エルドラチーム(ガン×ソード)

登録日:2011/02/20(日) 21:13:23
更新日:2024/02/05 Mon 19:27:50
所要時間:約 8 分で読めます




※推奨BGM:「Previous Notice」

coming next!

もう、自分でも信じられませんでした。

だって、本やお話で聞いたような人が本当にいるなんて!

しかもそれが、ああいう人たちだったなんて……。

ヴァンもずいぶん気に入られてました。

グローリアの町に行ったら、みんな教えてくれますよ。

だって、あの人たち……
どんな物語の登場人物より、かっこよかったんですから。



ep.III

勇者は再び




Turn In next time for more action and adventure!
Are you ready?









正義に生まれ、正義に生きて早60年!

俺たちが真の勇者かどうか…今わかる!

俺たちの武器は!





お楽しみは…





エルドラチームとは、痛快娯楽復讐活劇『ガン×ソード GUN SWORD』に登場するキャラクター。

数十年前に最強のヨロイ・エルドラVを駆って、グローリアの町をザウルス帝国を始めとする悪の手から守り抜いた5人の勇者たち。
現在の惑星エンドレス・イリュージョンにヨロイが少なく、それなりに平穏なのは、かつてエルドラチームが無法者を片っ端から壊滅させたからである。

しかし、平和な時代に勇者は必要ないのが世の常。
今では当時の活躍を信じる者もなく、英雄憚を語る度に住民たちには煙たがられ、すっかりヤケになって酒浸りの日々を過ごす老人たちに過ぎない。
子供の頃エルドラチームに憧れた「マー坊」こと警察署長も彼らを表立って擁護する事はなく、亡き仲間チヅルの孫ユキコだけが唯一の味方だった。

だが、ヴァンとウェンディの来訪が彼らの運命を動かし、燻っていた正義の魂を再び熱く燃え上がらせる。

ヴァンと(一方的に)意気投合する中、彼らと同様に村八分にされ続けた科学者ブッチ博士が町を襲撃。
その魔手がチヅルの残した酒場ピンクアミーゴに迫り、ユキコの叫びが響く時、ヒーローは甦った!


「レッツゴー・エル・ド・ラド!」

「古代合体・エルドラIV(フォー)!!」


不摂生のツケや機体の劣化で窮地に立たされるも、ヴァンの助力を得て見事に町を守り抜き、彼らは再び「勇者」となった。

勇者シリーズをモチーフにした派手な戦闘や合体シーン、非常に濃いキャラクターと熱いストーリーは視聴者にカルト的な人気を得たが、その活躍は誰がどう見ても「スタッフのお遊び」以上のものではなく、エルドラチームも一回限りのゲストキャラだとばかり思われていた……。


しかし、中盤からまさかのレギュラー化を果たす。
これは人気に基づくものではなく、当初からの予定通り。現に谷口監督は「旅の仲間のうち、誰かが欠けたらヴァンは最終目標に辿り着けない」「実際戦闘になったらエルドラがいないと無理」と語っている。
事実、彼らがいなければヴァン一行は間違いなく途中で力尽きていただろう。

カギ爪の男を悪と見なし、ヴァンを(これまた一方的に)後継者と認め、加勢するべく合流した。
仲間に加わってからも昼間から酒ばかり飲んで妙ちきりんな事を言い、人の話を全く聞かず、自機のマニュアルを読む前に紛失、時にはうっかり敵を助けたりもする。
そんなダメダメな爺さんたちだが、本当に大事な時には真面目になり、ここ一番ではヴァンをサポートし、あのレイを何の屈託もなく仲間として扱い、101の軍勢を薙ぎ払う姿はまさに歴戦の勇者だった。

ファサリナから「幸せの時」計画について説明された時も全く理解していなかった彼らだが、「悪の世界征服計画」という意見は意外と的を射ていたので、物事の本質を見抜く力は持っている……はず。

カギ爪の男が倒れ、世界を救った後も彼らはどこかで勇者をしているに違いない。
きっと新聞記者に自慢の弟子の事そっちのけで正義を語っているだろう。ビール片手に……。


谷口監督によれば、『ガン×ソード』におけるヒーローの定義とは「他人から『こいつはヒーローだ』と認められて成立するもの」であり、『ガン×ソード』とはウェンディが自分にとってのヒーローとしてヴァンを見出す物語でもあるという。
次回予告がウェンディの述懐として語られ、最終回予告が「だからあの人は、今でも私にとって世界一のヒーローなんです」という一語で〆られるのはそのため。
一見ヒーロー然としていないヴァンが、のべ26話をかけて、ウェンディにとってのヒーローとなるわけである。

エルドラチームはそのテーマをより分かりやすくするために、上述のヒーロー像と対比される存在。
要するに「世間一般のヒーロー像に則って動く者」「自分で言い聞かせているヒーロー」「自己完結していて周りが見えていない」というポジションであるらしい。
その役割でもってヴァンを照らすために、彼らの出番は最序盤の3話に持ってこられた。
番組が始まって早々にブッ飛んだギャグ・パロディをかましたエルドラチームであるが、その裏には深遠なテーマが込められていたのだった。
そんな彼らも、町を救い人々に認められる事で、名実共に(視聴者を含む)「みんな」にとってのヒーローになったはずであろう。


【メンバー】

ネロ

声:佐藤正治
戦闘機グランヘッダーのパイロット。エルドラチームの自称リーダー。
年老いても若き日の熱血っぷりは健在だが、中年太りで腹が飛び出し、しかも当初はアル中気味だった。
エルドラ搭乗時には技の発動を担当。
「誰に遠慮がいるもんか!救ってしまおう、世界を!我々の手で!!」


ホセ

声:清川元夢
鳥型メカ・ボディガンダーのパイロット。
若い頃はクールな美形で、ネロとはライバルとしてよく喧嘩していた。
現在ではネロと似たもの同士な直情型の熱血漢と化している。
エルドラ搭乗時には手足の操作を担当。
「まともに戦ってこそ正義!」


バリヨ

声:宝亀克寿
爆撃機パワーハンダーのパイロット。
大柄だが寡黙な読書家。
熱血揃いのエルドラチームでは、比較的物静かで常識的。
カルロスの面倒を見るのは彼の役目である。
エルドラ搭乗時には動力・エネルギーの管理を担当。
「食え。タコスは身体に良い」


カルロス

声:田口昴、島田敏(スパロボ)
戦車ナイスフッターのパイロット。
エルドラチーム最年少で、情報解析を得意とする頭脳派。
猪突猛進なチームのブレーン的な存在で「秘密兵器」と称される。
過去の激戦の影響で四六時中寝ており、戦闘中でもそれは変わらず。
しかし、勇者の闘志が折れかけた時、眠れる獅子は目を覚ます……。
「はじめまして、カルロスです」


チヅル・スティーブンス

声:雪野五月
鳥型サポートメカ・ピンクアミーゴのパイロット。
非常に美人だが気性がとても激しく、喧嘩も酒もチームで一番強い女傑だったらしい。
メンバー全員から惚れられていたが、別の男性と結婚してしまった。
物語開始時点で既に故人。だが、彼女の魂は今も愛機と共にある。
名前の元ネタは恐らくコン・バトラーV。
生前を描いたドラマCDではネロのように武勇伝を子守唄代わりとして孫娘ユキコに語っている話があるのだが、語り出したら止まらず、別の話にまで風呂敷を広げてしまう4人以上に熱い性格だった事がわかる内容となっている。幼いユキコは困っていたようだが…。
「ん~、じゃあ次は『エルドラV暁に死す』の巻よ!」


ユキコ・スティーブンス

声:雪野五月
グローリアの酒場ピンクアミーゴを一人で切り盛りする若き店主。
両親を早くに亡くし祖母チヅルに育てられたが、やがて彼女とも死別し店を受け継ぐ。
何かと店で騒ぎを起こすエルドラチームにも嫌な顔一つせず優しく接していた。元々性格も良いのもあるがおそらくドラマCD内容を見る限り祖母で慣れたのだろう。
外の世界へ興味を抱き、またエルドラチームを放っておけずヴァンたちに合流する。
祖母と瓜二つだが性格は真逆で心優しく母性的な女性。しかし、時折見せる勇気や芯の強さは紛れもなく祖母譲り。
彼女の言葉はラングレン兄弟にも大きな影響を与えた。
エルドラチームではないが、OP・ED共にセットとして扱われる。
「みんな思惑はバラバラでも目的のためにまとまって……だから私もやれる事するの」



【搭乗機】

●古代合体エルドラV(ファイブ)

エンドレス・イリュージョンの人間がオリジナル7に触発されて開発したレプリカヨロイの一つ。
レプリカの中でもカギ爪の男の組織による技術革新以前では最強の機体。
非常に珍しい合体システムが採用され、5機のマシンが変形合体して格闘戦用の人型ヨロイになる。
グランヘッダーが頭、ボディガンダーが胴体、パワーハンダーが両腕、ナイスフッターが下半身、そしてピンクアミーゴが背面の翼を構成。
合体すると各機の操縦席が集合し、大型コクピットスペースにパイロットたちが集合する形になる。

ピンクアミーゴを除く4機のみでの合体状態は「エルドラIV(フォー)」と呼ばれ、人型であるためこのままでも戦えはするが、V時に比べると大幅に出力が低下しており、必殺技も使えない。
作中で遂に5機が完全合体した際にフェイスマスクが付くと同時にボディの色も鮮やかに変わったが、これは別に装甲がフェイズシフトしてたりとかではなく、長年ロクに整備もしないままほったらかしにされて溜まっていたヨゴレや埃が熱で剝がれただけである。
というか出撃の際には単に出撃しようとしただけで格納庫の設備がボロボロと自壊しており、どれだけ長い間手入れしていなかったかが窺える(これでよく機体のほうは問題なく動いたものである)。

レプリカ故二足歩行は出来ず脚部のローラーで移動するがものすごくアクティブ。
武装は胸部のボディガンダーがらミサイルを放つ「ボンバディーロ」、手首の装甲をナックルガードにし白熱化させた状態で拳を叩きこむ「エルドラフィスト」、そして白熱化させ莫大なエネルギーを纏った拳を叩きこむ「エルドラVアルティメット」がある。
特にエルドラVアルティメットはフルパワーでは放てば片手でもブッチのヨロイ・バッドローズを木端微塵に吹き飛ばすほどの威力を発揮する。

劇中で披露されずに終わった最大の必殺技は「エル・インフェルノ・イ・シエロ」
スペイン語で「地獄と天国」を意味し、白熱化した両手を相手に叩き込む技。
ゲム・ギル・ガン・ゴー・グフォ……あ、あれ?
そして、決めポーズにはキングジェイダーが一部使われている。


●鉄拳制裁エルドラソウル

改心したブッチ博士の協力を得て強化改修されたエルドラV。
Vと外見的な変化は少ないが、合体機構がオミットされた代わりにオリジナルに用いられているのと同じG-ER流体を本格導入(一応、バッドローズにも使われてはいた)。
これによりレプリカヨロイとしては初の二足歩行が可能となった。
また、左腕には流体で構成された円盾「エルドラブロック」が追加されている。
ただし、合体システムを排除した事はエルドラチームには不評。
全体的な内部構造も最新鋭化され、大幅な軽量化が施されている。
相変わらずパワーも桁外れで、新動力機関「ブッチエンジン」を稼働させたフルパワー状態ならダンやヴォルケインでも手こずったドラクルを正面から真っ二つに引き裂くほど。
背部にエネルギータンクが二つ設置されていて、これを交換する事で即座にエネルギーを回復できる。
当初はエルドラチームの趣味でエルドラVと同じように塗装されていたが、フルパワーを出した結果熱で塗料が剥がれて黄金の地色が露出
今度はトリコロールカラーに塗りなおそうとしたが、時間がなかったので以後そのままにされた。

凄まじいパワーを誇る名実共にレプリカ最強の機体となったが、ただでさえ消費電力が多い流体制御システムを採用したうえにパイロットが基本的に後先考えず戦うので燃費が激しいのが玉に瑕。 



【スパロボにて】

スーパーロボット大戦K

各参戦作品の主人公機以外での最強候補。
師弟合体技「弾丸エルドラダン」を持ち、バリアも完備。
火力は高い、硬い、使いやすいの三拍子。
最大の欠点は改造しても強化パーツを付けてもボーナスを付けても

エネルギーが足りない、少しだけ足りない!

ゴウバインからは尊敬され、彼らもヴァンに次ぐ弟子として目をかけていた(なんと専用の特殊台詞も存在)。
終盤の竜宮島ルートでは、ファフナーに乗る若者達が次々と死んでいく状況を嘆き、彼らのためにも戦い続けると決意を固める。
その姿は哀しく、そして熱い。


スーパーロボット大戦T

中盤からの登場だが、条件を果たしてシークレットシナリオをクリアすれば序盤から参戦する。
今作のエルドラソウルは武装が2つに減ってしまい、合体技はおろかバリアが削られてしまったので大幅に弱体化してしまった。
しかしそれでもなお性能は高く、エルドラアタッケの破壊力はガオガイガーのヘル・アンド・ヘヴンに匹敵する。
移動力が低い、特殊能力無し、宇宙適応Bのくせに早期参戦の初戦が宇宙戦、エルドラアタッケが空B、やっぱり燃費が悪いなどの欠点があるものの、そこは勇気でフォローしよう。
シナリオでは破格の扱いを受けており、なんと物語の始まる30年前から地球と火星の平和を守り続けてきた勇者という設定になっている*1
GGG大河長官や火麻参謀長舞人の祖父・裕次郎とは戦友であり、また鉄也とは10年前のミケーネとの戦いで共に戦ってきた間柄である。
あの東方不敗の本名も知っており何度もぶつかり合っていたとか。
ブラックの師匠役として彼に勇者の心得を片っ端から教えており、そのため彼から師匠と呼ばれ、尊敬されている。

そう、彼らは今も現役バリバリで戦う正真正銘の勇者なのである(ネロいわく「あと20年は戦える」との事)。

そんなエルドラチームの扱いの大きさの陰でエルドラVはエルドラIVに出番を全部取られて名前しか出てこないというまさかにもほどがある扱いを受けていた。*2

スーパーロボット大戦30

上記『T』と同じく火星で活躍している現役の勇者として参戦。
チーム編成などの元ネタとされる『コンバトラーV』とは、知り合いである南原博士がコンバトラー開発の際にアドバイザーとして招いていたという設定で絡みが用意されている他、「V」繋がりで『Vガンダム』も絡めてのクロスオーバーも見られる。
他にも冴島総監や御三家の主役トリオなど10年前から戦っているメンバーを始め、『T』で好評だった交友関係ネタが更に拡大している。
30年前に当時のワンオフのロボット達が立場を超えて共に戦った『スーパーロボット大戦』が起きたとされる世界なので、
多分この人たちはその時もエルドラVと共に暴れ回っていたんだろう。

機体は最初からエルドラソウル状態で参戦。
武装が増えたりエルドラブロッケがシールド扱いになったりとマイナーチェンジしているが、短射程と高燃費の「らしい」仕様は相変わらず。
とはいえ本作では優秀な強化パーツが集まりやすいため補填は容易。




「闇の中こそ正義が光る!」

「微かな灯火勇気にくべて」

「燃やせ!漢の大往生!」

「正義とキック、勇気とパンチがアミーゴだ!」

「みんなのために帰ってきたぞ」

「受けよ、無敵のこのパワー!」

「追記!」

「修正!」


!!


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最終更新:2024年02月05日 19:27

*1 スパロボTでは『ガン×ソード』の登場人物は火星開拓移民の子孫という設定。

*2 今回、エルドラチームは初登場時「最近火星で暗躍しているテロリストの噂を聞いて現役復帰し、グローリアの町から旅立っていた」という設定なので乗り手のいないピンクアミーゴは置きっぱなしになっていた。それでもガタが来かかっていた割にはピッカピカのエルドラIVでブラウニーと共に大暴れしていた模様。