エミル・キャスタニエ

登録日:2011/01/12 Wed 15:52:10
更新日:2024/03/06 Wed 09:18:56
所要時間:約 4 分で読めます





死んじゃうよっ!助けて!助けてよ!
もう一人の『僕』




そうやって、お前はいつも俺に嫌な役割ばかり押しつけるんだな…





エミル・キャスタニエラタトスク







年齢:16歳
身長:169p
体重:60s
一人称:僕(エミル)/俺(ラタトスク)
属性:闇


  • 概要

テイルズ オブ シンフォニア−ラタトスクの騎士の主人公

港町パルマコスタで暮らしていたが、マーテル教会による血の粛清の最中、ロイドにより両親が殺されたため、ルインの叔父の元で育てられることとなった。
この件でロイドに深い憎しみを抱いているが、叔父夫婦を含め街の住民は前作で街を救った英雄としてロイドを祀っており、苛められたり邪魔者扱いされていた。

ある日、いつものように苛められているところを、街を訪れていた謎の男・リヒターに助けられる。
その後、魔物の遠吠えのような声を聞いて「呼ばれているような気がする」と感じて町を抜け出すが、魔物に襲われてしまう。
そこをマルタに助けられ町に戻り、リヒターと行動をともにするが、リヒターがラタトスク・コアと呼ばれるもののために彼女を殺そうとしていると知る。

恩のあるマルタを守る力を得るため、エミルはマルタに随行するセンチュリオン・テネブラエと契約し、精霊ラタトスクの力を借りて戦う者・ラタトスクの騎士となる。
そして、マルタのセンチュリオン・コア集めの旅に同行することとなるのであった。


素直だが内気な性格。責められるとすぐに謝るなど気弱な上「自分で何かを決定する」気概に乏しい。
だが契約の影響により、戦闘時や気持ちが高ぶった時は普段の内気でおどおどした性格から一変、粗暴で好戦的な性格に。
瞳の色も黄緑から真紅になる*1

リヒターのことは助けてもらったこともあり、完全に敵対できずにいる。
エミルの心の支えになっている
「勇気は夢を叶える魔法」
という言葉も彼に教わったものである


叔母にこきつかわれていたため料理が非常に得意。
手先も器用で、大根で白鳥を作ったりカボチャで亀を作ったりといったことも可能。
ちなみにラタトスクモードの時に料理をしたこともあるが、上記のような料理細工はしなくなる(見た目がかなり大雑把になる)が味は同じだった。

ネタバレ

+ ...
その正体は大樹カーラーンの精霊・ラタトスクそのものである。
そして契約後に現れた粗暴で好戦的な性格こそが、エミル(ラタトスク)の本来の性格。
内気な方は復活が完全ではなかった自分を隠すための仮の人格にすぎず、外見も仮初のものであった。

また、マルタの額に埋まっている「ラタトスク・コア」は、自身の復活を隠すためにラタトスクが作りだしたダミーであった。
ただし、ダミーでもある程度の力があるらしく、人間のマルタが魔術を使えるようになっている。
つまり「ラタトスクの騎士」とは「ラタトスク・コアを宿したマルタ」を護るエミルではなく、
「ラタトスクであるエミル」を護る、マルタの方を指す単語だったのだ。

そもそも「精霊・ラタトスク」とは、大樹カーラーンから生まれるマナを世界に循環させ、バランスを保つ存在。
配下である「エイト・センチュリオン」と、彼らが従える魔物達は、ラタトスクの指示の下で世界のマナの調整を司る実行役でもある。
だが、4000年前に起きた戦争の果てに大樹カーラーンは枯れ果て、ラタトスクは魔界とこの世界の隔てる「ギンヌンガ・ガップ」に移動し、眠りについた。

そして時を経て、本編の少し前。
世界統合後に続発する異常現象の原因が「世界のマナのバランスが崩れている事」「新たな世界樹の精霊には、マナの流れを操る力が無い事」を突き止めた少年・アステルは、親友であるリヒターと共にギンヌンガ・ガップを訪れ、ラタトスクに協力を要請する。
しかし、自分の宿り木を枯らされた怒りから「ヒト(人類とハーフエルフ)はこの世界にとって害悪」と断じたラタトスクは、その場でセンチュリオンに「魔物を使ってヒトを根絶やしにしろ」と命ずる。

「今」を生きる無関係な人々を皆殺しにするその暴挙を止めようとアステルは説得するが、ラタトスクはそれを一蹴して攻撃。アステルは命を落としてしまう。
そして親友を失ったリヒターは怒り狂いラタトスクを攻撃。覚醒直後というハンデもあってラタトスクは倒され、コアに戻ってしまったのだ。

その後、テネブラエが間一髪のところでラタトスク・コアをリヒターの手から守って逃走。
しかし捕まってしまったらしく、コアはヴァンガードの手に渡る。
そして血の粛清の混乱に乗じてマルタが盗み出し、逃げ出した。

コアのまま眠りについていたラタトスクは、血の粛正のに巻き込まれ命の危機に陥ったマルタの「助けて、ラタトスク!」の声に応えて孵化する。
だが、この復活は「精霊としての力の一切を喪失した」不完全な状態であり、記憶すら曖昧な状態。
マルタの声も届かずふらふらと立ち去っていった。
……ちなみに、肝心の「マルタを襲う危機」は、直後に駆け付けた本物のロイドによって去っている。
この事実は、コアの覚醒による光と極限状態によって気を失ったマルタは知らず、意識を取り戻した時点で目の前に居た「エミルが助けてくれた」と認識する原因となった。

その後、街を彷徨うラタトスクは、やがて瀕死の女性に遭遇する。
偽ロイドに切り捨てられて重傷を負い、視力もおぼろげであった女性は、ラタトスクを自分の息子――『エミル・キャスタニエ』と勘違いし、なんとか逃げ延びるよう伝えて事切れた。
その名前と、女性が告げた情報を元に、そこで偽エミルとしての記憶と人格を造った。

なお、姿は自分がコアになったときに一番手近にあったアステルの姿を模している。
この時は服も目の色も完全にアステルそのままの状態で蘇っており、母親との会話の時は目の色が黒色になっている。
その後目の色が緑色になった理由は不明。
(エミルを初めてみたときのリヒターのリアクションは、コレが原因)

真相を全てを思い出した後、精霊ラタトスクはアステルを殺害してしまったこと、マルタを自分の身代わりにしていたことへの罪悪感に苦悩する。



また、主人格のラタトスクと「エミル」は当初こそ完全に一体化していた(戦闘時等の記憶もあった)のだが、4章のあるイベントをきっかけに意識・記憶が次第に別々になっていき、エミルは「ラタトスクモードの時の記憶がほとんどない」状態になっていく。
ラタトスクは「戦闘を全て自分に丸投げするエミル」に不満を募らせており、6章ではついに不満が爆発(項目冒頭のセリフ)。
ついにエミルの意識を体の奥に押し込めて平時でも表に出るようになる(このイベントの間はクエスト以外、普段の立ち方もラタトスクモードの物になる)。

この時、メルトキオで「リヒターの奴、ハーフエルフだから自分をのけ者にするこの世界に復讐してやろうとか思ってるんじゃねえのか」というラタトスクの言葉に「リヒターさんはそんな人じゃ……」と通常エミルの意識が突然割り込んで喋り「お前は出てくるんじゃねえ!」と返しているため、もうこの段階で「二重人格」へと分離していたものと思われる。

その後、ラタトスクは喧嘩していたマルタと和解するが、この時「俺は優しくなんてねえよ、お前が助けてといったから助けただけだ」と言っており、OPのやり取りの記憶を取り戻した事がうかがえる。
その後、7章では「初めて会った時もお前は追われていたな」とマルタに言及している。

8章ではラタトスクの記憶が完全に戻ったこと(この記憶は「自分が精霊ラタトスク」であり、アステルを手にかけた時の物。エミルも認識している)、リヒターが魔界の扉を開こうとしていることが重なり、それまで「粗暴で攻撃的な側面はあったがちょっと荒っぽい程度だった」ラタトスクの主人格が暴走。
魔界の扉を強引に押さえつけるために力が足りなかったとはいえルーメンのコアを突然ロイドに切りかかって奪い取り、外に出てからのイベントでルーメンのコアを突然ロイドから奪い取った理由を聞かれた時には「俺の物を俺の手に取り戻して何が悪い。邪魔するならお前ら全員ぶっ倒して……」とかなり短絡的に仲間相手に攻撃しようとするわでついにヴェリウスの力を借りたエミルに封じられることに。

使えない秘奥義(笑)のアイン・ソフ・アウルと一緒にラタトスクの主人格はエミルによって心の奥へと封印されることになった。
その後はラストバトルまで出ることはない。


  • 戦闘

主人公らしく剣を用いる。
移動スピードが速く、技も使いやすいものが多いため扱いやすい。ただHPや物防、術防があまり高くないため防御面が少し不安。
ラタ自体全体的に敵の火力が非常に高いため、被弾はすごく痛い。無茶は禁物。タイマンとヒットアンドアウェイを意識して動こう。
術攻撃は低いのだが、技の中には意外と術攻撃を用いるものが多い。
術攻撃依存の技は軒並み威力が高めであるため、可能な範囲で術攻撃が上がりやすくなる唯一の装備「シルバープレート」を使い続けるのも一つの手。

エミル最大の武器は空中戦。
スカイハイやスカイキャンセルといったスキルを早い段階で覚え、敵を打ち上げて空中コンボに持っていけば、他の敵に邪魔をされずダメージを与える事が可能。

また魔神剣や瞬連刃などの術技がスキルによって性能が変化したり、仲間にした魔物の数により上記の技の威力が上がるのも特徴である。
これを利用した無限コンボも可能。
ちなみにCPUにしたときは1章の契約前のエミルかその後のエミルかで攻撃を行う頻度が変わるようになっている。
……どころか、実は最初のエミルは「自由に敵を狙え」しか作戦が存在しない。

センチュリオン技について
+ ...
「テネブラエ」「ウェントス」などのセンチュリオン名の付いたスキルで変化する技は、預り所と手持ちの仲間モンスターの属性に応じて対応する技の威力がアップするようになっている。
例を挙げると崩襲脚。イグニス版は3ヒット、威力倍率は1×3回ヒットの術判定技なのだが、火属性の魔物を232体集めると「3.32×3ヒット=9.96」というTP消費僅か5で連発可能な特技で出していい威力ではなくなる。
エコートレイサー併用で乱発するともう止まらなくなり、氷属性の敵もそうでなくても大体瞬く間に溶ける。
しかし、センチュリオン技の威力を極めることと仲間モンスターの属性をそろえることのバランスが地味に難儀なことになる。
単に魔物の属性だけ偏らせても、仲間の魔物そのものの性能が低いと当然主戦力としてエミルやマルタの横で戦う仲間が弱くなるし、コアを手に入れられるタイミングもある。

例えば、アクアを手に入れられるのはもう後がラスボスとグラズヘイムと終わらせていないクエストだけの時期なのでせっかく性能が高くても活用が難しい。
風属性のウェントスは最速で入手できるが風属性には上限レベル200のモンスターが居ない。
いくらミドガルズオルムやシムルグが性能的には反則級に強くても、上限レベル100止まりでは過剰にドーピングしないととても戦力として使っていけない、といった具合。

要するに、特化させるのは「現実的とは少し言えない、言い難いが決めると凄まじい性能を拝めるロマン砲」みたいな感じである。
無論、極限まで戦力を絞りつつ180~200体程度を属性統一する、とかなら割と現実的ではある。

ちなみに、アイン・ソフ・アウルもこれと同じルールで光属性依存でパワーアップする。6ヒットなので最大火力は19.2とエミルの元の秘奥義と合わせるとSキャラの物に匹敵する高倍率。
……が、光のルーメンと共存できるタイミングが事実上なく、そのルーメンも8章入手なので結構辛い。
常時マルタのユニゾンアタックも狙えるし上限レベル200のライラとラグナサンライズが居る、エミルの通常攻撃も最強装備を整えると光属性になる(光グリッドの威力補正を受けられる)ので普段の戦力は十分あるのだが。


ちなみに二役になっている都合戦闘後のかけあいもエミルのセリフだけ2パターン用意されている。
……が、8章のストーリー展開とロイドの加入時期の都合でラタトスク版を一通り見るには寄り道しないと難しい。

  • 他作品でのエミル

レディアントマイソロジー3でマルタと共に初参戦。
主人公がカノンノ・グラスバレーにバンエルティア号に連れて来られた時から船内にいる初期メンバーの一人。
主人格は気弱なエミルの方で、マルタの熱烈な好意に軽く引き気味。ただし仲は良い様子。

他のメンバーでは、イノセンスのルカと気弱同士仲が良い。
また、血の粛正等は無かったようで、ロイド達シンフォニア組との仲は悪くない。
が、やはりそこはテイルズ。エミルがロイドにブチギレるスキットが用意されている。
ラタトスクをプレイした者ならニヤニヤは確実だろう。
ちなみにブチギレた理由は、ロイドがエミルのものだと知らずからあげ弁当を食べたから。

戦闘ではラタトスクの人格になるが、スキット等でラタトスクの人格が出て来ることは少ない。

テイルズオブレイズでは、ファン待望のミトスとラタトスクが会話するシーンがある。


「この記事を追記、修正したいんです」

「こんな時に追記、修正したいとか怪しいな。まさかお前が荒らしじゃ…?」

「…何だと?もう一度言ってみろこの節穴野郎!」

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これで邪魔者は倒したっ...!

後はアクアを従えて全ての力を取り戻すだけだっ...!




あるイベント以降、精霊ラタトスクとしての性格はシナリオに登場しなくなり、戦闘中のボイスも全て内気エミルに切り替わるが、最終決戦時、リヒターを打ち破ったあと、突如としてラタトスクの人格が復活する。
復活したラタトスクはアクアのコアを要求しマルタやロイドを攻撃し、内気エミルの必死の抵抗をも抑え込み、人間への宣戦布告をする。




エミルっ!自分を取り戻せっ!エミルっ!

うるせぇ!甘ちゃんのあいつは消えたんだよっ!



(ここでついうっかりロイドとマルタを倒してしまうとバッドエンドになるので注意!)



※この先、ネタバレを含みます!










きみはエミルだよね

...ち、違うっ!俺はラタトスクだっ!

ううんっ。私、やっと気づいた。

君はエミルだよ


実は、「ラタトスクの復活」はエミルの演技であった。



魔界の扉を封じるためのリヒターの策に代わり、エミルは自身がコアに戻り。封印の補強となろうとしていたのである。
そして、マルタ、ロイドが自分を躊躇なく攻撃できるよう「ラタトスクの人格が蘇り、全てのコアを手に入れて世界の支配を目論んだ」という演技(迫真の一人芝居)をしたのであった。

…ぶっちゃけ、プレイヤー目線ではエミルの目が緑だからラタトスクモードではない、と明白だったりする。
が、そうでなくても、ここまでずっと一緒に旅をしてきたプレイヤーならば、声の様子からこれは「ラタトスクモードのエミルを演じている、内気エミル」だと気がつくだろう(下野紘による名演は必聴)

となれば、この戦闘で何をするべきかも判るはず



エミルの演技に気づいていたマルタは、戦闘後ラタトスクへのトドメを刺さず、手を止める。
エミルは「ラタトスクの人格」を殺した自分だけが生きることはできないと語るが、
マルタ、リヒター、ロイドや仲間たちの説得を受け、エミルはラタトスクと分かり合おうと真剣勝負を挑む。
そして、エミルにはラタトスクの強さが、ラタトスクにはエミルの優しさが必要と和解する。


仕方ねぇ、受け入れてやるさ。
おまえのなけなしの『勇気』に免じてな

……僕もラタトスクを信じる。
だってきみは僕だから


今度こそ本当に蘇ったラタトスクは、しかしエミルの優しさを得て、ヒトを滅ぼすという言葉は取り消す。
そして、自身の力をもって魔界の扉を封じる策を打つのであった……







追記・修正は、項目を変える魔法だよ

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最終更新:2024年03月06日 09:18

*1 設定上は瞳に「ラタトスクの紋章(赤色)」が浮かび上がるからであり、冒頭のイベント内では目の中にラタトスクの紋章がはっきりと表示されているシーンがある。