Canvas2

登録日:2009/12/01 Tue 21:06:30
更新日:2023/09/28 Thu 01:22:41
所要時間:約 3 分で読めます




2004年4月23日に発売されたF&C FC01より発売された18禁PCゲームで正式名称は「Canvas2 〜茜色のパレット〜」
後に新キャラを加えたPS2版への移植に「Canvas2 〜虹色のスケッチ〜」が2006年1月26日に発売
同年10月6日にはその逆移植版「Canvas2 DVD EDITION」が発売された。

Canvas〜セピア色のモチーフ〜の続編で、本来なら原画は☆画野朗にする筈だったが、F&Cを離脱した事で急遽七尾奈留が代役になった。
しかし、それが話題となり、スタッフ交換が逆に成功したと言う数少ない事例。

漫画・小説・アニメ化といったメディア化が成された。
FDに「INNOCENT COLORS」、おまけディスクがある。


■あらすじ
主人公の上倉浩樹は、かつては画家を目指して上京してきた過去を持っていた。
幼馴染の桔梗霧を故郷に置いて、柳慎一郎と共に画家を目指していたが、ある出来事をきっかけに画家の道を断念した。
その後、無気力ながら撫子学園の美術教師となり、何も変わらないまま美術教師として働き続けてきた。
そんな中、浩樹の下に従妹のエリスが特待生として上京、浩樹の家で居候することになる。
また、体育教師に欠員が出たことで、体育教師となった幼馴染の桔梗霧と再会を果たした。
ヒロインを通じて浩樹の生活にも変化が訪れ、彼女たちと交流をして浩樹の心境も変化していく。


■登場人物

▲主人公
  • 上倉浩樹
声:櫻井孝宏(アニメ)
撫子学園の美術教師。また、同学園の美術部顧問でもある。
かつては画家を目指して北海道から上京してきたが、ある出来事によって画家の道を断念。
授業態度も不真面目で、まるで人間不信であるかのように同僚の教師や教え子達とも親しい者以外は名前さえ覚えようとしない程に無関心で、授業も部活動も基本的にはやる気をなくしている。その為、一部を除いた周囲からは「真面目にしていれば一流」と評されながらも不良教師として疎まれている(アニメ版ではそこまで捻くれ者ではなく、教師としても顧問としても真面目で生徒達とも良好な関係を築けている)。
また、絵を描くこともあり賞賛もされるが、本当に書きたいモチーフが見つからないため、落書き程度の絵だと話している。

元々は一人暮らしであり家事なども自分で行っている。
現在はエリスも自分の家に居候しているが、エリスの料理は壊滅的なため、料理などは彼が担当している。
また、自動車も持っているが、エリスのトラウマが影響で最近は自動車に乗れていない。


●ヒロイン
CV:PC/PS2・アニメ

  • 鳳仙エリス
声:中家菜穂/名塚佳織
本作のメインヒロイン。浩樹の従妹で日仏ハーフ。
撫子学園の美術特待生となり、北海道から上京、浩樹の家で居候をすることになる。
かなりのブラコンであり、浩樹をお兄ちゃんと呼び慕っている。
この手のヒロインでは珍しく朝に弱く主人公に起こされている。家事もダメで料理も壊滅的。

過去の自動車事故で両親を失っており、その時に浩樹の絵を見て元気づけられたいう過去を持っている。
そのことから浩樹に対して好意を持つようになり、画家を目指すようになったという。
だが、その事故が今でもトラウマになり、自身の絵に「赤」を使えないという欠点を持っている。
また、自動車事故が原因で車に乗ることができず、浩樹が車に乗ることも禁止している。

CANVAS4にも登場しており、画家として活躍をしている。

  • 桔梗霧
声:澤ゆり/生天目仁美
浩樹と慎一郎の幼馴染。
かつて、一緒の学校に通い上京する前に浩樹に告白するものの断られている。
その後、浩樹も里帰りしないため疎遠だったが、撫子学園の体育教師に欠員が出たことで赴任。
意図せず、浩樹と再会して最初は色々文句を言うが、これまでのことを水に流して、友人感覚で付き合っている。
アニメ版では浩樹が絵に対する情熱を完全に失った決定打の一因を担っていたが、当人にその自覚はない。

姉御肌でサバサバしており家事もできるため、エリスからは強敵が来たと思われている。
また、前任者の引き継ぎとして、バスケ部の顧問にもなっている。
アニメ当初はメインヒロインだったが降板されている。

  • 萩野可奈
声:幡宮かのこ/徳永愛
撫子学園の学生。貴重なロリ要因であるが、エリスの1つ上の先輩。
実はプロの恋愛小説家であり、「那珂野際」名義で活躍中の売れっ子作家でもある。
明るくハイテンションで、美術の授業を選択しているため浩樹とも顔なじみ。
そのため、浩樹に懐いており、浩樹に自分の小説の感想を聞きに来ている。

  • 美咲菫
声:木村美佐/平野綾
前作のキャラ・美咲彩の妹。彩と違い物静かな女性。合唱部に所属。
選択科目で美術を選択しているため浩樹のことを知っているが、浩樹は彼女のことを気付いていなかった。
浩樹が彼女と知り合うのは、浩樹が屋上でたばこを吸っていた時であり、その時に屋上で歌の練習をしている菫と知り合うことになる。

  • 鷺ノ宮紗綾
声:夏野向日葵/猪口有佳
撫子学園の理事長代理*1。チェリスト(チェロ奏者)で長刀の達人。
おっとりとした女性であるが、ハンドルを握ると人格が変わるタイプ。そして重度のシスコン。
通常の浩樹と紗綾は教師と理事長代理の関係でしかないが、紗綾√のきっかけとなる話では運命的な出会いを果たす。
なお、紗綾√のみ、浩樹とは第三者でありながら浩樹が画家を断念した理由など、浩樹の闇に大きく踏み込むことになる。
また、紗綾√のみ、選択肢次第で前作の主人公・麻生大輔のヒロインが決定できるというちょっとした小ネタがある。


●虹色のスケッチで追加されたヒロイン
声:かわしまりの/豊口めぐみ
美術部部長でメガネをかけた少女。美術特待生。茜色ではモブキャラであり、漫画版からの逆輸入キャラ*2
サボり気味の浩樹を何とか更正させようとしており、浩樹によく説教をしている。
美術部にいなくてはならない存在であり、顧問である浩樹がいなくても美術部が成り立つのは彼女のおかげである。
ある事情から水彩の悪魔と呼ばれている。

実家は喫茶店で、彼女も眼鏡を外してメイド服を着用して働いている。
コーヒーの煎れ方を勉強しているがうまくいかず、美味しくないコーヒーを持ってきて悩んでいる。
CANVAS4では美術部の顧問として登場しており、CANVAS2のEDで何故美術部顧問になったかは語られている。

メガネキャラなのに何故かエロ時に外す。何故だ!!
でも、エロに一番力が入っているヒロインでもある。

  • 藤浪朋子
声:二宮彩子/高橋美佳子
新たに現れたロリ。エリスと同学年。
心臓の持病を持っており体が弱く、すぐに苦しそうにしている。
だが、自分の体で同情されることを非常に嫌い、教師である浩樹に対しても容赦なく罵声を浴びせてくる(特に原作・小説版では浩樹自身が捻くれた性格のため、口喧嘩を起こす程に仲が悪い)。


●準ヒロイン
  • 杉原紫衣
声:春野かえる/宮川美保
可奈の担当編集者。
可奈にちょっかいをかける浩樹に厳しい言葉を浴びせてくるが、選択肢によってはエロ突入出来る。
なお、エロ突入後に浩樹は彼女を名字ではなく名前呼びに変更している。


◆サブキャラ
  • 柳慎一郎
声:星野涼/谷山紀章
浩樹と霧の幼なじみ。現在人気のある画家のひとり。
浩樹の現在の無気力状態となった元凶でもあり、大学卒業後に疎遠になっていた。当人はそれをずっと悔いており、どうにか浩樹に謝って罪滅ぼしをしたいと考えている。
たまたま、撫子学園に呼ばれて浩樹と再会、そして霧と共に自分たちの秘密を暴露する。
その後、浩樹とも和解しており、浩樹にもう一度画家の道を目指してほしいと願っている。

  • 美咲二郎
声:WAKAMOTO
菫の父。現在活躍中の画家の一人。浩樹の絵の才能を高く評価する。

  • 麻生大輔
前作の主人公。名前だけ登場する。
現在は画家として大成しており、浩樹も大輔のことを尊敬している。


【アニメ版】
2005年秋アニメ。2クール24話。もう1度言うが2クール。
key作品でもなければエロゲ原作で2クールアニメは望むべくもない現在からすると羨ましい限りである。
ちなみに初代CanvasはOVAになっているもののテレビアニメ化されておらず、同3、4はアニメ化していないので、テレビアニメ版はCANVAS2しか存在しない。
ゲームが原作と知らない人には不思議でたまらないだろう。

出来の方であるが、序盤のストーリーは中々で作画もそれ程気にならないと高評価だった。
だが、終盤(と言っても最終回の前の回の後半あたりから)の急展開に多くの視聴者が置いていかれた。

どのように急……というか超展開だったのかは完全なネタバレになってしまうので言えないが、
2つだけ言えることは1には2クール掛けて積み上げてきたフラグを、1話半で180°ひっくり返したこと、そしてもう1つはあまりに意味深かつ唐突なラストシーンをもって物語が締めくくられる事である。
「どうしてこうなった?」と画面の前で踊りたい人にはぜひとも観ていただきたい。


【漫画版】
少年エース連載。
良作コミカライズメーカー児玉樹が手掛けただけあって、こちらはアニメとは違い終始評価が高い。
また、漫画の新キャラが一部PS2以降のゲーム版に逆輸入されている。


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最終更新:2023年09月28日 01:22

*1 理事長は前作のサブキャラクターである鷺ノ宮藍であり、紗綾の妹。

*2 ちなみに漫画版の最初のやつ(短編版)ではメガネがなかった。