仮面ライダーW FOREVER AtoZ/運命のガイアメモリ

登録日:2010/08/02 Mon 22:31:37
更新日:2024/03/31 Sun 23:16:38
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3D 3D映画 AtoZ NEVER T2メモリ W Wエピソード項目 W史上最大の事件 W飛び出す!×3 どうやら“切り札”は、常に俺ん所に来るようだぜ…! アルファベット ライダーは助け合いでしょ! 三条陸 三条陸の本気 仮面ライダー 仮面ライダーOOO 仮面ライダーW 仮面ライダーW FOREVER AtoZ/運命のガイアメモリ 仮面ライダーエターナル 仮面ライダーシリーズ 仮面ライダージョーカー 傑作 切札 劇場版 劇場版仮面ライダーリンク 名作 名言の宝庫 名言・名シーンのオンパレード 坂本浩一 夏映画 嫌いじゃないわ! 平成ライダー 映画 東映 松岡充 永遠 泉京水 涙腺崩壊 特撮 神作 運命のガイアメモリ 風都のライダー 風都タワー 風都乱戦 風都最大の危機



仮面ライダーW───

それは、2人で1人の探偵。

『ハードボイルド』に憧れる心優しき半人前・左翔太郎

脳内に『地球(ほし)の本棚』と呼ばれる膨大な知識を抱える魔少年・フィリップ

『仮面ライダー』となってガイアメモリ犯罪に挑む、謎と戦いの物語である!



Wよ永遠──


風都の存亡を賭けて、戦え!



仮面ライダーW』の劇場版オリジナル作品。2010年8月7日に3D&2D同時公開。
同時上映は「天装戦隊ゴセイジャー エピックON THEムービー」。
キャッチコピーはゴセイジャーと並んで「今夏、ヒーローがとびだす!」

▽目次

概要

平成ライダーの夏映画としては『劇場版 仮面ライダー電王 俺、誕生!』と同じく、TV本編と同時間軸式で起きた外伝方式で描かれる。
流れ的には第44話と第45話の間の出来事にあたり、本作との関わりが示されている。
その為、本作は長大な第44.5話である。

テーマは親子愛で、監督は子どもの付き添いで来場した親を泣かせる作品にしたかったらしい。
王道の熱い展開と秀逸な伏線、原作リスペクトのモットーを知る脚本家の三条陸と、こちらも王道展開と派手なアクションに加え、カッコイイ事しかやらない坂本浩一監督が組んだ相乗効果は凄まじく、そのトップクラスの完成度の高さから未だに『パラダイス・ロスト』と並んで平成ライダー映画史上最高傑作と称する人は多い。

2019年に行われた「平成仮面ライダー映画・あの名作をもう一度!キャンペーン」では、
「みんなで応援したい平成仮面ライダー映画」No.1に本作が選ばれ、9年前の作品にもかかわらずチケットは即完売する人気ぶりであったという。

また坂本監督は舞台挨拶にて、今後もライダー映画のメガホンを取れるとは限らないため全力を出した旨を語ったが、
この映画の評価の高さからその後も度々ライダー映画の監督を務める事となった。

難点といえば、TVシリーズ未視聴の人には燃えと伏線が消化不良な事、映画を観ないと「いつ風都タワーが壊れたの?」と困惑してしまうことが挙げられる。
特に後者は第45話のアバンタイトルで映画のシーンも映らないため余計そう感じてしまうのだが…まあ、ヒーローものの劇場版にはよくあることだから仕方ない。
後にディレクターズカット版が発売され、約20分に及ぶ未公開シーンが復活し見応えや深みが増したものの、とんでもない謎を残すエンディングも収録されていた*1

ゲストには本編の依頼人や関係者が登場する他、
次回作『仮面ライダーOOO』より仮面ライダーオーズが先行登場する。
エンドクレジットの友情出演数は圧巻。


エンディングテーマは大道克己役の松岡充が歌う「」。
この名曲は当時ガンで闘病中だったSOPHIAの都啓一が松岡の依頼で書き上げた。

この曲のPVは、本編の裏側を描くサブストーリーとなっている。

他にも前日談として、小説『Nのはじまり/血と夢』が、東映ヒーローMAX vol.34に掲載された。
Vシネマと同様に、本編よりも前を描いている(但し、後のVシネマと矛盾する描写有り)。
色々とアレな描写が多く、とてもライダーの小説とは思えない…といっても、仮面ライダーの小説版ではいつものことか。
最後は本編の冒頭に繋がる。

余談となるが、これまでの劇場版平成ライダー映画にはタイトルの頭に「劇場版」とつくが、今作では初めてこれが付加されていない。


【あらすじ】



『W史上最大の事件――勃発』


風都タワー完成30周年の夏。
26個の次世代ガイアメモリ・「T2メモリ」を輸送中の財団Xのヘリコプターがテロリスト集団「NEVER」によって襲われ、メモリが街中に飛散した。

街ではT2メモリを拾った人々がドーパント化して暴れ出す。
その騒ぎの中、T2メモリを手にしたNEVERは風都に侵攻を開始。

今、風都最大の戦いが始まる――。



【登場人物】


左翔太郎仮面ライダーW仮面ライダージョーカー
主人公。前作が翔太郎寄りの話だった為、今回は裏方……らしいのだが、正直めちゃくちゃ目立ちまくっていた。
本作では「ジョーカー」のT2メモリと、帽子を被ったとある人物から受け取ったロストドライバーを使用し、仮面ライダージョーカーに変身する。

フィリップ仮面ライダーW
もう一人の主人公。今回は彼の成長ぶりが一話の伏線を得て大いに発揮される。
マリアに自らの母の面影を重ねており、中盤冷静さを失い……

鳴海亜樹子
本作のヒロイン。竜からデートに誘われて浮かれていたが街の危機でそれ所ではなくなってしまう。
T2メモリ集めと二人の見送り、そして最後の口火を切った影の功労者。

照井竜仮面ライダーアクセル
風都を守るもう一人の仮面ライダー。「理由は知らんがすごい人気」の花火大会に亜樹子を誘う。
決め台詞や台詞回しがどれをとってもカッコよく、OP明けのバトルからフルスロットル。
死亡フラグすら振り切り、変身できなかろうが生身でくそ重いエンジンブレードをぶん回して善戦する無茶っぷり。
大丈夫なのか?
俺に質問をするな!

マリア・S・クランベリー
国際特務調査機関に所属する捜査官。NEVERを追って風都を訪れ、翔太郎たちに協力を求める。
小皺が目立つのは設定に合わせて老けメイクをしているからであり、中の人が老いたわけではない。
かつてはネオフロンティアスペースで電脳巨艦を作った科学者やドラマ版クイン・ベリル様だった。

ミュージアムの皆様
エターナルのマキシマムでガイアメモリが使えなくなったため、ずっと見学していた。
琉兵衛やミックは映画でテラーやスミロドンになる事はなかったが、NEVERを知る者として解説に務める。
エンディングでの冴子と琉兵衛の考えは、ディレクター的に後者が正しいらしい。

風都イレギュラーズ
ウォッチャマンとサンタちゃんがT2ガイアメモリを拾ってドーパントになり、
エリザベスはAとKとBのT2メモリを回収するが、クイーンはQのT2メモリに惹かれ身体にメモリを挿しかけてしまう。


NEVER(ネバー)

世界各国で活躍する優秀な傭兵集団だが、任務中の必要以上の破壊活動、暴力、果ては故意で殺人を行う残虐な戦闘集団でもある。

NEVERとはNECRO OVER(ネクロ・オーバー)の略で、「死を越えた者」の意。
簡単に説明すると死体を使った強化人間で、かつてはミュージアムのガイアメモリと財団Xの投資先の座を争ったことがある。

強化の代償で、マキシマムドライブを受けると普通の人間は大怪我くらいで済むのに対し、彼らは細胞が崩壊を起こして体が砂のように消えてしまう。


大道克己仮面ライダーエターナル
NEVER隊長。ナイフの使い手。「エターナル」のメモリを手に入れ、仮面ライダーエターナルとして風都に侵攻する。
その目的は風都を中心に全人類の意思を無視してNEVERにすること。
他人はもちろん部下すら切り捨てる残虐かつ冷酷非情な男。

決めセリフは「さあ、地獄を楽しみな」

泉京水ルナ・ドーパント
NEVER副隊長。鞭&関節技の使い手。
漢女、いや乙女。もしくは漢の娘。
生体コネクタは眉間。
かつては格闘家であった。
凄まじく強烈なオネエキャラで観客の嫌いじゃないわ!

ちなみに元は関西弁のオラオラ系だったが、「マッチョメンな人とキャラが被る」と、
中の人判断で急遽キャラの性格が変わる事になり、セリフは全てアドリブ

羽原レイカヒート・ドーパント
NEVERの紅一点の格闘派。主に蹴り技を多用し、バイクの腕も一流。死体なので体温がない事を気にしており、指摘されるとキレる。
別の世界では魔法使いの怪人に好意を抱かれていた。
生体コネクタは胸元。

芦原賢トリガー・ドーパント
NEVER隊員。何故かアサルトライフルを持ったスナイパー。
寡黙であり、セリフは「ゲームスタート」が4回と「ゲームオーバー」、「何故邪魔をする?プロフェッサー・マリア」、
死に際の「うぁっ! くぅ…」の7回しかなかった(DC版の「タイムアウト」も含めると8回)。
かつては密かに眠る秘宝を守り抜く眩き冒険者であり、後にブンパッキーと出会い、激突の勇者に転生した
生体コネクタは右掌。

堂本剛三メタル・ドーパント
NEVER隊員。棒術を得意とする暑苦しい裸族。筋肉モリモリのマッチョメン。
かつてはの巨の中の人だったり、XIGの隊員だった。
生体コネクタは背筋。

???サイクロン・ドーパント
要所要所でWを助けるドーパント。
雑誌などの写真ではNEVERのメンバーとともに並んでいる。


【用語】

T2メモリ
タイプツーガイアメモリ。
財団Xが、ミュージアムを抜けたある女性が残したデータを元に完成させた次世代ガイアメモリ。
青白い端子が特徴で、端子の色以外は仮面ライダーが使用する純正メモリと酷似している。
アルファベットA~Zの26種が製作され、財団X本部に運ばれようとしていた。。
通常のメモリのようにドライバーや生体コネクタで使用できる他に、コネクタを介せず人体に侵入することも可能。
また変身者がダメージを受けても自動排出されるのみで、メモリブレイクされない。

そしてガイアメモリ特有の相性の良い相手と引き合う性質もある。

A アクセル エリザベスら女子高生ネットワークで発見した
B バード エリザベスら女子高生ネットワークで発見した
C サイクロン 大道マリアが手にした
D ダミー
E エターナル 大道克己が最初に奪ったため、唯一風都に落ちなかったメモリ
F ファング
G ジーン
H ヒート 羽原レイカが手にした
I アイスエイジ サンタちゃんと引き合い、ひとりでに変身させた
J ジョーカー 翔太郎と引き合い、誰にも気付かれずに鳴海探偵事務所に落ちていた
K キー エリザベスが女子高生ネットワークで発見した
L ルナ 泉京水が手にした
M メタル 港に落下し、堂本剛三が手にした
N ナスカ 一般人の男性と引き合い、ひとりでに変身させた
O オーシャン
P パペティアー
Q クイーン クィーンと引き合い、変身させかけた
R ロケット
S スカル
T トリガー 芦原賢が手にした
U ユニコーン 風麺屋台の屋根に落ちていた
V バイオレンス ウォッチャマンと引き合い、ひとりでに変身させた
W ウェザー 一般人の男性と引き合い、ひとりでに変身させた
X エクストリーム Wが装備しているものとは異なり、純正のガイアメモリの見た目。
Y イエスタデイ
Z ゾーン 瞬間移動の効果を発揮し、メモリを集結させるために使われた


【仮面ライダー】

本編で使用しなかったルナジョーカー、サイクロントリガーのマキシマムドライブを披露*2
ファングは犠牲になったが、白黒紫VS.白黒青は燃える。
最後の怒涛のフォームチェンジラッシュは圧巻。

こちらも本編未使用のMD(通称)轢き逃げアタックを披露。
サブライダーとは思えない程大活躍した。

悩む翔太郎の前に現れ、ロストドライバーを置いていった。
このスカルが何者なのかはW最大の謎の一つ。

大道克己が「永遠の記憶」を宿すエターナルメモリで変身する仮面ライダー。能力無しでもCJXを余裕であしらうほど強い。
単体でなら文句無しにW世界で最強の仮面ライダー。

白い体に∞をモチーフとした黄色の複眼をもち、
コンバットベルトを模した26個のマキシマムスロットとナイフ型の専用武器「エターナルエッジ」を備える(マキシマムスロットは、エターナルエッジのものを含めると27になる)。

エターナルのマキシマムドライブ「エターナルレクイエム」は旧来のメモリを無力化。
効果はメモリを破壊されるか、機能に支障をきたさない限り永遠に続く。


変身できなくなった翔太郎のもとへ、運命に導かれるように集ったロストドライバーとジョーカーのT2メモリで翔太郎が変身した、
平成ライダーの中では珍しい完全な武器無しのステゴロライダー。
初変身シーンは本作屈指の名場面とされており、劇中の大きな見所の1つである。

スペックそのものはダブル本体の半分ほどで、平成ライダーの中でもかなり低い部類に入るのだが、
ジョーカーメモリの特性である「技」の能力が大きく高められている事と、変身者である翔太郎の身体能力がかなり高く、
ジョーカーメモリとの相性がいい為、その後の登場も含めて、敵戦闘では白星が多い。

テレビシリーズ最終回にも登場し、今回は先行登場となった。
TV本編でフィリップ復活から消滅までの一年間の間はジョーカーに変身していたという裏設定が存在する。(『MOVIE大戦MEGAMAX』の劇場パンフレットに記載)、

マキシマムドライブ名はシンプルに「ライダーキック」「ライダーパンチ」となっている。


Wとルナドーパントとの闘いの中、突如現れた謎の仮面ライダー。イケメンで強い。嫌いじゃないわ!
設定が固まっていなかったのか、後に放送されたTV本編での彼と比べるとキャラがおかしい様に感じる人も多いかもしれない。
オーディオコメンタリーではバイト帰りと言われていた。

タカ! トラ! バッタ! タ・ト・バ! タトバ!タ・ト・バ!!

なお、本作の出来事は夏であるが、火野映司がアンクからオーズドライバーを貰ったのは9月なので(携帯電話の日付けから)、本編とは矛盾が生じる。
しかし、後に公開された仮面ライダー×仮面ライダー フォーゼ&オーズMOVIE大戦 MEGAMAXでのオーズは本編時空であるにもかかわらずWとは互いに面識があるので、恐らく本編の世界線でも似た様な出来事が起きていた可能性が高い。(もしくは未来から来たのかもしれない。)
まぁ、特撮(というか、これ以降の平成2期の映画客演でも)のお祭り要素なので、そこまで気にする必要はないだろう。

雑誌媒介用に取られた特写ではW(サイクロンジョーカー)とタッグを組んでルナドーパントと対峙しているものがあった。


  • 仮面ライダーW サイクロンジョーカーゴールドエクストリーム
風都の人々の祈り(ただし、大道の口車に乗せられて最後のT2メモリを求める暴徒と化した面子は除く)と街を吹き抜ける風の力で変身したエクストリームの強化形態であり、「風都を守る正義のヒーロー」すなわち「人間の自由を守る仮面ライダー」の精神を体現した姿。

中央のクリスタルサーバーが金色に変わり、マフラーが6枚に増え「羽根」のように伸びているのが特徴。

必殺技は両足に黄金のエネルギーを纏い、背中の翼で飛翔しながら強力な両足蹴りを叩き込む「ゴールデンエクストリーム」。

「風の力」で変身したため、変身音が初代仮面ライダー「仮面ライダー1号」とそっくり。

一度負け、人々の祈りによって起こった奇跡の変身という点、そしてその変身形態が黄金であるという点は
グリッターティガ、もしくは三条氏が「瑳川竜」名義で原作を務めた「ウルトラマン超闘士激伝」で永遠の命・デルタスターを装備した超闘士ウルトラマンを思わせる。


なお本作の後日談、並びにNEVERの過去についてはVシネマ仮面ライダーダブルRETURNS 仮面ライダーエターナルで明らかになる。
この作品を見ると劇中の克己の言動の重みがかなり増す上に、NEVER達への見方もだいぶ変わるだろう。





さあ、追記・修正を数えろ!

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最終更新:2024年03月31日 23:16

*1 「平成仮面ライダー映画リバイバル上映イベント」のトークイベント曰く、『塚田プロデューサーも、「シュラウドの正体を気にしました。ディレクターズカット版では最後に変なのがあるじゃないですか、監督」と水を向けると、「……ねえ」と監督と顔を見合わせた。「今見ると、やっぱり切って正解だったなと……」と語る塚田プロデューサーに、坂本監督が「とりあえず劇場版はね」と応じる』とのこと

*2 ただしサイクロントリガーはなぜかサイクロンメモリでマキシマムを発動しており、後の作品の『アルティメイタム DC版』でソウルメモリ側のマキシマムドライブが登場したり、風都探偵でトリガーストームボムが登場するまで、演出ミスではないかとも言われていた。