グローランサーⅢ

登録日:2013/07/01(日) 15:36:30
更新日:2024/01/18 Thu 22:44:56
所要時間:約 9 分で読めます







ドラマチックを駆け抜けろ




グローランサーⅢとは、アトラスから 販売されたノンストップドラマチックRPGの第三弾で、グローランサーシリーズの第三作にあたる。
対応機種はPS2。2と同時製作だったので前作から数ヶ月で発売された。



◇概要
舞台はこれまでの2作品から1000年前に遡り、1及び2の舞台となる世界が生まれた原因である太陽の異変とフェザリアンと人間による時空融合計画、
そしてそれが完遂された後の世界を巡る戦いとドラマが展開されており、事実上のグローランサー0にあたる。

システム面は1の方式に近いが、ダンジョンMAPのランダム生成機能(入るたびにMAPが変化する)、シリーズ唯一のワールドマップ(ワールドマップ上では歩数エンカウント)など新要素が取り入れられている。
シナリオも一本道に戻ったのでボリューム不足を指摘された2に比べてボリュームが増えた。だがに比べるとボリューム不足感が否めない。
しかし2に比べて敵が強く、終盤は敵の火力が急激に上がるので難易度は高め。気がつけば状態異常が原因で雑魚相手にフルボッコ、という事態もある。

また選択肢によって主人公の性格が変動し、優しい性格なら仲間や住民を見捨てたり貶めたりする選択肢が選べなかったり、アホの子なら本来正しい選択肢を選べなかったりと、キャラ攻略に影響が出る。

そして1に関連付けられるストーリーは4Returnを除くとこれが現状最後となっている。



◇あらすじ
Ⅰ及びから1000年前。世界は滅亡の危機に晒されていた。太陽に異変が起こりまともに日は差さず、農作物は満足に育たず、残された僅かな肥沃な大地と食料を求めて争いが絶えない状態だった。
そんな中、優れた科学力を持つ有翼人"フェザリアン"は「危機を脱するためには新天地に移住するしかない」と時空融合計画を実行に移す事を決定。
その少し前、肥沃な大地が幾らか残っているキシロニア連邦の一角で、崖下で主人公スレインが倒れているのを連邦議長の娘アネットが発見し、物語は動き出す。


◇戦闘システム
システムそのものは2のものとほぼ同じで、リングウェポンシステムも引き続き採用。ダンジョン内はシンボルエンカウントだが、基本的に暗い場合が多いので予期せずエンカウントする事も多い。
また狭い場所が多いので足の遅いキャラや遠距離型のキャラを隊列の前の方に配置していると渋滞が起きてしまうので隊列にも注意が必要。



◇パーティーメンバー
スレイン・ウィルダー
CV:浪川大輔
本作の主人公。崖下で倒れているところをアネットに助けられた記憶喪失の少年。性格は選択肢で変化するが、基本的に感情が希薄めなクールな性格。
闇の妖精であるラミィを視認する事も話す事も出来、その素性には謎が多い。
身元不明の記憶喪失で残る理由もなかったので当初は時空融合計画に参加して新天地へ行く事を決めていたが、何者かの襲撃を受けて応戦へ向かう仲間達を目にし、移住を投げ出して滅びゆく世界に残り戦う事を選んだ「グローランサー(光の救世主)」の由来となった人物。
つまり初代グローランサーである。
リング=ウェポンは大剣で、能力値はキャラメイクで変動するがなんでもソツなくこなす万能型。
主人公にしては妙に悪役顔だが、実は前作のマックスの没デザインの為である。

ラミィ
CV:堀江由衣
闇の妖精でスレインの代弁者。魔女っ子帽子とコウモリのような翼が特徴で、風によく飛ばされそうになる。
おっとりとした性格で、ラミィを視認する事も話す事も出来るスレインの周りが居心地がいいと旅についてくる。
因みに普通の人にはラミィの姿は見えないし声も聞こえない。見えるのは未練があってこの世に残る魂(所謂地縛霊の類)や精霊にまつわる者だけ。

アネット・バーンズ
CV:かないみか
キシロニア連邦議長の愛娘。記憶喪失で行く宛もないスレインを介護したり自宅に住まわせたりと世話好き。
亡くなった母親にあこがれており、身につけた薬学の知識も長い髪も母親の影響。性格は荒廃した世界であっても明るく前向きで、周囲からの人望もある。
重装備を着こなすパワーファイターで、魔法はあまり使えない。リング=ウェポンは身の丈より長いロングレイピア(若しくはエストック)だが、豪快にぶった切る攻撃を多用する。

モニカ・アレン
CV:南央美
フェザリアンと人間の混血児。人間の父は行方不明、母も既に亡くなっており、大陸内陸部にある父の故郷のポーニア村で1人で暮らしている。性格は歳(12歳)の割に冷めた印象があり、フェザリアン譲りの合理的な考え方をする。
また体つきも年齢にしてはグラマラスに見えるが、実はバストサイズは75と言うほど大きくはない、ウェストが48とかなり細いが
ミシェールの友人で、彼女と接する時やパーティーメンバーと打ち解けた後は子供らしい一面を見せる。
フェザリアンの祖父と暮らしていたが、時空融合計画に際して祖父が移住した為1人暮らしになった。
翼はあるが発達していない為飛ぶことは出来ず、幼少期に翼が小さい事を馬鹿にされて崖から海に突き落とされた事が原因で水に対してトラウマがある。内陸のポーニア村に住んでいるのもそれが原因。
リング=ウェポンは投げナイフで威力は低いがそれなりに射程がある上に硬直時間も短いので手数で勝負する。混血児故にフェザリアンには使えない魔法も使えるがMPは低い。


ヒューイ・フォスター
CV:川田紳司
関西弁で喋る青年。性格は陽気かつ飄々としているが何かを隠している節がある。
笑いを愛し、平和には笑いが必要不可欠と考えており、ラミィにコテコテの漫才を伝授することになる。ラミィを主人公同様見る事も話す事も出来る。
リング=ウェポンは長剣で、一撃は弱いが硬直時間も短いのでモニカ並に手数に優れる上に魔法もバランスよく扱える。またテレポートを唯一習得出来る。

橘弥生
CV:高橋美紀
巫女装束姿の女性。基本的に敬語で会話したり、止めの一撃を放つ度に一礼するなど礼儀正しく慎ましやかな性格だが、スレインの性格が女好きだと好感度が上がる面もある。
月のお社から脱走した精霊使いのシモーヌという女を探して東の大陸から舞台となるキルシュラーンド大陸へやってきたの精霊使いで、記憶や感情操作の能力がある。
回復と補助魔法を中心に習得し、MPも桁違い。リング=ウェポンは弓矢で射程距離を上げれば端から端まで届く程超射程で、威力も桁違いだが硬直時間はぶっちぎりで最長で足も遅い。

ビクトル・ロイド
CV:鈴置洋孝
元魔術師だが、フェザリアン顔負けの科学知識を身につけて魔導学者になった人物。その知識量はフェザリアン主導の時空融合計画で中心人物に抜擢される程。
研究が出来ればハッピーなマッドサイエンティスト一歩手前の性格で、危険を顧みず強引に突っ走ることもある危険な面を持つが、根は善良な人物。
(時空融合計画で残されることになっても気にしていない)
昔ある人物の依頼であるモノを作ってしまったそうだが…
リング=ウェポンは大砲に似た銃器で一撃は大きく弥生ほどではないが遠距離まで届く。魔法も得意だがMPは弥生ほど高くない。


◇サブキャラクター
ミシェール・リードブルク
CV:清水香里
生まれつき免疫不全の少女。外のウィルスを遮断する為に密閉滅菌された部屋から出られず、外の世界に憧れている。趣味は絵を描くこと。母親は失踪し、父親は病死している。
滅菌室はフェザリアン技術が使われている為モニカがメンテナンスを担当し、当初から同じ村に住んでいたこともあり友人同士で、オルフェウスの実の妹でもある。

シオン
CV:子安武人
時空融合計画完遂直前に時空制御塔を襲撃した青年。何度も倒しても何度もスレイン達の前に現れ、目的は不鮮明だが物語が進むと彼の真意が見えてくる。
小説版では彼のオリジナルエピソードが収録されている。

クライヴ
CV:志村知幸
外見年齢27歳の凄腕の剣士であり戦闘狂。
シオンの配下であり、その中でも実力者。風の魔法を得意としており、その技量は計り知れない。
制作スタッフ曰く、彼がシオンに忠誠を誓っているのは「やりたい放題に行動できるから」

バーバラ
CV:吉田小南美
巨大なショルダーアーマーが印象的な宮廷魔術師。事ある毎にスレイン達の前に立ちふさがるが、シオンと同様にその目的は不明瞭。
+ ネタバレ
正体は行方不明になったリードブルク夫人・シモーヌで、オルフェウスとミシェールの母親。
アネットの母とは旧友同士で、免疫不全症の娘の治療法の研究を彼女に頼んでいた。
夫や子供達との仲は悪くないどころか、良妻賢母だったが、娘の免疫不全が発覚するわ、治療方法の研究を頼んでいた旧友は殺されるわの惨事が続いていたタイミングで月の精霊使いの強大な素質を有していた事から、『月の御社』に拉致されて強制的に精霊使いとして教育を受ける羽目になってしまう。
黒幕であるシオンに「ミシェールは移住して来たフェザリアンの作った装置で辛うじて生き延びている」「しかし、オルフェウスが性質の悪い肺病に掛りこのままでは兄妹揃って長く生きられそうにない」という情報を聞かされ、2人を全快させると言う約束とオルフェウスの治療薬の供給を盾に協力する羽目になっていた。
アネットとミシェールのイベントを成功させると、最終決戦直前に彼女の正体を見抜いていたオルフェウスの説得で改心し、スレイン達に加勢してくれる。


ヴィンセント・クロイツァー
CV:森川智之
シェルフェングリフ帝国の誇る三将軍の1人。二刀流の達人で、予備を含めた4本の剣を背に差している。国内外問わず名が知られており、部下思いで正義感も強いが融通がきかない堅物でもある。

オルフェウス・リードブルク
CV:吉野裕行
ミシェールの実兄でヴィンセントの部下。両親が失踪及び病死した後ミシェールの面倒を見ており、多忙の中非番の度に村へ足を運んでいる。自身も病弱で全力で戦えない事を悔やんでいる。
軍規に厳しいが自分より他人を優先して考え、自己犠牲の節もある。

ケネス・レイモン
CV:松本保典
シェルフェングリフ帝国後継者争いで、幼少の第一帝位後継者の母テオドラ妃を擁立するテオドラ派所属の軍人。
貴族主義者が多いテオドラ派の中では異色とも言える平民出身者。民に無益な戦いを好まず、後継者争いにも否定的。
ヴィンセントとは同期であり、彼から名指しで勧誘を受けるほど戦術知識に秀でている名指揮官。
妻帯者であり、娘はラミィの声を感知できる。
味方寄りかつ善良で優秀なキャラクターなのにⅣで戦闘グラが小物に使いまわされたのは秘密。

テオドラ・ウェリントン
CV:小林沙苗
シェルフェングリフ帝妃。皇帝死後に自身の子であるカール第一皇子の摂政となり帝権を握る。
徹底した貴族主義であり、そのせいもあって豊富な兵力を活かせずにいる。
更に彼女の手の者が村から略奪をしていたりと黒い噂ばかり聞こえてくる。
…とはいえ劇中の登場シーンはまばらであり、いつの間にか暗殺されていた。小林沙苗の無駄遣い。
顔グラもかなりの美人であり、一児の母とは思えない幼い顔つきである。
また独特で生乳の谷間が見えているという非常に攻めた服装である。

ジェームズ・ウェリントン
CV:松本保典
第二帝位継承権所持者にして、皇帝オーギュストの実の弟。
皇帝の死後、第一皇子のカールがまだ赤子であることから自分に帝位継承の権利があると主張しテオドラと対立する。
設定では民に慕われる才気溢れる青年という事になってるが、バーバラを仲間に引き入れてしまったり、挙句本人は幽閉された上に助け出したときの台詞がかなり上から目線だったり顔グラがちょっと小物っぽかったりでプレイヤーからは余りそうは見えない。

ゲルハルト・オーヴェル
CV:麦人
アグレシヴァル王国軍総司令官。キシロニア連邦やシェルフェングリフ帝国を狙って領土拡大のために軍を動かす。
更に主要人物を暗殺したりとまごうこと無き悪役であるが、自国や部下に被害を出さない戦い方をする為、不利になれば即座に撤退する。
その為ゲーム内では彼に裁きを下す機会は訪れない。
内部に設定されている戦闘不能ボイスも「下がるか…」という生存をにおわせる物となっている。


ある条件を満たすと前作2でエンディングを迎えた仲間を呼び出す事が出来、パーティーに組み込むことが出来る。読み込まれるのは最新のセーブデータで、ステータスや装備しているリング=ウェポンと精霊石を引き継いで呼び出される。
全員に連続攻撃やら転移の翼やらアルヴィースの記憶を持たせてくると俺TUEEEEになる。しかも周回でしっかり引き継がれるのである意味では無限増殖。
ただし2に比べて敵が大分強いので気を抜くと死ぬ(2はLv30代でクリア出来るが呼びだす頃には敵も味方もインフレが進んでいる)。
しかもリングを周回で増殖させると全く使い物にならないリングが出来てしまうバグがあるため注意が必要。
地味にライエル専用の防具入手イベントが用意されている。

ウェインは無条件で呼び出せるがマクシミリアンは条件がある。更にライエルとウォーマー、アリエータとセレブが二者択一なので1周で全メンバーを呼び出す事は出来ないので最低2周はする必要がある(休暇イベント前のデータを残せばマラソンでどうにか出来る)。
呼び出された時の全員のリアクションは必見。特にゼノスはラズベリーパイを作ってた最中だったらしい。
つまり呼び出された時1の休暇イベントで見せたメテオ級の破壊力を誇るあの格好だったという事に…

余談だが、1でメディス村で購入可能な回復アイテムの中で最も回復量の多い秘伝の傷薬というアイテムがこの世界から存在してる(購入も可能で回復量も高い)。秘伝の傷薬という名称に納得。


以下、2で特定のEDを見ていた場合のみに判明する真実。ネタバレ注意。



+ 未来に種を


2でウォーマーとのEDを迎え、3で彼を時空召喚しあるタイミングに話しかけると彼の意思を聞く事が出来る。
時空融合計画で「捨てられた」滅び行く不毛の大地を見て、自分の農耕技術を誰かのために活かすべく3の世界に残る決意を固めたのだ。
奇しくもその決意は、森を開拓して孤児達を引き取りながら村を築いた、アリオストやウォーマーを始めとしたブローニュ村の住民全ての祖父の決意に似たものだった。
彼の決意とスレイン達の戦いの果てに育まれていく世界の未来は、きっと…―




追記・修正は2の全メンバーを時空召喚してから。

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最終更新:2024年01月18日 22:44