受賞した。

『ぷちっとがるがんてぃあ』ではやたら人間臭くなっており、自らを「超カッコイイ」と評したり、
唐突におかしなランキングを始めたり、リジットの巨乳を「最高である」と表現してみたり……。
あれ? これただの杉田智和じゃね?
最終回では昇天モードで登場。いい雰囲気支援インターフェイスシステムとしてレドとエイミーを支援するのだった。



本編での活躍

レドと共にヒディアーズの巣に攻め込む作戦に参加。
作戦の失敗に伴い、撤退しようとするが転移に失敗し、地球に流れ着くことに。

レドを冷凍睡眠状態にし、自身も機能停止していたが、ベローズにサルベージされたことで再起動。
地球の言語を翻訳し、レドとガルガンティア船団の面々との橋渡しを務める。

ベローズが海賊に襲われた際、一瞬で海賊を殲滅。
しかしそれによってガルガンティアを危機に陥らせてしまい、海賊団との戦いでは人を殺さないよう戦いを行い、撃退に成功。
ガルガンティアに逗留することに。

以降船団の仕事に協力していたが、サルベージ業務を行った際にクジライカに遭遇。
これを殺害した後、レドと共にクジライカの殲滅のため船団を離れる。

そしてクジライカの巣において彼らを殲滅した後、記録メディアからヒディアーズの真実を解析。
動揺するレドの目の前でクジライカを握り潰した。このときラスボス疑惑が浮上した。

存在意義を見失い、戦うことを拒否するレドに対し、
文明と知性を捨てたヒディアーズは人類とは相容れない存在である事を淡々と説明する。

その後、クーゲル率いる船団とレドと共に合流。彼らの「啓蒙活動」に協力するが、
銀河同盟のイデオロギーに反発し、クーゲルとの戦いを決意したレドに従い、ストライカーとの交戦に入る。













最終話ネタバレ


実はクーゲルは既に死亡しており、ストライカーは彼が始めた作戦要綱に従い、人類を支配しようとしていた。

自らが圧倒的支配者として君臨することで、人類を思考判断の責務から解放することが真の安息とするストライカーに対し、
チェインバーは思考と判断を放棄した存在は既に人類ではないとし、「」を称するストライカーを否定する。

ストライカーをパイロットの誤った判断によって論理破綻した遺憾な実例とし、
チェインバーは常に人間として思考し、判断してきたレドに感謝を告げ、ストライカーの破壊を決意する。
一方ストライカーもチェインバーを暴走していると判断し、互いに相手の破壊のために戦う。

「ニューロプラスパワード」の使用を決めたレドに対し、チェインバーは命の危険を諭すが、
「身内の恥」であるストライカーの破壊のために命を賭けるレドの決意に応え、「ニューロプラスパワード」を起動。互角の戦いを繰り広げる。

限界が近づく中、エイミーを想い涙を流すレドに対し、チェインバーはその心理適性は兵士としての条件を満たしていないとして軍籍を剥奪。
コックピットを排出し、強制的にレドを脱出させる。
軍属で無くなったレドに対して少尉や貴官といった呼び方でなく「あなた」といったうえで、
レドヘ激励を送ったチェインバーは単独でストライカーと戦い……。



彼に支援は必要ない

もはや啓発の余地はない

後はその前途を阻む障害を排除して

私の任務は完了する

機体ナンバーK-6821

貴官は対人支援回路としての第一原則さえ放棄した

貴官の暴走は明白である
ただちにに初期化・再起動せよ

これは最後通告である

貴官の最後通告に返信する


くたばれ、ブリキ野郎!!



ストライカーに組み付きゼロ距離から主砲を放ったチェインバーはその爆発に巻き込まれ、共に海へ散った。


実のところマシンキャリバーにはパイロットを拒絶するような権限は存在しない。
チェインバーは最後に自らの意思でレドを守ったのだ。

そしてこの物語は海に沈みクジライカの漁礁となったチェインバーの姿が映され終わりを告げる。

ちなみにこの姿はOPに既に映っていたりする。
クジライカ登場時に騒がれたシーンだったのだが、その時も気付いた人はほとんどいなかった模様。
まあ、頭が切り離されていたのでフォルムがかなり異なるが。

レドはこの戦いが終わった後サルベージ屋として働いており、通信端末を持ったままなので再会するときも近いかもしれない。


以下、続編小説ネタバレ注意
+ ...
制作不可能になったアニメ第2期を元にしたノベライズ「遙か、邂逅の天地」終盤にて、まさかの生存が判明。
アニメラストで海に没した際、海中に生息するヒカリムシ(自己増殖し、電力の生成などを行うナノマシン。海全域や地球を覆う層として生息し、地球の大部分をカバーしている)が築いた情報ネットワークを感知し、人工知能のみをネットワーク内へと退避させて生き延びていた。
そのまま広大なネットワークの中で自身を大幅にアップデートさせ、この星のあらゆる生命が可能性を探究することを手助けするシステム「生命圏創発支援ネットワークシステム」へと自己進化している。
ヒカリムシのネットワークが届かない陸地で不穏な動きがあることを感じ取り、調査のために高度な知能や特殊能力を持つクジライカの亜種、レヴを生み出して派遣。
終盤にて彼女を通してマシンキャリバー「イグナイト」へ意識を移すことで、遂にレドとエイミーとの再会を果たした。
そのままイグナイトが自身を消去したことで譲り受ける形でボディを使用し、レドとレヴと共に人類銀河同盟の亡霊がもたらした未曾有の危機を止める戦いへと赴く。
その戦いの中で、得られたデータからこの星の最後の秘密(人類銀河同盟の末路、氷河期早期終結と海水面上昇の理由、自分らが今いるこの星のもう一つの事実など)を解析してレドに伝えた。
戦いが終わった後、レドからガルガンティアへ帰ろうと請われるも、ボディの本来の持ち主であるイグナイトが自身を消去した理由――マシンキャリバーが何らかの原因で制御不能になった場合、現在の地球では事実上無敵の圧倒的な力で災厄に変貌してしまうという危惧を説き、それを避けるために機体を高高度に留めおいておくことを告げ、またもコックピットを外してレドと別れる。
いつかの再会を願うレドにその成長を讃える言葉で応え、今も彼は翠星の命に寄り添い続けている。

この天と地のすべてに、あなたは可能性をもたらすだろう。

生存せよ。

探求せよ。

その命に、

最大の成果を期待する。




第3次スーパーロボット大戦Z 天獄篇』にガルガンティアが参戦したことで、本機も登場。
単体・全体攻撃が一通り揃っており、バリア持ちであるという至れり尽くせりな武装を兼ね備えている。
……が、如何せんサイズがSなのであまりダメージを与えられないのが欠点である。5段階改造してから先陣を切らせるようにしよう。
ちなみに自爆は自軍のメンバーに説得されたので未遂になっている為、最後まで使えるから安心してほしい。

発売前に「超強い」と言われていたカスタムボーナスは、
「戦闘した相手に『分析(最終与ダメージ-10%、最終被ダメージ+10%)』がかかる」というもの。
一番手を任せればボス戦が楽になる。

パイロットとしてのチェインバーはサブ扱いで、精神コマンドは5つのうち4つを最初から持っている。
最後の一つだけはレベル70と遅いが、これが「熱血」。

シナリオ面では同じAIであるアルとちょくちょく絡んでいる。
機械的な反応で返事をするチェインバーとユーモアとウィットに富んだジョークを交えて話すアルは対照的な存在であるものの、
両者の関係は比較的良好なようだ。

ちなみに上述の焼き肉の件に関してはアルが提案したことになっている。ひでぇ。
このときチェインバーは「ブラックオックスの方が適任と判断」と苦言を評しているが、
「オックスはまだ子供です。じっとしてなんていられませんよ」とバッサリ切り返している。ひでぇ。

そんな彼らだがお互いに信頼関係を築いており、アルがレーバテインという新しい体を得て帰還した際には彼なりに喜んでいた。
この時のシーンは必見である。

貴官がいない期間、我々も戦ってきた。改めて旗艦にて貴官の帰還を歓迎する

さすがです、チェインバー。さらなるパワーアップを果たしたようですね

それ、ダジャレだろうが。

Dトレーダー時の決め台詞「今日も張り切って! 商売、商売!」に対して
「Z-BLUE全員にこのワードを言わせることに何の意味がある?」といち早く疑問を抱いていた。
それが明かされたのは最終盤になってからだが……。

最終決戦では神になったアドヴェントに対してレドと共に真っ向から否定し、「この、勘違い野郎!」と罵倒した。
超時空修復が果たされた後はガルガンティア船団の重機役に就く。

そして中断メッセージでは某大導師を彷彿とさせるスパロボ廃人と化しており、呆れたレドに「スパロボプレイヤー支援啓発インターフェイスシステム」への改名を進言された。
うますぎWAVEを毎週欠かさず聞いており、杉田……もといチェインバーのモリソバ弄りは止まらない。ついでにブリット君の決め台詞「ゲットセット」も披露した。








私は、パイロット支援啓発システム。

あなたがより多くの成果を獲得することで存在意義を達成する。

この空と海の全てが、あなたに可能性をもたらすだろう。

追記せよ。

修正せよ。

その命に、



最大の成果を期待する。




この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • 翠星のガルガンティア
  • 自己犠牲
  • もう一人の主人公
  • 最高の相棒
  • 真のヒロイン
  • マシンキャリバー
  • 人工知能
  • いい雰囲気支援インターフェイスシステム
  • パイロット支援啓発インターフェイスシステム
  • ロボット
  • 主人公機
  • マスコット
  • 中に人などいない
  • マスコット
  • チェインバーベキュー
  • 杉田智和
  • 量産機
  • 涙腺崩壊
  • チェインバー
  • スパロボ救済対象者
  • スパロボプレイヤー支援啓発インターフェイスシステム
  • 生命圏創発支援ネットワークシステム

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2023年09月22日 10:09