百物語

登録日 :2011/07/20(水) 20:55:21
更新日 : 2017/08/04 Fri 12:30:46
所要時間 :約 4 分で読めます




「夏ですよ……お客さん、何処から迷い込んで来たんでしょうねぇ。あまり見ない服装ですし。

疲れていらっしゃいますね、ちょっとここで私と話し込んでは如何でしょう?」

「それじゃあ少し…」








注意:この項目を閲覧する際、怖い話が苦手な方は注意して下さい。










百物語とは日本で怪談を語る際に用いられる一つの体系である。

百物語は 百語る 事に意味があり、百話を話し終えると 本物の妖怪 が出るとされている。
起源は不明である。




「さて、お客さん今日は新月の夜ですので、怪談話でも聞かせてはくれませんかね?
本当は数人いたらいいのですが、今回は私も入りましょう」


「場所はここでですか?」
「えぇ、場所はここで構いませんよ、私の家ですからね。
ここを含めて3間の部屋があるのですが、ここから一例に奥に向かって2間あります。
本当は鉤形に部屋があるといいのですが、まぁ構いませんよ。
私達のいるこの部屋は無灯でなければいけません。
隣の部屋も無灯にしてきます」




「さてさて、一番奥の部屋に百の灯心を備えた行灯と、机の上に鏡を置いてきました。行灯には青い紙が張っているので剥がさないで下さいよ。
ささ、この青い甚平を着て下さい。
順に語りますが、怪談話を語り終える度に隣の部屋を通って奥の部屋に行って下さい。
そこで灯心を一本引いて消し、自分の顔を鏡で見て此方に戻って来て下さい。妖が出る怪談話ではなく、所謂不思議話・因縁話などで構いませんよ。

百話を語り終え、灯心がすべて引き抜かれ、闇が訪れた時に、何かの怪が現れるとされています」
「ひひひ。九五の話を語り終えましたが、覚悟は良いでしょうかぁ?
全然話さないそちらのお連れの方も最後くらい話しませんかね?」

「それじゃあ最後の五つは僕が話します」

[おやおや、良い心意気です。
でも大丈夫、貴方が話すのは四つです。最後は私が話しましょう]

「それじゃあ一つ目を。
ある日僕が山の上にある神社にお参りに行くと、途中でお爺さんとすれ違い、人の良さそうな笑顔で挨拶をされたので挨拶を返しました。
一度振り返って確認したんですが、お爺さんは途中で曲がってそのまま歩いて行きました。

お参りも終えて、お爺さんとすれ違った場所に差し掛かりお爺さんの曲がった方を見ると、道が無かったのです。それじゃあお爺さんは何処へ…」
「―――これで三つ目が終わりました。
次が僕の最後の話です。
これは友人達と旅行に行った際の話ですが、有名な観光地の海に行きました。
途中で道を聞いたおじさんに「波が高いから気を付けろ、死んだ人も沢山いるから」と言われたんですが、海に着くと余りに綺麗だったので忘れていました。
暫くしてホテルに戻ると、開けていた筈の窓が閉まり、付けたままの電気が消えていました。
その時は偶然だろうと思っていたのですが、晩ご飯の時に友人の一人が手に持っている物を見て寒気がしました。
友人は石を持っていたのですが、それは先程の海で拾ったとの事。それから急いで捨てにいきました。
水辺の石は持って帰るなと祖母に言われたのを改めて実感しました」

「皆さんいい話を持っていますね。
それじゃあこれで最後ですが準備はいいですか?

最後の話をしましょう。
私の住むこの町に伝わる伝承ですが、夜に寝る際に、右手に白い紙を握り、左手に黒い紙を握って寝ると寝てる間のみ極楽へ迷い込めるそうです、
紙を逆の手に握り締めて寝ると、地獄へ迷い込んでしまうそうですが。

死んでしまうと帰る事はできません。
これで終わりです。さて、灯心を抜いてきましょう」







「抜いて来ましたので、もうすぐ妖が現れるでしょう。

ほら、この音が聞こえますか?


もう、そこにいますよ……貴方の後ろに」




注意:妖怪が現れます



追記・修正は百物語を百語ってからお願いします。

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