STREET FIGHTERⅢ RYU FINAL -闘いの先に-(漫画)

登録日 :2012/07/06(金) 23:05:24
更新日 : 2017/07/01 Sat 09:03:44
所要時間 :約 5 分で読めます






























STREET FIGHTERⅢ
RYU FINAL
-闘いの先に-


『STREET FIGHTERⅢ RYU FINAL -闘いの先に-』は中平正彦の漫画作品。
『ストリートファイターⅢ』のコミカライズ作品であり、今は無き新声社のアーケード専門誌「ゲーメスト」に97年から98年に掛けて連載された。


中平正彦はこれ以前にも「ゲーメスト」本誌に『STREET FIGHTER ZERO』を、そして「コミックゲーメスト」に春日野さくらを主人公に据えたスピンオフ作品『さくら がんばる!』を発表して好評を博していたが、同作は氏が新声社で手掛けた『ストリートファイター』関連のコミックスのラストを飾る集大成的な作品として企画、発表された。


物語は「真の格闘家」への道を求めるリュウが、新たなる強者との出会いを積み重ねながら、豪鬼との決着を付けるまでを描くと云う単純な物だが、淡々とした語り口ながらも各キャラクターの魂を描き切ったストーリーの評価は非常に高い。
ただし全体的にⅢキャラが不遇なことと、Ⅲには出ていないサガットがあまりにも優遇されていることから、一部のⅢファンからは不評の意見もあるようだ。

特に、ラストを飾るリュウ対豪鬼の戦いに於ける「瞬獄殺」の解釈は 余りに見事過ぎて 、今や正式な「解答」として認識されている程。

単行本は黒い表紙の『天の巻』と、白い表紙の『地の巻』の二冊が刊行されている。

尚、正式なタイトルは項目名の通りだが、単行本のカバーには『RYU FINAL 「○の巻」』とのみ記されている。



【物語】


そこに
「男」はたたずんで
いたという
雄々しく…
悠然と
「男」はいつまでも
そこに
たたずんでいたという―――――…
そこには
「朱雀」という
山城があった


「男」は己に
迷いが生じた時…
かつて彼の
修行の場であった
そこを訪れて
いたという

……「道を極める――。俺は今まで様々な強者達とこの拳を交わらせて来た…。そう、道を極めるため“真の格闘家”を目指して…。いつまでも“道”が見えずあきらめかけたこともあった。あせって“道”をあやまったことも。……一体。“真の格闘家”とは何なのだろう…。」



【登場人物】
「真の格闘家」を目指す男。
今や、彼自身が多くの格闘家達に目標とされる迄になったが、彼自身は未だ「答え」に迷い、彷徨の道程にあった。
「力」を求める彼が、旅路の最後に見つける物とは……?


リュウの親友にして、永遠のライバル。
「神」を名乗る男との戦いにより死を覚悟する中で、自分なりの「真の格闘家」の答えを得た。


  • ショーン
ケンの愛弟子。
自分の勉強の為にリュウ・ケン対決の流れを導いた策士。


  • オロ
「迷い」続けるリュウの前に姿を現した仙人……を名乗る爺さん。
既に「心」の「力」を持ちながらも、それに気付かないリュウに興味を持ち、押しかけ師匠になる。


  • ヒューゴー
  • ポイズン
ホームタウンの「メトロシティ」を出て、賭けプロレスで世界中を旅していた楽しい二人組。
イベントの相手役にリュウを選ぶが……。


故郷の香港を離れ、格闘修行を続けていた兄弟拳士。
リュウの名を知っており手合いを挑み……その中でリュウから「真の格闘家」との思い出を聞かされる事になる。


英国紳士にして拳闘士。
作中でも屈指の強敵だが、登場するなりグローブをしたままの運転で宝物の筈の愛車を廃車にしたのはご愛嬌。
追い詰められたリュウが繰り出す「風の拳」とは?


  • エレナ
特殊な立ち位置での登場で、ダッドリーに倒されたリュウが見た幻(?)として登場。
リュウに「風の拳」を得るキッカケを与える。


かつてリュウが未熟な時代に挑み、未熟さ故に目覚めさせてしまった「真の格闘家」と同じ「殺意の波動」により倒れながらも再び立ち上がってみせた格闘界の帝王。
敗北の屈辱を勇気ある者の刻んだ誇りへと変えるべく、自らが強者であり続ける道を選んだ誇り高き男。
余りに男前過ぎて、カプコンが『ストⅢ』に出さなかったのを後悔したとかしないとか。
……「真の格闘家」に挑む為の最後の段階として、リュウは再びこの生涯の強敵(とも)の許を訪れた。


この世の全てを破壊する力を持つ「真の格闘家」……。
全身から発する「殺意の波動」は、それに殺された魂が怨嗟の声を上げ、滅せられる前に 草木が自らの命を断つ 程。
少年時代のリュウの運命を決めた存在であるが、同時にリュウは豪鬼の存在を否定する道を選択し、これまでの人生を生きて来た。
……リュウの父親であると思われる……。


  • ギル
『ストⅢ』のラスボス。
この作品では回想シーンでケンにボコられる出オチ担当。
後に、アレックスにもボコられた模様。


  • アレックス
『ストⅢ』の主人公。
詩人。
次世代の子。





【オマケ】

単行本巻末には『さくら がんばる!』のオリジナルキャラクターからゲーム本編にも採用された、神月かりんを主人公としたスピンオフ漫画『THE KANZUKI~万事において常に勝者であるべし~』が掲載されている。
こちらは単行本本編とは空気が違う、以前の作品に近いギャグテイストの短編となっている。






【余談】

新声社のゲームコミカライズ作品は未だに名作の譽れが高いが、特に天獅子悦也版『龍虎の拳』と本作の人気がその評価を支えていると言っても過言では無い。
……が、このすぐ後に新声社が倒産し「ゲーメスト」が廃刊に追い込まれた事もあり、二重の意味でラスト(有終の美)を飾る作品となってしまったのは残念な所である。
尚、 折角の名作なのに本誌では相変わらず誤植してしまっている…。
特に最終回ラストシーンという最も重要なコマでの最悪の誤植はもはや伝説である。




「左腕を潰さぬ理由…うぬにわかるか…?子を育てるのだ、その拳は子のために振るえ、うぬが目指すは最強ではない、子を運び子を育むまこと風の如き拳なり!……時に「殺意の波動」なる嵐が吹こうとも、決して屈すること無き子を育め。全てはうぬに託す…うぬもまた…子に託すのだ。そこに新たな道がひらけようぞ。」







追記修正でしか交わすことの出来ない何か…確か てみろ!次代の“子”よ!!

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