ドラゴンランス(小説)

登録日:2012/01/23(月) 16:17:30
更新日:2022/09/21 Wed 16:36:39
所要時間:約 8 分で読めます





『ドラゴンランス』はアメリカのTRPG「D&D」をベースにした人気小説シリーズである。
作者はマーガレット・ワイスとトレイシー・ヒックマン。


【世界】
「クリン」と呼ばれる世界。典型的な魔法ファンタジー世界観であり、機械文明は一部を除き発達していない。
またクリンは数多く存在する世界群の一つであり、別世界から流れてくる者もいる。


【種族】
様々な種族が存在。
それらの種族は創造したの特徴を反映した姿と思想、能力を持つ。


  • 人間
中立神ギレアンによって創造された。善にも悪にもなる自由な種族。
他種族と混血の子を産む(産ませる)事ができる。

  • エルフ
善神パラダインによって創造された種族。
自然を愛し、美しく誇り高い種族ではあるが、かなり独善的な面もある。
他種族を見下しがちであり、中立の存在である人間や赤ローブの魔術師に「悪になる存在」という懐疑的な目を向けがち。
当然エルフの魔術は白ローブに限られ、黒ローブを纏った日には里を追放される。
追放されたエルフはダークエルフと呼ばれ、二度と帰る事はできない。
エルフの中にも様々な系統が存在する。

  • ハーフエルフ
エルフと人間の混血。
愛情の結果より、人間による暴行の私生児として産まれる者も多い。
エルフと人間、両者の特徴を併せ持つ。
エルフの中にあっては「半人」人の中にあっては、
「ハーフエルフ」と差別され、エルフの感性と人間の感性の間で苦しむ者もいる。

  • オーガ
史上最強の生物……ではない。
暗黒神タキシスによって創造された種族。
醜悪だが強力な力を持つ。
元々はタキシスの外見に似て美しい種族だったのだが、増長の果てにタキシスの内面に近い姿に変容した。
影が薄い。

  • ミノタウロス
説明不要の外見の種族。
同じ外見のサルゴナス神のお気に入りで、彼らもまたサルゴナスを信じる。
外見に反して(?)誇り高い種族であり、騎士的な一面を持つ。
1~3部までは空気だったが、4部ではメインキャラとして活躍。

  • ノーム
レオルクルス神に創造された種族。
技術力に優れ、クリンで唯一といっても良いほどの文明を持つ。
彼らは社交的ではあるが、とんでもない早口で尚且つ説明が長すぎるので、彼らに付き合う種族が嫌になって避ける。

  • ドワーフ
指輪物語にならった姿。ノームの変異種だが、
彼らはレオルクルスを強く信仰しているので、自分たちは直接レオルクルスに創造されたと主張する。
ノームが技術者ならばドワーフは鍛冶屋。
「どぶドワーフ」と言われる種族もいる。
彼らはドブネズミのような生活をし、また頭も良くは無いので全ての種族から軽蔑される。
だが彼らもそれを自覚しており、傷ついている。

  • ケンダー
ドラゴンランスの名物種。これまたノームが変容した種族。
とにかく好奇心が強く、基本的に恐怖を感じない。
しばしば物を「借り」てトラブルを起こすが、彼らには一切悪気が無い善良な存在。
ちなみにケンダーの里で「古い家具」とは数週間「借り」られなかった家具を指す。
本気を出すと勇猛な面を見せる。

  • ドラゴン
まんまドラゴン
パラダインに仕える金銀銅の善竜と、タキシスに仕える五色の悪竜が存在する。
高い知能と力を持ち、色によって様々な能力特徴がある。
竜の意志に反した強制的な支配をするには「ドラゴンオーブ」が必要だが、オーブの使用は困難。
正攻法で倒すには「ドラゴンランス」が必要。
第四部ではクリンの既存の竜より遥かに巨大な竜が姿を表す。

  • ドラコニアン
クリンに突如として現れた種族。タキシスに使える。
外見はリザードマンを想像すれば間違っていない。

他にも色々いるがこの辺で割愛。


【神々】
クリンには様々な神がいる。
クリンに存在するのは世界群の中の混沌の神、カオスの子供たち。

  • パラダイン
善を司る神。彼が創造したエルフとは異なり、
様々な種族を愛し、均衡を重んじる。ファイアボール。

  • ギレアン
中立を司る神。父カオスからは混沌を上手く制御する事を期待されたが、
本人は勉強以外興味が無い。ある意味で勝ち組。

  • タキシス
悪を司る女神。美しい外見に反して中身は欲望に満ち溢れており、
クリンを独占しようと画策する。彼女より彼女の配下の人間や竜の方が立派に見える事も。

  • 三柱の月の神
上記三柱の神々の息子。白のソリナリ、
赤のルニタリ、黒のヌイタリと呼ばれ、彼らの月は呼び名に応じた色である。
定命の存在に魔術を制御する術を与える。

  • レオルクルス
気性も外見もドワーフな神。
負けが多いが賭事が大好き。ある意味、全ての元凶。

他にも神はいるが省略


【魔法】
エーテルの力を制御する事で発揮される。
魔術師は上記の月の神から力を与えられる。
白、赤、黒のローブがあり、魔術師は己の在り方に応じた色を纏う。
簡単な魔術なら誰でも学べるが、本格的に学ぶには大審問という試練を受ける必要がある。
誤解されがちだが、黒のローブ=悪・タキシスの味方というわけではない。
確かに中にはタキシスの配下になる者もいるが、真実の魔術師が追求するのは魔術のみである。


【物語と人物】

  • 第一部

失われた神々と竜の再来。
伝説のドラゴンランスとドラゴンオーブ。
善悪の均衡。個人の葛藤。


  • タニス
ハーフエルフ。ひょんな事から仲間と共に世界の命運を左右する戦いに巻き込まれる。
その中で彼は己の中にある2つの種族の心と愛の葛藤を通じ、成長する。

  • タッスルホッフ
ケンダー族。種族の例に漏れず子供のようなトラブルメーカー。
しかし誰よりも仲間思いである。

  • スターム
人間。騎士の家系の生まれであり、自らも常に騎士らしく行動しようとする。
その高潔な精神は後に多くの人から賞賛された。

  • キティアラ
人間。かつてのタニスの恋人。その美貌と野心は彼女が仕えるタキシスを思わせる。

  • ローラナ
エルフ。タニスの親戚にして幼なじみ。初登場時は精神的に未熟だったが劇中で急成長する。


  • 二部
双子の兄弟。時空を超えた冒険。伝説の魔術師。神への挑戦。自立と愛情。

  • キャラモン
人間。一部からの登場人物。恵まれた体格を持つが精神的に未熟。
病弱な双子の弟の世話をすることなど他人に必要とされることに依存しており、
一期終盤に弟が自立した為に二期冒頭では酒浸りの日々。
頭の回転も早くなく、仲間には鈍牛と呼ばれる。
しかし本質的には賢く優しい人間であり、物語が進むにつれて自立と成長を果たす。

  • レイストリン
人間。魔術師。同じく一部から登場。
虚弱体質であり、屈強な双子の兄キャラモンに屈折した感情を持つ。
しかし精神は強靭であり、目的の為ならば全てを犠牲にする事も躊躇わない。
作者マーガレット・ワイスの愛を一身に受けており、その贔屓ぶりと作中での行動から彼に対する評価は賛否両論。

  • クリサニア
人間。パラダインに仕える女性。
レイストリンに盲目的な恋をする。また少々傲慢な面がある。

  • タッスルホッフ
ケンダー。相変わらずトラブルを引き起こす。

  • ダラマール
黒ローブの魔術を学んで故郷を追放されたダークエルフ。
レイストリンの弟子。小間使いのような働きをする。
レイストリンに生涯癒えない傷をつけられる。


  • 三部
混沌の帰還。クリンの危機。善悪の共闘。消失。

  • スティール
人間。キティアラの息子。暗黒騎士。
騎士としての高潔さを持つが母に似た部分も。座右の名は「我が誇りは我が命」

  • パリン
人間。キャラモンの息子。魔術師。叔父の杖を受け継ぐ。
少々気難しい面もあるが、叔父とは異なり他者の為に動ける人間。

  • タッスルホッフ
ケンダー。以下略

  • ダラマール
二部の頃と比べ、青さが無くなっている。タニスやパリンに協力する。
魔術師としてレイストリンを今でも尊敬する一方、与えられた傷と共に永遠に憎んでいる。


  • 四部
巨竜襲来。失われた魔術。謎の唯一神と聖女。復活

  • パリン
引き続き登場。今作では世界から魔術が失われており、
またとある事情から拷問を受けた事から気難しさに拍車がかかっている。

  • ダラマール
失われた魔術を取り戻す為に暗躍する。ぶっちゃけ勝ち組。

  • ギルサス
タニスの息子。エルフの王。三部から登場した。
三部で傀儡として王の座に据えられたが、父の助言に従い地下で勢力を拡大していた。

  • ミーナ
謎の「唯一神」を掲げる謎の少女。その神秘性から多くの者から崇められる。
おそらくジャンヌ・ダルクがモデル。

  • タッスル(以下略

詳しい事は小説で。


【余談】

ドラゴンランスとタイトルに名うたれているが、実際物語ではあまりドラゴンランスは目立たない。
使われるには使われるのだが、ドラゴンランスは量産品な為か、あくまで一つの兵器としてしか扱われていない。
またタニスの持つ剣もエルフの伝説の剣なのだが、目立った活躍は少ない。
これは作品が戦い以上に登場人物の精神の成長を主眼に置いているからかもしれない。




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最終更新:2022年09月21日 16:36