城戸沙織/アテナ(聖闘士星矢)

登録日:2012/09/16(日) 17:38:17
更新日:2023/04/30 Sun 23:55:06
所要時間:約 4 分で読めます






人間に味方をしたことが神がみの怒りをかうというのなら
オリンポスすべての神を敵にまわしても闘いましょう……
それが地上に降臨した
このアテナの使命なのですから……!!



城戸沙織とは『聖闘士星矢』の登場人物。




数百年に一度、地上に邪悪がはびこるときに現れる戦いの女神アテナの化身。
紫色(原作では亜麻色)の長い髪と13歳とは思えない見事なプロポーションを持つ美少女。
身長 155cm
体重 44kg
9月1日生まれ A型

CV:藩恵子(初代)
  折笠富美子(冥王ハーデス冥界編、エリシオン編)
  中川翔子(Ω)
  佐々木彩夏(LEGEND of SANCTUARY)
  水瀬いのり(セインティア翔)
  潘めぐみ(The Beginning、吹替版)

演:マディソン・アイズマン(The Beginning)


物語が始まる13年前、降誕したての赤ん坊の状態の頃に教皇に扮した双子座のサガに殺されそうになったところを、
射手座のアイオロスに助けられ、グラード財団の総帥城戸光政に託される。
その後は「沙織」の名をつけられ、光政の孫娘として育てられていた。

幼少期には自身の正体を知らず、甘やかされわがまま放題のお嬢様として育つ。
世界中に妾を持ち100人以上の子供を作っていることといい、光政の家庭人としてのダメっぷりがよくわかる。
城戸邸にいた星矢たちにも尊大な態度をとり、邪武以外のほとんどから嫌われていた。
初期はとにかくヒロインとしてのカリスマ性に欠け、
原作では星矢に「そんなに戦いたきゃ次はお前が女子プロでもやれ」「お前みたいな女が正義を振りかざしたら逆にこの世は闇になっちまう」と指で刺されて言い放たれるほど。
自分がアテナであるということを星矢達に告げてもなお星矢にこのようなセリフを言われた挙句、紫龍、氷河、瞬の誰もが信じようとせず共に戦うことを拒否。*1
紫龍に至っては老師に諭されても「お言葉ですが守るべき女神があの城戸のお嬢さんでは…」と完全に愛想を尽かされる始末。
ここまで登場キャラに嫌われていたヒロインはそうはいないだろう。


「馬になりなさい!」
「おまえたちは(略)いわば奴隷も同然の身なのよ」

ただしこれは彼女個々人の資質というより、光政や辰巳を始めとする執事達の教育方針に大きな問題があり、
沙織はとても甘やかされて育てられており、上記の様な蛮行を見ても大人が叱ることも罰することもなく、尚且つ星矢達から身を守っていた。
逆に星矢達100人の子供に対しては聖闘士の修行に耐えさせるという目的もあるため、半ば虐待を繰り返していた。
そんな環境で育っているのでこんな子供だったことは無理もない。

そんな彼女だったが、星矢達子供100人が聖闘士修行で居なくなり、そして祖父が死の間際に彼女の使命を告げた事から性格は変化した様子。
星矢達が聖闘士になって戻って来た時には既にアテナとして強い使命感を背負っていたため、星矢が散々にけなしたことはあくまでも過去の記憶に基づくものであり、
あそこまで星矢に批判されるほど酷い振る舞いをしていたわけではなかったりする。
共に戦うことを拒否するにしても凄い言いぐさであり、他の3人も気持ちは同じにせよここまでは言っていない。城戸邸に居候もしているし。
……目的のために黄金聖衣を景品にしつつ私闘させて見世物にしたり(景品が景品なためか実はほぼ全員乗り気だった表情をしていたが)、既に一人でも戦い抜く覚悟を決めていたこともあって威圧的な態度ではあったが。


過去の悪感情からアテナとして名乗りをあげてからも、信頼を得るまでには多少時間がかかったが、
アテナとしての小宇宙と、何よりも令嬢としての安定した生活に安住せず神として戦う姿勢を見せ、戦いを経由して徐々に信頼を築いて行く。

その過程で当初は「お嬢さん」と呼ばれていたり(直情径行な星矢からは特に)憎まれていた彼女は「沙織さん」と呼ばれるようになった。


星矢に対しては、明確な表現が少ないものの恋慕に近い描写がみられる。


TVアニメ版では設定が変更され、アテナとして自覚するのが原作よりもけっこう遅い一方で、
本筋以外にも話があるため、星矢達とはとても早い時期から分かり合っている。
それに伴い、沙織の性格も原作と比べて穏やかになっていたり弱くなっており、様々な感情を見せる場面や心身ともに成長していく場面が多い。

また、光政も強い子供を100人以上も作るようなダメ人間ではなく(つまり星矢たちとも血縁関係はなく)、
城戸邸にあるプラネタリウムから悩める沙織を励ます、晩年に聖闘士をサポートするアニメオリジナルの聖闘士を創り出すよう麻森博士に懇願するなど、非常に立派な人物として描かれている。
グラード財団の技術力も城戸邸内に教皇アーレス(アニメにおける偽教皇=双子座のサガ)の軍勢の動向を分析するスタッフがいたり、
銀河戦争の競技場だったグラードコロッセオを秘密基地に改造できたり、と原作よりアップしており、全面的に星矢たち聖闘士を可能な限りバックアップしている。
後々戦うことになる神々はそれぞれ津波を起こしたり火山を噴火させたり日食を起こしたりと強力なMAP兵器を持っているが、
沙織に至っては科学力と財力こそが武器だったのかもしれない。



【聖域の章】

格闘技イベント・銀河戦争を開催した。
これは世界に聖闘士と女神アテナの存在を知らしめつつ、『聖闘士の私闘は禁ずる』というあえて掟に反するイベントを利用してアテナとしての敵を炙り出すことが目的だった。
(余談だが、聖闘士の掟は武器の使用やアテナエクスクラメーションなども含めて、しょっちゅう破られているザル法である。車田漫画だし問題は無いのだろう多分。)
ちなみに氷河はこの掟に基づいて反対の立場でありむしろ止めようとしていたが、フェニックス一輝の乱入と黄金聖衣が奪われたことで一時矛を収めた。

アテナの目論見通り、敵は穏便な解決を図る気はさらさらなく直ちに幾人もの刺客を差し向けてきたことと、それが教皇の命令だったことが明らかになる。
そして星矢を始め5人の青銅聖闘士らとともに偽教皇(双子座のサガ)と対決。
矢座のトレミーが放った黄金の矢によって倒れるが、星矢達が激戦の末勝利を収め彼女を救った事により、真の女神として君臨する。


【海皇ポセイドンの章】

地上制覇の野望を持つ海皇ポセイドンによって、海底神殿に拉致、メインブレドウィナに幽閉され人柱となる。
自分の身を犠牲にしてポセイドンのもたらした水害を食い止めようとし、最終的に海洋神殿の破壊とポセイドンの再封印を行なう。


【冥王ハーデスの章】

冥王ハーデスの復活に際し、冥闘士として復活した黄金聖闘士に命を狙われながらも、アテナとしての真の使命をもって冥界へ赴く。
アテナの聖衣を身に纏いエリシオンでハーデスと対峙。
氷河紫龍、一輝の小宇宙を得てハーデスの真の肉体を黄金の杖で貫きハーデスとの戦いに終止符を打つ。


【ND】

ハーデスの剣に呪われ廃人と化した星矢を救うために姉・アルテミスと祖父クロノスに懇願し前聖戦の時代にタイムスリップする。
道中、ヘカテに髪を要求されてセミロングになったりタイムスリップする過程で赤ん坊に戻ってしまったりと変化が激しい。
相も変わらず教皇が裏切った為に、現在は赤ん坊の状態で乙女座のシジマに守られ追跡から逃れている。



天馬星座の光牙の育ての親として登場。
物語が始まる13年前、軍神マルスとの戦いと謎の隕石の衝撃に巻き込まれ、闇の小宇宙を浴びた赤子の彼を育て、聖闘士として修業させる。
また、かつて星矢の聖衣だった天馬星座の聖衣石(クロストーン)を所持しており、後に光牙に渡している。
マルスとの戦いで受けた魔傷によって徐々に体調を崩しつつあり、孤島で療養していた。
しかし序盤のマルスの襲来によって火星に幽閉されてしまうが、若き聖闘士らの懸命の活躍、そして射手座の星矢の再臨によって救出された。
第二期ではアテナの妹を名乗る謎の少女・パラスと彼女を主と崇める闘士・刻闘士(パラサイト)らの出現により謎の腕輪が装着され、
日に日に小宇宙が失われる危機にさらされる事になる…。



時代が時代なため、基本的に回想シーンで赤ん坊時代の姿が出る程度。
しかしアイオリアがアテナ像でクロノスを迎えうった際に未来(本編)の彼女の姿が現れた。
サガがアテナを殺害しようとしたのは、クロノスから唆されたため。

続編のアサシンでは異世界のアテナがメインヒロインなので出番は少なめ。

更に続編のレクイエムでは全人類を焼き滅ぼす業火をその身で一身に引き受け、地上に唯一残った聖闘士である星矢を待っていた。
その結果として・・・

LC

彼女本人は登場しないが、彼女の前世というか先代の化身「サーシャ」(CV:平野綾)が登場。
先代の天馬座の聖闘士「テンマ」とは幼馴染だが、兄の「アローン」が冥王ハーデスの器にされ苦悩しながらもアテナとしてふるまう。
現世の沙織とは育った環境が180°違い、最初から精神的な意味でも女神。環境って大事。



時期が銀河戦争開始前を意識してるのか、セーラー服姿も披露。
名義上は私立流星学園の生徒となっているが、個別教育で済ませており同級生とも滅多に接触しない。


LoS

わかんないわよ!!
なんで私が逃げなきゃいけないの!?
そんなのおかしい! 絶対間違ってる!!
殺される理由もないけど……それなら逃げる理由なんてない!!

LoS版では年齢を引き上げており、TV版以上に自らの宿命に苦悩する多感な16歳になっている。
治癒能力を持っており、幼い頃、犬に襲われたところを幼い星矢に救われ、怪我をした彼を治癒した事がある。

冒頭部ではブレザー姿を披露、ハゲで眉なしではなくなった辰巳の運転するベンツ内で自身の出生の秘密を聞かされるが、教皇の刺客に襲われる。
やがて、星矢らに救われ自らの宿命に苦悩するが、アイオリアと対峙し星矢らが倒される中、上述の台詞を言い放つ。
彼の攻撃で右後ろ髪を切られた後、矢座の魔矢に黄金の矢を射られ、徐々に小宇宙を吸われる中、ショートカットにして彼らと共に聖域に向かう決意をする。


【その他】
週刊少年チャンピオンで連載されていたコメディ漫画「3LDKの花子さん」に登場するアイドルユニットATN(アテナ)☆88は星矢シリーズのアテナが元ネタなのだが、
そのセンターを飾るのが沙織さんをモチーフとした「さおりん」であった。
よりによって初期沙織さんが元ネタの女王様系アイドル。我々の業界ではご褒美です。
(他のメンバーはサーシャ様アリアちゃんが判明している)





この世に邪悪がはびこるとき
必ずや現れるという希望の闘士・聖闘士……

わたしは誓います
これから先どのような試練が待ちうけていようと
アテナとして……聖闘士たちを信じ
ともにこの美しい地上を
いつまでも愛し守りぬくと……!!



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最終更新:2023年04月30日 23:55

*1 そもそも星矢は生き別れの姉の捜索を条件に無理やり戦わされていただけ